デュエル・マスターズ

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DMGP2023-2nd インタビュー:福島 弘美氏

ライター:金子 幹(鐘子)
撮影者:後長 京介

 デュエル・マスターズに限らず、多くの大型のカードゲームイベントにはなくてはならない存在がある。

 数千人規模のプレイヤーを一同に会するイベントにおいては、オポネントに応じ卓番号と対戦相手を表示するソフト、マッチングツールの存在が必要不可欠なのだ。


「TCGマイスター」というソフトの名前に聞き覚えはあるだろうか?

 プレイヤーの方にはやや馴染みがないかもしれないが、このDMGPだけでなく数多くのカードゲームイベントに用いられているマッチングツールである。

 今回、運営スタッフとしてカードゲームのイベントに携わった方ならおそらく知っているであろうこのツールの開発者、システム・フューチャー代表取締役福島 弘美氏に特別にインタビューを行う時間をいただくことができた。


--本日はインタビューをお受けいただきありがとうございます。さっそくですが、自己紹介をお願いしてもよろしいでしょうか

福島「よろしくお願いします。システム・フューチャー代表取締役 福島 弘美と申します」

--こちらこそ、よろしくお願いします。それでは大変恐れ入りますが、まずシステム・フューチャー株式会社の事業を紹介していただいてもいいでしょうか…?

福島「いいですよ。でも、私の会社の事業内容ってメインは特にカードゲームに関係はないんですよ」

--それは意外です。やはりデュエル・マスターズに限らず、TCGの大型イベントといえば「TCGマイスター」といった印象がありますし、事業もそういったホビーやエンタメ系がメインなのかと。

福島「それがメインは教育事業なんですよ。特に簿記や会計のソフトを製造・販売・営業している会社なんです。「TCGマイスター」のようなマッチングツールは、それらのソフトのシステム構築の延長で生まれたものですね」

--なるほど。それを踏まえて是非お聞きしたいのですが、福島さんのこれまでの経歴を伺ってもよろしいでしょうか。

福島「キャリアというほどしっかりしたお話はできないかもしれませんが…高校生の頃、好きな歌手がいたんですね。その歌手と関われるような仕事に就きたい、と思いコンサートやイベントスタッフのバイトをしていました。そこで運営側、とりわけお客さんを楽しませる仕事に興味を持ち始めたんですね」

--なるほど、福島さんの原点は、学生時代のアルバイト経験から来ている、と。

福島「はい、そういった経緯もあって大学を出た後にイベント会社に入ったんですが、そこから転職してIT業界に、といった感じです。今の会社ではないのですが、そこで商業高校生向けの会計ソフトの社会人講師をしたりもしていましたね」

--聞けば聞くほど多様な経歴で驚いています。ちなみに福島さん自体はカードゲームってどのくらいされてたんですか?

福島「それこそ大学生時代、20代前半はボードゲームにドはまりしていたんですね。自分でもボードゲームを作ろうってなった時に、当時はテストプレイ用の台紙に使うブランクカードなんて簡単に手に入るものではなかったので、それこそ同サイズの色々なカードゲームの余りを大量に知人からもらって、それを台紙代わりにしていたんですよ」

--確かに。サイズが同じであれば代用カードとして使えますよね。

福島「それでちょうど目についた余りカード、よく見たら普通にカードゲームとして遊んでも面白そうだなって思ったんです。本末転倒なんですけど、その台紙用の余りカードでデッキを組み始めるのに夢中になっちゃって、そこからカードゲームにどっぷりハマっちゃいました」

--意外なカードゲームの出会いです。

福島「そこからTCG系のイベント会場に顔を出していく中で、メーカーさんとの繋がりも増えてきました。特にお付き合いのあったメーカーさんのイベント大会があったんですが、スイスドローのシステムがぜい弱でユーザーからも不満がある案件があったんですよ。そこで当時、既に転職して現在のシステム・フューチャーに在籍していた自分ともう1人とで、現在のTCGマイスターの原型となるソフトを開発していたので、そのメーカーさんに『ぜひ、使ってほしい』とお願いしたらOKをいただけたんです」

--ちょ、ちょっと待ってください。「TCGマイスター」って2人で開発されたんですか!?

福島「そうですよ。今も基本的にはメインは自分ともう1人の開発部長とでアップデートしています」

--驚きを隠せません……実際、そのイベントでのメーカーさんからの評判はどうだったんでしょう?

福島「かなり作りかけのもので心配だったんですが、メーカーさんからは今までものより断然良いってことで、ありがたいことにとても好評でした。そこから評判が広まっていって…その後は、他のメーカーさんの新規カードゲームタイトルの200人規模の体験会にも試用してもらったり…」

福島「多くのTCGタイトルを抱えている、TCGメーカーさんのほぼどのタイトルのイベントにも使われたこともありました」

--実際、カードゲームって勝敗を付ける一点に限って言えばどのゲームも同じではあるとは思うんですが、TCGごとに定まっている細かい勝敗のフロアルールにも対応できるものなのですか?

福島「そうですね…基本的には結構自由度が効くカスタマイズができるようにしているので、大体のルールには対応できると思いますよ」

--そういった部分も業界内で評価されているのでしょうね。

福島「ありがとうございます。とはいえ、トラブルが1つもなかったというとそうではありません。TCG業界も近年は2000人を超える大規模なイベントも多くなってきました。例えば今日のDMGP2023-2ndは約3800人程度の参加者の方がいますよね。この規模の人数が一度にマッチングを確認してしまうと、当然ですがどうしてもサーバーが重くなりがちです。参加者の方は気づかれていると思いますが、今回はマッチング確認をするボタンを押すと数秒間クールタイムが発生して連打できないようにするなど、細かい工夫でサーバーが落ちないようにしています」

--確かに。今回は大きなトラブルもなくマッチングが進行していました。「TCGマイスター」がスムーズにマッチングを案内したことも、今回のイベントが迅速に進行した一助となっているのではないでしょうか。

福島「デュエル・マスターズのイベントとはDMGP1stから携わっているので、そういってもらえると嬉しいですね」

--DMGPに限りますと、今まで印象的だったことなありますか?

福島「やはり最初のDMGP1stは思い出に残っています。関係各所と当日のフロアルールの整合を取り、協議した結果をツールに落とし込む。例えば代表的なのは現在のルールにもある両者敗北の処理ですね。当然カードゲームのイベント規模としては当時でも最大規模ではあったので、1日で全行程が終わらせられるように、と責任感は重大でした。 福島「しかしながら、1stは多数のマッチングミスを起こしてしまったり、マッチングツールとしてできて当たり前のことができていなかった。当時気持ちよく大会に参加することができなかったユーザーの方々には今でも申し訳なく思っています」

--イレギュラーなトラブルは現場には付き物ですよね。そこからはずっとグランプリに?

福島「はい、その認識で合っています。だからこそ、今日のDMGP2023-2ndが大きなトラブルがなく進行していて、本当に嬉しいんです」

--それでは、最後に福島さんから見た『デュエル・マスターズ』というコンテンツについて、伺ってもよろしいでしょうか?

福島「多くのメーカーさん、多くのカードゲームのイベントに携わっていた私から見てもデュエル・マスターズは業界内の先駆者といったイメージが強いです。先ほど言ったようにDMGPのような大人数かつサブイベントが充実したカードゲームオンリーのイベントって中々ないんですよ。だからこそ、DMGP1stから携わっている身としては、デュエル・マスターズの思い入れはひとしおです」

福島「これからも陰ながらではありますが、DMGPに携わらせていただくと思いますので、『TCGマイスター』ともどもよろしくお願いします!」

--ありがとうございました!


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