全国大会2025 九州エリア予選 決勝戦 Aブロック:うーに vs. はうは@はう
ライター:伊藤 敦(まつがん)
撮影:後長 京介
デュエル・マスターズにおける、最高峰の競技大会。毎年50名前後しか出られないその頂上決戦は、多くのデュエマプレイヤーにとっての憧れの場所だ。だがそこに参加する権利を獲得するためのハードルは、地方勢にとってはあまりにも高い。
2024年度の後期ランキングで現Team SAGA所属のあっとんが九州在住ながらも全国ランキング枠での参加権利獲得を果たしたのが記憶に新しいとはいえ、CSの開催頻度や平均参加人数による開催倍率の関係から、全国ランキング枠は毎年関東と関西のプレイヤーでほとんど埋まってしまうのが通例だからだ。
ゆえに、地方勢にとっての最短ルートはこのエリア予選となる。グランプリや超CSからの権利獲得がおよそ1000分の1以下なのと比べると、152名参加の2名抜けは確率にして76分の1。優勝縛りとはいえ、普段のCSとそう変わらない……ただ一つ、フォーマットが「2ブロック」という点を除いては。
はうは@はう「こういうの初めてだからさー」
うーに「いやー、『あと一歩』っていうのはそれは初めてだろ」
福岡県ランキングでも上位に名を連ねる強豪であるうーには、王道W第3弾環境も終盤に差しかかったタイミングで、メタゲームへのソリューション(解決策)を自作し持ち込んだ。「ゴルギーオージャー」「レッドゾーン」「アビス」「トリガーコントロール」という4強が定着し、もはやカードプールの限界に到達したと思われていた環境に風穴を開け、日本一決定戦の出場権利を獲得するために。
《王導聖霊 アルファディオス》。《支配の精霊ペルフェクト / ギャラクシー・チャージャー》はもちろん、《天革の騎令嬢 ミラクルステラ》も《天彩の精霊ミルディアス》もない2ブロックで、このカードを主役にデッキが組めるなどと誰が想像しただろうか?だが「深夜デッキをチューニングしたらこうなった」(※「深夜、デッキを」ではなく「深夜デッキ、を」)と語るそのリストは、はたして朝目覚めた後もその輝きが褪せることはなく、確かに環境への要請をすべて満たしているように見えた。はうは@はう「俺デュエマ去年始めたんだぞ!……2ブロっていいよな。知識量の差を消せるからいい」
対するは同じく福岡のはうは@はう。元々は「トリガーコントロール」を使うつもりだったが、調整の中でプレイを見ていた友人による「こっちの方が馴染んでね?」というアドバイスがきっかけとなって使用デッキを変更したとのこと。すべては環境を最速でぶち抜いて、日本一決定戦の出場権利を獲得するために。
《轟く邪道 レッドゾーン》。王道W第3弾環境の2ブロックにおいて、「ゴルギーオージャー」ほどではないにせよ常に環境の中心にいたデッキだが、ここまでの3つのエリアでは関東エリアでいだしゅんが惜しくも決勝で敗れたのが最高成績で、権利獲得には至っていなかった。しかし、圧倒的な攻撃力を持つことは確かなのだ。そこではうは@はうはテンプレートに頼らない独自のチューンでリストを練り上げ、そのポテンシャルを証明して見せた。「王道」vs.「邪道」。夢と夢とが交差する決勝戦で、奇しくも王道WのDreaMクリーチャー同士が互いのキーカードとなった。その運命的なマッチアップは、彼らが持つ権利獲得への思いの強さを示しているようだった。
うーに「どっちかが全国って考えたら……まあまあまあ。ここまで来たら僕のオポ上げてくれて感謝」
はうは@はう「俺も、ここまで来てくれてありがとうw」
うーに「やめろよw」
はうは@はう「うーにさんなら安心感あるわちょっと」
二人は普段のCSでよく顔を合わせる知己であり、また今日も予選で一度当たっていることもあって、互いの手の内は既に知り尽くしている。
だがそれでも、勝者は常に一人。
九州代表の座をかけて、夢を追う二人が激突した。Game
予選順位の差で先攻ははうは@はう。《魔誕の封殺ディアス Z》に対し《王導聖霊 アルファディオス》というマナチャージで両者1ターン目を終えると、早くもうーににとっては緊張の先攻2ターン目に突入する。準決勝ではうは@はうは、先攻3ターン目《轟速 ジャ・レッド》→「D・D・D」《熱き侵略 レッドゾーンZ》NEO進化から4ターン目「D・D・D」《轟く邪道 レッドゾーン》というぶん回りでエビセンカイザーを瞬殺し、横で対戦していたうーにとまつぴとを震え上がらせた。その勢いが、もしこの決勝戦まで残っているとしたなら。
はたしてはうは@はうは……マナを横向きにチャージする!
