DMGP2026-1st Day2(オリジナル)準々決勝:サラー vs. Grimoire
ライター:高橋 穂(北白河)
撮影:瀬尾 亜沙子
数千人いたプレイヤーは姿を消し、サイドイベントのブースは片付けられ、がらんどうになった会場の一角で席に着いて試合開始を待つ。これが、GPベスト8まで勝ち残ったものが初めて知ることとなる、存外寂しい景色だ。
しかし、この景色をすでに知っている者もいる。
Grimoire「ベスト8経験者か……」
サラー「ここで負けちゃったんですけどね」
穏やかな声ながら、言外に「今回はさらに上に行く」という意志を見せるのはサラー。DMGP2025-1st Day1に続き、GP史においても数えるほどしかいない「2回目のベスト8以上」を確定させているプレイヤーだ。
彼が駆るのは、【光水闇邪眼帝】。
手札破壊と多数の妨害を擁する堅牢なコントロールデッキにして、本戦トップシェアとなる「今大会の勝ち組」となるデッキだが、サラーのチューンは一味違う。
《世界のY チャクラ・デル・フィン》《改竄の炎 ボルメテウス・ハック》《旋略のS アドミラル・アレグル》といったZラッシュに寄せることで、仮想敵となる【ダーバンデ】などの攻めっ気の強いデッキに対して「絶対に勝つ」という意志に満ちた構成となっているのだ。
さらに《切札竜 ボルメテウス・リバース・ドラゴン》を採用して受けの強いデッキに対しても試合時間節約と確実な突破を狙いつつ、トリガー《ウルの天宝》→《~邪眼帝~》と動いた際の最高の受けも担保する……など、まさにこのGPという環境におけるメタゲームを考え抜いて作られた一品と言えるだろう。
その前でシャッフルを続けるのは、Grimoire。
大型大会にてここまで上ってくるのは初めてということで、やや緊張の色が見える。
しかし、ここまで勝ち抜いてきたからには何らかの形でメタゲームを制する術を持っていることは間違いない。実際に、予選の順位はサラーより上なのだ。
ゲーム準備が終わり、両プレイヤーの雰囲気が少しずつ変わっていく。
ベスト4に歩みを進め、まだ見ぬ景色を見るのはどちらか。
Game1
先攻:Grimoire
Grimoire「ターンをもらいます」最初にチャージされたカードは、《紅き団長 ドギラゴン悪》。
《蒼き団長 ドギラゴン剣》などの類似のファイナル革命持ちと違い、見慣れないカードの登場に思わずテキストを確認するサラー。
Grimoire「終了です」
自らにターンが帰ってきた後もデッキがわからず悩み続けることとなり、ひとまず《~世紀末の善悪~》をチャージしてターンを終える。
Grimoire「ターンをもらいます」
宣言とともにチャージされたのは、《真気楼と誠偽感の決断》。
文明的にも能力的にも一見全くかみ合わないカードの登場に、サラーは「わからない」という苦い表情。メタゲームを読んでここまで勝ち上がったコントロールデッキにとって、対処法がわからないというのは明確な異常事態である。
Grimoire「終了です」
それでもできることを行うしかないサラーは、《煌ノ裁徒 ダイヤモン星》を召喚。ひとまず多くのデッキに刺さる選択肢を選びつつ、自分の手を進めていく。
Grimoire「ターンをもらいます」
《音卿の精霊龍 ラフルル・ラブ / 「未来から来る、だからミラクル」》をチャージしたGrimoireのファーストムーブは……
……《カクラリコ》?滅多に見ないカードの登場に、サラーはテキストを確認する。
「■相手のクリーチャーが召喚以外の方法で出た時、相手はそれを山札の上か下に置く。」
「■相手のターン中に、このクリーチャーが離れた時、カードを1枚引いてもよい。そうしたら、自分の手札を1枚捨てる。」
テキストを読む限り、「相手ターンに除去されたときにも手札入れ替えという最低保証がある、踏み倒し妨害系のクリーチャー」だ。《ウルの天宝》や《~邪眼帝~》から動いた際に、バトルゾーンにクリーチャーを残せなくなる……ということが伝わる。
Grimoire「終了です」
これは何としてでも避けたいサラーは、返しのターンに《「大蛇」の鬼 ジャドク丸》を召喚。シールド回収で手札を補充しつつ、《カクラリコ》を破壊する。
思えば、この時点でサラーはGrimoireの術中に取り込まれていたのかもしれない。
《カクラリコ》が離れたとき、Grimoireは1枚カードを引き、1枚カードを捨てる。そして。
