全国大会2024 関西エリア予選:優勝者インタビュー
ライター:林 直幸(イヌ科)
撮影:後長 京介
拠点とする滋賀や京都、それどころか全国トップクラスのデッキ構築能力で知られていることと同時に、どこか放っておけない私生活の一面が尾ひれのついた伝説として伝わっている。
実力に関して言えばいつ全国大会に来てもおかしくないと言われていた……そんな25が、悲願の全国大会への切符を掴み取った。
エリア予選恒例の優勝者インタビューという形で、その一筋縄ではいかない人間性が少しでも伝われば幸いだ。
―――まずは優勝おめでとうございます。月並みな質問にはなりますが、デュエマ歴から教えてください。
25「始めたのは覚醒編のとき。引っ越しの都合で滋賀県に戻ってきたタイミングで中学の友達に誘われてという形だったんだけど、友人間で自分だけがデュエマにどっぷりのめり込んじゃって……。中学生の頃って、フードコートとかでよく友達とだべるじゃないですか。どうやら当時の俺がそういう場でも四六時中デュエマの話ばっかしてたらしくて……痺れを切らした友達が『お前と話してるとデュエマの話ばっかりでうんざり』って言われたのが今でも印象に残っています」
―――まさか初っ端からそんな強烈なエピソードが飛んでくるとは思わなかった。
25「高校に進学してからは京都のホビーステーションだとかのデュエルロードに通うようになって……それでもうね、"終わり"ました」
―――自他共に認めるデュエマ狂人がこうやって誕生したわけだ。
25「この頃のエピソード、まだまだ語れるよ。Vのもれを始めとする、かつての高槻勢や「マラかっち」との出会い編とかもあるけど」
―――長くなりそうだしいいかな……。 25「あとは当時盛んになり始めたSNSでたくさん知り合いを見つけれたのが大きくて。今でも活躍しているところで言うとデュエチューブリーグにも出ているフェアリーや、DMGP2024-1stで全国大会を決めたえむつーだったり。当時はリモートデュエマなんてなかったから、チャットアプリに『○○をチャージ』みたいなことを書いてデュエマをするみたいなことをしてた」
―――なんというか力技すぎる……。関連した質問なんですけど、今回の大会に向けては主にリモートで調整を行っていたんですよね。そこで考えていたことも併せてお伺いしたいです。
25「そう、ずっとDiscordを拠点に意見交換してて、最後の方はリモートデュエマの環境を整えてSabakiさんと2人でずっと調整してた。2ブロックの環境に対する共通認識として、まず【火水マジック】と【光水自然ゼニス】がすごく強い。それら2つに対するアンサーとして挙がったのが《DARK MATERIAL COMPLEX》と《死神覇王 ブラックXENARCH》なんだよね」
―――九州エリアで優勝したえいりゅー選手のデッキはどちらも採用した【火水闇プレジール】でしたね。
25「今回はそのパッケージのうち、《DARK MATERIAL COMPLEX》を強く使える【火水闇プレジール】、《死神覇王 ブラックXENARCH》を強く使える【4cグリッファ】、そしてこの2つの影響を全く受けない唯一の環境デッキである【ターボマジック】……っていう3つが使用候補だった。今日の使用デッキはこの中ならどれでもよかったんだけど、自分は《DARK MATERIAL COMPLEX》を使いたいから【火水闇プレジール】を使ったって感じだね」
―――構築の細かいポイントについてお伺いしたいです。色々語れることはあるだろうけど……決勝戦でも活躍した《パシフィック・ヒーロー》が印象的でした。 25「これはざっくり言うと【ターボマジック】にしっかり勝ち切るためのカード。【ターボマジック】対面はシールドを刻んで、それが相手に返されて、こっちも《アーテル・ゴルギーニ》とか《鬼火と魍魎の決断》で切り返してもう1回刻んで…を繰り返す試合が多かったんだけど、最終的に殴り切るルートを補強するためのカードを探してたら2日前とかに発見して……」
―――一見パッとしないカードがソリューションになる、ブロック構築あるあるだ。
25「決勝戦みたいな進行の試合、従来の《死神覇王 ブラックXENARCH》入りだと最終的に打点不足になって負けちゃうことが多かったので……ここは調整の結果が出てよかったなと思います」
―――ということで念願の全国大会出場が決まりましたが、今の心境を教えてください。
25「とりあえず「マラかっち」のデュエチューブリーグ組がちょっとでも全国の調整に参加してくれればいいなっていうのと、準優勝のSabakiさんがDMPランキングで1000pt盛ったから、このままランキングで全国に来てくれたら友達がいっぱい来て嬉しいなということで……」
―――他人事みたいに言うなあ。私の目から見ると、今までデッキはめっちゃ考えてたけど、原作者本人が勝つのは今回が初めてという意味では印象的な勝利に見えた。
25「まあ毎回デッキ考えてはボロクソに負けを繰り返してはいたけど、一緒に調整したメンバーが誰か1人でも勝てばそんなに悔しくはないんだよな、それとは別で虚しさはあるけど。でもそうか、今年は俺が全国に出るのか……」
―――そう、今年は当事者ですよ。
25「まあでも、えむつーとかtakiみたいな昔からの知り合いがいっぱい来てくれる年。同窓会的な意味合いもあって……楽しみですね」
最後に一言付け加えると、25は長年のインターネット生活で心が荒んでしまい、今はオープンなSNSを断った、ある種隠遁生活と呼べるような生活を行っている。
25を昔から知る友人知人に向けて一言こう伝えておこう……この記事とエリア予選優勝の報を以て、彼の生存報告とさせてほしい。
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