全国大会2018 甲信越エリア予選 決勝第1回戦:HIDE(長野) vs. hiroyasu(栃木)

初のチーム戦にて開催された『DMGP6th』においてベスト4入賞を果たしたhiroyasuだ。
『DMGP6th』以降、チームメイトであったchaserとゆうせいの二人はCS等で着実にポイントを稼ぎ、ランキング上位を維持し続けている。現在も全国で10位以内に入っており、エリア大会だけでなくランキング上位の招待枠も狙っていることだろう。
一方のhiroyasuは大会への参加自体が減り、ポイントも全国上位を狙うには少し厳しい。『DMGP6th』での入賞により、燃え尽き症候群となってしまったのか。
いや、そうではない。彼の全国大会へかける想いは誰にも負けない。
hiroyasu「二度目の全国出場狙ってるんで」
グランプリ直後のhiroyasuの言葉は今でも耳に残っており、言葉の重みはデッキを見れば分かる。すり切れるまで使い込んだ練習用スリーブは、何よりの証明だ。
だが、これが一発勝負のトーナメントの難しいところだ。シード選手は確実に決勝トーナメントから参加できる代わりに、ここまで勝ち星を積み重ねてきたプレイヤーとデッキの温まり具合に差があるのだ。
何より、対戦するのはベスト16の中で最も速いと言われる『火光轟轟轟』。安定性と破壊力を兼ね備えた『火水覇道』ばかりが注目されがちだが、スピードに特化したこのデッキも甘く見てはいけない。《瞬封の使徒サグラダ・ファミリア》と《》の2大メタクリーチャーによるビートダウンは、他の追随を許さない。
HIDEにしても進学により転居し、これまで通りに友人たちと集まりデュエマの練習をすることはできなかったという。だからこそ情報をかき集め、メタゲーム上に存在するの中から「回った時に一番強い」このデッキを選択しているのだ。
これより全国大会をかけた最初の戦いが始まる。
先攻:hiroyasu
HIDEが《凶戦士ブレイズ・クロー》を召喚すると、返すターンにhiroyasuは《“轟轟轟”ブランド》を牽制する≪奇石 ミクセル≫。ゲーム展開のスローダウンを目論む。


既に盤面には4体のクリーチャーがおり、hiroyasuは≪奇石 ミクセル≫で《凶戦士ブレイズ・クロー》へとアタックし、少しでも打点を減らしておく。
減ったら補充するまでと、HIDEは力強く2体目の《ナゾの光・リリアング》を召喚すると《》でアタックしつつ、召喚したばかりの《ナゾの光・リリアング》へスピードアタッカーを付与する。
ここでブレイクされた3枚目のシールドも、トリガーではない。hiroyasuの使用するのはデッキの半数近くがトリガーカードが占める『トリガービート』であるにも関わらず、だ。
この3枚目のシールドにトリガーが無かったことで、hiroyasuは天を仰ぐ。やはりダメなのか、叩き上げのプレイヤーとはデッキの温まり具合が違うのかと嘆くように。
《凶戦士ブレイズ・クロー》がアタックし、これで残るは2打点。このシールドにトリガーが無ければ、残るクリーチャーが除去体制抜群の《ナゾの光・リリアング》であることも加味して、ダイレクトアタックまで届く可能性がかなり高い。
しかし、この1枚のシールドで戦況は一変する。hiroyasuはシールドを確認すると素早く公開し、トリガーを宣言する。

HIDEは残る《ナゾの光・リリアング》でアタックすべきかを考え、万が一次のドローが《“轟轟轟”ブランド》だった場合まで想定し、≪奇石 ミクセル≫へ向けて攻撃する。
若き《“轟轟轟”ブランド》使いはフィーチャーマッチに緊張したのであろう、この土壇場でアタックを宣言してしまった。それこそ老練たるhiroyasuの狙っていた展開であったのを知らずに。
《煌龍 サッヴァーク》でブロックを宣言し、HIDEはエスケープを使いシールドを手札に加えることで破壊を防ぐ。一見リソースを得たようだが、ここで着目すべきはhiroyasuの打点だ。
シールド4枚に対して打点は3。一見するとダイレクトアタックまでは届かなそうであるが、受けだけが強いイメージの『トリガービート』には攻めもバックアップする1枚が入っている。

このブレイクで《ヘブンズ・フォース》がトリガーし、HIDEは手札から≪奇石 ミクセル≫と《ナゾの光・リリアング》を出すが、それは小さな抵抗に過ぎなかった。
全てのシールドを削りきると《》がダイレクトアタックへと向かう。
hiroyasuはまた一歩、全国大会へと近づく。
Winner:hiroyasu
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