全国大会2025 中国・四国エリア予選 決勝戦 :ユグ vs. スイクン
ライター:河野 真成(神結)
撮影:瀬尾 亜沙子
広島市内を、路面電車が走っている。この路面電車の車両は、やや近未来的なデザインをしていた。この電車に乗って広島駅から10分ほど揺られていくと、広島県立産業会館へ辿り着く。今回の中四国エリア予選の会場だ。2024年に超CSも開催された場所でもある。
中四国エリアは、昨年と同様に年を明けての開催である。「第4弾のカードを最初に使えるエリア」という点でも同じだ。昨年は高知から「◆」を冠した軍勢が【光闇メカ】を持ち込み、エリア全体の中でもかなり特異なメタゲームとなった。
今年のエリアはというと、昨年とは少し様子の違ったものであった。参加人数も昨年の66から、84へと大きく増えた。
使用デッキについても、「終淵 ~LOVE&ABYSS~」を経てオリジナル・アドバンス環境でも最上位に繰り出しつつある【光水自然ゴルギーオージャー】が最大数を占めた。予選では31人、さらに本戦では脅威のTOP16のうち、11人を占めた。この辺りは、メタゲームブレイクダウンも併せて読んでいただきたい。
【光水自然ゴルギーオージャー】の活躍が目立つ一方で、残る5人のデッキとプレイヤーは、もちろん奮闘した。
だが高知の夢を背負って戦った【火闇自然マルル】の◆勘九郎は、最後は魂のリーサル(トドメまで揃えた打点)が通らずにベスト8で【光水自然ゴルギーオージャー】に敗れた。高知勢の悲願は、また来年へお預けとなった。
ベスト4には、唯一【4c創世竜 Drache der’Zen】を使用していた悠月が残っていた。現時点で、広島県ランキング1位のプレイヤーだ。
迎えた準決勝。
その悠月は、対戦相手であるユグの手から《轟䡛合体 ゴルギーオージャー》が放たれたことで、もはや敗北は決定的なものになっていた。
対してユグはというと、《轟䡛合体 ゴルギーオージャー》を着地させてマナゾーンのカードを回収する際に、その手が少し震えているようにも見えた。
ユグは間違いなく、勝利を確信していたであろう。
だが【光水自然ゴルギーオージャー】は、プレイヤーが勝利を確信してからもう少しゲームを続ける必要のあるデッキだ。
故に、この瞬間のプレイヤーには非常に大きなプレッシャーが掛かる。
エリア予選準決勝だ。否が応でもミスが頭をよぎる。見落としがあることを、何よりも恐れる。勝利を確信したからこそやってきた、大きなプレッシャーだった。
それでもユグは《轟䡛合体 ゴルギーオージャー》で回収したカードたちを正確にプレイしていき、そのまま最後の《轟䡛合体 ゴルギーオージャー》まで走り切って決勝進出を決めた。
こうして【光水自然ゴルギーオージャー】に立ち向かったすべてのデッキが敗れた。
そしてもう1つの準決勝では、スイクンが必然的とも言える【光水自然ゴルギーオージャー】のミラーマッチを戦っていた。
そのスイクンはというと、カードを縦に重ねるのではなく横に並べていた。
ゴルギーオージャーは、殴っても強い。
W・ブレイカーを用意するのが簡単なのはもちろん、《轟䡛合体 ゴルギーオージャー》自身がT・ブレイカーであり、進化クリーチャーも用意しやすいことから即時打点も組みやすい。《華謡の精霊カンツォーネ》は、実質的にスピードアタッカーでもある。
やがてスイクンは打点を並べ圧倒した後、《一音の妖精》で抑えつけて攻撃へと以降。海老キンを破ったのだ。
こうして迎えた、中四国エリア予選の決勝戦。カードは【光水自然ゴルギーオージャー】のミラーマッチだ。
「終淵 ~LOVE&ABYSS~」を経た最初のエリアとして、そして今日のデッキ分布としてはもっとも相応しいのかもしれない。そんな戦いが、幕を開けた。
先攻:ユグ