《斬隠蒼頭龍バイケン》が姿を現し、不可解だったGrimoireのカード全てが一つの戦略に繋がる。【カウンターバイケン】
「相手ターンに手札を捨てられるカード」を用意したうえで、そこから《斬隠蒼頭龍バイケン》を捨てつつバトルゾーンに送り込んで攻防の起点にする……という、実に18年前の環境で活躍した、言葉を選ばず言えば「古代兵器」だ。
当時としても「メタゲームの産物」と言える形の地雷デッキであり、決して主流のデッキであったとは言いがたい。
しかし。現代デュエマには、もう一人のバイケン、《斬隠将撃龍ニバイケン》がいる。
その《斬隠蒼頭龍バイケン》や《斬隠将撃龍ニバイケン》を回収しつつアタッカーに変える、《紅き団長 ドギラゴン悪》や《音卿の精霊龍 ラフルル・ラブ / 「未来から来る、だからミラクル」》がいる。
そして、相手の動きをこちらの動きに…ひいては「手札を捨てる」という行為に変える《真気楼と誠偽感の決断》がいる。
もはや、それは古代兵器ではない。GrimoireがこのGPを勝ち抜くために磨き上げた、同じ名前をしているだけの全く新たなデッキなのだ。
《斬隠蒼頭龍バイケン》の効果で《煌ノ裁徒 ダイヤモン星》をサラーの手札に戻したのち、シノビたちの時間が一度終わったことをGrimoireは告げる。
Grimoire「ターンをもらいます」
《氷柱と炎弧の決断》をチャージして《我竜塔第八層 バルザーク》をシールドに設置。
《斬隠蒼頭龍バイケン》でサラーを攻撃、シールドを2枚ブレイク。そして。
Grimoire「終了です」
手札を裏向きにしてプレイマットの端に置き、ここからまたシノビたちの時間が始まることを告げる。
サラーは悩む。
相手のデッキはまだわからない。だが、この【光水闇邪眼帝】というデッキの強みである手札破壊は、今見せた《斬隠蒼頭龍バイケン》と(おそらく潜んでいる)《斬隠将撃龍ニバイケン》によって利敵行為になりかねないことだけはわかる。
それでも今はこちらの動きを進めるしかないと判断したサラーは、意を決して《ウルの天宝》からの《~邪眼帝~》というデッキのメインムーブを進める。そして墓地に落ちた《改竄の炎 ボルメテウス・ハック》を蘇生して頭数を稼ぎつつ、そのまま《~邪眼帝~》で《斬隠蒼頭龍バイケン》に攻撃を宣言。
Grimoireが少し考えてそれを受け入れた後、《「大蛇」の鬼 ジャドク丸》で1枚シールドをブレイクしてZラッシュを発動させていく。
Grimoire「ターンをもらいます」
《轟く邪道 レッドゾーン》をチャージして、《我竜塔第八層 バルザーク》をシールドに設置。
Grimoire「終了です」 不気味に構えるGrimoireを打ち破るために何としてでも動かなければならないサラーは、《アーテル・ゴルギーニ》を召喚し、「墓地肥やし」「蘇生」を宣言する。
そしてここで墓地に落ちたのが、《冥土人形ヴァミリア・バレル》。いつもなら喜んで蘇生し、手札を破壊しつつハイパー化まで行ってドローへの牽制としたいところだが……今は話が違う。
《斬隠蒼頭龍バイケン》《斬隠将撃龍ニバイケン》という裏目があるのに加え、ハイパーモードのドローロック効果は「望んだカードを捨てさせる」という最大のアシストになりかねないのだ。
それでも、頭数を稼いだうえで周りのカードを打ち抜ければ御の字……と意を決して《冥土人形ヴァミリア・バレル》を蘇生させ、手札破壊を宣言するサラー。それを見ていたGrimoireは、自分のシールドの《我竜塔第八層 バルザーク》を示す。
「各ターン、はじめて自分の手札を捨てた時、カードを1枚引いてもよい。」
「各ターン」「どちらのプレイヤーの効果でも」という挙動を見落としていたサラーは頭を抱える。
さらにこのランダム手札破壊で破壊されたのは、絶対に落としてはならない《斬隠蒼頭龍バイケン》!《冥土人形ヴァミリア・バレル》を手札に戻しつつバトルゾーンに舞い降り、頭数の追加という目的も達成させない。
とはいえ、この《斬隠蒼頭龍バイケン》の効果は置換効果であるため、《我竜塔第八層 バルザーク》の「はじめて自分の捨てたとき」にカウントされないのだけはサラーにとって救いであった。
シールドにあるだけで無尽蔵に手札を稼いでいくこのG城の危険性を正しく認識したサラーは、シールドから離れた際の手札入れ替えの誘発を受け入れたうえで《~邪眼帝~》で2枚の《我竜塔第八層 バルザーク》のブレイクを宣言する!
