デュエル・マスターズ

メニュー
商品情報

全国大会2018 九州エリア予選:トップ5カード

2ブロック環境最初のエリア予選として熱戦が繰り広げられた九州エリア予選。

ここでは、そんな九州エリア予選の戦いを象徴する5枚のカードと共に振り返っていこう。


第5位:《禁断機関 VV-8》

殿堂環境ではなく、限定環境がエリア予選のレギュレーションとなりかなりの年月が経つが、今年のエリア予選が今までと大きく違っている点が二つある。

まず、一つ目はこれまで1年分のカードしか使えなかったブロック構築と違い、2年分のカードを使用できる2ブロック構築で開催されるということ。

二つ目は、予選前に限定環境の大型大会がなかったこれまでと違い、メタゲームのひとつの指標となる大型イベントであるDMGP7thが開催されていたということである。

それによって、『無月系』『裁き系』『ジョーカーズ系』に、『火水、もしくは、自然を足した《“必駆”蛮触礼亞》系』のデッキを中心としたメタゲームであることが、誰の目にも明らかとなり、また、練りこまれたデッキリストも数多く用意された状態で環境が始まることとなった。

とはいえ、それによって環境が硬直したかというとそうではない。

理由はいくつかあるが、プレイヤーによる環境研究の精度と深度がこれまで以上に上がっていることが大きいのは間違いない。

そして、同じくらいに大きな理由となり得ているのが、DMGP7th以降に発売された「ペリッ!スペシャルだらけのミステリーパック」の存在だろう。

かなり濃いめの新規カードと再録で彩られたこのパックの影響は存外に大きかったと思われるが、メタゲーム自体への影響については追ってみていくとして、まずはDMGP7th時点ではコンセプトすら存在しなかったデッキを生み出したこの再録カードを見ていこう。

かつての革命ファイナル限定環境を席巻した『光水VVダンテ』のキーカードであった《禁断機関 VV-8》だが、この2018年の2ブロック環境で相方を奇跡の象徴《時の法皇 ミラダンテⅫ》から戦いの神《ハイパー・ギガタック/ギガタック・ハイパー・トラップ》へと変え、再びエリア予選へと舞い戻った。

≪ギガタック・ハイパー・トラップ≫で一気に《禁断機関 VV-8》の封印を外し、追加ターンを得るコンボを中核としたデッキは、この環境でのビッグマナ枠として今後のエリア予選での活躍を予感させるデッキである。

また、環境屈指のパワーカードでありながらも、中々フィットするデッキがない《最強虫 ナゾまる》をうまく使える可能性が高いアーキタイプでもあることは追記しておこう。


第4位:《次元の嵐 スコーラー》

続いて、元々殿堂環境でも注目されていたものの、「ペリッ!スペシャルだらけのミステリーパック」に再録されているカードによって注目を浴びることとなったこのカードを挙げよう。

元々、複数の呪文から《超宮兵 マノミ》を連打し、さらに《神出鬼没 ピットデル》でディスカードした≪貝獣 ワカメチャ≫で墓地のカードを山札に戻しつつ内容を固定し、最終的には並べたムートピアによってG0条件を達成した《I am》で使いまわす通称『アイアム・ループ』は殿堂環境で一時期注目されたデッキではあった。

そして、《次元の嵐 スコーラー》の登場によって安定した決定力を得た事で、準一線級のパワーを持つに至った『アイアム・ループ』ではあったが、その構成要素のほとんどが新章以降のカードで構成されているコンボにもかかわらずDMGP7thではその姿をほとんど見ることはなかった。

その最大の理由は、コンボの始点となっている軽量呪文のひとつである《セイレーン・コンチェルト》がカードプールに存在していなかったことによる。だが、「ペリッ!スペシャルだらけのミステリーパック」に《セイレーン・コンチェルト》が再録されたことで、見事2ブロック環境でも使用できるに至ったわけだ。

今回の九州エリア予選では、トップ16×2の上位32名の中ではたった1名の予選ラウンド突破ではあったものの、『無月系』デッキの存在で墓地への警戒が厳しい2ブロック環境において墓地を使用しないループコンボとして更なる地位を確立していってもおかしくはない。

特に、次週の東北エリア予選以降は、更なる1マナ呪文である《卍 ギ・ルーギリン 卍/卍獄ブレイン》の投入による3ターンキルも視野に入ってくるため、環境に文字通り嵐を巻き起こすかもしれない。


