全国大会2018 甲信越エリア予選 準決勝:ばんぱく(東京) vs. 白梟(群馬)
ばんぱく「二極化しましたね、環境」
112名いた参加者が4名にまで絞られた準決勝。そこにデッキタイプは、たったの2つしか存在しなかった。
ばんぱく (白零サッヴァーク) vs. 白梟 (赤青覇道)
てぃけの (白零サッヴァーク) vs. Nagumo (赤青覇道)
『白零サッヴァーク』 対 『赤青覇道』。トップ16に4名ずつ存在したデッキタイプが、そのまま順当に準決勝まで勝ち上がった形だ。この結果を見れば、確かに「二極化」と言って差し支えないかもしれない。
昨年の甲信越エリア予選の覇者 元新潟勢のばんぱくは、全国大会2017の日本一決定戦に出場するも決勝に進出することができず、dottoの優勝を目の前で見届ける立場となった。
そして、その悔しさを知っているからこそ。再び日本一決定戦に出場して今度こそトロフィーを掲げるべく、ばんぱくは今年もDMPランキングの上位をひた走っている。つい2日前にチーム戦のCSで優勝したこともあり、東京都1位、全国では8位と出場が狙える位置につけているが、エリア予選を抜けて一足先に出場権利が確定させられるならば、それに越したことはない。準々決勝では相性最悪の『グスタフループ』を駆るScarletとの対戦もどうにか乗り越え、2年連続の優勝まであと2勝というところまで漕ぎつけた。
しかしそんなばんぱくに、またしても試練が立ちはだかる。
ばんぱく「僕、基本的にCSとか出てると、サイヤ人になるんですよ」
白梟「サイヤ人?」
ばんぱく「負けてから強くなる、っていう」
対戦相手の白梟は、DMPランキングで群馬県1位、全国でも20位前後に位置する強豪。しかも2人は今日2bye明けの予選3回戦でも当たっており、そのときは白梟が勝っている。「今度は負けないぞ」という趣旨であろうばんぱくの意思表明は、去来する不安を払拭したい気持ちの表れでもあるかもしれない。
白梟「なるほど……いや、俺もおととい負けてるんでw」
ばんぱく「そういえばそうでしたねw」
一昨日の殿堂環境のCSでは、逆に『ジョーカーズ』のばんぱくが『墓地ソース』の白梟を《ポクチンちん》で分からせたという。ランキング上位になるほどに決勝進出率が高い彼らのようなプレイヤーともなれば、自然と対戦機会も増える。
この3日間で一勝一敗。ならばこれは事実上、2本先取の3本目だ。
ばんぱく「蓋を開けてみれば、トップ4で新潟勢は一人ですね。あとはみんな遠征勢」
白梟「もうほとんど関東大会ですよ」
しかし、殿堂環境で一勝したばんぱくと、予選ラウンド中に全く同じデッキでばんぱくを下した白梟とでは、明らかに一勝の意味合いが異なる。何せ白梟の『赤青覇道』は《煌メク聖戦 絶十》型の『白零サッヴァーク』を倒せるよう調整を重ねて決勝第2回戦でもプラン通りにパタ@いっせーを下した同じ群馬勢かつチームメイトのNagumoから、その対戦プランのエッセンスとともに40枚丸々シェアされたものなのだ。
そしてばんぱくの『白零サッヴァーク』も《煌メク聖戦 絶十》型だと、予選での対戦で手の内が割れている。ならば事前の想定通りに動くだけ。自分がばんぱくを下せば、Nagumoもきっと決勝まで上がってくる。40枚同型での決勝戦で、勝敗はどうあれチームとしての勝利を全国に知らしめる。それが白梟の理想形だ。
相手のターンにできることが限られているからと、デュエマを離れて別のゲームに浮気した時期もあった。それでも結局、白梟はデュエマに戻ってきた。デュエマで培った北関東の仲間たちとの関係は、既に白梟の強さの一部となっている。
やがてヘッドジャッジがマイクを持ち、対戦開始のアナウンスが告げられるときが来た。ばんぱくが勝って2年連続優勝という偉業まであと一歩というところに手をかけるか、白梟がチームメイトであるNagumoの事前調整を生かしてプラン通りに勝ちきるか。
「デュエマ、スタート!」の合図とともに。エリア予選の準決勝が、いま始まった。
先攻:ばんぱく
