全国大会2018 甲信越エリア予選 決勝戦:てぃけの(新潟) vs. 白梟(群馬)
ベスト4が決まるとばんぱくとの対戦を前に、白梟はNagumoの方を顎でしゃくり、こう言った。
白梟「決勝、2人でやりますから。」
ベスト4に残っていたのは白梟とNagumoの『赤青覇道』と『光ゼロサッヴァーク』が2つ。世間での評価は別として、前日に2人はこのマッチアップにおける勝利の方程式を見つけていた。
普段から2人で練習しているため、お互いの実力も熟知している。このマッチアップに勝つための明確なストラテジーも決まっており、予選ラウンドでも実践し成功を収めている。だからこそ、負けるはずがない。2人は別々のテーブルに座り、準決勝が始まった。
しかし、決勝戦の舞台にNagumoは現れなかった。
代わりに対面へと座るのは『光ゼロサッヴァーク』を使用するてぃけの。彼こそ予選ラウンドから唯一の全勝者であり、白梟に唯一黒星をつけた相手でもある。何よりも必勝法を見出した白梟、Nagumoを続けて破っているのだ。
《煌龍 サッヴァーク》に惹かれてカードを揃える内に、てぃけのは自然と『光ゼロサッヴァーク』へと辿りついた。自信となったのは、南東北大会のデッキリストが自身で考えていたものと酷似していたことだ。
そもそもメタゲーム上有利なデッキを選択することこそ、勝利への近道だ。極端に『火水覇道』に偏ったメタゲームにより、《煌メク聖戦 絶十》を採用した『光ゼロサッヴァーク』を選択し、細部を調整し持ち込んだ。
5年ぶりの公式戦というてぃけのと共に戦うのは、友人であるYunagiを文字った“鰻組”と書かれたプレイマット。彼の後ろには、その鰻組であろう友人達が勝利を期待し見守っている。
これより行われる決勝戦。この舞台に登場するのは相反する2つのデッキ、環境最鋭の『火水覇道』と環境最硬の『光ゼロサッヴァーク』。
勝つために模索されたストラテジーと勝つための作り上げられたデッキ、プレイヤーの理論と知識の対決だ。
甲信越大会で何度も繰り広げられたマッチアップ。その総決算として、てぃけのと白梟による王者を決める戦いが始まる。
先攻:てぃけの
3度のあいこを挟み先手はてぃけの。互いにマナをチャージし合うと最初にプレイされたのは白梟の《エマージェンシー・タイフーン》。《月光電人オボロカゲロウ》ではなく、《エマージェンシー・タイフーン》だ。
ならばと先に盤面へとアクションを起こしたのはコントロール側であるてぃけの。《転生ノ正裁Z》でシールドを手札に加え、サバキZ効果で《煌メク聖戦 絶十》を召喚。一連の動作で2枚のカードがシールドへと重ねられた。
続くターンには踏み倒しを牽制する≪奇石 ミクセル≫を召喚し、守りは完璧。『覇道』側が序盤に攻勢に出られなかったため、一気にてぃけの優勢となる。
再度《エマージェンシー・タイフーン》でドローを進めると、白梟は対≪奇石 ミクセル≫用の切り札である《“乱振”舞神 G・W・D》を捨てる。続くターンには《ドンドン吸い込むナウ》で《南海の捜索者 モルガラ/トリプル・ブレイン》を加えるも、≪奇石 ミクセル≫をバウンスしない。
アグロ側である『火水覇道』が、4ターン経っても盤面へと全くアクションを起こさない。ここにきて壮絶に事故ってしまったのか?
