デュエル・マスターズ

メニュー
商品情報

DMGP6th 3位決定戦:ローソンスマイル天神 vs. ヤクザブラザーズ


正直なところ、3位決定戦のカバレージを執るのは筆者にとっては非常に荷が重い。
なぜならグランプリの準決勝には、誰もが憧れる全国大会への切符が懸かっているのだから。

競技プレイヤーとして、彼らの気持ちがよく分かる筆者は苦悩していた。
準決勝で惜しくも敗れてしまった彼らに、なんて声を掛ければいいのだろう。
事実、先にフィーチャーエリアへ現れたヤクザブラザーズの雰囲気はどことなく重たかった。そんな中でも質問に快く答えてくれたゆうせいには、この場を借りてお礼したい。

そんなことを考えていたからこそ、ローソンスマイル天神やくしーの一言を聞き、思わず感嘆してしまった。

やくしー「絶対自分たちよりも調整していた人に負けたけん、納得はしてる」

聞き慣れない九州弁で観戦席の仲間にそう語るやくしー。他のメンバーの表情も同様に晴れやか。
この場でも相手へのリスペクトを忘れないこの発言で、間違いなく場の雰囲気は変わった。

予選8回戦、準決勝までで5回戦の長丁場をこなした彼ら。
本日14回目のデュエルを前に、口軽くやくしーがこう語る。

やくしー「疲れたー、早く帰って酒飲みてえ!」

そうだ、これは6回目のデュエマの祭典 グランプリ。
デュエマ公式初の大型チーム戦。苦楽を共にした仲間と一緒の、本日最後のデュエル。

最後にしっかり決めて、勝利の美酒に酔いしれたい。

ローソンスマイル天神
A卓:xk
B卓:
C卓:やくしー

ヤクザブラザーズ
A卓:chaser
B卓:hiroyasu
C卓:ゆうせい

C卓:やくしー vs. ゆうせい:Game 1

【先攻:ゆうせい】
ゆうせいの《》セットで一瞬驚くやくしー。気を取り直して《堕魔 ヴァイシング》セット。やくしーのデッキは『黒単デ・スザーク』だろう。
ゆうせいは青マナのみのマナから《月光電人オボロカゲロウ》。1枚の手札入れ替えしか行えず、手札が芳しくない模様。
その隙にやくしーは《一番隊 バギン16号》と上々の立ち上がり。

《プラチナ・ワルスラS》などの強力なアクションが欲しい、ゆうせいの3ターン目。
だが《熱湯グレンニャー》セットエンド。《一番隊 バギン16号》を召喚したやくしーとの差は明白。
やくしーは畳みかけるように《堕魔 グリペイジ》《》を抜き取り、《》《月光電人オボロカゲロウ》を破壊。

ゆうせいは何もできずチャージエンド。
ここまで思うように動けなかったゆうせいに対し、やくしーはゲームの趨勢を決定づける動き。
《堕魔 ヴォガイガ》を召喚、《堕魔 グリギャン》を回収し、そのまま出しながら《卍 デ・スザーク 卍》
あとは、語ることは多くない。この《卍 デ・スザーク 卍》がゲームを支配し続ける。
《Dの牢閣 メメント守神宮》《ドープ DBL ボーダー》のコンボで戦況を変えようと試みるゆうせいだが、《無明夜叉羅ムカデ 》に破壊され失敗に終わる。

《爆霊魔 タイガニトロ》まで追加したやくしーの魔導具の軍勢たちが、ゆうせいの勝ち筋を潰しながら、ゆっくりと制圧。
最終的に《超次元リバイヴ・ホール》から《勝利のガイアール・カイザー》を追加し、ゆうせいにリソースを与えないまま削りきった。

やくしー 1-0 ゆうせい


1ゲーム目でその強さを発揮できなかったが、ゆうせいのデッキは『赤青白ドギラゴン剣』。
全国大会でdottoが『赤青ドギラゴン剣』に採用した《Dの牢閣 メメント守神宮》をより使いやすく、また受けを堅牢なものにすべく《閃光の守護者ホーリー》をさらに4枚採用。

