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DMGP2022 Day2 準々決勝:サノルvs. まるいし。

ライター:カミ神王子
撮影者:瀬尾 亜沙子

 「こちら、賞品の《SSS級天災 デッドダムド》 GP限定Verです。」

席についた二人へ、ジャッジから今大会のプロモカードが配られた。世界に8枚のそのプロモカードは、この会場のTOP8プレイヤーを祝福するのに十分な輝きを放っていた。


 3,800人規模の参加者から勝ち上がった8人。

 おめでとう!これにて大会終了!

とはもちろんならず、ここからがむしろ本番。この8人はまさに今日の大会の強さの結晶だ。「今日で一番強い者」を決めるべく、さらに激しい戦いへと身を投じてゆく。

 1人はサノル。独自に調整した【5cコントロール】の使い手で、前日のアドバンス大会での感触の良さから今日も持ち込み、勝ち上がってきた。
 
 転勤によって地元を離れ、調整仲間がいない環境だったが、地元の友人の力を借りて作り上げた渾身のデッキだ。

 もう一人はまるいし。
地元の友人と調整した【4cガイアッシュ覇道】の使い手で、デッキ構築において重要視したポイントは「リソース確保」。超CSⅣ静岡でもTOP8に入賞する強豪だ。

 両名、自身の信頼するデッキを手に着席し、更なる高みを目指して試合が始まる。

 「激闘」「死闘」「全力を出し尽くした」「性根尽きるまで」「これ以上ないほどの」・・・

 何と形容して良いかわからないほど、とにかくお互いの全てをぶつけ合うような、そんな壮絶な試合をお届けしたい。

Game 1

 先攻はまるいし。
 《一王二命三眼槍》をチャージでエンド。

 返しのサノルは《ドンドン火噴くナウ》をチャージしてターンを返す。

 次のターン、まるいし。は《流星のガイアッシュ・カイザー》、サノルは《天災 デドダム》でそれぞれターンエンド。ここまでは様子見。マナの文明確保と相手のデッキタイプ把握を慎重に進めていく。

 次のターン、まるいし。は《フェアリー・Re:ライフ》をプレイしてターンエンド。

 対してサノルは《ロスト・Re:ソウル》チャージからの《天災 デドダム》をプレイ。墓地に《ロスト・Re:ソウル》を送り込んだ。

 【5cコントロール】の最強ギミックの一つである、《龍風混成 ザーディクリカ》からの《ロスト・Re:ソウル》は、ほぼ刺さらないデッキがないと言えるほど強力だ。それはまるいし。の【ガイアッシュ覇道】へも例外ではない。 まるいし。はそれを察し、《闘争類拳嘩目 ステゴロ・カイザー / お清めシャラップ》の呪文側でサノルの《ロスト・Re:ソウル》をデッキに戻し、しっかりとケアしてターンエンド。

 理想の動きを封じられたサノルは小考。

サノル「手札は?」
まるいし。「2枚です。」

 まるいし。の手札枚数を確認し、《ドラゴンズ・サイン》をチャージからの、《ドンドン火噴くナウ》をプレイ。マナと手札を増やし、墓地に《覚醒連結 XXDDZ》を送り込んでターンエンド。

 《覚醒連結 XXDDZ》《灰燼と天門の儀式》で場に出せ、呪文を封じつつ革命チェンジ元にもなる非常に優秀なカード。《ロスト・Re:ソウル》とは異なり、着地したターンから一気にゲームエンドに持ち込む可能性がある。そして、サノルのマナはすでに6マナだ。

まるいし。「少し考えます。」

 先ほどと異なるサノルからの提案に思考を巡らせるまるいし。は、小考の末に手札から《絶望と反魂と滅殺の決断》をプレイ。ハンデス2回を選択し、サノルは《ロスト・Re:ソウル》《灰燼と天門の儀式》を墓地に置いた。

 返しのサノルのターン、7マナで《龍風混成 ザーディクリカ》を召喚。《ロスト・Re:ソウル》《灰燼と天門の儀式》プランを選択できるサノルは、《ロスト・Re:ソウル》を選び、唱えた。

 まるいし。の手札から落ちたのは《ディメンジョン・チョーカー》《勝利龍装 クラッシュ“覇道”》
ディ、《ディメンジョン・チョーカー》!?  これぞまるいし。のオリジナル。返しのターンで手札から《絶望と反魂と滅殺の決断》を唱え、ハンデス+蘇生効果を選択した。

 場に出た《ディメンジョン・チョーカー》は、墓地の全てのドラゴンを回収する。そう、「全て」だ。《切札勝太&カツキング ー熱血の物語ー》《流星のガイアッシュ・カイザー》などを回収し、使い回すことができる。たとえ何枚ハンデスされようと、明確な意思で採用された《絶望と反魂と滅殺の決断》《ディメンジョン・チョーカー》のパッケージが全てをなかったことにしてくれる。これがまるいし。の「リソース確保」への回答だった。

