DMGP2026-1st Day2(オリジナル)決勝戦:Grimoire vs. ピンキ→
ライター:山口 海斗(ジャイロ)
撮影者:後長 京介
幼少のころに触れた隻眼龍への憧れは、一度は止んだものの「クロニクルデッキ 決闘!! ボルシャック・デュエル」との出会いで再度開花する。
好きゆえに、《ボルシャック・ドリーム・ドラゴン》も《超竜バジュラズテラ》も切札勝舞のイラストが描かれているバージョンにしている。
彼の名は、ピンキ→。
《斬隠蒼頭龍バイケン》が好きなんだと彼は言う。
幼少のころ兄貴分から譲り受けた銀枠の《斬隠蒼頭龍バイケン》に惚れて使い始めたシノビ。一度はデュエル・マスターズから離れたものの、「スタートWINデッキ 聖沌・クノイチ・チェンジ」という新時代のシノビとの出会いによって競技シーンまで舞い戻る。
彼の名は、Grimoire。
切札勝舞とシノビがフォーカスされたパック「逆転神VS切札竜」の発売から1週間。
約4,800人規模で開催されたDMGP2026-1stの決勝の場に残ったのは、切札勝舞が好きなピンキ→とシノビが好きなGrimoire。
出来過ぎだろうか。創作上の出来事だろうか。
この日、会場の誰しもが、配信を観た誰しもが、デュエマの神様の存在を信じることになる。

仰々しい始まり方をしたが、実際の対戦そのものは非常に緩やかなものであった。というか、ピンキ→もGrimoireもデュエマが大好きで、デュエマを楽しんでいるのだ。
Grimoire「雰囲気とか話し方とか他人には思えなくて。」
ピンキ→「もしかしたら兄弟だったかも?」
仲良く会話しながらシャッフルは進み、ジャッジから配信卓に関するアナウンスが入る。
Grimoire「≪シャッフ≫で宣言するときとか、手はこうするんですよ!」
ピンキ→「あ、なるほど~」
配信卓の先輩として作法を教えるGrimoire。
続く先攻後攻を決める予選順位の確認についても、
Grimoire「31位!」
ピンキ→「32位!え~~~~!!!」
なんというか、本当に仲が良い。
至上稀にみるほんわかした雰囲気の中、DMGP2026-1stの決勝戦が始まった。
Game1
先攻:Grimoire
Grimoireは新ギミックであるG城《我竜塔第八層 バルザーク》の実行をしてゲームが始まる。
対するピンキ→は《メンデルスゾーン》で早速2マナブースト。どちらもセオリー通りの滑り出しだ。

Grimoireはマナをチャージせずに《虚ト成リシ古ノ蛇神ノ咆哮》で手札を入れ替える。
僅か3ターン目のノーチャージ宣言に耳を疑う。幻惑と翻弄、それこそがシノビの真骨頂とは言うが。
もしくは既に、Grimoireにはこのゲームの未来が見えているのだろうか。
ピンキ→はなおも《メンデルスゾーン》でマナを伸ばす。もれなく2ブーストと絶好調だ。
Grimoireも引き続き《虚ト成リシ古ノ蛇神ノ咆哮》で手札を入れ替える。
先のターンもだが、それぞれに《我竜塔第八層 バルザーク》が反応しており、着実にGrimoireの手札が整いつつある。
一通りマナを伸ばし切ったピンキ→。準備は整ったと攻勢に出る。
《頂上連結 ロッド・ゾージア5th》を出してGrimoireへの行動制限をかけると、そのまま攻撃。
僅か1マナで《剣轟の団長 ドギラゴン王道》をD・D・D、効果で《友情地龍 ルピア・ターン》を呼び出し後続を山札に用意する。
このゲーム初めての攻撃に対してGrimoireが対応する。
ウラ・ニンジャ・ストライク、《裏斬隠 テンサイ・ハート》。
手札から《斬隠将撃龍ニバイケン》が捨てられるとそのままバトルゾーンへ。今はまだピンキ→のターン、《頂上連結 ロッド・ゾージア5th》の行動制限の外にいる。
Grimoireは登場時のバトル効果で《友情地龍 ルピア・ターン》を破壊し、W・ブレイクは受け入れた。
虚こそ突かれたがパワー6000のクリーチャーが立ったのみ。ピンキ→はターンを終えて《頂上連結 ロッド・ゾージア5th》の庇護下に入ろうとした矢先。
まだピンキ→のターンは終わっていなかった。このターンでたクリーチャーはとっくに3体を超えている。

