DMGP9th ジャッジインタビュー:大塚 蒼 氏
デュエル・マスターズGP、初の開催地となるここ静岡。
かつてこの地では、松浦元気を主導とし、公認CS黎明期、全国屈指の評判を誇った『静岡CS』が開催されていた。
本大会ジャッジマネージャー山田侃生、そして今回インタビューに応じてくれた大塚蒼もまた、静岡CSを運営する『Team静岡CS』出身のジャッジである。
今回は、現在シルバージャッジの資格を得ている大塚に、彼がジャッジに求めるもの、そして、彼自身が目指す方向を聞くことができた。
・活動地域:静岡県、愛知県
・資格取得時期:2016年4月(第1期)
・ジャッジレベル:2(シルバー)
大塚「無論、特別気合を入れてるわけではないですけど、やっぱりうれしいですよ。静岡のデュエルマスターズ競技シーンが盛り上がってくのは、本当にうれしい」
そう屈託のない笑みをこぼした大塚。彼はDMGP1stより公式大会に皆勤でジャッジ参加をしている、という意味でもベテランジャッジなのだ。
---静岡と言えば、デュエル・マスターズの競技シーン黎明期を支えてきた「Team静岡CS」を思い浮かべる方も多いと思います。今回のDMGP9thにおいてもサブヘッドジャッジを務める松浦元気さんやジャッジマネージャーを務める山田侃生さんなどが所属していたチームですよね
大塚「そうです。今ではその二人は、自分自身の能力を生かしてそれぞれの立場を確立されていて……」
「Team静岡」時代の話をする時の大塚は、どこか懐かしそうに、当時の思い出を振り返る。
松浦と山田とは数年来の付き合いで、今でも交流は多い。
大塚は「静岡CS」の再興の為に、現在は同じ会場で「東海CS」を開くまでに至った。「静岡CS」自体はもちろんのこと、ひいてはこの静岡という土地もまた、今の彼を形成する土壌となっているのだ。
筆者もGPにて初めてジャッジリーダーを経験した時、そのグループには先にも話に出ていた山田がサポートしてくれていた。思えば、その時から既にジャッジを育てていく、という方針はあったのだろう。
だとするならば、大塚は既に多くの後任の育成を手掛けていると言っても過言ではない。知る限りでも風見、高橋、牧野といった多くの公認ジャッジが、尊敬するジャッジに彼の名前を出している。
大塚「そうなんですか!?……はっきり言っちゃいますと、ほんっっと僕、そこまで憧れられる人物じゃないですからね!?」
狼狽する大塚。
それならば、彼がこれまで、ジャッジ業務にあたる姿勢はどのようなところから来るのだろうか、と聞いてみたところ。
大塚「僕の根幹にある部分は、臆病であること、です。例えば、ジャッジがプレイヤーのとあるミスを見逃して、それで勝敗が変わってしまったら、と思うと本当に怖くて。だからこそ、ミスを極限まで減らしたいし、後任にもそうある努力をしてほしいと思います」
大塚「言ってしまえば、今回の僕の役割だってお飾りみたいなもんです。だって、チームリーダーの村上さんをはじめ、チーム全員本当にうまく動いてて……」
「だからこそ、僕に憧れるよりもっと他の人を」とはにかむ大塚。
彼自身が憧れるのは、現在はジャッジ業務を退いている「Team静岡」の最古参ジャッジの桑原だという。彼の「自信もって!自分の頭で考えて裁定出そう!それで、何か困ったら俺のとこにこい!」というスタンスが今でも彼の心底に残っている。
大塚「まずは、先に話にも出ていた汐見さんや牧野さん。彼らは前回のDMGP8thまで僕のチームでずっと一緒だったんですが、本当に動きが洗練されてきて頼りにしています」
一息ついて、彼は「今のジャッジ界隈」に求められるものをこう語る。
大塚「僕が今のジャッジに必要なことは新たな目線を持つことだと思います。
僕が知ってるところだと、井出さんは、デジタル面で公認CSの受付やマッチングなどの効率化をしていると聞きますし、風見さんはCSの無断キャンセル問題について自身の運営しているCSでの解決案を他の地域のCSにも伝播しています
そういった、他の人にはできない自分自身の強さを持つことが、このジャッジはすごい!と他の人に思われる秘訣だと思います」
「僕も、そんな強みを探している最中です」