……しかし、それすらもGrimoireの計画の内。
手札から捨てられたのは、なんとこのゲーム3枚目の《斬隠蒼頭龍バイケン》!
この効果で《アーテル・ゴルギーニ》を手札に戻すと、いつの間にかこのターンに展開したサラーのカードは全て消え去ったうえ、Grimoireのバトルゾーンには2体の《斬隠蒼頭龍バイケン》が、そして手札には未知のカードが大量に増えている。
サラー「マジか……」
呆然としたような声を漏らすサラー。それでもターン終了時、《~邪眼帝~》で《「大蛇」の鬼 ジャドク丸》を出入りさせて《斬隠蒼頭龍バイケン》を1体破壊して抗おうとする。
Grimoire「ターンをもらい、ます」
伏せていた手札を開く。選択肢が増えたからか、少しだけ悩むような声で盤面をじっと眺める。
《コッコ・武・ルピア》をチャージして、《真気楼と誠偽感の決断》を使用。モードは手札入れ替えを2回宣言し、《斬隠将撃龍ニバイケン》と《虚ト成リシ古ノ蛇神ノ咆哮》を捨てる。
《斬隠蒼頭龍バイケン》でサラーを攻撃、シールドを2枚ブレイク。トリガーはなく、サラーのシールドは残り0枚。
Grimoire「終了です」
このターンで、なんとしても動かなければならなくなったサラー。しかしGrimoireに攻撃を通すには、4枚のシールドと手札のシノビを全て対処しきる必要がある。
生存と攻めを秤にかけ、呻くような声を出しながらもベストのムーブを考える。
サラーが選んだのは、極限まで生存性を高めることだった。まず《アーテル・ゴルギーニ》を召喚し、蘇生を2回選択して《世界のY チャクラ・デル・フィン》と《旋略のS アドミラル・アレグル》をバトルゾーンに着地させる。
そして《世界のY チャクラ・デル・フィン》でシールドを追加しつつ、《斬隠蒼頭龍バイケン》をタップして次のターンにアンタップしない状態にする。
この《斬隠蒼頭龍バイケン》を《~邪眼帝~》で攻撃して破壊し、《「大蛇」の鬼 ジャドク丸》でシールドを1枚ブレイクすれば、Zラッシュで《世界のY チャクラ・デル・フィン》の呪文ロックで手札入れ替え系呪文を封殺しつつパワー6000以上のブロッカーが2体立ち、よほどのことがない限り次のターンまで生存できる。
……はずだった。
《~邪眼帝~》が《斬隠蒼頭龍バイケン》に攻撃を宣言した時、Grimoireは最後の仕掛けを発動する。すなわち。


《聖カオスマントラ》と、《裏斬隠 テンサイ・ハート》だ。
まずニンジャ・チェンジで《聖カオスマントラ》が《斬隠蒼頭龍バイケン》と入れ替わってバトルゾーンに登場。そして、それを追うように《裏斬隠 テンサイ・ハート》がウラ・ニンジャ・ストライクでバトルゾーンに出る。
そして《裏斬隠 テンサイ・ハート》は手札入れ替え効果で今手札に戻った《斬隠蒼頭龍バイケン》を捨て、そちらをバトルゾーンに送り込む。
そしてその《斬隠蒼頭龍バイケン》は《~邪眼帝~》を手札に戻すことを試み、G-NEO進化の耐性で進化元の《ウルの天宝》だけを除去する。
そして最後に《聖カオスマントラ》の出たとき効果ですべてのクリーチャーをタップし、《~邪眼帝~》の攻撃処理に戻ると……
身を守るためのブロッカーもZラッシュ始動のためのアタッカーもタップされたうえで、耐性を失ったパワー7500の《~邪眼帝~》が、パワー9000の《聖カオスマントラ》に返り討ちにされる。
この一瞬の攻防で、目論見全てが崩壊したことに驚くサラー。
攻撃可能クリーチャーがいなくなり、《裏斬隠 テンサイ・ハート》が仕事を終えて山札の下に戻ったのち。
Grimoire「……ターンをもらいます!」
ここで初めて、ドローに気合を入れるGrimoire。
(都合4枚目となる)《斬隠蒼頭龍バイケン》をチャージし、1コストで《飛翔龍 5000VT》を召喚。《「大蛇」の鬼 ジャドク丸》と《アーテル・ゴルギーニ》以外のサラーの全クリーチャーを手札に戻す。
《斬隠将撃龍ニバイケン》を召喚。バトルは行わないことを選択。
《斬隠蒼頭龍バイケン》でサラーを攻撃、シールドを2枚ブレイク。トリガーはなく、サラーのシールドは残り0枚。
《聖カオスマントラ》でサラーを攻撃。
