DMGP2026-1st Day1(アドバンス)決勝Round 1:チーズK vs. えもかふぇ
ライター:伊藤 敦(まつがん)
撮影:瀬尾 亜沙子
「個性を維持しながら勝利する……こと対戦型カードゲームにおいては、そんなものは夢物語だ」と思うかもしれない。なぜなら情報化が進んだ現代では、強いデッキはいち早くコピーされるものだからだ……だが、そんな夢物語に身を投じるプレイヤーもまた、確かに存在するのだ。
約4600名いた参加者も、予選9回戦を経てついに128名にまで絞られた。ここから行われるのは、シングルエリミネーション(すなわち敗北=退場)の長い長いトーナメント。そしてその初戦でフィーチャーマッチに選ばれたのは、128名の中でも特に独創的なデッキの使い手だった。
チーズK「緊張しますね。もうフィーチャーには何度か……?」
えもかふぇ「いえ、初めてですビデオ」
長野からの遠征勢、チーズKが持ち込んだのは、既存のどのアーキタイプにも分類されない「個性」たっぷりのローグデッキ。だがそれで8勝1敗という成績でここまで勝ち上がっているというのだから、今後のメタゲームに風穴を開ける存在となれるかもしれない。
一方、対するえもかふぇは、2025年度下期ランキングで権利を獲得してつい先日の日本一決定戦にも出場した経験を持つ、関東の強豪。使用するのは当然現在のアドバンス環境において図抜けたカードパワーを誇る王者のデッキ、「4c跳次元」。目指すはもちろん、「勝利」のみ。
互いに超次元を確認すると、えもかふぇはチーズKの側に《魔導具の巨匠、ミロク》のセットがあることと、《禁断 ~封印されしX~》があることを確認する。「ダーツではない、殴る気はありそう」くらいの情報は読み取れたことだろう……だが、はたしてその全貌に気づけるかどうか。
「個性」と「勝利」。カードゲームにおいては相反するはずの2つのベクトルが、フィーチャーマッチにて激突した。Game
予選37位のチーズKが順位先攻。《頂上連結 ロッド・ゾージア5th》《世界のY チャクラ・デル・フィン》とチャージしてからの初動は《レーホウ・衛・デカッチ / 「暴竜爵様のお出ましだッチ!」》の呪文側。だが回収は多色の《頂上連結 ロッド・ゾージア5th》で残り3枚もすべて下と、少し噛み合いが悪そうな展開。一方、対するえもかふぇも《流星のガイアッシュ・カイザー》《頂上連結 ロッド・ゾージア5th》とチャージし、受ける構えを見せる。それでも3ターン目を迎えたチーズKが《頂上連結 ロッド・ゾージア5th》チャージから再び《レーホウ・衛・デカッチ / 「暴竜爵様のお出ましだッチ!」》の呪文側を唱えると、えもかふぇもさすがに怪訝な表情を隠さない。
えもかふぇ「テキスト見ててもいいですか?」さすがにアドバンスで見慣れないカード過ぎる。何をするデッキなのか……そんなえもかふぇを尻目に、チーズKは《偽りの希望 鬼丸「終斗」》を回収しつつ、残り3枚のうち2枚を山札の上に積む。それはすなわち、「次のターンに1枚上に仕込んだ状態で走るぞ」という言外のメッセージ。
ゆえに、えもかふぇは《超次元サプライズ・ホール》チャージから最新ギミック「G城」の《我竜塔第七層 ハッスル・キャッスル》をシールド化して対抗する。自分は「3→5」を実現しつつ、最適なタイミングでの牽制。《偽りの希望 鬼丸「終斗」》が走ることはできても、それ以上の無法を咎める形。そして実際、《トルネード・テレポートホール》をマナチャージしたチーズKは《偽りの希望 鬼丸「終斗」》を召喚して《我竜塔第七層 ハッスル・キャッスル》含みでW・ブレイクすることしかできない。S・トリガーは発動しなかったものの、えもかふぇは先攻後攻を入れ替えることに成功する。
それでも、まだ反撃に十分なリソースがなかったか、返すえもかふぇのアクションは《超次元サプライズ・ホール》チャージからの《超次元エナジー・ホール / 超次元サプライズ・ホール》の上側で、1ドローから≪ラスト・GOLDEN・ドラゴン≫を着地させてターン終了。今度こそ、チーズKに何の制約もかからない1ターンが返ってくる。
