DMGP2024-2nd Day1(アドバンス) 準々決勝:Thrasios vs. 高い橋
ライター:白戸 龍之介(ドラ介)
撮影:瀬尾 亜沙子
それぞれがGP版《CRYMAX ジャオウガ》を手にした強者。
【天下夢双!!デュエキングDreaM 2024】発売からわずか一週間という期間の中、各々が組み上げてきたデッキたち。
1週間という時間では、完全な状態でデッキを仕上げることが出来る者たちも限られている。その状況下では
「あのカードを活躍させることが出来るのではないか」
「あれも実は有効なのではないか」
…と、あらゆる夢を見ることが出来たのではないだろうか。こういった大型大会は近年ではかなり珍しい。
そして、ベスト8まで勝ち上がってきた彼らの”夢”は、決して形のない夢物語ではない。
DMGP初参加だという石川県からやってきたプレイヤー、Thrasios(トラシオス)。
そして東京からやってきたプレイヤー、高い橋。
どちらも大型大会でここまで勝ち上がって来れたことに驚きが隠せておらず、それこそ夢を見ているようだった。
そして、カバレージの存在を確認すると、緊張してきた!とお互いこぼし合う。
団らんと緊張の入り混じる空気の中、対戦の準備が終わると、2人のプレイヤーの“夢”がこの準々決勝で激突する!!
Game1
先攻:Thrasios順位先攻により、Thrasiosからスタート。
準々決勝、ここから先の戦いは2本先取の長丁場となる。
お互い手札があまりよくなく、2ターン目までマナをチャージしてターンを終える。
3ターン目もThrasiosは《夢双龍覇 モルトDREAM》をチャージして終了する。
中々カードをプレイできないThrasios。どうやら初動となるマナブーストが引けていないようだ。
最初に動き出したのは高い橋。
《飛翔龍 5000VT》をチャージし、《氷柱と炎弧の決断》を唱える。
ここは手札交換2回を選択。Thrasiosとは対照的に手札の質を上げていくことに成功する。
Thrasiosは少し考えると、《勝利龍装 クラッシュ“覇道”》をチャージしてターンを終える。
ここでも動けないThrasios。
その隙を逃さない高い橋は《“必駆”蛮触礼亞》をB・A・D・Sで軽減し《頂上混成 BAKUONSOOO8th》をバトルゾーンへ!!
いきなりのクライマックス。アタックチャンスで《禁時王秘伝エンドオブランド》を使用宣言し、5コスト以下の呪文を封じる。
そしてここからが《頂上混成 BAKUONSOOO8th》の真骨頂。Thrasiosのシールドが離れたため、GR召喚!!
《全能ゼンノー》と《暗黒の騎士ザガーン GR》が高い橋の元に駆けつける!!
《頂上混成 BAKUONSOOO8th》の能力でスピードアタッカーを得ている《全能ゼンノー》でシールドをブレイクする。
《インフェル星樹》のG・ストライクで《暗黒の騎士ザガーン GR》を止めるが、《頂上混成 BAKUONSOOO8th》によるGR召喚は止まらない!!
さらにGR召喚!《無限合体 ダンダルダBB》がGR召喚される。
攻撃が通る。
さらにGR召喚は止まらない。
《ポクタマたま》がバトルゾーンへ。
攻撃宣言は止まない。ブレイクされた最後のシールドは……
シールドトリガーは《王道の革命 ドギラゴン》!!!
しかし高い橋はそれを上回る。シールドが離れたことによってGR召喚が行われる。
現れたのは《マシンガン・トーク》!!! その出たときの能力により、ブロックされない《頂上混成 BAKUONSOOO8th》がアンタップする!
