DMGP2024-2nd Day2(オリジナル)Round 3:じゃきー vs. 立花銀千代
ライター:秋山 大空
撮影:坂井 郁弥
アドバンスでは惜しくも決勝に届かなかったが、オリジナルのトロフィーを掴むべく、前日と同じデッキタイプ『光水天門』で勝負を挑む。
一方立花銀千代にとって、『光水天門』は当たりたくないデッキだった。
『闇自然アビス』と言うと手札破壊が『光水天門』に対して有効なように思えるが、立花銀千代の構築は『ファイアー・バード』や『水闇COMPLEX』に対しての受け札《秩序の意志》にデッキスペースを割いている。
そのため、《ホルン=ストロン》や《深淵の壊炉 マーダン=ロウ》を採用しておらず、『光水天門』相手へのガードが薄くなっている。
それでも《謀遠 テレスコ=テレス》が重なれば『光水天門』の手札を狩りつくすことは出来るだろう。
例え狩りつくせなくても《闘門の精霊ウェルキウス》等を引き抜き、高コストブロッカーの質を落とすことが出来れば勝機は見えてくる。
「色々なデッキがいるGPの環境を考え、環境にいる大体のデッキに極端な有利不利がつかないようにしました」と立花銀千代。
この選択は、じゃきーの『光水天門』を打ち崩す鍵となり得るか否か。
先攻;じゃきー 立花銀千代は《ドミー=ゾー / 「倒したいか?」》で2ターン目スタート。
じゃきーも、最速《支配の精霊ペルフェクト / ギャラクシー・チャージャー》と言う最高のスタートだが、エンジェル・コマンドは0。
枚数が心許なくなったじゃきーの手札を、《フットレス=トレース / 「力が欲しいか?」》から出た《謀遠 テレスコ=テレス》が更に締め上げる。
『光水天門』にとって、≪ギャラクシー・チャージャー≫回収0枚は決して珍しいことではないが、手札破壊があるデッキ相手の前での回収0枚は苦しいところだ。
しかしじゃきー、しっかりと《理想と平和の決断》を持っており、マナチャージ無しから4枚を手札に加え手札を6枚まで回復する。
《謀遠 テレスコ=テレス》を追加し、立花銀千代は増えた手札をひたすら削る。 ターン開始時に《理想と平和の決断》を引き抜き、あと少しゲームが長引けば制圧可能…と言ったところ。
当然それはじゃきーもわかっている。動くなら早い方が良い。
マナチャージから《星門の精霊アケルナル / スターゲイズ・ゲート》、《光開の精霊サイフォゲート》、《闘門の精霊ウェルキウス》と連鎖させ、効果で1ドロー。
続けて《闘門の精霊ウェルキウス》!《闘門の精霊ウェルキウス》!《冥界を統べる新月のハーデス》! 《闘門の精霊ウェルキウス》から連鎖が続き、あっという間に盤面が完成。
《闘門の精霊ウェルキウス》と《冥界を統べる新月のハーデス》のセットは持っていたとのことだが、上から引いてきた《闘門の精霊ウェルキウス》はじゃきーがじゃきーたる所以だろうか。
《秩序の意志》以外《冥界を統べる新月のハーデス》を処理する手段を持たない『闇自然アビス』にとって《冥界を統べる新月のハーデス》は致命的だ。
仮に封印したとしても、光のコマンドが出ると封印が解放されてしまうため、まず盤面を作ってから《秩序の意志》を撃ち勝負を決めるしかない。
とは言え、『闇自然アビス』のシールド・トリガーがあまり強くないのは周知の事実。
まず盤面を作る準備をしなければならない立花銀千代は、《フェアリー・Re:ライフ》と《邪龍 ジャブラッド》を使用する。
そこにじゃきーは、即攻撃にかかる。
《冥界を統べる新月のハーデス》でシールドを3枚ブレイク、《闘門の精霊ウェルキウス》は《謀遠 テレスコ=テレス》がブロックし、これを《邪龍 ジャブラッド》が護る。
《闘門の精霊ウェルキウス》の効果でバトルゾーンのブロッカーは更に増え、『闇自然アビス』の処理可能な範囲を超えてしまった。
G・ストライクで《光開の精霊サイフォゲート》を止め、《秩序の意志》で《闘門の精霊ウェルキウス》を封印する。
攻撃は耐えたものの、やむを得ず《秩序の意志》を《闘門の精霊ウェルキウス》に使ってしまった立花銀千代。
《アビスベル=覇=ロード》を2枚に《邪龍 ジャブラッド》を使って盤面を整え、《ア:エヌ:マクア》で《秩序の意志》を回収するが、一歩届かず。
《冥界を統べる新月のハーデス》のエスケープとオシオキムーンを超えることは出来ず、《闘門の精霊ウェルキウス》が立花銀千代の盤面をこじ開けた。
Winner:じゃきー
じゃきーが優勝した「全国大会2015決勝」当時の『天門』は《奇跡の精霊ミルザム》が殿堂入りした直後であり、《ヘブンズ・ゲート》に依存していることもあって決して安定するデッキとは言えなかった。
そんな中で優勝を掴み取ったじゃきーは「天門のカギを持つ男」と呼ばれている。
しかし今は≪スターゲイズ・ゲート≫がある。《光開の精霊サイフォゲート》がある。《奇跡の精霊ミルザム》以外のゲームを終わらせるブロッカーが沢山ある。
もはやじゃきーは、「天門のカギを持つ男」ではなく「天門のカギ束を持つ男」なのかもしれない。
ジャラジャラと音が鳴りそうなほどのカギを手に、じゃきーは次の試合へ向かう。
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