先攻のばんぱくが《転生ノ正裁Z》→《煌世主 サッヴァーク†》とチャージしてターンを返すのに対し、《“轟轟轟”ブランド》→《南海の捜索者 モルガラ/トリプル・ブレイン》とチャージした白梟は《エマージェンシー・タイフーン》で手札内容を整える。2枚だけ積まれた《エマージェンシー・タイフーン》はNagumoのリストの特徴で、対『白零サッヴァーク』においては《月光電人オボロカゲロウ》のような《異端流し オニカマス》以外の打点を下手に用意すると《魂穿ツ煌世ノ正裁Z》の的となって手札損になることと、いざとなれば引かないことを選択して手札を減らせることが採用の理由となっている。
ここからばんぱくは《天ニ煌メク龍終ノ裁キ》チャージからの《剣参ノ裁キ》で《魂穿ツ煌世ノ正裁Z》を加えると、続くターンには《憤怒スル破面ノ裁キ》チャージからの《剣参ノ裁キ》で《集結ノ正裁Z》をゲット。
白梟「(《剣参ノ裁キ》の場所は) 同じところでいいですか?」
ばんぱく「同じところで」
対して白梟《ドンドン吸い込むナウ》《ゴリガン砕車 ゴルドーザ/ダイナマウス・スクラッパー》とチャージするのみ。とはいえ、それでも白梟にとっては問題なかった。Nagumoが《煌メク聖戦 絶十》型の『白零サッヴァーク』相手に練り上げたプランは不用意な「サバキZ」を誘発させない「待ち」。このままばんぱくがドローにターンを費やしている分には、五分以上の勝率が見込めるはずだった。
だが、予選で既に白梟の戦い方を対面で見ているばんぱくはそう都合よく待ちはしない。《転生ノ正裁Z》の「サバキZ」で、《煌メク聖戦 絶十》と《集結ノ正裁Z》を唱えると、続けてコストを軽減した《剣参ノ裁キ》で《煌龍 サッヴァーク》を手札に加え、4枚のシールドに1枚ずつ表向きのシールドを分割しつつ、さらに《憤怒スル破面ノ裁キ》を唱えるビッグプレイ。手札4枚でターンを返す。
白梟も≪トリプル・ブレイン≫の3枚ドローで追いすがるが、《煌メク聖戦 絶十》を放置した形となる。
そしてばんぱくのターン。《魂穿ツ煌世ノ正裁Z》をチャージすると、《転生ノ正裁Z》で《転生ノ正裁Z》を回収。さらに再び《転生ノ正裁Z》を唱えてシールド回収で一気に4枚を補充からの「サバキZ」で、《煌メク聖戦 絶十》の2体目をバトルゾーンへ。効果で表向きのシールドが増え、次の行動を6マナ軽減できる状態で少考する。
選択は、《煌龍 サッヴァーク》を出すべきか否か。だがこのとき、ばんぱくの手札はある問題を抱えていた。しかも度重なる《転生ノ正裁Z》の連打で、白梟が何もしていないにも関わらずばんぱくのシールドは2枚にまで減ってしまっている。≪トリプル・ブレイン≫で手札を補充したばかりのこのタイミングで、白梟をあまり追い詰めすぎるのは良くない……と考えたか、≪ジャミング・チャフ≫を唱えてターンを返す。
≪ジャミング・チャフ≫がかかった白梟のターン。さすがに《煌メク聖戦 絶十》2枚を放置はできないと判断したか、《“乱振”舞神 G・W・D》をB・A・Dで召喚。《煌メク聖戦 絶十》を打ち取ってドローしてから《異端流し オニカマス》を出すと、さらにばんぱくに問いかける。
白梟「手札は何枚ですか?」
ばんぱく「6枚です」
6枚。だがそのほとんどは《転生ノ正裁Z》で戻した表向きのシールドと《集結ノ正裁Z》や《剣参ノ裁キ》で見えているカードであり、非公開情報のカードはそこまで多くはない。しかも、なぜ直前のターンの行動は、あれだけ悩んで強気の《煌龍 サッヴァーク》ではなく安全側の≪ジャミング・チャフ≫だったのか。また、残りシールドを3枚ではなく2枚にしてまで《転生ノ正裁Z》を連打して、手札を回転させる必要がどうしてあったのか。
普通に考えればありえない発想かもしれない。だがおそらくこのとき白梟は、ばんぱくというプレイヤーを「信頼」したのだろうと思う。
意を決して《“乱振”舞神 G・W・D》をシールドにアタックさせる白梟。攻撃時のバトルで2体目の《煌メク聖戦 絶十》も墓地へ。
……そしてばんぱくから、《煌世主 サッヴァーク†》の宣言はない!
