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DMGP5th 準々決勝:ロマノフsign vs. maru

決勝2回戦を勝利したとき、ロマノフsignはインタビューでこう答えた。

ロマノフsign 「とりあえずあと1回勝ちたいです。そうすれば、前回の成績と並ぶトップ16なので」

結果、ロマノフsignはその後2連勝し、自身のDMGP最高成績を更新し、トップ8へと入賞した。

DMGP4thでロマノフsignが使用していたデッキは自然単ループだ。いや、DMGP4thだけではない。DMPランキングで愛知2位になるポイントを稼いだWinnersチャンピオンシップで使用していたのもほとんどが自然単ループであったし、今年頭に歴代の強者を集めて開催された第2回レジェンドCSを優勝した時に使用していたのも自然単ループだ。彼のツイッターアイコンが 《龍覇 サソリス》 であるくらい、自然単ループはロマノフsignというプレイヤーのアイコンとなっている。

入り方と途中経過に複雑な手順が存在する自然単ループは、使用していれば使用しているほど強くなれる。手順だけじゃない。一般にループデッキは「シールドブレイクによる攻防」が存在しないので、一方的なプレイをするデッキに思われるが、その実、自分の勝利できるだろう見込みターンと相手が自分を倒せるだろう見込みターンの間合いを図り、ある時はより確実な手順を求め、そしてある時は見切り発車のプレイを求められる奥深いデッキなのである。

そして、多くのループ使いがマスタークラスだと敬意を払うプレイヤーがロマノフsignなのである。

そんなロマノフsignがDMGP5thで使用しているデッキ、それは青赤バイク。印象だけで言えば、ループ系の真逆と言っていいデッキだ。

なぜ、今回、自然単ループではないのか。そんな質問にロマノフsignはこう答えた。

ロマノフsign 「自然単ループはもう、キツいので」

Game 1


じゃんけんで先手はロマノフsign。1ターン目に 《異端流し オニカマス》 をマナチャージする。対するmaruのマナチャージは 《龍覇 マリニャン》 、超次元ゾーンに並ぶフォートレスを見ても、maruのデッキは自然単ループで間違いないようだ。

ロマノフsignは 《轟速 ザ・レッド》 チャージからの 《一撃奪取 トップギア》 という次のターンのバイクムーブを予想させるプレイ。対して、maruは《桜風妖精ステップル》 を召喚。返しの 《轟く侵略 レッドゾーン》 によってかなり厳しい状況になってしまうが、ここはmaruが賭けに勝った形かロマノフsignの次ターンのアクションは 《単騎連射 マグナム》 。ロマノフsignは《一撃奪取 トップギア》 で1枚ブレイクしてターンエンド。

maruは 《ベイB ジャック》 とマナ武装していない 《雪精 ジャーベル》 を召喚すると、 《桜風妖精ステップル》《一撃奪取 トップギア》 と相打ちを選択する。

ここでロマノフsignは 《轟速 ザ・レッド》 から 《轟く侵略 レッドゾーン》へと侵略し 《ベイB ジャック》 を破壊しつつ3枚ブレイク。そして、 《単騎連射 マグナム》 で最後のシールドをブレイクする。ここの4枚のブレイクはトリガー無し。
完全に追い詰められた状況のmaruは何らかの対応策を模索し長考をする。まずは 《ベイB ジャック》 を召喚。そして 《トレジャー・マップ》《桜風妖精ステップル》 を手札に加えると残るマナとアンタップ状態の 《雪精 ジャーベル》 を使用して 《フィーバー・ナッツ》 を召喚。 《フィーバー・ナッツ》 をタップすると 《桜風妖精ステップル》 を召喚する。

2体目の 《フィーバー・ナッツ》 を召喚し、 《トレジャー・マップ》 をプレイするmaruだったが、 《轟く侵略 レッドゾーン》 に対応する手段はないのだった。

ロマノフsign 1-0 maru

普段の対戦であればここでゲームは終わるのだが、グランプリはトップ8から2本先取となる。

思わぬ形でマスターと自然単ループで戦う事となったmaruだが、maruは自然単ループの可能性を突き詰めていた。

maru 「モルトNEXTみたいに、2-3とブレイクしてダイレクトを狙ってくるデッキ相手は、新ルールで 《ハッスル・キャッスル》 のブレイク置換で対応できるようになりました。逆に 《熱き侵略 レッドゾーンZ》 などで 《ハッスル・キャッスル》 に対応してくるバイク系のデッキに対しては、1枚しか入ってないですけど、 《ベジタバッタ・パンツァー》 とかで対応できればと……」

