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DMGP2024-2nd Day2(オリジナル) 3位決定戦:えむつー vs. N0

ライター:秋山 大空
撮影:坂井 郁弥

 準々決勝戦の試合前、筆者はえむつーに声をかけた。

――(書けるのを楽しみに)待ってます!

 いや、よくよく考えたら筆者の担当は3位決定戦だ。

――やっぱり待ってないです!

えむつー「いや、3位決定戦はアリだな」

 いやいやいやいや、ナシだろう。

えむつー「俺全国の権利持ってるし、和やかな3位決定戦にする適性があると思うんですよね」

 せっかくここまで来たのだから、優勝目指して頑張ってほしいものである。

 まあ、えむつーはいつでも優勝を目指して本気で戦っていることはわかっている。

 使用しているデッキは間違いなく強い上に、Day1も同じデッキで予選を抜けているのだ。

 ここで本当に3位決定戦に来ると言うことはないだろう。

 そして現在。  本当に来る奴があるか。

Game 1

――名前の読みは、えぬぜろさんで合っていますか?

N0「はい、合ってます」

えむつー「えぬぜろ?(俺と)似てますね」

 なるほど、えむつーえぬぜろ、確かに似ているかもしれない。

 そんな雑談をしつつ、3位決定戦が始まった。

先攻:N0  N0《電脳の女王 アリス / 不埒な再侵入》をチャージ。

えむつー「あ、そっち!?」

N0「そっち(COMPLEX)です」

 《エメラルド・クーラー》スタートのえむつー

 N0《終止の時計 ザ・ミュート》スタートで、《DARK MATERIAL COMPLEX》を捨てる。

えむつー「2枚引いたじゃんあれ(笑)」

 そう言いつつ《マーシャル・クイーン》を探しに《カシス・オレンジ / ♥応援してくれるみんなが元気をくれ~る》で山札調整。

えむつー「これチャージです(マナの《影世界のシクミ》を筆者に見せる)」

 ありがとうございます。

 N0《DARK MATERIAL COMPLEX》を着地させ、《カレイコの黒像》を追加。 えむつー「あー、それか」

えむつー「疲れたーもうやりたくねー」

 『マーシャルループ』を使い続けて16戦。既にえむつーは疲労困憊である。

 疲労困憊なのにこんなに喋れるのも、またえむつーである。

 《影世界のシクミ》を唱えて出すカードを考えた後、《キール・ロワイヤル》を出して楯を確認。

えむつー「マジでやることになるのか…」

 見ていたカードを手札に加え、シールド追加は《カレイコの黒像》に阻まれる。

 《キール・ロワイヤル》のハイパーモードを起動してターン終了。

 当然《飛翔龍 5000VT》はケアする。

 そしてお約束と言うべきか、N0《飛翔龍 5000VT》を召喚。
 《DARK MATERIAL COMPLEX》のカウントを2進めつつ《マーシャル・クイーン》の着地を遅らせる。