Grimoireが唱えたのは《真気楼と誠偽感の決断》。
2ドローして”捨てる”効果を2回実行し、今度は《斬隠蒼頭龍バイケン》をバトルゾーンへ送り込む。
迎えたGrimoireのターン。《氷柱と炎弧の決断》を唱えると、《剣轟の団長 ドギラゴン王道》をプリン効果によって行動停止とし、エレメントを出す効果で《カクラリコ》を場に送る。
《斬隠将撃龍ニバイケン》でピンキ→に向けてW・ブレイク、攻撃は通る。
《斬隠蒼頭龍バイケン》でピンキ→に向けてW・ブレイク、攻撃は通る。
アグレッシブな攻撃の末、ピンキ→のシールドは残り1枚に。
ピンキ→「通らなきゃ負ける…。賭けるしかない!」
指差し指差しで動きを確認したピンキ→。このターンの動きが決まったようだ。

《友情地龍 ルピア・ターン》を召喚すると《剣轟の団長 ドギラゴン王道》によってスピードアタッカー化。
即座に攻撃するとおもむろに7枚のマナを横にした。
D・D・D、《「GG」-001》!

《「GG」-001》は進化したことにより、「出ることによってトリガーする能力」も「攻撃することによってトリガーする能力」も封じ込む。
攻撃に反応して《裏斬隠 テンサイ・ハート》が出るも効果は不発。
《「GG」-001》がGrimoireの《我竜塔第八層 バルザーク》を含む4枚のシールドを全て割り切る。
《我竜塔第八層 バルザーク》が離れたことによって手札を捨てるGrimoire。捨てられたのはもちろん《斬隠蒼頭龍バイケン》!
これは「出ることによってトリガーする能力」能力ではないため《「GG」-001》を手札へと追いやる。《斬隠蒼頭龍バイケン》ならではのテキストがGrimoireを窮地から救う。
続く《頂上連結 ロッド・ゾージア5th》の攻撃にも《裏斬隠 テンサイ・ハート》がウラ・ニンジャ・ストライク。またも《斬隠蒼頭龍バイケン》が捨てられて《頂上連結 ロッド・ゾージア5th》すら手札へ戻される。
終了時にはもちろん《真気楼と誠偽感の決断》。
予め《裏斬隠 テンサイ・ハート》を山札の下に返しておき山札の嵩増しをしたGrimoire、《真気楼と誠偽感の決断》のドロー効果を遺憾なく実行する。
山札を残り1枚まで掘り切り、その1枚も《裏斬隠 テンサイ・ハート》であることを知っている。
シールドも無い現状、Grimoireはデッキに存在するあらゆるカードにアクセスできるのだ。
例えば1枚採用の《コッコ・武・ルピア》で山札を作り直すことも。
例えば1枚採用の《時の法皇 ミラダンテⅫ》に革命チェンジすることも。

あらゆる1枚採用のカードを使いこなし、デッキの強さを遺憾なく発揮しての決着。
ダイレクトアタックはもちろん、お気に入りの《斬隠蒼頭龍バイケン》だ。
Grimoire 1-0 ピンキ→
ピンキ→「なるほどなぁ~、≪バイケン≫ダメなのか。」
絶妙なテキストの違いにより、《「GG」-001》の天敵は《斬隠蒼頭龍バイケン》と悟る。
未知のデッキへの理解を深めるピンキ→。分かったうえで戦わなければならないのがまた辛い。
《カクラリコ》は破壊していいのか?
《真気楼と誠偽感の決断》はどこまで気にしなければならない?
そもそも攻撃すらしていいのか?
陰謀と策略が張り巡らされる。それこそがGrimoireの狙いなのか。
Game2
先攻:ピンキ→ピンキ→「今日も吸いつくな~!」
デッキトップから引き込んだ《メンデルスゾーン》を唱え、マナのジャンプアップに成功するピンキ→。
Game1でもやっていたが、ピンキ→の《メンデルスゾーン》はやけに吸いついているのだ。
対するGrimoireは2ターン目に《カクラリコ》を召喚しており、最低限受ける構えは取れている。
普通に攻めたのではGame1の二の舞になる。ピンキ→にとって、Grimoireが手札を回していない”今”このタイミングが攻め時だ。
《偽りの希望 鬼丸「終斗」》を3コストで召喚して《カクラリコ》を破壊した。