そんなことはない。白梟の狙い通りに、物語は水面下で着々と進んでいた。
それこそDMGP7thで活躍した『DG型』ならば、《異端流し オニカマス》を筆頭にコツコツとシールドをブレイクしていくことで《煌龍 サッヴァーク》の着地を不安定にさせる速攻プランが正解だろう。
しかし、南東北大会の結果を受けて状況は一変する。『絶十型』は序盤のアタックした《異端流し オニカマス》を返しで潰し、盤面での優位を築く《煌メク聖戦 絶十》が採用されている。召喚時に失ったリソースを回復する《集結ノ正裁Z》も特徴の一つだ。
白梟は言う。「《異端流し オニカマス》がなければ、最後のダイレクトアタックまで届かない」と。それこそ予選ラウンドの対戦は、《勝利龍装 クラッシュ“覇道”》によって得た追加3ターン中に《異端流し オニカマス》を引くことができずにダイレクトアタックが届かず、敗北してしまったのだ。
結論はこうだ。『DG型』か『絶十型』かは4ターン目の《集結ノ正裁Z》のプレイの有無により判断し、その後の動きを決める。てぃけのに関しては予選ラウンドで対戦し、既にデッキの型は判明している。後は、対『絶十型』のストラテジーを実行するだけだ。
このマッチアップは通常の『火水覇道』とはかけ離れた行程をたどる。殴らず、マナを増やす。爆発力に溢れるデッキらしからぬ動き、それこそ《南海の捜索者 モルガラ/トリプル・ブレイン》は5マナのドローカードとしての扱いなのだ。
≪トリプル・ブレイン≫により3枚のカードを引くと、てぃけのとの手札の枚数にかなり差がついた。
ブレイクによる手札の増加もないため、《剣参ノ裁キ》や《集結ノ正裁Z》を自力で引き込まない限りてぃけのは手札を増やすことができない。《煌メク聖戦 絶十》で支払った分のリソースは回復できていない。チャージせずに2枚の手札を抱え、エンドする。
倍以上の手札を持つ白梟は、ハンドアドバンテージをカードアドバンテージへとリソース変換を行う。《ゴリガン砕車 ゴルドーザ/ダイナマウス・スクラッパー》をプレイすることで、てぃけの唯一のアドバンテージであった盤面での優位性すらも失わせる。
盤面、手札、マナと圧倒的優位な白梟だが、油断はない。動けないてぃけのを尻目に、7マナ目をチャージすると≪トリプル・ブレイン≫で更に引き増し、残った2マナでフィニッシャーである《異端流し オニカマス》を召喚する。これによりカウントダウンのコールは1となる。
白梟とNagumoのストラテジーは大きく3つの過程に分かれている。
先ずは、相手のデッキの型が判明するまでに無闇やたらにブレイクしないこと。
次に、必ずマナをチャージしドロー呪文により手札を枯渇させないこと。
そして8マナ目をチャージすることで最終段階が開始する。
予選ラウンドを通じててぃけのも白梟が8ターン目から動き出すのはわかっている。状況を好転させるべく《魂穿ツ煌世ノ正裁Z》を空打ちすることで、シールドへ3枚目のカードを重ねる。
脳裏に浮かぶは《煌世主 サッヴァーク†》だが、白梟はお構いなしに8マナ目をチャージしカウントダウンのコールを0にする。
《異端流し オニカマス》を2連続で召喚すると《“必駆”蛮触礼亞》で《勝利龍装 クラッシュ“覇道”》をバトルゾーンへ。このアタックこそてぃけのは3枚のカードを裏側に返し《煌世主 サッヴァーク†》でブロックしシールドを守るが、代償として追加ターンを与えてしまう。防御網の下準備をしようにも《魂穿ツ煌世ノ正裁Z》の対象となるべきクリーチャーは盤面に存在せず、表向きのカードも全て使いきってしまった。
白梟とNagumoのストラテジーの最終段階、それは《異端流し オニカマス》を横に置きつつB・A・D2効果で8マナの《勝利龍装 クラッシュ“覇道”》を召喚することだ。相手には《煌世主 サッヴァーク†》があるが、出し続けるには限界がある。