 召喚制限がかかり暇そうなえむつー、≪♥応援してくれるみんなが元気をくれ~る≫を唱えて終了。

 よくカメラ芸をするえむつーだが、疲れたえむつーは一味違う。

 カメラだけでなく、こちらを凝視する。

 笑ってしまうからこっちを見ないでほしい。

 一方N0《アーテル・ゴルギーニ》召喚。《キール・ロワイヤル》の除去と墓地肥やしを選択。

 『水闇COMPLEX』はゆっくりするしかないが、5マナになったマーシャルにターンを渡してはならないのはデュエル・マスターズの常識。

 にらめっこで筆者を秒殺したえむつーのビッグアクション。《エメラルド・クーラー》から即《マーシャル・クイーン》

 シールド・トリガーは《邪魂転生》《逆転の影ガレック》《深海の伝道師 アトランティス》

 場の3体を破壊して6枚ドロー。

N0《DARK MATERIAL COMPLEX》いつ入れられますか?」

えむつー「僕のクリーチャーの処理が全部終わった後です」

 《逆転の影ガレック》で蘇生した≪カシス・オレンジ≫と《キール・ロワイヤル》の効果を処理して呟く。

えむつー「最悪だ…」

《カレイコの黒像》…いるんだもんねー…」

 シールドが見えないので何が起きたのかさっぱりわからないが、何か問題が起きたらしい。

 蘇生した《マーシャル・クイーン》の効果で《邪魂転生》。最初の《深海の伝道師 アトランティス》の効果を処理してターン終了。

 場にN0《飛翔龍 5000VT》が残り、《DARK MATERIAL COMPLEX》が起動。

 戻った《アーテル・ゴルギーニ》《同期の妖精 / ド浮きの動悸》を2体並べ、《DARK MATERIAL COMPLEX》攻撃時《飛翔龍 5000VT》

えむつー「あそこがミスかー…了解した」

 《飛翔龍 5000VT》の攻撃。

えむつー「いやー、GPだな。GPって感じするわ!」

N0 1-0 えむつー

えむつー「マジかー…結構ショック…」

「ここでこうなって、こうなってこうだから…ここでアレ引いてたら勝つか」

N0「難しそうですね」

えむつー「長丁場に向いてないですこのデッキ」

「いやーミスった…あー」

「このままじゃ実況席に呼ばれないまま、めちゃくちゃ勝った人間になっちゃう」

「この大会3、4回はミスってる…いやーショックだなー…」

「変な汗出てきた…やだーもうこのデッキ」

 えむつーの喋りが止まらない。

Game 2

先攻:えむつー  後攻1ターン目の《DARK MATERIAL COMPLEX》召喚で2本目も取りに行く勢いのN0

 とは言え『マーシャルループ』なら、焦らずとも《DARK MATERIAL COMPLEX》よりも早くループに入れる。

 えむつーは2ターン目は何もせず、《キール・ロワイヤル》召喚からスタート。シールドを見てそのまま置きカードをドロー。

N0《忍蛇の聖沌 c0br4》チャージして、3マナ…」

えむつー&N0『ミュート』  N0のアクションを当てるな。

N0「先言わないでください(笑)」

えむつー「言っちゃいたくなりますよ~」

 えむつーのターン。《マーシャル・クイーン》《学校男 / ゾンビ・カーニバル》《邪魂転生》《逆転の影ガレック》

 先ほど《キール・ロワイヤル》で見たのは、シールドに埋まっていた天然の《逆転の影ガレック》だ。

 《邪魂転生》4枚ドロー、≪ゾンビ・カーニバル≫で《逆転の影ガレック》を回収。

 《逆転の影ガレック》《終止の時計 ザ・ミュート》を破壊しつつ《キール・ロワイヤル》《マーシャル・クイーン》を蘇生。

 《キール・ロワイヤル》処理を挟み《マーシャル・クイーン》処理から《邪魂転生》《サイバー・I・チョイス》《逆転の影ガレック》

 3体破壊して6枚ドロー。

えむつー「これを…こうして…ああして…勝ってそう…だな…」

 《サイバー・I・チョイス》効果《影世界のシクミ》《キール・ロワイヤル》を墓地から出し1枚ドロー。

えむつー「あー、緊張してきた。この時間が一番緊張するんだよ」

N0「落ち着いてください(笑)」

 《逆転の影ガレック》効果で《エメラルド・クーラー》《マーシャル・クイーン》と≪学校男≫蘇生し、手札には《冥土人形ウォカンナ・ピエール》《深海の伝道師 アトランティス》

 あとはループを証明するのみ。

 次のマッチに備えて、《冥土人形ウォカンナ・ピエール》で墓地に送ったカードを確認していくえむつー

えむつー「ああ《飛ベル津バサ「曲通風」》入ってる…」

 「すげーなー《アーテル・ゴルギーニ》《DARK MATERIAL COMPLEX》も全然反ってない」

N0「このために乾燥剤めっちゃかけました」

えむつー「ですよね、俺も使うならドライヤーかけるもん」

 「やばいっすよね、普段の反り方。浮き浮きですよね。あれに乗って海渡れそうですね」

 ???

