超CSⅣ福岡 Round 6:ぎゃる男 vs. とーま
ライター:金子 幹
撮影者:後長 京介
ここに至ると、ジャッジによってフィーチャーテーブルへ案内される選手も鬼気たる表情を見せているのはきっと気のせいではないだろう。
Round6で戦う両者は面と向かい合い、粛々と準備を進める。
はるばる沖縄からこの超CSに臨んだとーまに対するのは、中国・四国地方を中心に名を馳せるぎゃる男。
とーまの使用デッキは【ガイアハザード退化】。1回戦でフィーチャーされたあーくんも使用した、アーキキタイプとして成立したのは最近ながらも、そのパワフルさから一気に研究が進み、もはやメジャーとなったの1つだ。
対峙するぎゃる男が選択したのは【光水闇墓地退化】。こちらも退化デッキとしてはDMRP-21発売以降第一線級の活躍をしているデッキタイプとなる。
Game
じゃんけんによって先攻はとーまに決まる。そして序盤から劇的な動きを見せたのもまたとーまだ。
2ターン目の《禁断英雄 モモキングダムX》、進化元は当然《自然の四君子 ガイアハザード》。
更に3ターン目には《生魂転霊》で一気に5マナまでジャンプ…したうえで《禁断英雄 モモキングダムX》が剥がれた《自然の四君子 ガイアハザード》が最速降臨を果たす。
いわゆる理想の動きをされていても、百戦錬磨の猛者であるぎゃる男のプレイは冷静だった。
2ターン目に《氷牙レオポル・ディーネ公 / エマージェンシー・タイフーン》の呪文面を唱えて《∞龍 ゲンムエンペラー》を捨てると3ターン目に《死神術士デスマーチ》をあえてプレイすることで進化元と共に2マナ加速し、とーまに追いつく。
しかし、とーまはその返しにぎゃる男に追いつかせまいとばかりに《闘争と成長の決断》でさらに2マナ加速。
これにはぎゃる男も苦い顔を示し、しきりにマナの枚数を確認。徹底してとーまのマナ加速に追駆する構えを見せる。
続くとーまは更に5ターン目に《絶望と反魂と滅殺の決断》を唱え、ぎゃる男の手札リソースを奪う。
一刻でも早くクリーチャーを場に送り出す隙を作りださなければならないぎゃる男は《死神術士デスマーチ》をマナに置き、更に《白騎士の精霊HEAVEN・キッド》を召喚。これも《自然の四君子 ガイアハザード》の置換能力でマナへ。
この時点でとーまのマナは9。ぎゃる男のマナは8。
しかし、とーまは攻め手をゆるめない。
前ターンに唱えた《絶望と反魂と滅殺の決断》でハンデスと蘇生のモードを選択。
《禁断英雄 モモキングダムX》を蘇生し、ぎゃる男の数少ないハンドを刈り取る。
更に7ターン目には《生魂転霊》を唱えることで2体目の《自然の四君子 ガイアハザード》が場に出てしまう。
ここまで冷静沈着なプレイを努めていたぎゃる男も思わず一言漏らした。
「…厳しいな」
ぎゃる男は引いたカードをそのままマナに置き、迎えるとーまの8ターン目。
この時点でとーま14マナ、対してぎゃる男のマナは10。
とーま自身も互いのマナを確認しながら1体目の《自然の四君子 ガイアハザード》でぎゃる男のシールド5枚全てに襲い掛かる。
祈るように5枚のシールドを確認。
すると………
「!?」
一縷の光明を見出したぎゃる男。
なんと割られたシールド5枚の中身は《サイバー・チューン》、《終末の時計 ザ・クロック》2枚、そして《ヴィオラの黒像》2枚のオールS・トリガー!?
ジャッジにクリーチャー、呪文、タマシードのトリガー処理の順序を確認しつつ、1枚ずつ慎重にキャストするぎゃる男。
1枚目《サイバー・チューン》。
返しのターンの手札を整え、2枚目、3枚目の《終末の時計 ザ・クロック》は処理順の関係上とーまの《自然の四君子 ガイアハザード》の能力で即座にマナへ。
そして4枚目、5枚目の《ヴィオラの黒像》が2体の《自然の四君子 ガイアハザード》を叩き割る!
こうして《自然の四君子 ガイアハザード》のロックはとうとう無くなった。
これには圧倒的優位に立っていたとーまの顔にも焦りの表情が見える。
そして最後の《ヴィオラの黒像》の蘇生処理、盤面を確認し《終末の時計 ザ・クロック》を出そうとするぎゃる男。
ターンが回ってきさえすればまだ目があると《終末の時計 ザ・クロック》をバトルゾーンに出そうとした瞬間……その瞬間だった。
「こちらで制限時間終了です」
ジャッジから制限時間のコールが宣言される。
最後のぎゃる男のプレイは《終末の時計 ザ・クロック》の処理を終えるまでに至らなかったため、制限時間終了時点ではあくまでとーまのターン。
このまま《終末の時計 ザ・クロック》の処理を解決しターンが終了すればそのまま両者敗北。
数秒の沈黙。盤面、手札、墓地を幾度となく確認し、ぎゃる男はジャッジにターン終了時の処理を聞き返す。
しかして、最後にぎゃる男がとった選択は
ぎゃる男「……投了します」
Winner: とーま
それはあまりにも無情な刻限。
ぎゃる男は予選最終ステージに全ての望みを賭け席を立った。
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