DMGP2024-2nd Day2(オリジナル)Round 4:あーくん/WiNG vs. ポコロコ/ヘイ・ヤー
ライター:高橋 穂(北白河)
撮影:瀬尾 亜沙子
長く険しい全勝街道を歩み続ける権利をかけて、フィーチャーマッチ卓にて相対する二人のプレイヤーがここにいる。

その輝かしい実績と実力は言わずもがな。この大一番においても、落ち着きを崩さず目の前の相手との雑談に興じるなど、「いつも通り」と言わんばかりの姿勢だ。
そして彼の前にいるのは、ポコロコ/ヘイ・ヤー。
フィーチャーマッチこそ初めてと語るが、彼もまた前期のDMPランキングを走り切った実力者。対戦相手や場に気圧される様子もなく、スリーブのチョイスを熱く語るなど楽し気に談笑している。
そしてシャッフルの終わり際、雑談の際と変わらぬ口調で……しかし力強く彼はこう告げる。
ポコロコ/ヘイ・ヤー「GPは、(自分が)一位になります」
プレイヤーネームの由来となった人気漫画の登場人物にちなんでの、大胆な優勝宣言。この大一番で、自分自身を勇気付ける意味合いもあるのだろう。
これに対し、驚いた様子も見せずあーくん/WiNGは。
あーくん/WiNG「遠回りこそ一番の近道なんで」
同じ作品の名台詞で返し、カットしたデッキをポコロコ/ヘイ・ヤーのプレイマットの上に渡す。
無敗のまま予選ラウンドを折り返し、黄金のごとき勝利を手にするのは果たしてどちらか。
先攻:あーくん/WiNG

このカードを使うからには、あーくん/WiNGのデッキは【マーシャルループ】系列であることはもはや明確だ。
これに対し、ポコロコ/ヘイ・ヤーは「友人が使ってたんで知ってはいるんだけど……」と愚痴をこぼしつつ《CRYMAX ジャオウガ》をチャージして【水闇自然マルル】であることを自己紹介し、ターンを返す。
『ゴールド・オブ・ハイパーエンジェル』の新カード《ヨビニオン・マルル》を駆使した超高速マナ加速を得意とする【水闇自然マルル】は、まさに「現代デュエマのビッグマナの決定版」といえるデッキパワーを誇る逸品。特にマナが溜まりきった中盤以降のビッグムーブは、まさに横綱相撲といったところだ。


そして、彼にさらなる試練が襲い掛かる。
2→4→7の黄金ムーブの要となる、2マナのマナ加速呪文が引けなかったのだ。一刻も早く加速したいこのマッチアップにおいて、これは痛すぎるテンポロスとなる。
ここで躓いたことで、このゲーム最初のムーブは先攻3ターン目のあーくん/WiNGによる《キール・ロワイヤル》となった。とはいえ、シールド入れ替えを行わずにドローだけを行いターンを返す姿は、3ターン目にして事実上の「リーチ」宣言も同然だ。


……しかし、DTL選手たるあーくん/wingはしっかり持っている。何度も指差しを行って確認したのち《冥土人形ウォカンナ・ピエール》をチャージし、勝利への起点となる《マーシャル・クイーン》を召喚する!
手札からカードを仕込んだうえで暴発されたのは、《邪魂転生》と新戦力《逆転の影ガレック》。


先ほどのドローで選択肢の増した2回目の暴発からは《邪魂転生》《逆転の影ガレック》《サイバー・I・チョイス》が登場。《邪魂転生》で全クリーチャーと引き換えに6ドロー、《サイバー・I・チョイス》で《学校男 / ゾンビ・カーニバル》の呪文面使用、そして《逆転の影ガレック》で進化元ごと《マーシャル・クイーン》と《学校男 / ゾンビ・カーニバル》のクリーチャー面が舞い戻る。

この凄まじい拡大再生産を前に、おどけつつ「(ループが完成するかは)まだわからない!」と強がって見せるポコロコ/ヘイ・ヤーだが、この過程でちらりと《月の死神ベル・ヘル・デ・スカル》が見えている以上、その結末は彼自身も半ば悟っている。
≪学校男≫が《マーシャル・クイーン》と自身を破壊してバトルゾーンに《逆転の影ガレック》だけが残ると、あーくん/wingによる淀みないループ証明が始まる。
この状況で《マーシャル・クイーン》の効果で《逆転の影ガレック》《深海の伝道師 アトランティス》(+任意のカード)を暴発→《逆転の影ガレック》で《マーシャル・クイーン》・≪その進化元となる3マナ以下のスプラッシュ・クイーン≫≪学校男≫を蘇生→≪学校男≫効果で《マーシャル・クイーン》と≪学校男≫を破壊→《深海の伝道師 アトランティス》効果で《逆転の影ガレック》を残してバトルゾーンから手札に全回収……と動くと、初期盤面に戻りつつ進化元である《カシス・オレンジ / ♥応援してくれるみんなが元気をくれ~る》か《キール・ロワイヤル》の効果が使い放題となり、シールド・山札から不確定要素を消しつつ無限ドローが可能になる。
こうなれば余っている暴発で任意のS・トリガー持ちクリーチャーを無限に出し入れ可能になり……

Winner:あーくん/WiNG
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