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DMGP9th 3位決定戦:アーチー vs. よしゆき

数々の激闘の果て、DMGP9thは遂に3位決定戦を迎えた。
この1戦は非常に重要な意味を持つ。

デュエル・マスターズ競技イベント最高峰、日本一決定戦への出場権がかかっているからだ。

負けたら終了の決勝トーナメントにおいて、唯一訪れる「ワンチャンス」。

つい先刻、GP優勝への扉が閉じてしまった2人。
だが、日本一への扉はまだ閉じてない

開けられるのは1人だけ。

GP8thから導入された制度であるが、正直ここの対戦テーブルにはトップクラスの緊張感が漂う。

2人とも全国出場が約束された決勝戦に比べ、ここにあるのは明と暗、正反対の結果が口を開けて待っている。

更に、各選手は直前の試合で1度敗北している。
自身のプレイに後悔し、中には心が折れてしまう者もいるだろう。

いち早く精神を立て直し、再びベストな状態へ持っていくことが最重要だ。
スポーツで言うところの“ゾーン”へ如何に入るか。

3位決定戦はこんな場所だ。

勝ち残った1人はアーチー
ここ数回のGPでコンスタントにTOP32入りしている名古屋の強豪だ。

《MEGATOON・ドッカンデイヤー》《アクア・メルゲ》でGR召喚を大量に行い、《ツタンメカーネン》による相手の山札切れをメインプランとする、本大会1,2を争う注目デッキの使い手だ。

半端ではない爆発力と引き換えに、殿堂カードを絡めたパーツの準備に手間がかかり、相手によってはビートプランを選択したり、立ち回りに神経を使う。

難しいデッキではあるが、ギラサキナツメらと共に調整を重ね、GP9thへの解答とした。

対するよしゆきイヌ科達の調整チームに所属し、「信頼できる仲間達に推されたから」と、『カリヤドネ』デッキを選択した。

《》は、本大会で一気に注目されたカード。

《》の呪文部分と《次元の嵐 スコーラー》を絡めて、ビートプランとループプランを相手に合わせて柔軟に選択できるのが強みだ。

2人とも仲間と共に調整し、信頼できるデッキを握りここに立つ。
デッキには2人の想いだけでなく、仲間の想いも込められている。

彼らは1人ではない。
デッキを介し、仲間と共にこの舞台を迎えている。

日本一決定戦出場権だけでなく、仲間の想いも背負ってここにいる。

だからこそ負けられないのだ。

Game 1

先攻:アーチー
先手はアーチー。
順調に2ターン目で《フェアリー・ライフ》をプレイし、ターンエンド。

続くよしゆきも《エマージェンシー・タイフーン》から《》を捨ててターンエンド。

アーチーは4マナで注目カード《レインボー・ストーン》をプレイ。
キーカードの《アクア・メルゲ》だけでなく、5マナの《生命と大地と轟破の決断》までもマナにサーチできる、《神秘の宝箱》と差別化された1枚だ。

じっくりとデッキを確認し、シールドの中身を予想。
長考の末、マナに置いたのは《アクア・メルゲ》

殿堂カードでありコンボの最重要パーツをマナに置く事に成功する。

返しのよしゆきは《ブラッディ・タイフーン》《ブラッディ・クロス》で墓地に呪文を増やし終了。

続くアーチーは入念によしゆきの墓地を確認し、8枚であることを確認して《ラ・ズーネヨマ・パンツァー/逆転のオーロラ》の呪文側をプレイ。


シールドを犠牲に大量のマナを確保した。

これに対し、よしゆきは《ブラッディ・タイフーン》で墓地を肥やした後、《》の呪文側を唱えた。

宣言は「5」。
《生命と大地と轟破の決断》《MEGATOON・ドッカンデイヤー》などのキーカードを止めた。

これにはアーチーも苦い顔。
アーチーは《早撃人形マグナム》を召喚してターンエンド。

返しでよしゆきは《知識と流転と時空の決断》でGR召喚と1体手札戻しを選択。
テキスト順に処理するのでGRクリーチャーは《早撃人形マグナム》で破壊されるが、《早撃人形マグナム》の除去に成功する。