それらタップトリガーと相性がいい《ドープ DBL ボーダー》がこのデッキのキーカード。《蒼き団長 ドギラゴン剣》を絡めなくともカウンターパンチでゲームを終わらせることができる。
『赤青ドギラゴン剣』の派生型であるため、《プラチナ・ワルスラS》によりデッキの回転率も良好。

総じてdottoが使用していたころの『赤青ドギラゴン剣』よりも動きの幅が広がったデッキと言えるだろう。
事実、ゆうせい並びにチーム「ヤクザブラザーズ」をここまで導く原動力となった。

が、ここにきてやくしー独自の理論で組み上がった『黒単デ・スザーク』が立ちはだかる。


C卓:やくしー vs. ゆうせい:Game 2

【先攻:ゆうせい】

2ターン目《月光電人オボロカゲロウ》でゲームスタート。マナゾーンには2色で2枚入れ替え。
やくしーは再び《一番隊 バギン16号》で迎え撃つ。そして、ゆうせいは《熱湯グレンニャー》、やくしーは《堕魔 ヴォガイガ》で墓地を充実させる。
その後、ゆうせいは≪「本日のラッキーナンバー!」≫で8を宣言。
《卍 デ・スザーク 卍》が降り立つターンを1ターン伸ばすことで、《“龍装”チュリス》《蒼き団長 ドギラゴン剣》のセットを揃える時間を作る、という目論見だろう。

が、それだけでは2軽減を獲得したやくしーを止めるに至らず。
やくしーは1マナ《堕魔 グリギャン》、2マナ《堕魔 ヴォーミラ》《堕魔 ヴォーミラ》効果で墓地から《》
そして制約のかかっていない7コストの《無明夜叉羅ムカデ 》が無月の門から呼び出される。《月光電人オボロカゲロウ》《熱湯グレンニャー》を破壊。

絶体絶命のゆうせい、《月光電人オボロカゲロウ》により手札を4枚入れ替える……が、そこに回答はない。
《堕魔 ヴォガイガ》《》《卍 デ・スザーク 卍》が降り立つ。《無明夜叉羅ムカデ 》効果を絡めながら小型クリーチャーでシールドを2枚ブレイク。

ゆうせいは《勝利のアパッチ・ウララー》を召喚するものの、超次元ゾーンにこの盤面を打開するカードは無く。
そのまま魔導具たちがゆうせいを押し潰し、チーム「ローソンスマイル天神」が1本を先取。

やくしー 2-0 ゆうせい


A卓:xk vs. chaser:Game 2


この時点でA卓はGame 2の終盤、chaserの《ヴォルグ・サンダー》がxkのデッキを削りきり、1本取り返したところであった。

xk 1-1 chaser
xkが勝てばそのまま勝利、chaserが勝てばB卓にバトンを繋げることができる。
運命の3本目へ。

A卓:xk vs. chaser:Game 3

【先攻:xk】
xkの操るデッキは『アナカラーシャコガイル』で、まずは《怒流牙 サイゾウミスト》をセット。
対するchaserは『ドロマーハンデス』。本日最後のデュエルにして、2ターン目から淀みない動きを見せる。
2ターン目に≪ジェニコの知らない世界≫でハンデス、3ターン目には《黙示護聖ファル・ピエロ》でそのまま回収。
xkの初動《フェアリー・シャワー》に対して《》《特攻人形ジェニー》とハンデス。

ハンデスの嵐を浴びたxkはノーチャージ《電脳鎧冑アナリス》1ブーストで極力手札を使わないようにする……のだが。
虎の子の1枚が《特攻人形ジェニー》で落とされる。これでxkの行動はトップデッキ頼りになってしまった。

トップしたのは《フェアリー・シャワー》。マナを伸ばすもののchaserにとって脅威となる動きではない。
それはchaserの『ドロマーハンデス』にとって核であるこのカードをキャストする隙を見せたも同義。
《龍装艦 ゴクガ・ロイザー》! 出たときの効果で2ドロー。
呪文アンタッチャブル能力で『アナカラーシャコガイル』では対処しづらい凶悪兵器。ひとたび動き出せばゲームが終わりかねない。

xkは一旦ドローゴー。これを見たchaserは《Dの博才 サイバーダイス・ベガス》でリソースの拡充を図る。
xkも《Dの博才 サイバーダイス・ベガス》貼り換えで難を逃れようとするが、リソースに余裕があるchaserはさらに《Dの博才 サイバーダイス・ベガス》貼り換え。xkの逆転の芽が少しずつ摘まれていく。

