「ここで勝って一気にポイント稼いでおきたいんですよね」

そう話すASAKURA は現在DMPランキング103位。決勝に進出したことにより富山県ランキング1位となり、全国ランキングでも100位の大台に乗る可能性が高いが、この試合に勝利し、更に順位を安定させたいところである。

開始当初は不安の声も多かったDMPランキング制度も今年で2年目となり、今では多くの選手のモチベーションとなっているようだ。

そのASAKURAに相対するのは、同じ富山県のプレイヤーであるS.yuji。

奇しくも同県プレイヤーがぶつかり合う決勝戦となったが、果たして勝負の行方は如何に。
先攻：ASAKURA

1ターン目は両者ともにマナチャージのみでターンを終えるが、S.yujiがチャージしたのは《めっちゃ！デンヂャラスG3/ケッシング・ゼロ》。見慣れぬカードに思わずテキストを確認するASAKURA。
試合後、「『水火ブランド』に殴られた時、追加ターンを得られないようにできると思い採用した」と語るS.yuji。
『水火ブランド』には当たらなかったとのことだが、決勝ラウンド1回戦目にはシールドトリガーで相手のWブレイカーを無効化しS.yujiを勝利に導いており、相手の予想外の角度から切り込むためのカードとしてしっかりと機能しているようだ。

テキストを確認し終えたASAKURAは《魂穿ツ煌世ノ正裁Z》をチャージし、《憤怒スル破面ノ裁キ》でシールドに裁きの紋章を展開。

S.yujiは2ターン目、《ヤッタレマン》を召喚。
3ターン目には《ポクチンちん》を召喚し、着実にバトルゾーンにクリーチャーを並べていく。

対するASAKURAは、3ターン目に《転生ノ正裁Z》を使用し《憤怒スル破面ノ裁キ》を回収。サバキZで《集結ノ正裁Z》を使い手札を増やしつつ《転生ノ正裁Z》と同じ場所に紋章を追加した。
4ターン目には《憤怒スル破面ノ裁キ》を唱え、表向きの裁きの紋章が同じ3枚となり《煌世主 サッヴァーク†》の能力を使用する準備が整う。更に≪奇石 ミクセル≫を召喚し、《ジョット・ガン・ジョラゴン》を牽制する。

準備が整った『光ゼロ裁きの紋章』相手に《ジョット・ガン・ジョラゴン》と《アイアン・マンハッタン》のコンボを決めても《煌世主 サッヴァーク†》が立ちはだかり、乗り越えるには小型クリーチャーを大量に並べるしかない。
並べるクリーチャーを用意するために《ガヨウ神》で手札を補充するS.yuji。しかし≪奇石 ミクセル≫が刺さり、《ガヨウ神》は山札の下へ送られてしまう。

≪奇石 ミクセル≫の活躍により一息ついたASAKURA。《憤怒スル破面ノ裁キ》をプレイし、次ターンには≪ジャミング・チャフ≫を唱え、更なる妨害を仕掛けつつ手札を回す。

ここでS.yujiは《ヤッタレマン》を前のターンにもう1体追加し《バイナラドア》を6コストで召喚。《バイナラドア》はバトルゾーンに残らないものの、厄介な≪奇石 ミクセル≫を退場させた。

そして試合も終盤に近付く7ターン目。ASAKURAが召喚した《煌龍 サッヴァーク》が《ヤッタレマン》1体をシールドへ送る。
対するS.yujiもついに《ジョット・ガン・ジョラゴン》が場に降り立つ。

お互いにメインカードが場に登場し、いよいよ試合も終盤となる。

そして、ここからの展開は早かった。
S.yujiは《ジョット・ガン・ジョラゴン》のシールド攻撃宣言時に《アイアン・マンハッタン》を捨て、裁きの紋章のシールドを粉砕する。

「あっ……」と声が漏れるASAKURA。手札に《魂穿ツ煌世ノ正裁Z》は無く、サバキZで《集結ノ正裁Z》を唱えるが表向きになったカードの中に有効札は無い。
更に《アイアン・マンハッタン》の効果で捨てられた《キング・ザ・スロットン７/7777777》で《バイナラドア》が登場。指定された《煌龍 サッヴァーク》は生き残るがバトルゾーンにブロッカーは存在せず、シールドブレイクが通る。

そう、《ジョット・ガン・ジョラゴン》のブレイクが通ってしまった。シールドが0になった今、3体のクリーチャーの攻撃を防ぐ手段はASAKURAの『光ゼロ裁きの紋章』には存在しない。
Winner：S.yuji


デッキを回転させる裁きの紋章を多く持っていたため、2枚目の《魂穿ツ煌世ノ正裁Z》にも触れると予想していたASAKURA。結果的に《魂穿ツ煌世ノ正裁Z》を2ターン目に置いたのが分水嶺となってしまった。

何気なくマナゾーンに置かれたカードだったが、その隙を見逃さずに《ジョット・ガン・ジョラゴン》での攻撃を決めたS.yujiの判断は見事と言うべきだろう。
全国大会への切符を手にし、S.yujiはそこへ向かって歩みを進める。

北陸エリアチャンピオンはS.yujiおめでとう！