そして舞台は整った。
1マナで≪魔導管理室 カリヤドネ≫を召喚し、

・≪「本日のラッキーナンバー!」≫→宣言は「5」
・≪「本日のラッキーナンバー!」≫→宣言は「4」
《ブラッディ・タイフーン》

上記アクションを行ってターンを終えた。

コンボのキーカードを再度止められたアーチーは動けずターンエンド。

たたみ掛けるように、次のターン。よしゆきは《知識と流転と時空の決断》で2ドロー、《ア・ストラ・センサー》を2回唱え、手札を整えた。

そして、《逆転のオーロラ》でシールドを失ったアーチーには≪魔導管理室 カリヤドネ≫のダイレクトアタックを防ぐ術はないのであった。

アーチー 0-1 よしゆき


「やばいな。」

今の試合内容か、はたまたデッキ相性か。
そう呟くアーチーには若干の動揺が伺えた。

しかし、一口水を飲み呼吸を整えた後、その眼はすでに先を見ていた。


Game 2

先攻:アーチー
負け先でアーチーからスタート。

先に動いたのはよしゆき。
1マナで《ア・ストラ・センサー》から《》を確保してエンド。

アーチーは《生命と大地と轟破の決断》をチャージし、《フェアリー・ライフ》を唱えてエンド。

続くよしゆきは《》を唱えてエンド。
《知識と流転と時空の決断》のトリガー圏内へ墓地を増やした。

返しのターン、アーチーは《ラ・ズーネヨマ・パンツァー/逆転のオーロラ》を唱え、マナを5つ確保し、さらに《生命と大地と轟破の決断》を唱えた。

出したのは《アクア・メルゲ》《MEGATOON・ドッカンデイヤー》


《MEGATOON・ドッカンデイヤー》の効果で手札を捨ててGR召喚し、クリーチャーが場に出たら《アクア・メルゲ》で1ドロー。

この繰り返しで全GRクリーチャーを場に出し、《マリゴルドⅢ》の効果で《百発人形マグナム》をマナから出した。


《百発人形マグナム》効果で《ツタンメカーネン》を破壊→《アクア・メルゲ》《MEGATOON・ドッカンデイヤー》コンボで何度も《ツタンメカーネン》をGR召喚」を、繰り返していく。

14回繰り返したところで、途中で墓地へ送りこんだ《永遠の少女 ワカメチャ》の効果で山札を回復。

これを再度行い、最終的に36回分スタックした《ツタンメカーネン》効果により、山札残り24枚のよしゆきの敗北が確定したのだった。

アーチー 1-1 よしゆき

流石の両者。
一歩も譲らない攻防に著者も息が詰まる。

デッキを再度シャッフルし、3戦目の準備完了。

「最後先手もらいます。」

よしゆきの一言で、最終決戦の火蓋が切って落とされた。


Game 3

先攻:よしゆき

初手、よしゆきは《ブラッディ・クロス》をプレイして終了。
アーチーは《永遠の少女 ワカメチャ》がめくれ、その効果で山札損失はなし。

アーチーは《アクア・メルゲ》をチャージしてエンド。

よしゆきに2ターン目のアクションはなく、アーチーは《フェアリー・ライフ》をプレイして終了。

よしゆきは《》を唱え、キーカード《》を手札に加えた。

返しのターン、アーチーはデッキ構成上タップインのカードがない強みから、《フェアリー・ライフ》でアンタップマナを1つ確保し、3マナで《神秘の宝箱》をプレイするナイスムーブ。


《フェアリー・ライフ》《MEGATOON・ドッカンデイヤー》がめくれ、《神秘の宝箱》でデッキ確認後《百発人形マグナム》をマナに置いた。

無駄のないプレイにより、序盤でありながら、ほぼ全てのキーカードをマナに確保した。

これに対し、よしゆきは≪「本日のラッキーナンバー!」≫を唱え、宣言は「5」。

コンボ始動を止められたアーチーではあるが、《レインボー・ストーン》から《ダンディ・ナスオ》をマナに置いてターンエンド。


続くよしゆきは再度手札から≪「本日のラッキーナンバー!」≫を唱え、宣言は再度「5」。

中々始動できないアーチーは《百発人形マグナム》を召喚してターンエンドに留まる。

返しのよしゆきのターン。
《ア・ストラ・センサー》から《》を手に入れ、三度目の≪「本日のラッキーナンバー!」≫を唱え、「5」を宣言。

徹底的にアーチーを締め上げる。


アーチーは《生命と大地と轟破の決断》をチャージしたのみで終了。
コンボ始動にほぼ確実に《生命と大地と轟破の決断》が必要になってくるため、「5」コストカードが使えない状況は非常に苦しい。