このワンプレイが勝負の明暗を分けた。
割られたシールドを「サバキZ」しながらの《集結ノ正裁Z》で《集結ノ正裁Z》と《》を手札に加えるばんぱくだが、《煌メク聖戦 絶十》を2体とも失ったことでアクションの自由度は大幅に減ってしまっている。やむなく《煌龍 サッヴァーク》をチャージしつつ≪ジャミング・チャフ≫を打ってターンを返すしかない。
白梟も2体目の《異端流し オニカマス》を出すのみ。とはいえ、ばんぱくが《煌龍 サッヴァーク》や《煌世主 サッヴァーク†》を自分のターンに出してこない限り、《天ニ煌メク龍終ノ裁キ》を使った連続アタックによる逆転の可能性もないため、焦る必要はない。≪ジャミング・チャフ≫の効果が切れるまで待つまでだ。
そして返すターン、ばんぱくが《集結ノ正裁Z》チャージから《剣参ノ裁キ》を唱え、ようやく《煌世主 サッヴァーク†》を手札に加えることに成功するも、その代償として≪ジャミング・チャフ≫のない1ターンを白梟に渡さざるをえない。
ついに、今度こそ呪文のプレイが自由になった白梟のターン。《ドンドン吸い込むナウ》で《“必駆”蛮触礼亞》を回収すると、満を持して《“必駆”蛮触礼亞》→《勝利龍装 クラッシュ“覇道”》!
このアタックは今度こそ《煌世主 サッヴァーク†》で止めたばんぱくだったが、続けて残る《異端流し オニカマス》2体を白梟が順にアタックさせると、ついに右手を差し出したのだった。
Winner: 白梟
ばんぱく「《煌世主 サッヴァーク†》持ってる読みで殴ってこないかなと思ったけど、甘かった……」
白梟「あったら負けなんで、殴るしかなかったですね」
手札6枚、表向きのシールド3枚の状態で殴ってくるはずがない。その意味でばんぱくも白梟を「信頼」していた。だが白梟はそんなばんぱくの一枚上を行ったのだ。
同じころ、反対側の準決勝ではNagumoがてぃけのに敗れていた。40枚をシェアした完全同型での決勝戦はかなわず、白梟がNagumoの思いを背負う立場となる。
決勝の相手は、またしても『白零サッヴァーク』。今日まで培ったすべてでもって、白梟は決勝戦に臨む。
112名いた参加者が4名にまで絞られた準決勝。そこにデッキタイプは、たったの2つしか存在しなかった。
ばんぱく (白零サッヴァーク) vs. 白梟 (赤青覇道)
てぃけの (白零サッヴァーク) vs. Nagumo (赤青覇道)
『白零サッヴァーク』 対 『赤青覇道』。トップ16に4名ずつ存在したデッキタイプが、そのまま順当に準決勝まで勝ち上がった形だ。この結果を見れば、確かに「二極化」と言って差し支えないかもしれない。
昨年の甲信越エリア予選の覇者 元新潟勢のばんぱくは、全国大会2017の日本一決定戦に出場するも決勝に進出することができず、dottoの優勝を目の前で見届ける立場となった。
そして、その悔しさを知っているからこそ。再び日本一決定戦に出場して今度こそトロフィーを掲げるべく、ばんぱくは今年もDMPランキングの上位をひた走っている。つい2日前にチーム戦のCSで優勝したこともあり、東京都1位、全国では8位と出場が狙える位置につけているが、エリア予選を抜けて一足先に出場権利が確定させられるならば、それに越したことはない。準々決勝では相性最悪の『グスタフループ』を駆るScarletとの対戦もどうにか乗り越え、2年連続の優勝まであと2勝というところまで漕ぎつけた。
しかしそんなばんぱくに、またしても試練が立ちはだかる。
ばんぱく「僕、基本的にCSとか出てると、サイヤ人になるんですよ」
白梟「サイヤ人?」
ばんぱく「負けてから強くなる、っていう」
対戦相手の白梟は、DMPランキングで群馬県1位、全国でも20位前後に位置する強豪。しかも2人は今日2bye明けの予選3回戦でも当たっており、そのときは白梟が勝っている。「今度は負けないぞ」という趣旨であろうばんぱくの意思表明は、去来する不安を払拭したい気持ちの表れでもあるかもしれない。
白梟「なるほど……いや、俺もおととい負けてるんでw」
ばんぱく「そういえばそうでしたねw」