もう、「終了です」と告げる必要はない。
サラー 0-1 Grimoire
表情を変えず、シャッフルを進めるGrimoire。
対してサラーはGrimoireのデッキ構造を思い出し、突破するプランを考えながらシャッフルを進める。
想定外のデッキに対して、どうゲームプランを立てるか。あるいは、応手の上からさらに翻弄するべくさらなる策を練るか。
誰も見たことのないマッチアップのGame 2が幕を開ける。
Game 2
先攻:サラー
このゲームのファーストムーブは、後攻2ターン目。Game 1と同じように規則正しいターン宣言を続けるGrimoireの手から設置された《我竜塔第八層 バルザーク》がゲームの幕開けを告げる。これに対して、サラーは《世界のY チャクラ・デル・フィン》で応える。現状見えているGrimoireのS・トリガーの類は全て5コスト以下の呪文であり、シノビさえなんとかしてすり抜けてしまえばZラッシュでそれらを封じつつ戦いを進めることができるだろう。
だが、妨害を仕掛けるのはサラーだけではない。Grimoireが返しに繰り出すのは、Game1と同じ《カクラリコ》。除去できなければ【光水闇邪眼帝】のメインムーブを完封し、除去できたらできたで《斬隠蒼頭龍バイケン》たちが飛んでくるかもしれない……という、このマッチアップにおける二重のプレッシャーは凄まじい。
打開策を求めて動くサラーは《ウルの天宝》から《~邪眼帝~》に繋ぎ、G-NEO進化の耐性で《カクラリコ》を乗り越えてバトルゾーンにクリーチャーを残すプランを選ぶ。
出たとき効果で墓地に落ちて蘇生されるのは(いつもなら大当たりの)《~世紀末の善悪~》だが、この状況で手札破壊をするリスクが高すぎることからサラーは悩む。それを見て、Grimoireは声をかける。
Grimoire「悩ませるようなデッキであるのは自覚してますので……」
最終的にサラーはドローだけを受け取り、手札破壊を行わないことを選択。《カクラリコ》の効果で《~邪眼帝~》の下の《ウルの天宝》と、《~世紀末の善悪~》が山札の下に戻る。
そして《世界のY チャクラ・デル・フィン》の攻撃時、《裏斬隠 テンサイ・ハート》が登場して捨てられた手札は《紅き団長 ドギラゴン悪》。そう、この時点で《斬隠蒼頭龍バイケン》や《斬隠将撃龍ニバイケン》はGrimoireの手札になく、先ほどの手札破壊は通っていた公算が高かったのだ。
1枚ブレイクを受けてZラッシュに入らせたとはいえ、デッキ構造をプレッシャーにして(《我竜塔第八層 バルザーク》のドローのおまけつきで)ピンチを切り抜けたGrimoire。
さらなる《カクラリコ》を召喚したうえで《我竜塔第八層 バルザーク》も設置し、盤石な体制をさらに整えていく。
こうなってしまっては、サラーは多少の裏目を覚悟してでも《カクラリコ》たちの妨害を切り崩さなければ勝ち目がない。多大なディスアドバンテージを背負ってでも《冥土人形ヴァミリア・バレル》で《カクラリコ》を手札に戻して手札を落とすことを選ぶが、ここで落ちたのは《時の法皇 ミラダンテⅫ》。
しかも離れたとき効果の手札入れ替えからは《斬隠蒼頭龍バイケン》が登場し、《~邪眼帝~》まで手札に戻っていく始末。その間にも《我竜塔第八層 バルザーク》がGrimoireに着々と手札をもたらしており、どうしてもこの陣形を超えることができない。
そして、《斬隠蒼頭龍バイケン》の着地はGrimoireが攻めに転じる合図だ。
Zラッシュが発動していないのを確認してから《飛翔龍 5000VT》でサラーのバトルゾーンを空にしたのち、《斬隠蒼頭龍バイケン》を≪音卿の精霊龍 ラフルル・ラブ≫に革命チェンジ。
呪文ロックもさることながら、この状況では「手札に《斬隠蒼頭龍バイケン》が戻る」こと自体が何より重要。次のターンの再展開を予告しつつ、シールドを2枚刻んでいく。
《飛翔龍 5000VT》でまともに動けないサラーだが、それでも《ウルの天宝》から《~邪眼帝~》を出し直し、G-NEO進化の耐性でバトルゾーンに残らせることを優先。蘇生を行っても《カクラリコ》で山札に送られてしまい墓地というリソースを失ってしまうことから、ここはあえて何もせずターンを返す。