続くよしゆきのターン。
もはやおなじみ≪「大当たり!もう一本!!」≫を唱え、3マナで≪魔導管理室 カリヤドネ≫を召喚。

「出た時効果2倍状態」により、3×2=6回の呪文踏み倒しが可能になった。

■1回目
《ブラッディ・タイフーン》
《》《》を回収。
《ア・ストラ・センサー》《エマージェンシー・タイフーン》を回収。

■2回目
《》→「5」を宣言
《ブラッディ・タイフーン》
《》《》を回収

相手の妨害と自身の充実を行い、ターンを返した。

アーチーのターン。
アーチーは《永遠の少女 ワカメチャ》を出してターン終了。

返しのよしゆきのターン。
≪終焉の開闢≫を唱えて《》を回収し、≪魔導管理室 カリヤドネ≫を召喚。

《ブラッディ・タイフーン》
《》
《スパイラル・ゲート》→アーチーの《早撃人形マグナム》を手札に

上記アクションの後、《ブラッディ・クロス》を使い、呪文を5回唱えることに成功。
そこから《次元の嵐 スコーラー》をG0で場に出し、追加ターンを2回確保。

さらに手を緩めず、1マナで≪魔導管理室 カリヤドネ≫を召喚し、

《レスキュー・タイム》→アーチーの《永遠の少女 ワカメチャ》と自身の《次元の嵐 スコーラー》を手札に。
《ア・ストラ・センサー》《》を回収
《ア・ストラ・センサー》《》を回収

上記アクションの後、《次元の嵐 スコーラー》を再度G0で場に出し、実質的損失を0にしてターンエンド。

そして再びよしゆきのターン。
≪魔導管理室 カリヤドネ≫を召喚し、

・《機術士ディール/「本日のラッキーナンバー!」→「3」宣言
・《機術士ディール/「本日のラッキーナンバー!」→「4」宣言
・《機術士ディール/「本日のラッキーナンバー!」→「5」宣言

怒涛の連続ラッキーナンバーを叩きつけ、《次元の嵐 スコーラー》でWブレイク、≪魔導管理室 カリヤドネ≫でWブレイク、≪魔導管理室 カリヤドネ≫でブレイク。

最後のシールドにもトリガーはなし。


≪魔導管理室 カリヤドネ≫がダイレクトアタックを決めるのであった。

アーチー 1-2 よしゆき

Winner:よしゆき



よしゆき「dottoさん、うどんさん、ドラえもんさん、イヌ科さんなど、調整チームのみんなのおかげで勝てた。調整チームのみんなに本当に感謝している。勝負においては、ディールの確保だけはとにかく意識した。勝てて良かった。イヌ科さんには決勝戦頑張ってもらいたい。」

アーチー「自分のミスでデッキの力を出しきれない場面が多々あった。信頼できる仲間が推薦してくれたこのデッキはもっと力を出せたはずだった。」

【勝者と敗者】、【日本一決定戦出場権の有無】。

勝負の結果、2人の立場は真逆になった。

しかし胸にある物は同じ。

「仲間への想い」である。

デュエル・マスターズをはじめとするカードゲームは1人で考え、プレイする物と思われがちだ。

しかしそれは一側面に過ぎない。

信頼できる仲間と研鑽し、最適を話し合い、一丸となって大型大会に臨むこともできるのだ。

カードゲームでは、デッキという仲間の分身がそばにいてくれる。

観戦している側も、自分の魂が盤面にあるかの如く熱くなれる。

私事になってしまうが、著者は学生時代にカードゲームの競技大会に関わることがなく、こんな素晴らしい世界で泣き、笑い、戦っている選手達がうらやましく思う。

彼らが最高に楽しめる環境を、デュエル・マスターズは今後も提供していくことだろう。

名勝負をありがとう、アーチー。

そして、日本一決定戦出場&GP9th3位入賞おめでとう、よしゆき。

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