はうは@はう「《轟速 ジャ・レッド》埋めて終了です」
うーに「……はい」これで先攻3ターン目の「D・D・D」始動はない。少し安堵した様子のうーには返すターン、《閃光の精霊カンビアーレ》チャージから《シェル・アルカザール》を出してそのままマナに送り、先攻後攻をひっくり返しにいく。
だがここではうは@はうは、たとえ3ターン目「D・D・D」をし損ねても他のプランでゲームを組み立てられるのが「レッドゾーン」の強みであることを、しっかりと証明しにかかる。
《PP-「P」》チャージから送り出したのは《PP-「P」》!。《王導聖霊 アルファディオス》を主体にしたうーにのデッキで、《シェル・アルカザール》を使ってしまった直後の痛烈なカウンター。それでも返すうーには《~邪眼帝 PARTⅡ~》チャージからこちらも《PP-「P」》を立てるのだが、エンド前に2マナブースト1回収効果を使用されてしまい、マナゾーンの《轟速 ジャ・レッド》がはうは@はうの手に舞い戻る。
はうは@はうはさらに、《轟く邪道 レッドゾーン》チャージから《トートロット=シャルロット》!うーにの《PP-「P」》を破壊しつつ、落ち着いてターンエンド。《PP-「P」》でコントロールするプランで対処を迫る。
うーに「『このクリーチャーよりパワーが小さいクリーチャーがタップイン』……でしたっけ?」はうは@はう「そうです」
ここでうーにも《シェル・アルカザール》チャージから《~邪眼帝 PARTⅡ~》をタップインで送り出し、登場時とエンド時の効果で《王導聖霊 アルファディオス》と《閃光の精霊カンビアーレ》を下に敷きつつ、《PP-「P」》のエンド前効果の誘発を止める。
さらにもしはうは@はうが《轟く邪道 レッドゾーン》絡みのリーサル(決着打点)しか作れない場合には《~邪眼帝 PARTⅡ~》に破壊効果を当てざるをえないために除去効果やシールド追加効果を走らせられるという、二手先三手先を読んだ見事な一手で応じる。
だが《PP-「P」》の拘束が解けたはうは@はうは、満を持してゲームを決めにかかる。《深淵の逆転撃》チャージ、《轟速 ジャ・レッド》召喚。さらにそのまま攻撃時、「D・D・D」《魔誕の封殺ディアス Z》宣言!《轟速 ジャ・レッド》の上に「NEO進化」させてW・ブレイク。夢を乗せた一撃が、うーにのシールドを打ち砕く。この一撃さえ通れば。
そして、そのシールドは。
うーに「……通ります」
《魔誕の封殺ディアス Z》効果、「スピードアタッカー」を付与された《熱き邪道 レッドゾーンZ》が降臨!こうなったら、もう止まらない。さらに《トートロット=シャルロット》でW・ブレイク。
うーに「……はい、キャッチ」
《光開の精霊サイフォゲート》はあったが、《熱き邪道 レッドゾーンZ》が出てしまった後では遅きに失している。
はうは@はう「2ドロー。《PP-「P」》でブレイク」
やがて最後のシールドが、うーにの手札にそっと重ねられて。
うーに「……はい、ないです」
はうは@はう「ダイレクトアタックで!」
うーに「通ります、ありがとうございました!」
ついにはうは@はうが、自身の夢を現実のものへとして見せたのだった。
WINNER: はうは@はう
うーに「いやー……しょうがない。《PP-「P」》引かれてたんならしょうがない!」
はうは@はう「『《魔誕の封殺ディアス Z》2点で《光開の精霊サイフォゲート》2枚踏んだら負けやなー』と思いながら殴ってました……」
うーに「バイク以外だったら勝っとった!ドロマー(光水闇)とかボコボコにする予定で、バイクは切ってきたんよー……先攻やなきゃ勝たん!最強だよバイクが!」
はうは@はう「先攻のバイクが一番つえー。1回戦目を勝ち抜けた時点で『今日いける』と思った」
夢を叶える権利は、挑戦した者だけに与えられる。使い慣れたデッキから他のデッキに乗り換えたり、集合知であるテンプレートを崩すことは王道の振る舞いとは言えず、多くの場合愚行になりがちだ。それでも、客観的な意見と自分の理論を信じ、勇気を持って未知なる邪道へと踏み出したはうは@はうだからこそ、この結末に辿り着くことができたのだろう。
だから。
九州エリア予選Aブロック、優勝ははうは@はう!おめでとう!!|
うーに 全国大会2025 九州エリア予選 2ブロック構築 |
|
|
|
はうは@はう 全国大会2025 九州エリア予選 2ブロック構築 |
|
|
©ANYCOLOR, Inc.
TM and © 2026, Wizards of the Coast, Shogakukan, WHC, ShoPro, TV TOKYO © TOMY










