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全国大会2025 関西エリア予選 決勝戦 Aブロック :表サイバー龍 vs. ナナシ/七草るーむ

ライター:伊藤 敦(まつがん)
撮影:瀬尾 亜沙子

 ついに、最後の権利者が決まるときが来た。

 日本一決定戦への参加権利を獲得するため、日本各地で繰り広げられた権利戦。長かったエリア予選シーズンもいよいよ今回の大阪が、一般のプレイヤーにとっては権利獲得のラストチャンス(※一応まだジャッジ大会はあるが裏方しか出られないため)となる。そしてそれは、王道篇・王道Wの2ブロック環境で行われる大型競技イベントの締めくくりということをも意味していた。

北海道:火水闇アビスロイヤル
関東:光水闇カウンター/光水闇カウンター/光水自然ゴルギーオージャー
東北:光水自然ゴルギーオージャー
九州:火闇自然レッドゾーン/火水闇アビスロイヤル
北陸:光水自然ゴルギーオージャー
中四国:光水自然ゴルギーオージャー
東海:光水自然ゴルギーオージャー

 本当に、様々なデッキタイプが存在した2ブロック環境だった。とはいえ結局上記の権利獲得者のデッキタイプを見ても、王道W第3弾環境の時点から「光水自然ゴルギーオージャー」が最強であるという認識は王道W第4弾環境に入っても覆らなかった……どころか《大集合!アカネ&アサギ&コハク》のおかげでより強固にはなってしまった……ものの、他方で決勝ラウンドに進出したトップ16デッキの分布を見れば多くの地域でそこまで一方的な結果にはなっていないことが多く、競技プレイヤーたちの研究と練度には舌を巻くばかりだった。

 これから始まろうとしているのは、その集大成。会場であるマイドームおおさかのホール内に、プレイヤーはもはや4名しかいない。Bブロックの決勝戦ではデュエチューブリーグの「魔王軍」リーダーdottoが、イオリはかせ/水口と相対している。マッチアップはやはりと言うべきか、「光水自然ゴルギーオージャー」ミラー。「練度の高いゴルギーオージャーが最強」と言われれば、それは確かに事実かもしれない。だが。

 その一方で、Aブロックでは大波乱が起きていた。

 そもそもトップ16の段階で「光水自然ゴルギーオージャー」は3名しか残っていなかった上に、その全員がトップ8に進出できなかったのだ。トップ16の最多勢力は、王道W第4弾のタマシードが生み出したコンボミッドレンジである「4C創世竜」。さらに今大会の一週間前に突如として記事が公開され話題となった「5Cゴルギーネクスト」もトップ8に3人を送り込み、とりわけデュエチューブリーグの「シモカワ・ゴールデン・ラビッツ」に所属しているVのもれはトップ4まで勝ち上がって、リーガーに相応しい確かな実力を証明した。

 そのVのもれを準決勝で下して決勝まで勝ち上がったのが、「4C創世竜」を駆るナナシ/七草るーむである。そしてそれに相対するは、反対側の準決勝で同じく「5Cゴルギーネクスト」のちばしんを倒した、《~世紀末の善悪~》《アビスラブ=ジャシン帝》をタッチした独特なチューンの「火闇自然レッドゾーン」を使用する表サイバー龍だった。

ナナシ/七草るーむ「GIRAFULL CSで赤白タイヨーで対戦したとき以来ですね」

表サイバー龍「あー、マジか。そんな?」

 ナナシ/七草るーむには、予選6回戦全勝ゆえの絶対先攻というアドバンテージがあった。

 表サイバー龍には、「引き強」と評されているという己の引きへの絶対の自信があった。

 そしてそのどちらにも、積み上げてきた思いがあった。

 日本一決定戦への思いが。
 だが、権利を獲得できるのは勝者のみ。互いに譲れないものをかけた最後の戦いが、いま始まった。

Game

 開幕2ターンで《創世竜 Drache der’Zen》《聖霊王の聖典》とマナチャージしつつアクションのない先攻のナナシ/七草るーむに対し、《トートロット=シャルロット》を1ターン目にチャージしていた後攻の表サイバー龍は、2ターン目のドローを見ると小さく息を吐く。

表サイバー龍「……ふぅっ……」

 人差し指が何度も宙を指し、あるいはまだ2枚しか公開情報がないはずのナナシ/七草るーむのマナゾーンを見ながら、時に何かを指折り数える。予行演習(シミュレーション)──非公開の手札4枚を想像する。次のターンと、その次のターンに何が起こるのか。表サイバー龍は脳をフル回転させ、勝利への道筋をイメージする。

 やがて意を決したのか、《轟速奪取 トップギジャ》チャージから送り出したのは《ROYAL-減亜5》《轟く邪道 レッドゾーン》を埋めてドローしつつターンを返す。
ナナシ/七草るーむ「ちょっと考えます」

 一方のナナシ/七草るーむもこれを受けてここからの進行を考える。見えている限りでは相手は最速プラン、最悪次のターンに《魔誕の封殺ディアス Z》が走ってきかねない。ならば今やるべきは……検討を終えたナナシ/七草るーむは《創世竜 Drache der’Zen》の2枚目を惜しげもなくチャージすると、《大集合!アカネ&アサギ&コハク》。見えた2枚はどちらも《~世紀末の善悪~》で、悩むふりだけしつつマナ加速してターンを返す。

