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金沢超CSⅡ Round 1:真瞳術チャンプ vs. saot

 デュエル・マスターズ超CSⅡ2018金沢カバレージへようこそ!

 猛暑の最中にも日本海からの涼風が感じられる石川県産業展示館に、1200名超ものデュエマプレイヤーたちが集まった。

 予選はスイスドロー7回戦。そこから上位128名のプレイヤーが決勝トーナメントに進出する。はたして夏の覇者は誰になるのか!?

 早速第1回戦のフィーチャーマッチをお送りしていこう。

 場内アナウンスで響いた名前は、8月11日現在DMPランキングにおいて全国21位。地元石川県1位の真瞳術チャンプ選手。昨年の全国大会のエリア代表決定戦北陸大会ではベスト16で惜しくも敗退となったものの、今シーズンに入ってからはなんと5回ものCSで優勝している強豪だ。

 一方の対戦相手、京都から来たというsaot選手は久しぶりのCS出場とのことだが、ジャイアントキリングを達成できるか。

 対戦前に互いのデッキをシャッフルする2人は、開幕からフィーチャーマッチに呼ばれたということもあってか緊張が隠せない様子。

 それでも大事な初戦を白星で飾るべく、ゲームを開始する。


 対戦開始時、先攻のsaot選手は《》に4枚の封印を置く。そしてゲームが開始すると、マナゾーンにチャージしたのはS・トリガー、《禁断V キザム》

 赤黒ドルマゲドン。革命ファイナル環境より受けの強さと切り返しの速さで活躍を続けてきたデッキだが、環境が高速化してループ系のデッキが下火になってきている昨今のメタゲームに合致していることもあり、最近特に大幅に勢力を伸ばしてきている。おそらくsaot選手も、トップメタであるジョーカーズやバスター系の攻めに対して十分受けることが可能なデッキとして選択したのだろう。

 だが、対する後攻の真瞳術チャンプ選手がチャージしたのは《Dの博才 サイバーダイス・ベガス》。ここのところ活躍の機会が減ってきているとはいえ、ドロマーハンデスやアナカラーシャコガイルなどでよく見るカードではある。となると、コントロール系のデッキか。だがそれにしては、超次元ゾーンに見えている4枚の《ヴォルグ・サンダー》があまりにも不気味だ。


 2ターン目にはsaot選手が《威牙の幻ハンゾウ》を、真瞳術チャンプ選手が《デモンズ・ライト》をチャージ。真瞳術チャンプ選手のデッキは、まだわからない。

 それでも、少なくとも相手がシールドを割ってくる気配を見せない以上、いずれにせよ自分から攻める側に立つしかないsaot選手は、《ボーンおどり・チャージャー》をチャージしつつ《リロード・チャージャー》を唱え、《終断Δ ドルハカバ》を墓地に埋める。

 返すターン、真瞳術チャンプ選手のデッキがついにそのヴェールを脱いだ。2枚目の《Dの博才 サイバーダイス・ベガス》をマナゾーンに埋めながら唱えたのは《サイバー・チューン》《阿修羅サソリムカデ》《凶鬼07号 ジャバランガ》が墓地に送り込まれる。



 ジャバランガループ。ひとたび墓地にコンボパーツが揃ってしまえば、あとはS・トリガーを持つ《戒王の封》を唱えて《阿修羅サソリムカデ》を墓地から呼び出すだけで (手順さえ間違えなければ) コンボが決まる環境随一のループコンボを、真瞳術チャンプ選手はこの高速環境においてあえて持ち込んできた。赤黒ドルマゲドンやデ・スザークといった受けるデッキの台頭を読んでのことだろう。そしてその読みは、この超CSⅡの初戦で見事に的中したのだ。

 こうなるとsaot選手にできることは一つしかない。それは、真瞳術チャンプ選手が《戒王の封》を素打ちできる6マナに到達する前に殴りきることだ。《ボーンおどり・チャージャー》をチャージしつつ《終断Δ ドルハカバ》を墓地から召喚したsaot選手は、《》の封印を1枚剥がしつつ、シールドにアタックするときに手札から《S級不死 デッドゾーン》を「侵略」で重ね、T・ブレイクで攻めたてる。