《王道の革命 ドギラゴン》の効果でマナ回収し、革命0の力で無限のブロッカーとなっても、その攻撃は止められなかった。 Thrasios 0-1 高い橋
Game2
再びThrasiosから先攻。後がなくなったThrasios。お互いマナチャージで1ターン目を終えると、先に動いたのはまたしても高い橋。
《勇愛の天秤》で《バーニング・フィンガー》を捨て、2枚ドロー。
3ターン目。ようやく動き出したThrasiosは《ボルシャック・栄光・ルピア》で2マナブーストを成功させる。
返しのターン、高い橋は《異端流し オニカマス》をチャージし《氷柱と炎弧の決断》を唱え、2回手札交換を選択する。
ここで捨てられたのは《禁時王秘伝エンドオブランド》、《強瀾怒闘 キューブリック》を捨ててターンを終了する。
《インフェル星樹》で《禁断 ~封印されしX~》の封印を2枚、マナへと送り2枚ドロー。アドバンスフォーマットの【ガイアッシュ覇道】らしい強力なムーブである。
高い橋は《バーニング・フィンガー》で手札交換を行い、《異端流し オニカマス》を召喚して終了する。
Thrasiosは少し考えると高い橋の手札枚数を確認する。
想定しうるカウンターを考慮に入れ、数えたマナは9枚。そして召喚したのは《夢双龍覇 モルトDREAM》!!! ドラゴンの夢が詰まったこのクリーチャー。装備に選ばれたドラグハートは《銀河大剣 ガイハート》と《爆銀王剣 バトガイ刃斗》。
すかさず《夢双龍覇 モルトDREAM》で攻撃することで《爆銀王剣 バトガイ刃斗》の効果が発動。
山札の上から現れたのは《最終龍覇 ロージア》!
ここは《邪帝斧 ボアロアックス》装備を選択する。
そしてこのターン2回目のドラゴンが出たことによって《爆銀王剣 バトガイ刃斗》が龍解する。
待機していた《邪帝斧 ボアロアックス》の効果でマナゾーンから《切札勝太&カツキング ー熱血の物語ー》を出し、その能力でさらなる《切札勝太&カツキング ー熱血の物語ー》を回収すると、攻撃中の《夢双龍覇 モルトDREAM》を手札に戻すことで攻撃を中止する。
高い橋の待機していた《異端流し オニカマス》の能力で《切札勝太&カツキング ー熱血の物語ー》と《最終龍覇 ロージア》が手札に戻される。
ここはいったんストップし、Thrasiosはターン終了。
高い橋は《勇愛の天秤》で《斬隠蒼頭龍バイケン》を捨て、手札交換を続ける。
どうやら手札にキーカードが来ていないようだ。
《氷柱と炎弧の決断》を唱え、攻撃ブロックを止める効果と手札の交換を選択する。
サイド≪爆熱王DX バトガイ銀河≫の動きを止めると、ターンを返す。
《邪帝斧 ボアロアックス》の効果で踏み倒したことにより、Thrasiosのマナは8。
慎重にゲームを進めるThrasiosはここで《流星のガイアッシュ・カイザー》を召喚。
《闘争類拳嘩目 ステゴロ・カイザー / お清めシャラップ》でマナブースト、高い橋の墓地を洗い流し、ターンを終える。
高い橋にターンが回るが、ここは《氷柱と炎弧の決断》で攻撃止めと手札交換を行い、
動き出すと脅威となりうる≪爆熱王DX バトガイ銀河≫の攻撃を封じてターンを返す。
《「修羅」の頂 VAN・ベートーベン》や《新世代龍覇 グレングラッサ》といった様々なドラゴンが並ぶThrasiosのマナゾーン。
超次元ゾーンには《13番目の計画》が置かれており、引く手あまたの【ガイアッシュ覇道】の超次元ゾーンの選択肢を割いてまで、あらゆるドラゴンを積むために枠を割いて入っているようだ。
Thrasiosは《頂上混成 BAKUONSOOO8th》の効果を確認すると、動き出す。
《切札勝太&カツキング ー熱血の物語ー》を召喚。その能力で《流星アーシュ》を手札に加える。
さらに《流星のガイアッシュ・カイザー》を召喚すると、《切札勝太&カツキング ー熱血の物語ー》のマッハファイター能力で《異端流し オニカマス》を破壊。ターンを終える。
手札のカードを眺め、慎重に使用するカードを選択する高い橋。
《終止の時計 ザ・ミュート》を召喚し、手札を交換する。
そして再度《異端流し オニカマス》を召喚し終了する。
Thrasiosは《流星アーシュ》を召喚し、マナゾーンの《時の法皇 ミラダンテⅫ》を回収。
さらに《音卿の精霊龍 ラフルル・ラブ / 「未来から来る、だからミラクル」》を召喚!
Thrasiosはここで一気に畳みかける。
《切札勝太&カツキング ー熱血の物語ー》で攻撃を宣言し、革命チェンジ、変わって《時の法皇 ミラダンテⅫ》!!