 表サイバー龍の3ターン目、はたして仕掛けられるのか。《PP-「P」》チャージから……だが、タップは3マナ。《MATATA-美吾罪261》召喚、「マッハファイター」で《大集合!アカネ&アサギ&コハク》を倒しつつ2ブーストから《PP-「P」》を下に仕込んでターンエンド。タップクリーチャーの用意を要求して圧をかける。

 だが。

ナナシ/七草るーむ「手札何枚ですか?」

表サイバー龍「3枚です」

 ここでナナシ/七草るーむは唐突に、表サイバー龍の手札枚数を確認する。それは、すなわち。

 《聖霊王の聖典》チャージ、《ウルの天宝》から《~世紀末の善悪~》

 表サイバー龍の手札から《轟速 ジャ・レッド》《PP-「P」》を奪い去ると、そのまま《MATATA-美吾罪261》へと攻撃させ、「超魂X」されていた《PP-「P」》を剥がすビッグムーブで表サイバー龍を追い詰める。
 それでも表サイバー龍も6マナ目チャージから《弐闘路と轟点火の決断》をマナアンタップと回収モードで手打ちする。期待値による必然(プロバビリティ)──3枚めくれば、ここまでの公開カードの合計は15枚にまで到達。4枚入っている《魔誕の封殺ディアス Z》にアクセスするのには十分すぎる数字。完璧な進行──そのはずだった。

 だがその3枚にも、《魔誕の封殺ディアス Z》の姿は見当たらない

表サイバー龍「手札が2枚?」

ナナシ/七草るーむ「2枚です」

 やむなく代わりに《堕チシ八叉ノ蛇神》を回収し、《ROYAL-減亜5》の上に進化させて《~世紀末の善悪~》へと自爆特攻させつつ手札破壊。G-NEO耐性を剥がす代わりに《ウルの天宝》を落とし、ターンを返す。

 それでも、トップ勝負なら引きが強い自分に分があるはず──と、表サイバー龍は考えたかもしれない。実際、ドローして手札2枚となったナナシ/七草るーむのアクションはマナチャージなしからの《大集合!アカネ&アサギ&コハク》で、1枚を手札に回収したのちに《~世紀末の善悪~》《堕チシ八叉ノ蛇神》を殴り返したものの、決定機を逃した形となる。

 はたして、表サイバー龍のターン。公開カードは16枚目。ここしかない。ドロー……!

 ……首を傾げる。《轟速奪取 トップギジャ》召喚、1ブーストのみ。そこにも《魔誕の封殺ディアス Z》の姿はない。

 そしてそれが、二人の命運を左右する最後のターンとなった。

 返すナナシ/七草るーむのアクションは《~邪眼帝 PARTⅡ~》《大集合!アカネ&アサギ&コハク》の上に重ねると、登場時能力で《グレートブルーの海幻》を下に。さらに終了時の能力で《邪心タル悪魔神ノ禍魂》をも下に敷く。

 通常の「火闇自然レッドゾーン」にとって天敵と呼べるカード。それでも表サイバー龍の構築にはそれを突破する仕掛けがあった。返すドローは、あらゆる耐性を無視した「深淵送り」を可能とする《アビスラブ=ジャシン帝》。デッキは、すべてのシチュエーションに間違いなく解答を用意していた。

 それなのに。本来最も期待されるシチュエーションで引き込んだ切り札なのに。

7マナまで伸びた表サイバー龍のマナゾーンにはそれにもかかわらず一切の水マナがなく、よりにもよって完全なる無駄ドローとなってしまう。

 対してナナシ/七草るーむが、それを見逃すはずもない。《~世紀末の善悪~》を送り出し、掘り進めた先には。

 《聖霊王の聖典》《グレートブルーの海幻》《邪心タル悪魔神ノ禍魂》が敷かれた《~邪眼帝 PARTⅡ~》が、日本一への階段(フィニッシュコンボ) ──離れない無限攻撃を実現する。

 「2点」「通ります」「2点」「……通ります」「1点」「……通ります!」

ナナシ/七草るーむ「ダイレクトアタックで!」

表サイバー龍「通ります!……あ゛~~!」

 悔しさのあまり、思わず天井を見上げる表サイバー龍。その声なき嘆きの深さは、声をかけられるまで差し出された右手が視界に入らないほどだった。

WINNER: ナナシ/七草るーむ

ナナシ/七草るーむっしゃ!

 一際大きな声で喜びを露わにするナナシ/七草るーむ。対し、表サイバー龍の表情は晴れなかった。

表サイバー龍「ディアス見えへんのかー……」

 できる限り公開領域を広げたにもかかわらず、《魔誕の封殺ディアス Z》にアクセスすることはかなわなかった。もちろん起こりうる下ブレではあったが……最後の最後で、"引き強"の帳尻合わせに裏切られた格好となった。

ナナシ/七草るーむ「っしゃー、良かったー……ニコチン吸いたい」

 勝者となれるのはたった一人。全力を尽くしたとて、必ず頂にたどり着けるとは限らない。だがだからこそエリア予選は、どこまでも熱い物語が生まれる場となるのだ。
 大阪エリア予選Aブロック、優勝はナナシ/七草るーむ!おめでとう!!

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