 3枚の中にトリガーは……あった。殿堂カード、《ホーガン・ブラスター》。即死はおそらくないとはいえ、ランダムにめくれたカード次第では絶大な手の進みを許してしまう。真瞳術チャンプ選手の山札をカットしたsaot選手は、祈るような気持ちで公開を見守る。


 そしてめくれたのは、《復活の祈祷師ザビ・ミラ》

saot「効果は……"他のクリーチャー"ですよね?」

真瞳術チャンプ「そうですね、"他のクリーチャー"ですね」

 全く手が進まない、ほぼ唯一と言っていい"外れ"だ。ひとまず安堵したsaot選手はターンを返す。

真瞳術チャンプ「手札は、2枚?」

 だが真瞳術チャンプ選手は落ち着いて《ボーンおどり・チャージャー》を唱えて5マナまで伸ばすと、続けて《堕魔 ドゥポイズ》《復活の祈祷師ザビ・ミラ》を自壊させて墓地に落としつつ《S級不死 デッドゾーン》を処理するという100点満点の解答で応える。これで墓地には《阿修羅サソリムカデ》《凶鬼07号 ジャバランガ》《堕魔 ドゥポイズ》《復活の祈祷師ザビ・ミラ》が揃い、条件はすべて整った。

 返すsaot選手は愚直に《終断Δ ドルハカバ》を再び墓地から召喚するしかない。もはや考えるべきことは一つだ。はたして相手は《戒王の封》を持っているのか。仮に持っていないとしたら、どの道相手を倒しきれないこのターンはドロー系のトリガーをケアして、《S級不死 デッドゾーン》を「侵略」せずに1枚だけシールドを割る方が良いかもしれない。しかしそうするとトリガーが防御系だった場合に詰めきれなくなる裏目もある。

 悩んだ挙句、saot選手は《S級不死 デッドゾーン》で「侵略」する。そして真瞳術チャンプ選手の残るシールド2枚が、《エマージェンシー・タイフーン》《唸る鉄腕 ギリガザミ》だった。

真瞳術チャンプ「デッキ数えます」

 少考ののちにスーパー・S・トリガーの効果で唱えられたのが《エマージェンシー・タイフーン》だったことでsaot選手にもわずかな希望が残されたものの、ターンをもらった真瞳術チャンプが唱えたのは、やはり《戒王の封》





 《阿修羅サソリムカデ》の効果で《凶鬼07号 ジャバランガ》《堕魔 ドゥポイズ》が蘇生。《阿修羅サソリムカデ》《凶鬼07号 ジャバランガ》が自壊して9マナと8マナのリアニメイトがストック。墓地には2枚目の 《堕魔 ドゥポイズ》もあった。《偽りの星夜 スター・イン・ザ・ラブ》まで挟んで、4体の《ヴォルグ・サンダー》がバトルゾーンと超次元ゾーンを行き来する。

 山札がすべて削られる前に、結末を悟ったsaot選手が投了を宣言したのだった。


Winner: 真瞳術チャンプ


saot「 (ギリガザミの時点で) ガデス持ってたんですか?」

真瞳術チャンプ「ガデスは持ってたので決めることはできたんですけど、緊張してループの手順を間違えるかもしれないなと思って、一応保険で自分のターンまで待ったんですよね。ちょっとオーバーキルみたいになっちゃってすみません」

 その後、真瞳術チャンプ選手がDMPランキングの上位プレイヤーであることを知ったsaot選手が「え!? そんなにすごい方だったんですね……」と驚く一幕もあった。「やっぱりフィーチャーは緊張する」と語る真瞳術チャンプ選手だが、緊張を微塵も感じさせない見事なプレイングで勝利を掴みとったことからしても、その実力の高さは推して知るべしだろう。

 そんな真瞳術チャンプ選手に、ジャバランガループでは少し珍しい《Dの博才 サイバーダイス・ベガス》の採用理由について聞いてみると、「地元でドロマーハンデスが多く、張り替えと手札枚数のキープに有用なんですよ。あとビート相手にも強いですね」とのこと。

 そして最後に「デュエマで上達するための秘訣」について聞いてみたところ、返ってきた答えが実に風格を感じさせる内容だった。

真瞳術チャンプ「相性が良いデッキに対してしっかり落とさないようにすること。そのために、対戦内容をあらかじめイメージしておくことかなと思いますね」
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