《異端流し オニカマス》で手札に戻されるが、ファイナル革命は止まらない。
≪爆熱王DX バトガイ銀河≫の攻撃で手札から《夢双龍覇 モルトDREAM》が再びバトルゾーンへ!! 《無敵剣 プロト・ギガハート》と《覇闘将龍剣 ガイオウバーン》が装備される。
《異端流し オニカマス》の能力によって手札に戻そうとしても《無敵剣 プロト・ギガハート》によって置換されてしまい、《夢双龍覇 モルトDREAM》は止まらない。
そしてThrasiosの猛攻も止まらない!!
Thrasios 1-1 高い橋
Game3
お互い1-1でもつれ込んだ最後のゲームは高い橋の先攻で始まる。両者ともに2ターン目はマナチャージでターンを終える。
ゲームが動き出したのは3ターン目だ。
高い橋は《“必駆”蛮触礼亞》をB・A・D・Sで唱え、《頂上混成 BAKUONSOOO8th》をバトルゾーンへ送り込み、勝負に出る! 攻撃時に《禁時王秘伝エンドオブランド》を唱え、シールドをブレイク!シールドトリガーはない。
そして始まる猛攻。GR召喚によって《無限合体 ダンダルダBB》と《ポクタマたま》が現れる。
さらに「《ポクタマたま》でシールドをブレイクすると、《凶鬼000号 ゼロヴォイド》をGR召喚する。
そして《凶鬼000号 ゼロヴォイド》はデーモン・コマンドを持つ5コストのクリーチャー。
攻撃時にパラレル侵略で《時空の禁断 レッドゾーンX》が現れる!!
頼みの綱は最後のシールド2枚。
祈るThrasios。 捲ったシールドからは《最終龍覇 ロージア》がThrasiosのもとへ駆けつける!! 《最終龍覇 ロージア》の能力で《邪帝斧 ボアロアックス》を装備。
マナゾーンから《流星アーシュ》がバトルゾーンへと呼び出される。 マナゾーンから《音卿の精霊龍 ラフルル・ラブ / 「未来から来る、だからミラクル」》を戻し、《暗黒の騎士ザガーン GR》を送り返す。
シールド0まで追い込んだものの、ブロッカー2体に睨まれ、攻撃を止めざるを得ない高い橋。
《“必駆”蛮触礼亞》の代償で踏み倒した《頂上混成 BAKUONSOOO8th》のEXライフシールドを破壊すると、ターンを終える。
助けに来た2体のブロッカーで何とか耐えきったThrasios。
高い橋が踏み倒していたことにより、《流星のガイアッシュ・カイザー》が宣言される!
Thrasiosは《インフェル星樹》をチャージするが、わずか2マナ。
コストを支払ってプレイできるカードはない。
《流星のガイアッシュ・カイザー》が《音卿の精霊龍 ラフルル・ラブ / 「未来から来る、だからミラクル」》に革命チェンジ!
高い橋の呪文が止まる。シールド・トリガーは無い。
そして《流星アーシュ》が《時の法皇 ミラダンテⅫ》に革命チェンジ!
2体によるファイナル・タイム・ストップ。ロックされた高い橋に、Thrasiosを止める手段は残されていなかった。
Thrasios 2-1 高い橋
Winner:Thrasios
高い橋「頑張ってください!!」
全力を尽くし、悔しさが混じりつつも、元気な声でThrasiosに手を差し出す高い橋。
固い握手を交わす二人。
あと一歩のところまで迫ったが惜しくも敗れた高い橋。
今大会で数多く存在していた《頂上混成 BAKUONSOOO8th》を使いこなし、見事にベスト8まで上り詰めたが惜しくも敗退となった。
Thrasiosの使用した、様々な夢の詰まった王道の【ガイアッシュ覇道】。
Thrasiosは知人が組んだと言っていたが、同時に回し慣れてはいたとも語っている。
ドラゴンが好きというよりは受けのギミックが好きだというThrasios。
今回は見事、受けのギミックで勝利をもぎ取った。
夢を載せたデッキは彼の熱意に応えたようだった。
残す試合はあと2つ。ここまで来たプレイヤーが見る夢はもちろん、優勝。そしてそれは目前に迫っている。
多くのプレイヤーが夢見た光景まで、あと少しだ。
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