DMGP2026-1st Day1(アドバンス)3位決定戦:YUNI@ vs. 天馬
ライター:高橋 穂(北白河)
撮影:後長 京介
「どの戦いにおいてもそうである」と言われればそれまでなのだが、間違いなくその候補のひとつとなるのが3位決定戦だ。
(繰り下げなどがない場合)3位のプレイヤーには全国大会の招待権が与えられる。対して、4位にはそういった大きな特典は与えられない。「全国大会への参加」をモチベーションにしているプレイヤーにとっては、この3位決定戦は最終決戦にして最大の崖っぷちとも言えるだろう。
YUNI@「さっきの戦い(準決勝)の二本目でプレイミスして……まだ引きずってます」天馬「実はこっちも、(準決勝で)それ以上にボッコボコにされてきました」
そんな場に現れたのは、YUNI@と天馬。ここまでの長丁場の対戦に加え、準決勝直後の緊張が残っているせいか、両プレイヤーとも疲労の色が濃い。
いつもならさらりと済ませがちな超次元ゾーンのチェックについても、テキストを含めてしっかり確認を行い、疲労時に発生しがちなうっかりミスを防いでいくつもりのようだ。
YUNI@が駆るのは、【光水闇邪眼帝】。
オリジナルでも活躍する妨害クリーチャー+手札破壊を軸としたコントロールデッキだが、今回のチューンは、《超次元サプライズ・ホール》からの軽減クリーチャー等も交えて「4ターン目《~世紀末の善悪~》」の再現性を高めた構築。
これで相手のリソースを奪いつつ強力な超次元関係呪文を奪うことで、他デッキにやや劣る出力をカバーしつつ、元のコントロール性能を存分に活かせるようになっている。
さらに確実な延命手段兼勝ち手段としての《切札竜 ボルメテウス・リバース・ドラゴン》の採用や、受けと手札破壊を兼ねつつそちらのZラッシュに繋がる《青寂の精霊龍 カーネル / サイレント・ジェラシー》などの意欲的な構成もあって、基盤をシェアした調整メンバーを3人本戦に送り込むなどGPのメタゲームにも見事に合致。
YUNI@が求める「先手後手問わずゲームを作れる」「仮想的の【ダーバンデ】に対して受けて切り返せる」「相手の受けに左右されない勝ち筋がある」という高い要求を満たす、コミュニティの研究の結晶ともいえる一品だ。
そして天馬が使うのは、【4c跳次元】。
《鬼修羅と跳次元の決断》による強力クリーチャー展開と、《流星のガイアッシュ・カイザー》《剣轟の団長 ドギラゴン王道》といった多色パワーカードの嵐で戦う高出力のグッドスタッフデッキだ。
実際に本戦進出者内のシェアトップとなる今大会の「勝ち組」デッキだが、天馬がこのデッキを選んだ理由は「メタゲームの解析や調整・練習の時間がなく、CSで結果を残して友人に勧められた構築で出ることを決めた」という意外なもの。
天馬「もし(GP開催が)三日前だったり、三日後だったりしたら別のデッキだったと思う」
しかし、そのデッキ選択の嗅覚がメタゲームとして正しかったことは証明されている。直前に決めたデッキにもかかわらず、それをきっちり使いこなす天馬のプレイスキルの高さも言わずもがなだ。
勝っても負けてもこれで終わり。しかし、その先は天国と地獄。
極限の状況にて、二人のプレイヤーの最終決戦が始まる。
Game1
先攻:YUNI@
両プレイヤーとも、手札をじっと眺める。掛かっているものが大きすぎる以上、一手一手悩みつつそれぞれ《~邪眼帝~》《宇宙妖精エリンギ》と初手のマナチャージを進めていく。このゲームのファーストムーブは、先攻2ターン目の《青寂の精霊龍 カーネル / サイレント・ジェラシー》の呪文面。
《時の法皇 ミラダンテⅫ》を打ち抜きつつシールドを回収し、アドバンテージ面での優位獲得を狙っていく。
天馬「ふむ……」
これに対し、目を閉じて戦況を考える天馬。しばらく手札を眺めたのち、《フェアリー・Re:ライフ》でマナを伸ばすことを選ぶ。
この隙に何らかの妨害で追撃を行いたいYUNI@だが、どうやら手札に多色カードが溜まっているようで思うように動けない。仕方なく2枚目の《~邪眼帝~》をチャージし、3ターン目をパスしてターンを返す。
なにもされずにターンが帰ってきた天馬は、この隙にブーストとして《我竜塔第七層 ハッスル・キャッスル》をシールドに設置!
