DMGP8th DAY2 準々決勝:じゃきー(愛知) vs. セキボン(北海道)
フィーチャーエリアでは、北海道のセキボンと愛知のじゃきーがラムネを分け合っていた。手持ちの残り4粒のうち、2粒をじゃきーに差し出すセキボン。礼を言って受け取るじゃきー。
「お会いできて光栄です」とセキボンは言う。2015年度の日本一プレイヤー、“天門のカギを持つもの”じゃきーは「セキボンさんの記事、見ていますよ」と返した。
セキボンは、昨年の10月ごろから『白零サッヴァーク』を使い続け、解説記事を出しているのだ。
ヘッドジャッジによるルール説明の後、2人は対戦の準備を始めた。それぞれの選手の後ろと観客側に設置された3台の投光器が、卓上を照らす。
いずれの場にも、40枚のデッキ、8枚の超次元カード、そして12枚のGRカードが並んだ。
セキボンが使っているのはやはり『白零サッヴァーク』。対するじゃきーは『無色ジョーカーズ』。
下馬評では『白零サッヴァーク』有利だが、デッキ相性だけで勝負が決まるとは限らない。
Game 1
先攻:セキボン先攻のセキボンは、2ターン目の《憤怒スル破面ノ裁キ》から動き始めた。続く3ターン目に《転生ノ正裁Z》経由で《煌メク聖戦 絶十》を場へ。
じゃきーは1ターン目に《ジョジョジョ・ジョーカーズ》、2ターン目には《ヤッタレマン》召喚から《ゼロの裏技ニヤリー・ゲット》!
3ターン目に《ヤッタレマン》《パーリ騎士》と召喚し、打点の確保を図る。
じゃきーが相性不利を覆して勝つ為には、セキボンよりも早く打点を揃え、ダイレクトアタックを決める必要がある。
『ジョーカーズ』はループに入る際、《アイアン・マンハッタン》の効果でシールドをブレイクしてしまう。『白零サッヴァーク』側はそれを利用して、サバキZ経由の《魂穿ツ煌世ノ正裁Z》で《ジョット・ガン・ジョラゴン》を除去し、ループを止めることができる。
したがって、じゃきーが取れる手段は2つ。
《魂穿ツ煌世ノ正裁Z》がないことを祈って突撃する。あるいは、打点を揃えてダイレクトアタックを狙う。
原則として、後者を狙うことになるだろう。
だが場には既に《煌メク聖戦 絶十》が。
セキボンはコストの下がった裁きの紋章を次々と唱えては1つのシールドに重ね、《トライガード・チャージャー》で一気に回収。再び手札から裁きの紋章を唱えていく。
じゃきーも《ガヨウ神》と《ジョジョジョ・ジョーカーズ》で足りないカードを探すが、返すターンに≪音奏 ハイオリーダ≫がセキボンの場に着地。
《トライガード・チャージャー》と裁きの紋章、そして≪音奏 ハイオリーダ≫によって大量のGRクリーチャーが展開される。
途中で使用された《魂穿ツ煌世ノ正裁Z》によって、じゃきーのクリーチャーは減らされており、残された手段はループのみになった。
じゃきーは《ジョット・ガン・ジョラゴン》を召喚し、アタックを宣言。効果で≪キング・ザ・スロットン7≫を捨て、表向きにした山札から祈るように《アイアン・マンハッタン》を選んだ。そして、4枚残っているセキボンの盾から2枚をブレイク。
だがセキボンは、しっかりとサバキZで《魂穿ツ煌世ノ正裁Z》を唱えた。場から離れ、シールドゾーンに移動する《ジョット・ガン・ジョラゴン》。じゃきーはターンを終えるしかない。
セキボンは裁きの紋章を2枚唱え、メタリカが8体揃ったことを確認すると、攻撃を宣言。じゃきーにそれを防ぐ手段はなく、最初のゲームが終わった。
じゃきー 0-1 セキボン
Game 2
先攻:じゃきーGame1終了時点で、残り時間は約27分。2人は手早くシャッフルを済ませ、ゲームを始める。
先攻のじゃきーが動き始めたのは3ターン目から。《ポクチンちん》を2ターン続けて召喚し、サバキZ経由での《煌メク聖戦 絶十》の登場に睨みを効かせる。
対するセキボンは《憤怒スル破面ノ裁キ》、《剣参ノ裁キ》、《転生ノ正裁Z》とテンポよく繋げ、サバキZで《煌メク聖戦 絶十》と《魂穿ツ煌世ノ正裁Z》を使用。1体目の《ポクチンちん》を除去しつつ、《煌メク聖戦 絶十》を犠牲に後続のコストを軽減。
そして残った1マナで《煌龍 サッヴァーク》を場に送り込み、2体目の《ポクチンちん》をも処理してみせた。
続くターン、セキボンは≪音奏 ハイオリーダ≫を召喚。裁きの紋章、ドラゴン・W・ブレイカーと組み合わせ、Game1同様の大量展開に取り掛かる。
こうなると、じゃきーの選択肢は1つしかない。セキボンより一足早く6マナに達した彼は、《ヤッタレマン》2体を召喚し《ジョット・ガン・ジョラゴン》へ変換した。
そして、Game1同様に攻撃を宣言。これまた同様に効果で≪キング・ザ・スロットン7≫を捨て、表向きにした山札から《アイアン・マンハッタン》を選んだ。
だが、セキボンも全く同様に動いた。《アイアン・マンハッタン》の効果でブレイクされたシールドを捨て、《魂穿ツ煌世ノ正裁Z》。出したばかりの《ジョット・ガン・ジョラゴン》が場から消え、≪音奏 ハイオリーダ≫によってGRクリーチャーが現れた。
結局、Game2は次のターンで決着した。ターンを得たセキボンが、《煌銀河 サヴァクティス》でのアタック時に《天ニ煌メク龍終ノ裁キ》を捨て、過剰打点で殴りきったのである。
じゃきー 0-2 セキボン
マッチの終了後、すぐにセキボンは勝利者インタビューへ呼ばれ、フィーチャーエリアから退出した。じゃきーは1人、残される。
GPのTop8という成績は、じゃきーにとって決して悪いものではない。GP2ndから8thまで皆勤賞の彼だが、GPで予選ラウンドを抜けたのは今日が初めてなのだ。
他にも、今日は初めてGPのフィーチャーエリアで勝ったと言う。
「フィーチャーに呼ばれると、本当に勝てなかったんですよね。もう嫌で嫌で、俺フィーチャーのアピールもしないようにして、必死に避けていました」
苦笑交じりに語るじゃきー。彼ほどの実績があると、上位に残っていればフィーチャーされてしまうのだが。
「≪音奏 ハイオリーダ≫は予想外でした。『白零サッヴァーク』に入っているとは……。Game1の序盤、《煌メク聖戦 絶十》に対して≪7777777≫を使うか迷ってやめた場面があったんですけれど、≪音奏 ハイオリーダ≫まで入っているのなら使っていれば良かったですね」
今回、じゃきーら東海勢は本格的な集団調整に取り組んだ。
2015年のじゃきー、2016年のせいなと続けて王座を保持してきたが、2017年の全国大会で関西勢に奪われた。
そして、2018年の全国大会。優勝どころか、Top8のメンバーにすら東海勢はいなかった。その事実が、彼らに火を点けたのだ。
ジャッジに手渡されたTop8プロフィールの用紙を眺め、じゃきーは呟いた。
「勝ちたかったな」
Winner:セキボン
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