相手の《煌世主 サッヴァーク†》か表向きのカードがなくなるまで《勝利龍装 クラッシュ“覇道”》を投げ続ける力業。それを実行するには《“必駆”蛮触礼亞》ではリソースの消耗が激しすぎる。きちんとマナを確保し複数枚の《勝利龍装 クラッシュ“覇道”》を集めるために、《魂穿ツ煌世ノ正裁Z》で対処されるクリーチャーはマナへと埋め、ドロー呪文を唱えることが優先される。
ドローに恵まれずリソース不足のてぃけのには、ここを対処できる手段もプレッシャーとなり得る表向きのカードも無い。対して白梟にはダイレクトアタックを刻む《異端流し オニカマス》が既にいる。
ここからは白梟だけの、《勝利龍装 クラッシュ“覇道”》という名のエンペラータイム。
追加ターンに入り、白梟は本来通りフルタップで《勝利龍装 クラッシュ“覇道”》を召喚する。手の中で踊る《勝利龍装 クラッシュ“覇道”》は、その名の通りゲーム自体をクラッシュさせる。
《異端流し オニカマス》をアタックへ向かわせると、白梟は自分たちのストラテジーの正しさを証明してみせた。
Winner:白梟
今回白梟とNagumoの2人が使用した『火水覇道』は対『光ゼロサッヴァーク』用の特別仕様ではない。甲信越大会用として既に完成していたデッキに、Nagumoが新たなストラテジーを見出したに過ぎない。そして白梟は、それを忠実に実行してみせた。
きちんとマナをチャージし、相手にリソースを与えず、自分は手札を増やし必要なカードを集め、8マナの《勝利龍装 クラッシュ“覇道”》から攻勢に出る。『火水覇道』らしからぬ動きこそが、鍵であったのだ。
それこそリスクを負うことを嫌い、勝ちにこだわる白梟だからこそ、この突飛なストラテジーを前日にも関わらずすんなりと受け入れることができたのだ。
優勝したことで改めて実感する。
白梟、君は強い。
勝負のタイミングを見極める試合勘、薄氷の上を渡りきる胆力とブレることのないプレイングがその強さを支えている。
だが古今東西の「最強のプレイヤーか?」と問われれば、白梟だけでは違うだろう。そう、1人では。
但し、白梟とNagumo、2人が組めば話は変わる。どんな不利なマッチアップであっても冷静に分析し、固定観念を持たずに直観で突破口を見つけ出す。それこそ、今回の対『光ゼロサッヴァーク』へのストラテジーのように。
白梟とNagumo、この2人が組めば本当に強い。次の大会も2人で練習し、きっと勝つだろう。
全国大会に出場するのは白梟1人でも、対戦相手の目の前に座るのは最強の2人なのだから。
甲信越エリア チャンピオンは白梟!おめでとう!
白梟「決勝、2人でやりますから。」
ベスト4に残っていたのは白梟とNagumoの『赤青覇道』と『光ゼロサッヴァーク』が2つ。世間での評価は別として、前日に2人はこのマッチアップにおける勝利の方程式を見つけていた。
普段から2人で練習しているため、お互いの実力も熟知している。このマッチアップに勝つための明確なストラテジーも決まっており、予選ラウンドでも実践し成功を収めている。だからこそ、負けるはずがない。2人は別々のテーブルに座り、準決勝が始まった。
しかし、決勝戦の舞台にNagumoは現れなかった。
代わりに対面へと座るのは『光ゼロサッヴァーク』を使用するてぃけの。彼こそ予選ラウンドから唯一の全勝者であり、白梟に唯一黒星をつけた相手でもある。何よりも必勝法を見出した白梟、Nagumoを続けて破っているのだ。
《煌龍 サッヴァーク》に惹かれてカードを揃える内に、てぃけのは自然と『光ゼロサッヴァーク』へと辿りついた。自信となったのは、南東北大会のデッキリストが自身で考えていたものと酷似していたことだ。
そもそもメタゲーム上有利なデッキを選択することこそ、勝利への近道だ。極端に『火水覇道』に偏ったメタゲームにより、《煌メク聖戦 絶十》を採用した『光ゼロサッヴァーク』を選択し、細部を調整し持ち込んだ。
5年ぶりの公式戦というてぃけのと共に戦うのは、友人であるYunagiを文字った“鰻組”と書かれたプレイマット。彼の後ろには、その鰻組であろう友人達が勝利を期待し見守っている。
これより行われる決勝戦。この舞台に登場するのは相反する2つのデッキ、環境最鋭の『火水覇道』と環境最硬の『光ゼロサッヴァーク』。