正論ではある、正しくもある。正しくあるほど、ピンキ→の耳に優しく響く。
祈るように見つめるピンキ→であったが、Grimoireの手札から捨てられたのは《斬隠蒼頭龍バイケン》。

出ると同時に《偽りの希望 鬼丸「終斗」》を手札に返す。
しかしただではやられない。そう、ピンキ→の《メンデルスゾーン》は吸いつくのだ。
残る2マナでまたもやデッキトップから引き込んだ《メンデルスゾーン》を唱えて2マナ加速。
Grimoire「吸いつきますねー!」
思わずGrimoireからも感嘆が漏れる。
が、吸いついているのはピンキ→だけではない。
Grimoireのターン、《斬隠蒼頭龍バイケン》は攻撃時に革命チェンジ、《時の法皇 ミラダンテⅫ》!
更に唱える効果で《真気楼と誠偽感の決断》!ドローする効果を2回使い、さらにGrimoireのガードが上がる。
Grimoireのフルムーヴに対して思わず拍手で返すピンキ→。
T・ブレイクが炸裂し、僅か3ターン目にしてピンキ→のシールドは残り2枚。
ピンキ→は更に《メンデルスゾーン》を唱えてマナ加速。7以下を止められては何も動けない。
Grimoireは《カクラリコ》をバトルゾーンに送り込むとなおも《時の法皇 ミラダンテⅫ》で攻撃を続ける。そこに迷いは無い。
やるときはやる!
全てのシールドを失ったピンキ→であったが、吸いついた《メンデルスゾーン》のおかげでマナは既に10枚。持ってさえいればなんだって可能なマナ域だ。
まずは《偽りの希望 鬼丸「終斗」》で《カクラリコ》をバトルによって破壊。
そこに《斬隠蒼頭龍バイケン》が反応して《偽りの希望 鬼丸「終斗」》は手札に返されるが、ここまでは想定内。
ピンキ→は《世界のY チャクラ・デル・フィン》を召喚してシールドを追加。命を繋ぎつつ、《時の法皇 ミラダンテⅫ》をタップフリーズ。
残る4マナで送り込んだのはピンキ→の魂そのもの、《ボルシャック・ドリーム・ドラゴン》。
《斬隠蒼頭龍バイケン》をタップして攻撃先としながら、《ボルシャック・ドリーム・ドラゴン》が攻撃時に山札から仲間を呼ぶ。
駆けつけたのは《R.S.F.K. / オールイン・チャージャー》。
《ボルシャック・ドリーム・ドラゴン》自体は《裏斬隠 テンサイ・ハート》から捨てられた《斬隠蒼頭龍バイケン》によって手札に返されたため、ピンキ→の行動可能なクリーチャーは≪R.S.F.K.≫のみ。

≪R.S.F.K.≫の攻撃時、負けるまでのガチンコ・ジャッジ。
1勝…2勝…3勝…4勝…。
ガチンコ・ジャッジ5連勝!!!!!