一昨日の殿堂環境のCSでは、逆に『ジョーカーズ』のばんぱくが『墓地ソース』の白梟を《ポクチンちん》で分からせたという。ランキング上位になるほどに決勝進出率が高い彼らのようなプレイヤーともなれば、自然と対戦機会も増える。
この3日間で一勝一敗。ならばこれは事実上、2本先取の3本目だ。
ばんぱく「蓋を開けてみれば、トップ4で新潟勢は一人ですね。あとはみんな遠征勢」
白梟「もうほとんど関東大会ですよ」
しかし、殿堂環境で一勝したばんぱくと、予選ラウンド中に全く同じデッキでばんぱくを下した白梟とでは、明らかに一勝の意味合いが異なる。何せ白梟の『赤青覇道』は《煌メク聖戦 絶十》型の『白零サッヴァーク』を倒せるよう調整を重ねて決勝第2回戦でもプラン通りにパタ@いっせーを下した同じ群馬勢かつチームメイトのNagumoから、その対戦プランのエッセンスとともに40枚丸々シェアされたものなのだ。
そしてばんぱくの『白零サッヴァーク』も《煌メク聖戦 絶十》型だと、予選での対戦で手の内が割れている。ならば事前の想定通りに動くだけ。自分がばんぱくを下せば、Nagumoもきっと決勝まで上がってくる。40枚同型での決勝戦で、勝敗はどうあれチームとしての勝利を全国に知らしめる。それが白梟の理想形だ。
相手のターンにできることが限られているからと、デュエマを離れて別のゲームに浮気した時期もあった。それでも結局、白梟はデュエマに戻ってきた。デュエマで培った北関東の仲間たちとの関係は、既に白梟の強さの一部となっている。
やがてヘッドジャッジがマイクを持ち、対戦開始のアナウンスが告げられるときが来た。ばんぱくが勝って2年連続優勝という偉業まであと一歩というところに手をかけるか、白梟がチームメイトであるNagumoの事前調整を生かしてプラン通りに勝ちきるか。
「デュエマ、スタート!」の合図とともに。エリア予選の準決勝が、いま始まった。
先攻:ばんぱく
先攻のばんぱくが《転生ノ正裁Z》→《煌世主 サッヴァーク†》とチャージしてターンを返すのに対し、《“轟轟轟”ブランド》→《南海の捜索者 モルガラ/トリプル・ブレイン》とチャージした白梟は《エマージェンシー・タイフーン》で手札内容を整える。2枚だけ積まれた《エマージェンシー・タイフーン》はNagumoのリストの特徴で、対『白零サッヴァーク』においては《月光電人オボロカゲロウ》のような《異端流し オニカマス》以外の打点を下手に用意すると《魂穿ツ煌世ノ正裁Z》の的となって手札損になることと、いざとなれば引かないことを選択して手札を減らせることが採用の理由となっている。
ここからばんぱくは《天ニ煌メク龍終ノ裁キ》チャージからの《剣参ノ裁キ》で《魂穿ツ煌世ノ正裁Z》を加えると、続くターンには《憤怒スル破面ノ裁キ》チャージからの《剣参ノ裁キ》で《集結ノ正裁Z》をゲット。
白梟「(《剣参ノ裁キ》の場所は) 同じところでいいですか?」
ばんぱく「同じところで」
対して白梟《ドンドン吸い込むナウ》《ゴリガン砕車 ゴルドーザ/ダイナマウス・スクラッパー》とチャージするのみ。とはいえ、それでも白梟にとっては問題なかった。Nagumoが《煌メク聖戦 絶十》型の『白零サッヴァーク』相手に練り上げたプランは不用意な「サバキZ」を誘発させない「待ち」。このままばんぱくがドローにターンを費やしている分には、五分以上の勝率が見込めるはずだった。
だが、予選で既に白梟の戦い方を対面で見ているばんぱくはそう都合よく待ちはしない。《転生ノ正裁Z》の「サバキZ」で、《煌メク聖戦 絶十》と《集結ノ正裁Z》を唱えると、続けてコストを軽減した《剣参ノ裁キ》で《煌龍 サッヴァーク》を手札に加え、4枚のシールドに1枚ずつ表向きのシールドを分割しつつ、さらに《憤怒スル破面ノ裁キ》を唱えるビッグプレイ。手札4枚でターンを返す。
白梟も≪トリプル・ブレイン≫の3枚ドローで追いすがるが、《煌メク聖戦 絶十》を放置した形となる。
そしてばんぱくのターン。《魂穿ツ煌世ノ正裁Z》をチャージすると、《転生ノ正裁Z》で《転生ノ正裁Z》を回収。さらに再び《転生ノ正裁Z》を唱えてシールド回収で一気に4枚を補充からの「サバキZ」で、《煌メク聖戦 絶十》の2体目をバトルゾーンへ。効果で表向きのシールドが増え、次の行動を6マナ軽減できる状態で少考する。