Grimoire「ターンをもらいます」
ここまで来れば、詰めのフェイズだ。《カクラリコ》を召喚し直したうえで、《裏斬隠 テンサイ・ハート》を素出し。手札入れ替えで贅沢に《斬隠蒼頭龍バイケン》を捨てて《~邪眼帝~》の動きを止めつつ《我竜塔第八層 バルザーク》が手札に加わる。
≪音卿の精霊龍 ラフルル・ラブ≫を≪音卿の精霊龍 ラフルル・ラブ≫に革命チェンジして呪文ロックを継続しつつ、十分な打点を確保してサラーを介錯しにかかる。
……だが、サラーのデッキは土壇場で使い手に応えた。
S・トリガー・プラスで出てきたのは、《終止の時計 ザ・ミュート》!Grimoireの一斉攻撃は、初撃で打ち切られる!Grimoire「終了です」
1ターンの猶予と、新鮮な手札を得たサラー。こうなれば、2体の《カクラリコ》と無数の手札の上から限界まで動き続け、ブロッカーの確保や除去などによってさらなるターンを稼ぎ出すしかない。逆にGrimoireは、その動きを封じ切れば勝ちとなる。
ターンの垣根を越えて、両者の思惑が一手ずつ交差していく。
サラー、《冥土人形ヴァミリア・バレル》召喚。《カクラリコ》を手札に戻し、捨てられるのは≪音卿の精霊龍 ラフルル・ラブ≫。
Grimoire、《カクラリコ》効果で手札入れ替え。捨てられるのは《斬隠将撃龍ニバイケン》。出たとき効果でバトルを行い、《冥土人形ヴァミリア・バレル》を破壊。
サラー、《ウルの天宝》から《~邪眼帝~》。墓地に落ちた《アーテル・ゴルギーニ》を蘇生。モードは蘇生2回を宣言、《世界のY チャクラ・デル・フィン》と《冥土人形ヴァミリア・バレル》を蘇生。
《世界のY チャクラ・デル・フィン》でシールドを追加し、革命チェンジ元として致命的な《斬隠将撃龍ニバイケン》を次のターンまでタップ。
《冥土人形ヴァミリア・バレル》で≪音卿の精霊龍 ラフルル・ラブ≫を手札に戻し、捨てられるのは《カクラリコ》。
Grimoire、誘発し続けた《カクラリコ》の妨害効果を解決。《冥土人形ヴァミリア・バレル》《世界のY チャクラ・デル・フィン》は山札へ、《~邪眼帝~》は進化元と引き換えに、《アーテル・ゴルギーニ》は《終止の時計 ザ・ミュート》を引き換えにバトルゾーンに残る。
そして。
《斬隠将撃龍ニバイケン》が《世界のY チャクラ・デル・フィン》でタップされた際に誘発した手札入れ替えを処理。捨てられるのは、ここまで来ればもはや必然の《斬隠蒼頭龍バイケン》。
この際の《アーテル・ゴルギーニ》へのバウンスを《~邪眼帝~》の破壊で耐えることが、サラーにできた最後の抵抗だった。
Grimoire「ターンもらいます」
心なしか早口でそう告げたGrimoireは、急ぐようにダメ押しの《飛翔龍 5000VT》と《轟く邪道 レッドゾーン》を送り込み……《終止の時計 ザ・ミュート》による「本当に最後の1ターン」すら望めなくなったサラーは投了を告げた。Winner:Grimoire
サラー「何もできんかった……!」
Grimoire「ちゃんと初見殺しできてる感覚はあるけど……」
大会のメタゲームを読み切ったサラーを、その思考の外側のデッキを使いこなすことで勝利したGrimoire。
実は前日のDay1においても【カウンターバイケン】を使用していたGrimoireは、そこで【光水闇邪眼帝】に敗北したことで対処法を学習してきたという。「コントロールデッキをコントロールしきる」という離れ業をやってのけたのも、その経験によるものだろう。
相手ターンに動く華麗な戦術の陰で対策を積み重ねてきたGrimoireが、ベスト4に駒を進めた。
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サラー DMGP2026-1st オリジナル構築 |
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Grimoire DMGP2026-1st オリジナル構築 |
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