Grimoireの5枚のシールドが一気に吹き飛ぶ。と同時に《世界のY チャクラ・デル・フィン》のZラッシュも発動。
《虚ト成リシ古ノ蛇神ノ咆哮》や《氷柱と炎弧の決断》といった呪文トリガーが有効とならない。
このまま≪R.S.F.K.≫が駆け抜けるか。
ピンキ→「頼む!!!」
しかしGrimoire、ここはしっかり《裏斬隠 テンサイ・ハート》を抱えており効果で《斬隠将撃龍ニバイケン》が捨てられる。
バトルゾーンに《斬隠将撃龍ニバイケン》が着地し、≪R.S.F.K.≫はバトルによって攻撃を終える。
すんでのところで詰め切れず、ターンを終えるピンキ→。
GrimoireはG城の《我竜塔第八層 バルザーク》を実行してピンキ→への要求を上げる。
あとは攻めるのみ。
《斬隠将撃龍ニバイケン》は攻撃時に革命チェンジ、《紅き団長 ドギラゴン悪》へ。
《斬隠将撃龍ニバイケン》の攻撃時の効果で《斬隠将撃龍ニバイケン》を捨てると、《紅き団長 ドギラゴン悪》のファイナル革命ですぐさま蘇生。
《世界のY チャクラ・デル・フィン》はバトルによって破壊され、ピンキ→の残るシールド1枚がブレイクされた。
奇跡そのものでも起きない限り、この過剰な打点は止まらない。
誰が想像できるだろうか。

《~輝きは奇跡そのもの~》が残り1枚のシールドに埋まっているなんて。

両者ともに唸るS・トリガーが発動し、がらんとしていた幕張メッセに咆哮がひびく。
主導権は再びピンキ→の元に舞い戻った。
《カクラリコ》はもういない。マナはたっぷり12枚。
ピンキ→「楽しい!」
Grimoire「デュエマやってる!」
千載一遇のチャンスを得たピンキ→、祈るように見守るGrimoire。
両者は自身のデッキに問いかける。
Grimoire「こんなところで終わるデッキじゃない!!」
ピンキ→「もう1回だけ信じさせてくれ、夢を!」
再度魂のカードである《ボルシャック・ドリーム・ドラゴン》を送り込むピンキ→。
《~輝きは奇跡そのもの~》での攻撃宣言時、D・D・Dで《「GG」-001》へ成る!
ウラ・ニンジャ・ストライクは止めた。
先のガチンコ・ジャッジで天敵の《斬隠蒼頭龍バイケン》は4枚見え切っている。
《ボルシャック・ドリーム・ドラゴン》の効果はまだ残している。ドラゴンさえ捲れたらタップ効果でブロッカーはすり抜ける。
可能な限り全てのケアをして残るシールド、《我竜塔第八層 バルザーク》1枚をブレイク。
Grimoireの手札から捨てられたのは《斬隠将撃龍ニバイケン》。ブロッカーは《ボルシャック・ドリーム・ドラゴン》で乗り越えられる!
ピンキ→がGrimoireを制した。ボルシャックがシノビを制した!
かに見えた。
偽りの優位に踊らされた我々は、すぐに思い知らされる事になる。
《紅き団長 ドギラゴン悪》のバトル効果が残っていることに!

Grimoireが見据えていたゲームの終着点。
パワー13000の《紅き団長 ドギラゴン悪》が《ボルシャック・ドリーム・ドラゴン》を下し、ピンキ→からターンをもぎ取った。彼を守るシールドはもうない。
ピンキ→「立ったまま死ぬのだ!チョー楽しかったです!」
ピンキ→から差し伸ばされた手にGrimoireが握手を交わし、壮絶な決勝戦は幕を下ろした。

Grimoire 2-0 ピンキ→
Winner:Grimoire
Grimoire「喜ばせてください!よっしゃー!」

この日、会場の誰しもが、配信を観た誰しもが、デュエマの神様の存在を信じることになったろう。
≪バイケン≫に憧れた少年が決勝の地まできた。≪ボルシャック≫に憧れた少年もこの地まで来た。
両者は最後まで笑いながら、憧れたカードたちを会場の誰よりも使いこなすのだ。
最後までデュエル・マスターズを楽しんでいるGrimoireとピンキ→だからこそ、デュエマの神様は彼らをヒーローにしてくれたのではないか。
そうでもないと、創作のようなマッチングも、奇跡そのものなS・トリガーも、≪バイケン≫だからこその大逆転も説明がつかない。
最後に、声を大にして伝えたい。デュエル・マスターズ面白過ぎる!
おめでとう!Grimoire!ありがとう!ピンキ→!
最高の25周年が始まった。

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Grimoire DMGP2026-1st オリジナル構築 |
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ピンキ→ DMGP2026-1st オリジナル構築 |
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