選択は、《煌龍 サッヴァーク》を出すべきか否か。だがこのとき、ばんぱくの手札はある問題を抱えていた。しかも度重なる《転生ノ正裁Z》の連打で、白梟が何もしていないにも関わらずばんぱくのシールドは2枚にまで減ってしまっている。≪トリプル・ブレイン≫で手札を補充したばかりのこのタイミングで、白梟をあまり追い詰めすぎるのは良くない……と考えたか、≪ジャミング・チャフ≫を唱えてターンを返す。
≪ジャミング・チャフ≫がかかった白梟のターン。さすがに《煌メク聖戦 絶十》2枚を放置はできないと判断したか、《“乱振”舞神 G・W・D》をB・A・Dで召喚。《煌メク聖戦 絶十》を打ち取ってドローしてから《異端流し オニカマス》を出すと、さらにばんぱくに問いかける。
白梟「手札は何枚ですか?」
ばんぱく「6枚です」
6枚。だがそのほとんどは《転生ノ正裁Z》で戻した表向きのシールドと《集結ノ正裁Z》や《剣参ノ裁キ》で見えているカードであり、非公開情報のカードはそこまで多くはない。しかも、なぜ直前のターンの行動は、あれだけ悩んで強気の《煌龍 サッヴァーク》ではなく安全側の≪ジャミング・チャフ≫だったのか。また、残りシールドを3枚ではなく2枚にしてまで《転生ノ正裁Z》を連打して、手札を回転させる必要がどうしてあったのか。
普通に考えればありえない発想かもしれない。だがおそらくこのとき白梟は、ばんぱくというプレイヤーを「信頼」したのだろうと思う。
意を決して《“乱振”舞神 G・W・D》をシールドにアタックさせる白梟。攻撃時のバトルで2体目の《煌メク聖戦 絶十》も墓地へ。
……そしてばんぱくから、《煌世主 サッヴァーク†》の宣言はない!
このワンプレイが勝負の明暗を分けた。
割られたシールドを「サバキZ」しながらの《集結ノ正裁Z》で《集結ノ正裁Z》と《》を手札に加えるばんぱくだが、《煌メク聖戦 絶十》を2体とも失ったことでアクションの自由度は大幅に減ってしまっている。やむなく《煌龍 サッヴァーク》をチャージしつつ≪ジャミング・チャフ≫を打ってターンを返すしかない。
白梟も2体目の《異端流し オニカマス》を出すのみ。とはいえ、ばんぱくが《煌龍 サッヴァーク》や《煌世主 サッヴァーク†》を自分のターンに出してこない限り、《天ニ煌メク龍終ノ裁キ》を使った連続アタックによる逆転の可能性もないため、焦る必要はない。≪ジャミング・チャフ≫の効果が切れるまで待つまでだ。
そして返すターン、ばんぱくが《集結ノ正裁Z》チャージから《剣参ノ裁キ》を唱え、ようやく《煌世主 サッヴァーク†》を手札に加えることに成功するも、その代償として≪ジャミング・チャフ≫のない1ターンを白梟に渡さざるをえない。
ついに、今度こそ呪文のプレイが自由になった白梟のターン。《ドンドン吸い込むナウ》で《“必駆”蛮触礼亞》を回収すると、満を持して《“必駆”蛮触礼亞》→《勝利龍装 クラッシュ“覇道”》!
このアタックは今度こそ《煌世主 サッヴァーク†》で止めたばんぱくだったが、続けて残る《異端流し オニカマス》2体を白梟が順にアタックさせると、ついに右手を差し出したのだった。
Winner: 白梟
ばんぱく「《煌世主 サッヴァーク†》持ってる読みで殴ってこないかなと思ったけど、甘かった……」
白梟「あったら負けなんで、殴るしかなかったですね」
手札6枚、表向きのシールド3枚の状態で殴ってくるはずがない。その意味でばんぱくも白梟を「信頼」していた。だが白梟はそんなばんぱくの一枚上を行ったのだ。
同じころ、反対側の準決勝ではNagumoがてぃけのに敗れていた。40枚をシェアした完全同型での決勝戦はかなわず、白梟がNagumoの思いを背負う立場となる。
決勝の相手は、またしても『白零サッヴァーク』。今日まで培ったすべてでもって、白梟は決勝戦に臨む。
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