DMGP6th:アーティストサイン会
デュエル・マスターズのカードイラストを手がける3名のアーティストをお招きした、サイン会の模様をお届けします。
今回の来場アーティストはMurakami Hisashi先生、lack先生、Mikio Masuda先生の3名です。
どんなことに注意してイラストを描いているのかなど、簡単にお話をうかがいました。
Murakami Hisashi先生
[主な作品]
《勝利宣言 鬼丸「覇」》
《龍素記号Sr スペルサイクリカ》
《ジャスト・ラビリンス》
など
―― murakami先生はどれくらい前からデュエマのイラストを描かれているんですか?
murakami「6、7年になりますかね。デュエルマスターズのイラストのディレクションをされてる方が、他のカードゲームのディレクションもいろいろとされていたんですが、僕は元はそちらの方で仕事をしていて、『デュエル・マスターズの方もやりませんか?』と声をかけていただいたのがきっかけですね」
―― 手がけてきた中で、一番お気に入りの1枚は何ですか?
murakami「一番たくさん描いたので、グレンモルトは思い入れがありますね。一番を選ぶなら、最後の《次元龍覇 グレンモルト「覇」》でしょうか。デュエル・マスターズって、1枚のカードを描いた後で、その進化版とか別バージョンを描く機会が結構ありまして、最初に描いたものは自分の中でなんとなく『これでよかったのかな』って迷いが残ったりするんですが、同じキャラクターを2回、3回と描いていくうちに、なじんでくるんです。グレンモルトみたいに何度も繰り返し描かせてもらうことってあまりないので、どんどん書き慣れてきて思い入れが出てきましたね」
―― 今回のサイン会でもよくサインを頼まれましたか?
murakami「そうですね……グレンモルトと、あと《勝利宣言 鬼丸「覇」》が一番多かったと思います、すごく強いカードなので」
―― デュエマのイラストを描くにあたって、一番心がけていることは何ですか?
murakami「イラストを描く時、弾ごとに他の方がどんなカードイラストを描かれているか、今の進行状況が一覧で見られるようになっているんです。なので、それを参考にして作品全体としては今どんなテイストで進んでいるか、デュエマが次にどんな方向に進もうとしているのかを意識しながら描いています」
―― なるほど。デュエマのサイン会は、以前DMGP3rdの時にもされていると思いますが、サイン会の感想を簡単にお願いできますか?
murakami「僕自身はそんなにサインをしてもらうようなタイプではないのであまりよくわからなかったんですが、実際にサイン会をやってみたら、サインをもらうのがうれしいっていうことがすごく伝わってきて、ユーザーさんにとってはサインというのがすごくありがたいものなんだなというのを実感できたので、サイン会じゃない時にもサインが欲しいという方には積極的にサインをしようと思うようになりました」
―― それは素晴らしいですね。どうもありがとうございました。
lack先生
《赤攻銀 マルハヴァン》
《爆熱血 ロイヤル・アイラ》
《禁断機関 VV-8》
など
―― lack先生はいつごろからデュエマのお仕事をされているんですか?
lack「関わり始めたのは5年前くらいです。確か当時のアートディレクターさんがツイッターで人員募集をしていて、『描きたいな』って書き込んだら、そのまま採用していただけました」
―― 即座に採用だったんですね。今まで手掛けた中でお気に入りのカードは何ですか?
lack「アイラのシリーズは自分でも気に入って描いてるのと、一番最初のころに描いた≪熱血龍 リトルビッグホーン≫は、最初に描いたデュエマのドラゴンということで思い出深いです。あと、ガイギンガシリーズの一部も担当させてもらってますが、それも思い入れがありますね」
―― 今回のサイン会でよくサインを頼まれたカードはどれですか?
lack「《禁断機関 VV-8》と、やっぱりアイラのシリーズですね」
―― デュエマのイラストを描くときに一番心がけていることは何ですか?
lack「豪華に見えるけどシンプルにしたい、と思っているんですが……どうしても複雑になっちゃいますね。個人的な主義ですが、人気のカードだったら子供が真似して絵に描きやすい方がいいかなと思ってて、デザインはシンプルで、わかりやすい特徴があるような感じを目指してます」
―― 最後に、サイン会の感想を一言お願いします。
lack「ひとりひとり、カードにいろんな思い入れがあるんだなあと。思い出を語ってくださる方もいましたし……やっぱりそういうお話を聞けるのはありがたかったですね」
―― そうですね。どうもありがとうございました。
Mikio Masuda先生
《轟く侵略 レッドゾーン》
《オヴ・シディアDG》
《キングダム・オウ禍武斗》
など
―― デュエマのお仕事はいつごろから?
masuda「10年か11年前くらいだったと思います。当時、カードとかを全然知らなかったので出版社にイラストの持ち込みをしたりしてたんですけど、雑誌に載っていた募集を見て電話したら、簡単に『いいですよ!』ってなって、僕の絵をご覧になった担当者さんから連絡をもらいました」
―― じゃあ、そのとき初めてカードゲームのイラストを描かれたんですね。
masuda「そうです」
―― 今まで手がけた中でお気に入りの1枚は?
masuda「《轟く侵略 レッドゾーン》ですかね。アニメで活躍したのを見て、気に入りました」
―― 描いたカードの成長ぶりがうれしいという感じなんですか。
masuda「そうですね。ありがたいことに結構いいカードを頂けて、描いてるうちはそこまで気負ってなかったですけど、描き終わったらすごく活躍して、アニメでも強かったりして、そんなカードだったのか! と」
―― 逆に、先に『このカードはめちゃくちゃ強くて、超活躍しますよ』と言われたら描きづらいですか?
masuda「うーん、気合は入りますけど、もしかしらうまくいかないこともあるかもしれません」
―― 今回よくサインを頼まれたカードは何ですか?
masuda「《轟く侵略 レッドゾーン》と《終末の時計 ザ・クロック》です」
―― デュエマのイラストで特に心掛けていることは何ですか?
masuda「僕はまだまだ、他の作家さんの描いたカードを見てすごいなーと思ったり影響を受けたりしていて……。自分に足りてないと思うのは、色を派手に見せたり、エフェクトがうまく描けてなかったりする部分で、この10年の間に意識する部分はいろいろ変わってきているんですが、今はそこを意識しています」
―― サイン会は今回が初めてですが、いかがでしたか?
masuda「こういうふうにお客さんと会うの初めてだったんですけど、『応援してます』とか言ってもらえて、あっ、そんな人が本当にいるんだなと(笑)」
―― なかなか普段は直接お客さんと話す機会がないですからね。それでは、どうもありがとうございました。
サイン会の後、色紙や白いマットに好きな絵を描いてもらえるという『スケッチ会』も開催されました。プロのイラストレーターに好きなイラストを目の前で描いてもらえるという、大変貴重なチャンスです。
マットに絵を描く際はどなたも椅子に座らず、立ち上がって全体像を見ながら描いていらっしゃったのが印象的でした。
↑Murakami Hisashi先生は、依頼されたキャラクターの資料を見ながら、まず白い紙に下絵を描きます。
↑それを元にペンでマットに書き込んでいきます。まず最初にかなめとなる瞳の部分から清書し、絵に魂を宿らせました。
↑lack先生は細いペンと太いペンを使い分けながらの一発書きで、マット一杯に迫力を産み出していました。
↑Mikio Masuda先生はあらかじめ大量の下絵を用意し、画面に陰影を載せていくような描き方をされていました。
カードイラストの魅力をたっぷりと味わえる、アーティストサイン会の模様をお届けしました。次のサイン会もどうぞお楽しみに!
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