N0「それはないかな…」

N0 1-1 えむつー

えむつー「天然の楯めっちゃ強かったな…」

 《キール・ロワイヤル》で見た《逆転の影ガレック》を思い出すえむつー

N0「殴れないじゃんそんなん…(笑)」 えむつー「それで言うと1試合目は天然で《マーシャル・クイーン》が楯に3枚あったんですよね」

 なるほど、Game 1で起きた問題はそれだったか。

えむつー「両極端なシャッフルをしていらっしゃる。それで勝ち上がってきました?」

N0「まあそれでいうとそうですね(笑)」

N0までえむつー側になりつつある。そうなってしまうと書く指が追い付かなくなってしまう。

Game 3

えむつー「あ~お腹減った…」

N0「俺も朝から何も食べてないです」

えむつー「俺もカロリーメイト4本しか食べてない…」

N0「カロリー使うデッキですし、そりゃお腹も減りますよね…」

えむつー「先攻を、差し上げます」

N0「(笑)」

先攻:N0 N0《忍蛇の聖沌 c0br4》置いて、《DARK MATERIAL COMPLEX》出します」

えむつー「それが一番強い(笑)」

 先攻1ターン目の《DARK MATERIAL COMPLEX》を決めるN0に対し、2ターン目はパスするえむつー

N0《終止の時計 ザ・ミュート》《忍蛇の聖沌 c0br4》捨てます」

えむつー「あ、(《忍蛇の聖沌 c0br4》)4枚見えてる」

N0「4枚見えちゃいましたね」

えむつー「でも5枚入ってるかもしれないしな」

N0「おっとそれはまずいですよ(笑)」

 また、こちらを見るえむつー

えむつー「何笑い堪えてるんですか」

えむつーが喋りすぎて、筆者の指が追いつかないからである。 

 この試合だけで過去一指が疲れている、こっちの身にもなってほしい。

 新しいカバレージライターはいつでも歓迎だ。

えむつー「あれがこうして、これがああか」

N0「はい(笑)」

えむつー「何?はいって(笑)」

「雰囲気に呑まれてますよ」

 雰囲気を作った、和やか適正MAXの男が言っていい台詞だろうか。

えむつー《異端流し オニカマス》ってカード強くな~い?」

 前のターンに召喚されたN0《異端流し オニカマス》を見ながら≪カシス・オレンジ≫を召喚し、山札を確認。

 ≪♥応援してくれるみんなが元気をくれ~る≫の方で使わなかったのは、《キール・ロワイヤル》のハイパーモードを見据えてか。

えむつー「いやー…」

「これは4位の、香りがします」

 本当か?

N0「ほんとですか?(笑)」

 両方とも山札の下へ。

えむつー「これキル取るならハイパーモードしかないんだよな」

 《キール・ロワイヤル》のハイパーモードを起動。 えむつー「これ(攻撃先)《DARK MATERIAL COMPLEX》っぽいな…」

 《キール・ロワイヤル》《DARK MATERIAL COMPLEX》に攻撃時、スプラッシュ・クイーンメクレイド5。

えむつー「実況からえ~?って声聞こえてきたけど、え~?って言いたいのは俺も一緒」

 ちなみに、生放送を確認したが「え~?」とは言っていなかった。

 《マーシャル・クイーン》召喚。

 シールド・トリガーは《逆転の影ガレック》《逆転の影ガレック》《影世界のシクミ》

 《影世界のシクミ》《学校男 / ゾンビ・カーニバル》が墓地へ。

 ……え~?

 ここぞという時に、《キール・ロワイヤル》のメクレイドから全てが繋がる。

 デッキが「勝て!」と叫んでいる。

 《影世界のシクミ》で≪学校男≫蘇生、《マーシャル・クイーン》破壊、《逆転の影ガレック》《マーシャル・クイーン》《キール・ロワイヤル》蘇生。

 《キール・ロワイヤル》から処理し、2体目の《逆転の影ガレック》で同じことを繰り返し、《マーシャル・クイーン》の効果ストックを貯める。

えむつー「(≪学校男≫効果の)破壊対象は《DARK MATERIAL COMPLEX》で大丈夫ですか?」

N0「全部《DARK MATERIAL COMPLEX》でOKです」

えむつー「3枚埋めて…この楯なんだったっけ?」

N0「知りませんよ(笑)」

 《マーシャル・クイーン》の効果を1回使い《邪魂転生》4体破壊して8枚ドロー。≪ゾンビ・カーニバル≫で《逆転の影ガレック》を3枚回収。

 効果のストックは《マーシャル・クイーン》が1回、《逆転の影ガレック》が1回残っている。

《マーシャル・クイーン》効果、《マーシャル・プリンス》《逆転の影ガレック》
 
えむつー「えー、こっから…ループっぽいことをするんですけど…」

 ループっぽいこと?ぽい、とは何なのだろうか。

 2体の《逆転の影ガレック》《深海の伝道師 アトランティス》で、《マーシャル・クイーン》の効果と≪カシス・オレンジ≫の効果を任意の回数ストックし…

 ループしとるやないかい。

N0 1-2 えむつー

Winner:えむつー  試合後に笑いを堪えた理由を伝えた時、えむつーはこう答えた。

えむつー「確かにそうですね(笑)ちょっと口が達者すぎました」

 えむつーは、味の濃い男である。

 試合中非常によく喋るし、適当なことを言うし、ライターに話しかけてくる。

 大型大会は2回目と言うN0えむつーとはおそらく初対面だろう。

 そんな相手すら引き込んでしまい、観戦者であるカバレージライターまで対戦の舞台に引きずり出す。

 えむつーフィールドが展開されると、その濃さで全てがえむつー色になってしまう。

 しかし悔しいことに、今は素直に引き込まれたほうが面白い気がする。

 兎に角えむつー、DMGP2024-2nd Day2 3位おめでとう!

 そしてN0、DMGP2024-2nd Day2 4位、全国大会出場権獲得おめでとう!
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