大塚が独りごちた言葉の中の心情を深く察することはできない。だが、彼がトントン拍子で今の地位に立っているわけではないことはその声色から判断することができた。彼もまた、他のジャッジと同じように懊悩し、そして研鑽を重ねてきたのだ。
大塚「こうやって振り返ってみると、僕が初めてチームリーダーを任されたのが超CS in熊本の時、だったんですよ。あの時は本当にうれしかっただけに、その業務に至らないところが多くて反省に反省を重ねました」
大塚「それで次の目標がシルバージャッジ。やっと去年、山田さんともども取得にいたりました。まあ、これもギリギリだったな、というのが本音です。僕レベル2のジャッジの中じゃ一番地力がないって思ってますし(笑)
でも、だからこそ目標ってことにとなるとやっぱりさらに上へ、ってことになるのかな……ゆくゆくはレベル3を目指したいですしね」
筆者と彼が初めて会ったのは、やはりこの地、静岡だった。
思えば、この数年、公式大会のどこに行っても彼の忙しなく働く姿があった。
彼の指示は的確であり、また論理的である。そして、チーム全体に共有する術もまた長けている。
加えて言うなら、彼は、自分の未熟さを理解している。理解しているからこそ、何が足りないかも、また理解しているし、それを次につなげようとする努力もまた、し続けてきた。
出会ってからは同年代ゆえ、ジャッジ面以外でもいろいろなことを話し合った。そのたびに、彼の芯の強さというものがひしひしと伝わってくる。
プレイヤーに年齢は関係ない、とよく言われるものだが、彼の仕事ぶりを間近で見ているとジャッジもまた年齢は関係ないのだ、と思わせてくれるのだ。
今では認定ジャッジも8期生まで存在する。
噂では、その中に大塚より若いジャッジもいるという。
彼らがいる限り、デュエル・マスターズの競技シーンも、これからもまだまだ安泰に続いていくだろう。
かつてこの地では、松浦元気を主導とし、公認CS黎明期、全国屈指の評判を誇った『静岡CS』が開催されていた。
本大会ジャッジマネージャー山田侃生、そして今回インタビューに応じてくれた大塚蒼もまた、静岡CSを運営する『Team静岡CS』出身のジャッジである。
今回は、現在シルバージャッジの資格を得ている大塚に、彼がジャッジに求めるもの、そして、彼自身が目指す方向を聞くことができた。
ジャッジプロフィール
・年齢:21歳・活動地域:静岡県、愛知県
・資格取得時期:2016年4月(第1期)
・ジャッジレベル:2(シルバー)
地元静岡でのGP開催に寄せて
大塚「無論、特別気合を入れてるわけではないですけど、やっぱりうれしいですよ。静岡のデュエルマスターズ競技シーンが盛り上がってくのは、本当にうれしい」
そう屈託のない笑みをこぼした大塚。彼はDMGP1stより公式大会に皆勤でジャッジ参加をしている、という意味でもベテランジャッジなのだ。
---静岡と言えば、デュエル・マスターズの競技シーン黎明期を支えてきた「Team静岡CS」を思い浮かべる方も多いと思います。今回のDMGP9thにおいてもサブヘッドジャッジを務める松浦元気さんやジャッジマネージャーを務める山田侃生さんなどが所属していたチームですよね
大塚「そうです。今ではその二人は、自分自身の能力を生かしてそれぞれの立場を確立されていて……」
「Team静岡」時代の話をする時の大塚は、どこか懐かしそうに、当時の思い出を振り返る。
松浦と山田とは数年来の付き合いで、今でも交流は多い。
大塚は「静岡CS」の再興の為に、現在は同じ会場で「東海CS」を開くまでに至った。「静岡CS」自体はもちろんのこと、ひいてはこの静岡という土地もまた、今の彼を形成する土壌となっているのだ。
ジャッジ間の新たな試み、後任のジャッジへ
大塚「はい。ジャッジマネージャーの小倉さんから聞いた話ですが、今までジャッジリーダーをしていた方が、ずっとその役職が固定されてしまうと後任が育たなくなってしまうから、とのことです。新しいジャッジリーダーを補佐することが、今回僕らシルバージャッジに与えられた役割、といえるでしょうね」筆者もGPにて初めてジャッジリーダーを経験した時、そのグループには先にも話に出ていた山田がサポートしてくれていた。思えば、その時から既にジャッジを育てていく、という方針はあったのだろう。
だとするならば、大塚は既に多くの後任の育成を手掛けていると言っても過言ではない。知る限りでも風見、高橋、牧野といった多くの公認ジャッジが、尊敬するジャッジに彼の名前を出している。