ユグは初手に《轟䡛合体 ゴルギーオージャー》を埋めると、2ターン目に《大集合!アカネ&アサギ&コハク》からスタート。《華謡の精霊カンツォーネ》をマナに置いてターンを終了。対してスイクンはチャージのみと、2ターン目は動けず。
3ターン目、ユグは《~西方より来る激流の竜騎公~》でドローを進めていく。
小首をかしげるスイクン。ここもチャージのみで終了と追い込まれてしまった。
4ターン目、ユグが大きく動く。
まずは《大集合!アカネ&アサギ&コハク》を進化で召喚し、続けて《観覧!ホールインランド・ヘラクレス》で4枚アンタップ。
更にもう1枚追加で《観覧!ホールインランド・ヘラクレス》を召喚すると、起きたマナが5枚。
そしてここで、2マナを捻って《超魂設計図》を撃つ。
ユグ「ないかぁ……」ここで《轟䡛合体 ゴルギーオージャー》を拾えればそのままほぼ勝ちだったが、残念ながら辿りつけず。《六番龍 シックスフォール Par滝》と《華謡の精霊カンツォーネ》を回収し、更に続けて《超魂設計図》を撃ってこのターンを終了した。
スイクンは《華謡の精霊カンツォーネ》を召喚して《観覧!ホールインランド・ヘラクレス》を処理し、一旦は九死に一生を得た。
それでも、俄然有利はユグ。マナは7マナ。まずは《ソウルサンライト コハク》から《TAKASUGI-死合乱闘3000》へと繋ぎ、待望の《轟䡛合体 ゴルギーオージャー》を回収すると、《一音の妖精》をその上に載せてターンを終了。
この《一音の妖精》は離れない。
スイクンは《♪立ち上がる 悪魔に天使 堕ちるかな》を唱えて「9」を宣言。ひとまず、この《一音の妖精》から重なって《轟䡛合体 ゴルギーオージャー》を作られることは防いだ。
それでも《ソウルサンライト コハク》の軽減は健在で、8マナを用意しているユグ。そして、ここで先に回収していた《六番龍 シックスフォール Par滝》が活躍する。
まずは《六番龍 シックスフォール Par滝》を召喚すると、自身の下に《一音の妖精》を敷く。
この《六番龍 シックスフォール Par滝》は後から召喚したクリーチャーであるので、《♪立ち上がる 悪魔に天使 堕ちるかな》の影響を受けていない。
そのままクリーチャーを重ねていき、《観覧!ホールインランド・ヘラクレス》が着地したことでほぼゲームの勝敗は決まった。これで、8マナアンタップ。ユグの様子に変化はなかった。
最後は《一音の妖精》経由しつつ、《轟䡛合体 ゴルギーオージャー》を10枚目のクリーチャーとして重ねる。
この会場で、今日何回あっただろう。
ユグは《轟䡛合体 ゴルギーオージャー》で攻撃を宣言するとカードが10枚構成されていることをスイクンに提示する。
それは、ユグは全国大会への切符を掴んだことを意味していた。
WINNER:ユグ時刻は15時半を少し過ぎた頃だった。広島の空は、まだ明るい。
試合終了後、ユグは歓喜というよりも緊張から解放されたことの方が大きかったのだろう。口から魂を吐いたように、虚空を見上げていた。もっとも、こうした光景は今年のエリアでよく見かけるものだ。
やがて写真撮影、そしてインタビューが行われてユグは勝利の実感を得たのが、笑顔を見せていた。
エリア予選の結末は、残酷なものが多い。決勝で敗れたプレイヤーが得るものは、本当に少ない。試合内容も、ミラーで後攻3パスだった。
だからこそ、優勝者にはその地域から大きな期待が掛かる。なんせボクらの地域の代表なのだ。その座を掴んだなら、それに相応しい戦いを見せてくれ。
そうした期待はもしかしたら、今日の戦い以上に大きなプレッシャーとなるのかもしれない。だがユグならば、それを踏み越えてくれるだろう。
おめでとう!ユグ!
中四国の代表として、全国大会での活躍を楽しみにしたい。
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