勝つために模索されたストラテジーと勝つための作り上げられたデッキ、プレイヤーの理論と知識の対決だ。
甲信越大会で何度も繰り広げられたマッチアップ。その総決算として、てぃけのと白梟による王者を決める戦いが始まる。
先攻:てぃけの
3度のあいこを挟み先手はてぃけの。互いにマナをチャージし合うと最初にプレイされたのは白梟の《エマージェンシー・タイフーン》。《月光電人オボロカゲロウ》ではなく、《エマージェンシー・タイフーン》だ。
ならばと先に盤面へとアクションを起こしたのはコントロール側であるてぃけの。《転生ノ正裁Z》でシールドを手札に加え、サバキZ効果で《煌メク聖戦 絶十》を召喚。一連の動作で2枚のカードがシールドへと重ねられた。
続くターンには踏み倒しを牽制する≪奇石 ミクセル≫を召喚し、守りは完璧。『覇道』側が序盤に攻勢に出られなかったため、一気にてぃけの優勢となる。
再度《エマージェンシー・タイフーン》でドローを進めると、白梟は対≪奇石 ミクセル≫用の切り札である《“乱振”舞神 G・W・D》を捨てる。続くターンには《ドンドン吸い込むナウ》で《南海の捜索者 モルガラ/トリプル・ブレイン》を加えるも、≪奇石 ミクセル≫をバウンスしない。
アグロ側である『火水覇道』が、4ターン経っても盤面へと全くアクションを起こさない。ここにきて壮絶に事故ってしまったのか?
そんなことはない。白梟の狙い通りに、物語は水面下で着々と進んでいた。
それこそDMGP7thで活躍した『DG型』ならば、《異端流し オニカマス》を筆頭にコツコツとシールドをブレイクしていくことで《煌龍 サッヴァーク》の着地を不安定にさせる速攻プランが正解だろう。
しかし、南東北大会の結果を受けて状況は一変する。『絶十型』は序盤のアタックした《異端流し オニカマス》を返しで潰し、盤面での優位を築く《煌メク聖戦 絶十》が採用されている。召喚時に失ったリソースを回復する《集結ノ正裁Z》も特徴の一つだ。
白梟は言う。「《異端流し オニカマス》がなければ、最後のダイレクトアタックまで届かない」と。それこそ予選ラウンドの対戦は、《勝利龍装 クラッシュ“覇道”》によって得た追加3ターン中に《異端流し オニカマス》を引くことができずにダイレクトアタックが届かず、敗北してしまったのだ。
結論はこうだ。『DG型』か『絶十型』かは4ターン目の《集結ノ正裁Z》のプレイの有無により判断し、その後の動きを決める。てぃけのに関しては予選ラウンドで対戦し、既にデッキの型は判明している。後は、対『絶十型』のストラテジーを実行するだけだ。
このマッチアップは通常の『火水覇道』とはかけ離れた行程をたどる。殴らず、マナを増やす。爆発力に溢れるデッキらしからぬ動き、それこそ《南海の捜索者 モルガラ/トリプル・ブレイン》は5マナのドローカードとしての扱いなのだ。
≪トリプル・ブレイン≫により3枚のカードを引くと、てぃけのとの手札の枚数にかなり差がついた。
ブレイクによる手札の増加もないため、《剣参ノ裁キ》や《集結ノ正裁Z》を自力で引き込まない限りてぃけのは手札を増やすことができない。《煌メク聖戦 絶十》で支払った分のリソースは回復できていない。チャージせずに2枚の手札を抱え、エンドする。
倍以上の手札を持つ白梟は、ハンドアドバンテージをカードアドバンテージへとリソース変換を行う。《ゴリガン砕車 ゴルドーザ/ダイナマウス・スクラッパー》をプレイすることで、てぃけの唯一のアドバンテージであった盤面での優位性すらも失わせる。
盤面、手札、マナと圧倒的優位な白梟だが、油断はない。動けないてぃけのを尻目に、7マナ目をチャージすると≪トリプル・ブレイン≫で更に引き増し、残った2マナでフィニッシャーである《異端流し オニカマス》を召喚する。これによりカウントダウンのコールは1となる。
白梟とNagumoのストラテジーは大きく3つの過程に分かれている。
先ずは、相手のデッキの型が判明するまでに無闇やたらにブレイクしないこと。