大塚「そうなんですか!?……はっきり言っちゃいますと、ほんっっと僕、そこまで憧れられる人物じゃないですからね!?」
狼狽する大塚。
それならば、彼がこれまで、ジャッジ業務にあたる姿勢はどのようなところから来るのだろうか、と聞いてみたところ。
大塚「僕の根幹にある部分は、臆病であること、です。例えば、ジャッジがプレイヤーのとあるミスを見逃して、それで勝敗が変わってしまったら、と思うと本当に怖くて。だからこそ、ミスを極限まで減らしたいし、後任にもそうある努力をしてほしいと思います」
大塚「言ってしまえば、今回の僕の役割だってお飾りみたいなもんです。だって、チームリーダーの村上さんをはじめ、チーム全員本当にうまく動いてて……」
「だからこそ、僕に憧れるよりもっと他の人を」とはにかむ大塚。
彼自身が憧れるのは、現在はジャッジ業務を退いている「Team静岡」の最古参ジャッジの桑原だという。彼の「自信もって!自分の頭で考えて裁定出そう!それで、何か困ったら俺のとこにこい!」というスタンスが今でも彼の心底に残っている。
大塚「まずは、先に話にも出ていた汐見さんや牧野さん。彼らは前回のDMGP8thまで僕のチームでずっと一緒だったんですが、本当に動きが洗練されてきて頼りにしています」
一息ついて、彼は「今のジャッジ界隈」に求められるものをこう語る。
大塚「僕が今のジャッジに必要なことは新たな目線を持つことだと思います。
僕が知ってるところだと、井出さんは、デジタル面で公認CSの受付やマッチングなどの効率化をしていると聞きますし、風見さんはCSの無断キャンセル問題について自身の運営しているCSでの解決案を他の地域のCSにも伝播しています
そういった、他の人にはできない自分自身の強さを持つことが、このジャッジはすごい!と他の人に思われる秘訣だと思います」
「僕も、そんな強みを探している最中です」
大塚が独りごちた言葉の中の心情を深く察することはできない。だが、彼がトントン拍子で今の地位に立っているわけではないことはその声色から判断することができた。彼もまた、他のジャッジと同じように懊悩し、そして研鑽を重ねてきたのだ。
これからの目標
大塚「先ほど、後任の育成を、なんて言ってはいるものの、実際、今は自分のことで手一杯ですね……公式大会はもちろんのこと、自分が運営に関わっている東海CS、山梨DMdynamite!!、豊橋CSなど、ほんとにいっぱいいっぱいです(笑)」大塚「こうやって振り返ってみると、僕が初めてチームリーダーを任されたのが超CS in熊本の時、だったんですよ。あの時は本当にうれしかっただけに、その業務に至らないところが多くて反省に反省を重ねました」
大塚「それで次の目標がシルバージャッジ。やっと去年、山田さんともども取得にいたりました。まあ、これもギリギリだったな、というのが本音です。僕レベル2のジャッジの中じゃ一番地力がないって思ってますし(笑)
でも、だからこそ目標ってことにとなるとやっぱりさらに上へ、ってことになるのかな……ゆくゆくはレベル3を目指したいですしね」
筆者と彼が初めて会ったのは、やはりこの地、静岡だった。
思えば、この数年、公式大会のどこに行っても彼の忙しなく働く姿があった。
彼の指示は的確であり、また論理的である。そして、チーム全体に共有する術もまた長けている。
加えて言うなら、彼は、自分の未熟さを理解している。理解しているからこそ、何が足りないかも、また理解しているし、それを次につなげようとする努力もまた、し続けてきた。
出会ってからは同年代ゆえ、ジャッジ面以外でもいろいろなことを話し合った。そのたびに、彼の芯の強さというものがひしひしと伝わってくる。
プレイヤーに年齢は関係ない、とよく言われるものだが、彼の仕事ぶりを間近で見ているとジャッジもまた年齢は関係ないのだ、と思わせてくれるのだ。
今では認定ジャッジも8期生まで存在する。
噂では、その中に大塚より若いジャッジもいるという。
彼らがいる限り、デュエル・マスターズの競技シーンも、これからもまだまだ安泰に続いていくだろう。
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