第3位:《ポクチンちん》

通常の殿堂環境と変わらず2ブロック構築環境でも代表的なデッキとして存在する『ジョーカーズ系』。

自然文明を入れるか否か、また、複数の《ジョット・ガン・ジョラゴン》によるループの可能性を検討して《燃えるデット・ソード》を採用するか否かなどで様々な形をとる可能性がある『ジョーカーズ系』ではあるが、どんな形であっても間違いなく採用されているカードがある。

それが、この《ポクチンちん》だ。

切り札という視点で言えば当然《ジョット・ガン・ジョラゴン》が選択されるべきではあるが、環境に影響を与え、定義していたカードという意味ではこちらのカードに軍配があがる。少なくとも、上位32名のデッキリストを見る限りで『無月系』が振るわなかった理由はこのカードにあったといえるだろう。

DMGP7thでも猛威を振るった『無月系』と『裁き系』、この二つのアーキタイプに対してナチュラルな対策となる上に、場合によっては自身のジョラゴン・ループのために墓地を回復する使い道も持ったこのカード。多くのジョーカーズのカードが『ジョーカーズ系』デッキ限定で使われているのに対して、様々なデッキで使用されうる万能カードである。

いや、逆に、万能カードである《ポクチンちん》が、強いシナジーを持った種族であるジョーカーズであることが強力であるとも言える。

『ジョーカーズ系』デッキ自体は権利獲得者を生み出したものの、環境を支配した別の切り札によってそこまで上位のアーキタイプであったとは言えないかもしれない。だが、《ポクチンちん》が今後も意識され続けるカードであることは間違いないだろう。


第2位:《月光電人オボロカゲロウ》

ここまで見てきても分かるように、「ペリッ!スペシャルだらけのミステリーパック」が2ブロック環境に与えた影響は圧倒的に大きい。

今回トップ5入りを惜しくも逃したものの、《ヘブンズ・フォース》との相性抜群の《ナゾの光・リリアング》も『火光ブランド』をメタゲームの上位に押し上げる原動力となっている。

だが、そんな「ペリッ!スペシャルだらけのミステリーパック」のカードの中でも、最も環境に大きな影響を与えたのは、この地味な2マナクリーチャーである《月光電人オボロカゲロウ》なのではないだろうか。

DMGP7thと見比べた場合の今回の上位デッキリストで最も大きな変化として、『火水(自然)クラッシュ“覇道”系』のデッキが、《“必駆”蛮触礼亞》《勝利龍装 クラッシュ“覇道”》の強力コンボは残しつつも、全体的に前のめりなリストである、『火水ブランド』とでも言うべきリストに変化していたことが挙げられる。

特に、自然を投入した俗にいうシータタイプはほぼ存在せず、DMGP7thにおいて環境トップ5カードであっただろう《ドンジャングルS7》あたりは絶滅の危機に瀕していると言っていいくらいだ。

その理由として、《月光電人オボロカゲロウ》の存在が大きかったのではないかと思われる。このカードによって序盤の動きが安定するため、中長期的なゲームプランよりも序盤に特化した動きが肯定されることとなったのだ。普通に考えれば、《月光電人オボロカゲロウ》の効果を大きくする3文明で構築し、コンボの安定をとる選択肢もありそうに見えるが、それ以上に速度の安定がデッキの構造そのものを変えてしまったのだろう。

何にしろ、打点を増やしつつ手札の質を上げ、さらに手札の枚数は減らしてくれる《月光電人オボロカゲロウ》《“轟轟轟”ブランド》の最大の相方となったのは間違いない。


第1位:《“轟轟轟”ブランド》

第1位のカードについて語る前に、上位32名によるデッキブレイクダウンを見てみよう。

9 火水ブランド
4 火光ブランド
2 火単ブランド

2 光水サッヴァーク
1 光水自然サッヴァーク
1 光水闇サッヴァーク
1 光ゼロサッヴァーク

3 闇単デ・スザーク
2 水闇ムカデループ

3 ゼロタッチ火ジョーカーズ
2 自然ジョーカーズ

1 水自然VVギガタック
1 アイアム・ループ

ほぼ半数である15名が《“轟轟轟”ブランド》を中核に据えたデッキを使用している。これ以上に《“轟轟轟”ブランド》がトップ5カード第1位であることを雄弁に語る証拠はないだろう。

九州エリア予選は、間違いなく《“轟轟轟”ブランド》に支配された環境であり、勝っているプレイヤーの多くの手札は1枚以下だったのだ。

この《“轟轟轟”ブランド》偏重な環境を受けて、今後のエリア予選がどのような環境になっていくかが楽しみだ。

PAGE TOP

TM and © 2024, Wizards of the Coast, Shogakukan, WHC, ShoPro, TV TOKYO © TOMY