デュエル・マスターズ

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DMGP2024-2nd Day1(アドバンス):ジャッジインタビュー:秋山 紘樹氏

ライター:原田 武(たけじょー)
撮影:瀬尾 亜沙子、後長 京介、坂井 郁弥

 ますます盛り上がりを見せるデュエル・マスターズ。どこまでも自由なカードゲームだからこそと言うべきか、その楽しみ方も実に多様だ。

 DMGPも例外ではない。今回は日を分けてアドバンス・オリジナルの二大フォーマットが本戦に採用されたほか、サイドイベントではデュエパーティーが大盛況。

 生放送中には来年二月に本年度二度目となるファンフェスティバルの開催が予告され、来月以降に始まる全国大会エリア予選は2ブロックが舞台となっている。

 競技シーン以外に目を向けるとデュエマフェスやファンイベントがそこかしこで催され、さらには原作漫画『デュエル・マスターズ』に加えてWEBアニメ『ドラゴン娘になりたくないっ!』『Duel Masters LOST ~追憶の水晶~』が新たなファンを獲得中。

 留まるところを知らないデュエマの進化の裏側には、当然ながらそのために尽力する多くの方々の情熱が隠されている。普段は見えないその姿をプレイヤー諸氏に届け、さらにデュエマを好きになってもらう事——それが大型大会におけるインタビュー記事の目的と言えるだろう。

 さて、今回のジャッジインタビューでは第三期認定ジャッジ秋山 紘樹氏にお話を伺うことが出来た。関東圏を拠点に精力的に活動されており、大規模のCSとして名を馳せるBOOKOFF トレカフェスを筆頭に風花CS烈火CSなど多数のCSにてフロアジャッジ・ヘッドジャッジを務めている。さらにはファンイベント秋桜DM交流会の主催としての顔も持つ。

 上述の経歴にも裏打ちされた高い技能・深い経験は勿論ながら、おおらかで親しみやすい風格をも兼ね備えた御仁であり、筆者も後輩ジャッジとして非常にお世話になっている。

 今回はそんな秋山氏の素顔と、その想いに迫っていきたい。

インタビュー:認定ジャッジ 秋山 紘樹氏

--本日はお忙しいところありがとうございます。

秋山「いえいえ。よろしくお願いします!」

--よろしくお願いします。簡単に自己紹介をお願いできますか?

秋山「自己紹介!?えーとね……第三期認定ジャッジの秋山と申します。ハンドルネームはNEX・シュウで、みんなからは“ねっしゅー”と呼ばれています。その方が親しみやすいからね」

--「NEX」というとやはり……《ボルシャック・NEX》 秋山「うん、《ボルシャック・NEX》。マジで大好きなんだよね。もう一目惚れで」

--なるほど。めちゃくちゃヒロイックでカッコいいですよね、このカード。
 早速ですが、ジャッジとしての活動についてお聞かせください。三期で資格を取得されたとのことでしたが、きっかけは何だったのでしょうか。

秋山「第二期認定ジャッジの東條と友人に「今度CS主催するからジャッジ(資格)取ってくれない?」って言われて……いや、取れるか分からねーじゃねーかよ!って話なんだけど」

秋山「そうやって誘われたときに、選手以外の目線でデュエル・マスターズに親しめたらいいなーって……その方が長く付き合えるかなって思ってね。趣味とかゲームとかってどうしても飽きが来るじゃん。実際は飽きなかったんだけどさ(笑)」

--すごいカードゲームです、本当に。……さて、ねっしゅーさんはフロアジャッジのみならず、大型大会のジャッジリーダーやイベント主催もされていますよね。そのあたりの体験談もお伺いしたいです。

秋山「初めてジャッジリーダーをやらせてもらったのがGP8thだから、もう結構前になるね。実は俺自身、そういうのがあまり得意ではないな~というのがあって……」

--そうなんですか!?正直、ちょっと意外です。

秋山「これは俺の悪いクセなんだけど、自分よりも上手くできる人がいるって考えちゃうんだよね~。山田のアニキ(山田 侃生氏)とかすばるさん(小林 遼平氏)とか…… 飛びぬけて凄い人たちがいるのに追いつけるのかな、っていう」

--なるほど……。そう思われながらもジャッジリーダーを務め続ける理由はなんなのでしょう。

秋山「まず若い世代に育ってほしいという思いがすごく強くて…人を育てることに興味があるんだよね。それから、やっぱり自分に足りないモノは取りにいかないとなって。できないから、苦手だから、やりません。は話が違うじゃん。できる方がカッコいいしね!」 秋山「先日 BOOKOFFトレカフェスでヘッドジャッジをやらせて頂いた時も実は自分からやらせてください!って手を挙げていて。大きい大会のヘッドはやっといた方がいいなというか、やった方が絶対自分のためになると思ったから。掴める機会は絶対に逃したくないね」

--ここまでのお話を伺っていると常に自分の成長を意識されている、次のステップへチャレンジされているという印象を受けました。そのチャレンジを積み重ねた先になにか目標のようなもの……「夢」がおありだったりするんでしょうか?