次のターンの《ウルの天宝》などの踏み倒しに待ったをかけつつマナを伸ばし、次のターンのビッグムーブに備える一挙両得のムーブだ。
厳しい状況のYUNI@の目の前には、マナチャージの選択肢がふたつある。すなわち、3枚目の《~邪眼帝~》と《真気楼と誠偽感の決断》だ。
フィニッシャーたる前者をチャージすれば、ただでさえ厳しい戦況への決着は遠のくだろう。かといって後者をチャージすれば、次のターンの天馬のビッグムーブを咎める手段はなくなってしまう。
どう転んでも裏目のある二択に対して最終的にYUNI@がチャージしたのは、《真気楼と誠偽感の決断》。そして残った3マナで、《冥土人形ヴァミリア・バレル》を召喚して手札を詰めに行く。
2枚しかない天馬の手札から落とされたのは、《頂上連結 ロッド・ゾージア5th》。こうして手札を絞ってゲームをコントロールしきる……という目論見の元、YUNI@はターンを返す。
しかし、ここでトップから天馬の手札に駆け付けたのは《鬼修羅と跳次元の決断》!残った1枚の手札である《剣轟の団長 ドギラゴン王道》を超次元に送りつつ唱えた瞬間、YUNI@は天を仰ぐ!
跳次元召喚6の効果が2回選ばれて≪ラスト・GOLDEN・ドラゴン≫が2体登場すると、両者の効果で合計4ドロー。YUNI@の狙う手札破壊戦術は、たった1枚のドローにより完全に無へと帰してしまった。手札補充で一息つき、《真気楼と誠偽感の決断》ケアでそのままターンを返す天馬。
こうなってくると、YUNI@は自分からゲームを動かすしかない。(《鬼修羅と跳次元の決断》あたりを奪えると流れを変えうる)《~世紀末の善悪~》を召喚するも、手札破壊で落ちたのは《フェアリー・Re:ライフ》と《流星のガイアッシュ・カイザー》のみ。
2体の≪ラスト・GOLDEN・ドラゴン≫が4枚の手札を天馬にもたらしたのを見届け、ターンを返す。
YUNI@の手札破壊をそれを上回る大量ドローで克服して見せた天馬は、見えている範囲で最も多くドローを行いつつ、確実にとどめを刺す手段を求めて長考に入る。
ジャッジから声がかかるほどに悩み抜いた天馬が、最後に選んだ動きは以下の通りだ。
まず軽減入りの《鬼修羅と跳次元の決断》で跳次元召喚6を2回選択。
≪新空のネビュラ ユリア・マティーニ≫と《芸魔温泉!オンセン・ガロウズ》を送り込みつつ、≪ラスト・GOLDEN・ドラゴン≫で4ドローと4マナアンタップ。
《芸魔温泉!オンセン・ガロウズ》はあえて手札入れ替えだけを行い、≪新空のネビュラ ユリア・マティーニ≫は《~世紀末の善悪~》を手札に戻しつつコスト5クリーチャーの登場を禁じる。
次に、《偽りの希望 鬼丸「終斗」》を召喚。《冥土人形ヴァミリア・バレル》をバトルで破壊しつつさらにドローを行う(先ほどの《芸魔温泉!オンセン・ガロウズ》の破壊効果パスは、ここでドロー付きで破壊するためだった)。これでYUNI@のバトルゾーンは空っぽだ。
そして≪ラスト・GOLDEN・ドラゴン≫攻撃時に、大量ドローで探し続けた《音卿の精霊龍 ラフルル・ラブ / 「未来から来る、だからミラクル」》の革命チェンジと《剣轟の団長 ドギラゴン王道》のD・D・Dを宣言!