まるいし。「では、《勝利龍装 クラッシュ“覇道”》《闘争類拳嘩目 ステゴロ・カイザー / お清めシャラップ》を回収します。」

先程失った《勝利龍装 クラッシュ“覇道”》が何事も無く手札に戻り、返しのターンでの反撃の準備を整えてターンを返す。ついでのように回収された《闘争類拳嘩目 ステゴロ・カイザー / お清めシャラップ》で、サノルが準備した墓地のカードを再び無に帰す事もできる。

サノル「マナは何枚ですか?」

まるいし。「7枚です。」

サノル「どうしようかな。」

 そう語るサノルの手札は3枚。たどり着いた答えは、ゲームエンドまでの決意であった。
《灰燼と天門の儀式》から《覚醒連結 XXDDZ》を場に出し、そのまま攻撃。EXライフシールドを剥がし、呪文を封じつつ《時の法皇 ミラダンテⅫ》への革命チェンジ宣言。
 場に出た《時の法皇 ミラダンテⅫ》の効果によって、《ドラゴンズ・サイン》をプレイ。先程手札に戻った《覚醒連結 XXDDZ》を場に出しつつT・ブレイク。

 トリガーは無し。

 続いて、《覚醒連結 XXDDZ》でW・ブレイク。これもトリガーはなし。《天災 デドダム》のダイレクトアタックは《一王二命三眼槍》で防いだまるいし。であったが、残る《龍風混成 ザーディクリカ》のダイレクトアタックを防ぐ手段はないのであった。

サノル1-0まるいし。

まるいし。「今日は《ディメンジョン・チョーカー》の強さを証明しに来ました!実は20枚以上確保していて、、、」

 サノルに語りかけるまるいし。のその言葉には、カードへの信頼が感じられた。デッキ構築には様々な手法があるが、《ディメンジョン・チョーカー》はまるいし。が構築の中で見出した秘蔵っ子なのだろうと感じた。そういったカードには愛が湧く。とてもわかる。

 談笑しながらシャッフルをこなす2人の雰囲気は和やかだ。しかし、シールドと手札が揃う段階になると、二人の目はプレイヤーのそれへと変わっていた。

Game 2

 先行はまるいし。
《流星のガイアッシュ・カイザー》をチャージしてターンエンド。

 一方サノルは《天災 デドダム》をチャージしてターンエンド。

 まるいし。は《フェアリー・Re:ライフ》をチャージし、そのまま《地龍神の魔陣》をプレイ。《勝利龍装 クラッシュ“覇道”》をマナに。

 そこから数ターンはお互いにチャージだけで終わり、まるいし。は5マナで《絶望と反魂と滅殺の決断》をプレイし、ハンデス2回を選択した。サノルが墓地においたのは《》《大地門ライフ・ゲート》

 返しのターン、サノルは《百族の長 プチョヘンザ》をマナチャージし、《天災 デドダム》をプレイ。先程の勝負を決定づけた《覚醒連結 XXDDZ》を墓地に送り込んだ。

 続くまるいし。はチャージなし。
 《終末王秘伝オリジナルフィナーレ》を唱え、《一王二命三眼槍》2枚をマナに置いた。

 一方サノルは《ドンドン火噴くナウ》チャージから《切札勝太&カツキング ー熱血の物語ー》を召喚。《龍風混成 ザーディクリカ》を手札に加え、《切札勝太&カツキング ー熱血の物語ー》自身を手札に戻してターンを返した。

 まるいし。も同じく《切札勝太&カツキング ー熱血の物語ー》を召喚し、《勝利龍装 クラッシュ“覇道”》を回収した後、《切札勝太&カツキング ー熱血の物語ー》自身を手札に戻した。

 ここまでは両者準備段階。比較的長いターン数でリソースを確保した両者の試合は、蓄えたリソース分だけ激しいものとなってゆく。

 サノル「手札は4枚ですか?」

 相手の手札を確認したサノルは6マナで《》の呪文面をプレイし、確保した手札から《ドラゴンズ・サイン》を唱えた。  現れたのは《龍風混成 ザーディクリカ》。再び墓地から《ドラゴンズ・サイン》を唱え、もう1体の《龍風混成 ザーディクリカ》を呼び出した。そして、2体目の《龍風混成 ザーディクリカ》が唱えた呪文は《ロスト・Re:ソウル》

 流れるようなカードの連鎖から、盤面充実と妨害札を相手に押し付ける。まるいし。が捨てたのは《切札勝太&カツキング ー熱血の物語ー》《勝利龍装 クラッシュ“覇道”》×2、《ディメンジョン・チョーカー》の4枚。普通なら大打撃であるこのハンデスも、まるいし。には効果が薄い。

 返しのターン、まるいし。は墓地から《絶望と反魂と滅殺の決断》をプレイし、ハンデスと蘇生効果を選択。サノルは《天災 デドダム》を墓地に。蘇生効果では《ディメンジョン・チョーカー》が場に出た。回収したのは、先程の《切札勝太&カツキング ー熱血の物語ー》《勝利龍装 クラッシュ“覇道”》×2。