が、ここでxkは《ロスト・ソウル》
これでしばらくは時間を作れる。chaserがもたついている間にトップから強いカードを引きたいところ。


が、その願いが先に成就したのはchaserのほうだった。
値千金のトップ《超次元リバイヴ・ホール》
眠りについていた《龍装艦 ゴクガ・ロイザー》、ついに起動。《激天下!シャチホコ・カイザー》《ヴォルグ・サンダー》を一気に展開。

さらに回収した《》
ツインパクトカードの強みがここで存分に発揮される。クリーチャーとして《超次元リバイヴ・ホール》の回収対象となり、呪文として《龍装艦 ゴクガ・ロイザー》の対象を受ける。
使い回しが効く2コストの《スケルトン・バイス》がxkの《怒流牙 サイゾウミスト》《超次元ガロウズ・ホール》という強力カードを叩き落す。
xkは《電脳鎧冑アナリス》でドローエンドと弱い動き。chaserの独壇場は終わらない。

《激天下!シャチホコ・カイザー》《黙示護聖ファル・ピエロ》《超次元リバイヴ・ホール》回収。
そのまま《龍装艦 ゴクガ・ロイザー》で倍増しになった《超次元リバイヴ・ホール》が、2体の《ヴォルグ・サンダー》を呼び出す!

2回の《ヴォルグ・サンダー》を食らってもまだ余裕があったxkのデッキも、3回目でついに限界。
ボトム10枚ほどに呪文が固まってしまい、そのままデッキアウト。
チーム「ヤクザブラザーズ」が1本取り返し、勝負の行方は3本目に突入しているB卓へと委ねられた。

xk 1-2 chaser


B卓:棗 vs. hiroyasu:Game 3

棗の『アナカラーシャコガイル』とhiroyasuの『黒単デ・スザーク』の対戦も3本目の終盤戦。

お互いに死力を尽くした3本目。
勝負の行方はこのカードに委ねられることになった。

口火を切ったのはhiroyasu。

10マナ目に達したhiroyasu、何もいない盤面から《》、そして《復活の祈祷師ザビ・ミラ》
棗のデッキは残り5枚。『アナカラーシャコガイル』の呪文比率ならゲームを決めかねない。
運命の《ヴォルグ・サンダー》の結果は……


無情。2枚しか削れず。
hiroyasu、苦渋の表情でターンを返す。

が、苦しいのは棗も同様だった。
なんとその手札には《怒流牙 サイゾウミスト》《水上第九院 シャコガイル》も無い。
そして、《ヴォルグ・サンダー》で落ちた2枚の中には《水上第九院 シャコガイル》

そう、棗も絶体絶命だった。
回答を求め《怒流牙 佐助の超人》でギリギリの1ドローを進めるが、そこにデッキ回復カードはない。

一縷の望みを賭けて《龍素記号Sr スペルサイクリカ》《超次元ガロウズ・ホール》
相手のデッキは5枚、そしてデッキの中身がほぼクリーチャーで固められた『黒単デ・スザーク』。
これがドラマなら《超次元リバイヴ・ホール》《魔天降臨》を含む4枚のカードが落ちてくれるところだろうが……

果たして、3位となったのはチーム「ヤクザブラザーズ」!!

棗 1-2 hiroyasu


試合終了後、両チームともに自慢のデッキを広げる。
chaserの《龍装艦 ゴクガ・ロイザー》ハンデス、テンプレでは多く積まれている《堕魔 ドゥポイズ》を減らしたやくしーの『デ・スザーク』など、この日のための創意工夫がフィーチャーテーブル一面に。

確かに準決勝で敗れてしまった。
だけれど死力は尽くしたし悔いはない。

負けてしまった、けれども堂々の4位となった「ローソンスマイル天神」。
そして、最初は少し暗かった「ヤクザブラザーズ」の表情は、間違いなく晴れやかなものだった。

WINNER:ヤクザブラザーズ
PAGE TOP

TM and © 2024, Wizards of the Coast, Shogakukan, WHC, ShoPro, TV TOKYO © TOMY