数々の殿堂入りによって、大幅に弱体化した自然単ループではあるが、しかし、それは最速パターンの安定性をそがれただけだ。ループは自分勝手なデッキではない。相手が勝つ前に勝てばいいのならば、相対的に相手のフィニッシュを遅らせることで、まだまだ対応できる可能性がある。

少なくとも、maruはトップ8入賞した時点でそれを証明して見せた。

Game 2


1本目をとられたmaruは先手をとり、マナチャージをするとタップするそぶりを見せるが、ターンを返す。対するロマノフsignは1ターン目に 《一撃奪取 トップギア》 をチャージし、2ターン目に 《一撃奪取 トップギア》 が来ることが予感される立ち上がり。

maruは 《トレジャー・マップ》 をプレイすると 《桜風妖精ステップル》 を手札に加え、さらに 《ベイB ジャック》 を召喚する。ロマノフsignは予定通り 《一撃奪取 トップギア》 を召喚してターンを返す。

maruは先ほど手札にいれた 《桜風妖精ステップル》 を召喚すると増えたマナと 《ベイB ジャック》 の能力によって3マナを生み出し 《ベジタバッタ・パンツァー》 へと 《桜風妖精ステップル》 を進化させる。ロマノフsignは《単騎連射 マグナム》 を召喚してターンを返す。

5マナ目のマナをチャージしたmaruは 《バロン・ゴーヤマ》 を召喚。これには自然単マスターのロマノフsignが腕を組んで息を吐く。

《アラゴト・ムスビ》 をマナゾーンに置くと 《カブラ・カターブラ》 をバトルゾーンに。そして、バトルゾーンのクリーチャーをタップすると 《雪精 ジャーベル》 を召喚。今度はマナ武装しているので山札トップ4枚から2体目の《雪精 ジャーベル》 を手に入れる。ここでターンエンド。

ロマノフsignは 《一撃奪取 トップギア》 の能力で1マナ軽くなった 《轟速 ザ・マッハ》 を召喚するが、ここで痛恨の進化クリーチャー無し。

マグナムで 《ベジタバッタ・パンツァー》 に。そして、 《バロン・ゴーヤマ》 へと 《轟速 ザ・マッハ》 がアタックし 《轟く侵略 レッドゾーン》 へと侵略。 《ベイB ジャック》 が破壊され、 《バロン・ゴーヤマ》 がバトルに負ける。ここでロマノフsignはターン終了。

maruは先ほど手に入れた 《雪精 ジャーベル》 を召喚すると、 《カブラ・カターブラ》 を手札に。ここでmaruはターンエンド。
ロマノフsignが召喚したのは 《轟速 ザ・ゼット》 。そして、 《轟く侵略 レッドゾーン》 へと侵略する。この 《轟く侵略 レッドゾーン》 は2体の 《雪精 ジャーベル》 を破壊し、シールドを3枚ブレイク。ここでトリガーは無し。

そして、2体目の 《轟く侵略 レッドゾーン》 のブレイクにもトリガーは無し。ロマノフsignは 《一撃奪取 トップギア》 でダイレクトアタックを決めたのだった。

ロマノフsign 2-0 maru

Winner:ロマノフsign

ロマノフsignのGame 1、3ターン目に 《桜風妖精ステップル》 がある相手に対して絶好の 《轟く侵略 レッドゾーン》 チャンス。しかし、そこで 《轟く侵略 レッドゾーン》 を走らせなかったロマノフsignのプレイを見て、多くのプレイヤーは「手札に 《轟く侵略 レッドゾーン》 が無かったのだろう」と思っただろう。

だが、ロマノフsignは手札に 《轟速 ザ・レッド》《轟く侵略 レッドゾーン》 も持っていたのだ。持っていて、あえての 《単騎連射 マグナム》 だった。

ロマノフsign 「あのターンに無理して決める必要はなくて、むしろあそこから負ける可能性があるのは相手が 《天真妖精オチャッピィ》 で返してきてマナが伸びてしまったときなんです。なので、そのパターンをつぶすために 《単騎連射 マグナム》 を出しました」

そして続ける。

ロマノフsign 「緑ループが嫌なことはわかりますから」

デュエマのプレイングの神髄のひとつは、相手の自分の勝利ターンの間合いを図ったうえでのケアと見切りのバランスにある。

そして、それを見出すのに一番必要なものは、なにより自分自身の経験だろう。

ロマノフsignが準々決勝を勝利し、トップ4へと自身の名前を歴史に刻む。

自身の歴史が刻まれたプレイングスキルと共に。

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