 驚異のリソース回復を披露したまるいし。だったが、サノルも負けていない。
次のターンで《ロスト・Re:ソウル》を手札から打ち、再度まるいし。の手札を全て墓地に置きつつ、《龍風混成 ザーディクリカ》の効果で場の《ディメンジョン・チョーカー》を破壊した。

 これにはさすがのまるいし。も手はないか?と思われたが、手札0枚でトップデックしたのは、リソースの塊《サイバー・ブレイン》  即座に3ドローし、残りのマナで《闘争類拳嘩目 ステゴロ・カイザー / お清めシャラップ》の呪文面をプレイ。自身を選択し、《勝利龍装 クラッシュ“覇道”》2枚以外の墓地をデッキに戻した。そしてダメ押しの《フェアリー・Re:ライフ》も打ってターンエンド。手札0枚から一気にリソース回復に成功した。まるいし。は、まさにリソースに愛された男と言えよう。

 しかし、返しのサノルは3体目の《龍風混成 ザーディクリカ》を召喚し、意地の《ロスト・Re:ソウル》。再びまるいし。の手札を全ハンデスしてターンエンド。

 まるいし。のターン。再度手札0枚からのトップデックは《勝利龍装 クラッシュ“覇道”》。そのままB・A・Dによって8マナで召喚。 まるいし。「いやー、遠いな。」
 その一言は、余裕がない状況、しかし同時に、諦めずに勝利へと進む意思を表していた。

 《龍風混成 ザーディクリカ》の効果を使い回されることをケアし、EXライフシールド以外のシールドをW・ブレイク。《勝利龍装 クラッシュ“覇道”》は自身の効果で破壊され、そのままEXターンに突入した。

 まるいし。はまだ“持って”いた。トップデックは《切札勝太&カツキング ー熱血の物語ー》。召喚し、《絶望と反魂と滅殺の決断》を回収するとそのままプレイ。ハンデスと蘇生効果を選択。サノルは《》を捨て、まるいし。は《ディメンジョン・チョーカー》を場に出した。そして、

 《切札勝太&カツキング ー熱血の物語ー》
 《流星のガイアッシュ・カイザー》
 《勝利龍装 クラッシュ“覇道”》
 《闘争類拳嘩目 ステゴロ・カイザー / お清めシャラップ》
 《時の法皇 ミラダンテⅫ》

 の5枚を回収してターンを終えた。

 こうなったら意地だ。サノルも手を止める訳にはいかない。まるいし。が止まるまで死力を尽くすのみだ。

 続くターン、サノルは《ドラゴンズ・サイン》《龍風混成 ザーディクリカ》《ロスト・Re:ソウル》の流れを行い、まるいし。の手札を奪い去る。盤面の《切札勝太&カツキング ー熱血の物語ー》《ディメンジョン・チョーカー》までも破壊してまたもや更地に戻してターンエンド。

 まるいし。のターン。手札リソース回復に手札は必要ないのだ。

まるいし。《絶望と反魂と滅殺の決断》を墓地から唱えます。」

 再びハンデスと蘇生効果を選択し、サノルは《》を捨て、まるいし。は《ディメンジョン・チョーカー》驚異の6枚回収に成功する。

 《切札勝太&カツキング ー熱血の物語ー》×2
 《流星のガイアッシュ・カイザー》
 《勝利龍装 クラッシュ“覇道”》
 《闘争類拳嘩目 ステゴロ・カイザー / お清めシャラップ》
 《時の法皇 ミラダンテⅫ》
 
 即座に《切札勝太&カツキング ー熱血の物語ー》を場に出し、《闘争類拳嘩目 ステゴロ・カイザー / お清めシャラップ》を回収しつつ自身の《ディメンジョン・チョーカー》を手札に戻した。
《切札勝太&カツキング ー熱血の物語ー》《天災 デドダム》に攻撃し、《時の法皇 ミラダンテⅫ》に革命チェンジしてターンエンド。

 返しのサノルも引けない。墓地を確認後、《灰燼と天門の儀式》からの《龍風混成 ザーディクリカ》《》の呪文面を使用し、《ロスト・Re:ソウル》を唱えて本日6度目の全ハンデス。
 
 元からいた《龍風混成 ザーディクリカ》《時の法皇 ミラダンテⅫ》に攻撃時、《SSS級天災 デッドダムド》に侵略し、《時の法皇 ミラダンテⅫ》もマナに送ってターンエンド。

 続くまるいし。は、ついにドローゴーでターンエンド。

 永遠に続くかと思われた攻防は、サノルに軍配が上がった。

 サノルは《覚醒連結 XXDDZ》を召喚し、攻撃時にEXライフシールドを墓地へ置いてまるいし。の呪文を封じ、W・ブレイク。対応策はまるいし。になく、そのまま残りのクリーチャーによる総攻撃で勝負は決したのであった。

Winner:サノル

 全力を出し尽くし、試合後の2人は互いを認め合い頬を緩める。この名勝負を見せてくれた2人に心から感謝したい。

 高揚感、喜び、達成感。日常では味わえない最高の瞬間を求め、プレイヤーはこれからも戦い続けてゆく。そして、デュエル・マスターズの歴史も共に刻まれてゆくのだ。

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