こうして《剣轟の団長 ドギラゴン王道》で《頂上連結 ロッド・ゾージア5th》を呼び出すと、十分すぎるスピードアタッカー打点に加えて「呪文ロック」「召喚以外のクリーチャー展開ロック」「5コストクリーチャーロック」「(もしターンが帰っても)クリーチャーを1体までしか出せないロック」……と、何があってもまず返せない布陣の完成だ。
普段ならば明らかに過剰なほどの対策だが、ここが最終決戦の場だけに「絶対に妥協したくない」「後悔したくない」という天馬の思いが伝わってくるようだ。
はたしてYUNI@のシールドの中に応手はなく、後詰のアタッカーを数体残して天馬が最初の勝ち星を手に入れた。
YUNI@ 0-1 天馬
Game2
先攻:YUNI@1戦目と同じく、じっくりと考えながらマナを埋めていく両者。
ただし、YUNI@は単色カードをチャージすることで《偽りの希望 鬼丸「終斗」》をしっかりケアしながら。
そして天馬は《剣轟の団長 ドギラゴン王道》《音卿の精霊龍 ラフルル・ラブ / 「未来から来る、だからミラクル」》とチャージすることで、2枚目の《剣轟の団長 ドギラゴン王道》の出力を確保しながら、だ。こうしたマナ埋めの結果、どちらにも2ターン目の動きはなく、両者とも動きあぐねる立ち上がりとなった。
ゲームの転機は先攻3ターン目。YUNI@の手元には、《ウルの天宝》と《超次元サプライズ・ホール》がある。
《ウルの天宝》をチャージして《超次元サプライズ・ホール》を使えば、超次元ゾーンから≪GQ 舞覇-10≫を呼び出して手札を確保しつつ、このデッキの必殺ムーブである「4ターン目《~世紀末の善悪~》」へとスムーズに繋がる。もしここで天馬の手札の《鬼修羅と跳次元の決断》を奪えるようなことがあれば、それだけで勝ちが転がり込んできかねない。しかし、それは天馬の手札に《流星のガイアッシュ・カイザー》がなければの話だ。もしこの状況で《流星のガイアッシュ・カイザー》の踏み倒し条件を満たさせてしまうと、各種革命チェンジや《剣轟の団長 ドギラゴン王道》が使い放題となり、先ほどのムーブを実現する前に負けてしまいかねない。
(初手を含めて)天馬の引いた7枚のカードの中に、デッキに4枚の《流星のガイアッシュ・カイザー》が1枚以上ある確率は約55%。奇しくも、ほぼ半分の確率だ。
リスクを取って《超次元サプライズ・ホール》で手を進めるか、リスクを回避して1ターン待つか。これまでにも無限に繰り広げられてきた究極の二択に対して、YUNI@は……
自ら勝ちに向けて動くことを選んだ。そして。
選んだリスクを受け入れることとなった。2ドローを行った天馬は再び、今できる「最大値」を考える。このチャンスは、絶対に逃がしてはならない。
1ゲーム目と同じく「絶対に勝てるムーブ」限界まで考え抜いた末、天馬は動き出す。
(ケアされて腐っていた)《偽りの希望 鬼丸「終斗」》をチャージ、《フェアリー・Re:ライフ》で《フェアリー・Re:ライフ》がマナへ。そして《流星のガイアッシュ・カイザー》攻撃時。



クリーチャー召喚と呪文の両方を封殺する、ドラゴンデッキの必殺ムーブの一つである「ラフルルダンテ」。Game1と違って《ウルの天宝》だけはケアしきれないが、手札に戻った《流星のガイアッシュ・カイザー》を構えられていることもあり、天馬が今できる最強のムーブであることには変わりはない。
はたして、《時の法皇 ミラダンテⅫ》のT・ブレイクと≪音卿の精霊龍 ラフルル・ラブ≫のW・ブレイクの中にゲームを覆すS・トリガーはなく……
完全なロックが掛かったままシールド0枚でターンが帰ってきたYUNI@は、成就していれば《~世紀末の善悪~》に繋がったはずの《終止の時計 ザ・ミュート》のチャージだけを行い、天馬に右手を差し出した。
Winner:天馬|
YUNI@ DMGP2026-1st アドバンス構築 |
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天馬 DMGP2026-1st アドバンス構築 |
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