次に、必ずマナをチャージしドロー呪文により手札を枯渇させないこと。
そして8マナ目をチャージすることで最終段階が開始する。
予選ラウンドを通じててぃけのも白梟が8ターン目から動き出すのはわかっている。状況を好転させるべく《魂穿ツ煌世ノ正裁Z》を空打ちすることで、シールドへ3枚目のカードを重ねる。
脳裏に浮かぶは《煌世主 サッヴァーク†》だが、白梟はお構いなしに8マナ目をチャージしカウントダウンのコールを0にする。
《異端流し オニカマス》を2連続で召喚すると《“必駆”蛮触礼亞》で《勝利龍装 クラッシュ“覇道”》をバトルゾーンへ。このアタックこそてぃけのは3枚のカードを裏側に返し《煌世主 サッヴァーク†》でブロックしシールドを守るが、代償として追加ターンを与えてしまう。防御網の下準備をしようにも《魂穿ツ煌世ノ正裁Z》の対象となるべきクリーチャーは盤面に存在せず、表向きのカードも全て使いきってしまった。
白梟とNagumoのストラテジーの最終段階、それは《異端流し オニカマス》を横に置きつつB・A・D2効果で8マナの《勝利龍装 クラッシュ“覇道”》を召喚することだ。相手には《煌世主 サッヴァーク†》があるが、出し続けるには限界がある。
相手の《煌世主 サッヴァーク†》か表向きのカードがなくなるまで《勝利龍装 クラッシュ“覇道”》を投げ続ける力業。それを実行するには《“必駆”蛮触礼亞》ではリソースの消耗が激しすぎる。きちんとマナを確保し複数枚の《勝利龍装 クラッシュ“覇道”》を集めるために、《魂穿ツ煌世ノ正裁Z》で対処されるクリーチャーはマナへと埋め、ドロー呪文を唱えることが優先される。
ドローに恵まれずリソース不足のてぃけのには、ここを対処できる手段もプレッシャーとなり得る表向きのカードも無い。対して白梟にはダイレクトアタックを刻む《異端流し オニカマス》が既にいる。
ここからは白梟だけの、《勝利龍装 クラッシュ“覇道”》という名のエンペラータイム。
追加ターンに入り、白梟は本来通りフルタップで《勝利龍装 クラッシュ“覇道”》を召喚する。手の中で踊る《勝利龍装 クラッシュ“覇道”》は、その名の通りゲーム自体をクラッシュさせる。
《異端流し オニカマス》をアタックへ向かわせると、白梟は自分たちのストラテジーの正しさを証明してみせた。
Winner:白梟
今回白梟とNagumoの2人が使用した『火水覇道』は対『光ゼロサッヴァーク』用の特別仕様ではない。甲信越大会用として既に完成していたデッキに、Nagumoが新たなストラテジーを見出したに過ぎない。そして白梟は、それを忠実に実行してみせた。
きちんとマナをチャージし、相手にリソースを与えず、自分は手札を増やし必要なカードを集め、8マナの《勝利龍装 クラッシュ“覇道”》から攻勢に出る。『火水覇道』らしからぬ動きこそが、鍵であったのだ。
それこそリスクを負うことを嫌い、勝ちにこだわる白梟だからこそ、この突飛なストラテジーを前日にも関わらずすんなりと受け入れることができたのだ。
優勝したことで改めて実感する。
白梟、君は強い。
勝負のタイミングを見極める試合勘、薄氷の上を渡りきる胆力とブレることのないプレイングがその強さを支えている。
だが古今東西の「最強のプレイヤーか?」と問われれば、白梟だけでは違うだろう。そう、1人では。
但し、白梟とNagumo、2人が組めば話は変わる。どんな不利なマッチアップであっても冷静に分析し、固定観念を持たずに直観で突破口を見つけ出す。それこそ、今回の対『光ゼロサッヴァーク』へのストラテジーのように。
白梟とNagumo、この2人が組めば本当に強い。次の大会も2人で練習し、きっと勝つだろう。
全国大会に出場するのは白梟1人でも、対戦相手の目の前に座るのは最強の2人なのだから。
甲信越エリア チャンピオンは白梟!おめでとう!
TM and © 2024, Wizards of the Coast, Shogakukan, WHC, ShoPro, TV TOKYO © TOMY