秋山「レベル2ジャッジになるというのはまずあるんだけど、それは結果としてついてくるものなのかな……初心者やカジュアル層を含めて、コミュニティを広げていきたいなって思ってます」

秋山秋桜DM交流会っていうファンイベントの主催をはじめてから初心者やカジュアル層との交流が増えて、あとはデュエパーティーにガッツリ触れるようになって改めて感じたことなんだけど、好きなカードを使って楽しいとか、このカード強いじゃん!って喜ぶみたいな気持ちがあのころにあって、それが原点だったのかな、みたいな」

--わかるような気がします。初期衝動、というか。

秋山「そういう気持ちを持っている層も含めて、色んな人がデュエマというコンテンツを楽しめるようにする。そんなコミュニティを広げていく一助になれたらいいなって思いながらやってる」

秋山「最終的にコミュニティが固まって、長く遊べる環境とたくさんの仲間が出来て……そこからさらに競技シーンを目指すのもいいし、その環境で楽しみ続けるのもいいし。新しい層が入ってこないと、コンテンツは廃れてしまうしね。俺はそれやだもん」

--デュエマ、面白いですからね。永く続いてほしい……

秋山「みんなで遊びてえんだ!(笑)」

--仰る通りです。


--ここまでジャッジや主催としての想いを伺ってきましたが、実際にジャッジとして稼働する、またはイベント主催として活動する中で大変だったことはありますか?

秋山「時間とタスクの管理だね。何時になにをやる、みたいな管理が難しくて……どう忘れないようにするかを考えて、箇条書きとか事前に纏めておくとか、対策をしておくようになりました」

秋山「リーダーとして活動する時は……まわりがしっかりしすぎててなんとかなっちゃうときもあるんだけど、空気をどう締めてどう緩めるかについては考えてるかな。人を統率することってやっぱり難しくて、時々自分の距離感の近さみたいなものが裏目に出てしまうときもある」

--締めるべきときに締められない、みたいな。難しいですね……。
でもそういった難しさ、大変さを踏まえても、まだまだ挑戦していきたいという意思は強くある、と。

秋山「あるよ。新しい人を呼び込んでいくことに終わりはないし、成長もそうだよね。手札に例えると分かりやすいかな」

--手札ですか。 秋山「物事に対して自分が持っている選択肢を手札だとすると、はじめは何も知らないから1枚くらいしかない。でも本を読んだり、テレビを見たり……経験を積んでいけば手札は2枚、3枚って増えていく。同じ問題に向き合った時、手札が5枚と10枚だったら多いほうがより良い選択肢を選びやすいよね」

--なるほど。僕らにとってこんなにわかりやすい例えもないですね。


--最後になりますが、今後認定ジャッジを目指す人や、ジャッジリーダー・イベント主催を志す人に向けてメッセージをお願いします。

秋山まず一回やってみないか?まず一回食べてみないか?ってことかな。イベントの楽しみ方は人それぞれだし、まず一口食ってみよう。そうしたらコレいいかも!とか、俺はコレはいいかな……みたいなものが見えてくる。食ってから判断しよう!」

--迷ったら食ってみろ、と。 秋山「その一歩を踏み出すためにも、誰でもいいからジャッジに声を掛けてみてほしい。CSとかファンイベントの会場で聞いてみる、でもいいし。イベント主催だったら相手はお店の人になることもあるけど、これもまず声を掛けてみる。声を掛けたら、なにかしらのリアクションはあるはずだから。まず動け!」

--まず動け!

秋山「……って、すばるさんとれもんさん(河野 真成氏)が仰ってました(笑)」

--説得力マシマシですね。最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。


 秋山氏の胸中に燃えていたのはどこまでも熱いチャレンジ精神と、コミュニティへの愛だった。
誰もが自分にとってベストな場所でデュエマを満喫できる、そんな場所を作ること。夢を語る秋山氏の情熱が、このテキストを通じて少しでも伝わっていれば幸いだ。

 NEX。それは進化する龍の称号。太陽と月と嵐を超えて、奇跡を起こした龍の名前。
背負ったその名に負けないくらいの成長を果たすべく、秋山氏の夢への挑戦は続いていく。
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