《ボルメテウス・レインボー・ドラゴン》をマナチャージしたチーズKは満を持して《頂上連結 ロッド・ゾージア5th》を手出しすると、≪ラスト・GOLDEN・ドラゴン≫の2ドローを与えつつも、《偽りの希望 鬼丸「終斗」》攻撃時に《紅き団長 ドギラゴン悪》へと「革命チェンジ」!「ファイナル革命」による蘇生対象はないものの、≪ラスト・GOLDEN・ドラゴン≫を処理しながらのT・ブレイクが走る。そして、その3枚には……。
S・トリガー、《宇宙妖精エリンギ》!チーズKの攻勢を一手でかわすと、さらにえもかふぇはターン終了時に《流星のガイアッシュ・カイザー》までも着地させる。だがそれでも、続くえもかふぇのターンは《頂上連結 ロッド・ゾージア5th》の着地時効果がかかっている。安全な1ターンになる……そのはずだった。
否、実際に安全だったのだ……ただし、その1ターンだけは。
再び《我竜塔第七層 ハッスル・キャッスル》を設置したえもかふぇが、自己軽減と《流星のガイアッシュ・カイザー》含めてわずか4マナから送り出したのは……《勝利龍装 クラッシュ“覇道”》!《紅き団長 ドギラゴン悪》を踏み、追加ターン。《頂上連結 ロッド・ゾージア5th》の制限から脱出したえもかふぇは、満を持して《鬼修羅と跳次元の決断》で≪ラスト・GOLDEN・ドラゴン≫と《聖霊超王 H・アルカディアス》を着地させる!
えもかふぇ「ハイパーのドローなしで大丈夫です」
さらに2体目の《勝利龍装 クラッシュ“覇道”》を出し、そのままタップして《聖霊超王 H・アルカディアス》を「ハイパー化」。続けて《流星のガイアッシュ・カイザー》攻撃時に「D・D・D」《剣轟の団長 ドギラゴン王道》でマナから《頂上連結 ロッド・ゾージア5th》を送り出すと、圧倒的な打点で見事にチーズKにダイレクトアタックを決めてみせたのだった。
Winner: えもかふぇ
チーズK「ありがとうございました!」
えもかふぇ「《勝利龍装 クラッシュ“覇道”》めっちゃ刺さってよかったです」
チーズK「マジでそれだけやったです……普通のテレポだったらあれで勝ってるんで」
負けはしたものの、チーズKの持ち込んだ「火光ドギラゴン悪」は、間違いなく今回のアドバンス・フォーマットにおける意欲作だった。
チーズK「長野で普段調整してるメンバーに、環境外のデッキを作るのが得意なビルダーがいて。一生5Cギガタックジョリーを擦ってるゴルセアァっていう方なんですが、彼がこのデッキを作ってくれて。環境のデッキを当てていったら意外と勝てるじゃんと。その後『ドロマーシーザー』が流行ってしまって微妙かなとなったんですが、《世界のY チャクラ・デル・フィン》を入れたらかなり戦えたので、環境の通り見てもこれならいけるってことで、地元5人で乗り込んで自分だけ予選抜けでしたね」
チーズK「何より顔がいいんですよ。本来だと積み込んでから《頂上連結 ロッド・ゾージア5th》を確定で出す動きになるんですが……あと《熱血龍 バトリベンジ》も入っているので、最速後手2ターン目に走るパターンもありますね。ただやっぱり……勝ちたかったです」
仲間たちの思いを背負い、トップ128で散った「個性」。だがそれでも、歴史に名を刻むという違った形での「勝利」は、手にすることができたと言えるのかもしれない。
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チーズK DMGP2026-1st アドバンス構築 |
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えもかふぇ DMGP2026-1st アドバンス構築 |
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