デュエル・マスターズ

メニュー
商品情報

DMGP7th:地域別! 事前メタゲーム予想インタビュー

今回のGPのレギュレーションは、史上初の2ブロック構築。各選手は、今大会に向けてどのような読みをしていたのか? どのような調整を重ねていたのか?

地域ごとに2~3人の選手にご協力いただき、4つの質問を通してその考えを伺った。

 【※時間の都合上、全地域の選手をお呼びすることが出来ませんでした】
 【※それぞれの選手に質問させていただいた時間帯はまちまちです】


プレイヤープロフィール

まずは、インタビューに応じてくれた各選手のプロフィールをご覧いただこう。


◆東北
あー:2010年ごろからCSへ出場し、競技DMをプレイしている仙台の古豪。最近はFairyProjectの動画に出演している。

ZweiLance:デュエルマスターズの攻略動画を面白おかしく配信するYoutuber“ FairyProject”の一員として活動するプレイヤー。最近は自サイトで攻略記事も執筆中。


◆関東
リレイ:GP2ndやGP3rdで注目を浴びた調整チーム“Heaven’s Dice”の一員。限定構築大好き。

こっちゃー:デュエル・マスターズ、特に2ブロック構築に造詣が深いプレイヤー。その豊富な知識を買われ、CSの生放送で解説を務めた経験も。


◆中部
じゃきー:2015年度デュエル・マスターズ日本一。アルティメットデュエマバトルではアルティメイターを務めた。

パタ:GP3rdで話題を呼んだ『白赤ドリスコジョバンニ』でお馴染み、デュエル・マスターズ専門店“WINNERS”のオーナー。

ロマサイ:GP5thベスト4の実績を持つプレイヤー。昨年度のDMPランキングでは上位に食い込んだものの、惜しくも全国大会への出場を逃した。ループデッキが得意。


◆関西
dotto:2017年度DMPランキング1位、そして2017年度デュエル・マスターズ日本一。残るタイトルであるGP優勝の獲得に期待が掛かる。

ぎらさき:2017年度DMPランキング2位のプレイヤー。今年は、今のところランキング暫定1位!


GP7thのメタゲーム予測を教えてください

◆東北
あー「『白単/白零サッヴァーク』『赤単/白赤轟轟轟』『ジョーカーズ』『デ・スザーク』『覇道』あたりが多い環境かと。2ブロック構築の為に特別にはカードを揃えない人もいるので、殿堂構築のパーツを使い回せる『ジョーカーズ』『デ・スザーク』が多いだろうと思います」

ZweiLance「あーさんと同じ考えです。ただ自分は早めに現地入りして、10/6(土)の第5回京都CSへ出場しましたが、『白零サッヴァーク』が多かったですね。
あとは……GPはいろんな選手が出場するので、使いやすい『赤単轟轟轟』などが増えると思います」


関東
リレイ「多いのは『赤単轟轟轟』『ジョーカーズ』で、競技慣れしている人は『覇道』系のデッキや『白零サッヴァーク』『デ・スザーク』を選択すると読んでいます」

こっちゃー「『赤単轟轟轟』『ジョラゴンジョーカーズ』『白零サッヴァーク』『青赤緑チェンジザ覇道』が多いと考えました。
『赤単轟轟轟』は、使いやすいので。『ジョラゴンジョーカーズ』は、春先に多かったデッキなので、引き続いての使用者がいるかなと思っています」


◆中部
じゃきー「主なアーキタイプは、多い方から『赤単/白赤轟轟轟』『ジョーカーズ』『青赤緑チェンジザ覇道』『白単/白零サッヴァーク』だと考えています。また構築だけでなく、プレイングが重要になる環境だと考えています」

パタ「アーキタイプとしては、『赤単/白赤轟轟轟』『ジョーカーズ』『青赤緑チェンジザ覇道』『白単/白零サッヴァーク』が存在すると思っています。『青赤緑チェンジザ覇道』には《ドンジャングルS7》が入るかも」

ロマサイ「多い順に『ジョーカーズ』『赤単/白赤轟轟轟』『青赤緑チェンジザ覇道』『白単/白零サッヴァーク』がTier1である環境だと思います。
『ジョーカーズ』のループは、かなり決まりづらい印象。主軸に据えるのは困難でしょう」


◆関西
dotto「主に、『白単/白零サッヴァーク』『赤単/白赤轟轟轟』『ジョーカーズ』『デ・スザーク』『青赤緑チェンジザ覇道』『轟破天九十九語』が存在する環境だと思っています。
GPはCSに出ていないプレイヤーも多数出場する大会なので、CSでは見かけないデッキも考慮して調整しています。
ただ、10/6(土)の第5回京都CSで入賞した『青赤覇道』は想定外でした」

ぎらさき「『白単/白零サッヴァーク』『赤単/白赤轟轟轟』『ジョーカーズ』『青赤緑チェンジザ覇道』が主に存在すると考えています。
自分は2byeをいただいているので、予選3回戦以降で当たるデッキはどれか……という視点で挙げました。『デ・スザーク』は、使用者はそれなりにいるのですが、ここ2週間ほどは関西のCSで勝てていません」


2ブロック構築と殿堂構築の違いを教えてください

◆東北
あー:「先攻が難しい選択を強いられるゲームです。
2ブロックの最大の特徴は、超次元ゾーンを使わないこと。殿堂構築では相手の超次元ゾーンに置かれたカードを見てデッキを推測できますが、2ブロックでは出来ません。
その為、先攻1ターン目は相手のデッキの情報がないままマナを置く必要があります。ここでの選択が後のゲーム展開に影響することもしばしば。
原則として先攻有利なゲームですが、このせいで後攻が強くなる場合もあります」

ZweiLance「あーさんの話は、マナ置き次第で相手を引っ掛けられるという話でもあります。
例えば一般的な『デ・スザーク』に《撃髄医 スパイナー》は入っていませんが、自分の『デ・スザーク』には入っています。
1ターン目に《撃髄医 スパイナー》をマナに置くと、相手が違うデッキだと勘違いして、ミスプレイをしてくれる可能性があります。とかくマナ置きが重要なゲームです」


◆関東
リレイ「2ブロック構築の特徴は、殿堂構築における《“龍装”チュリス》《蒼き団長 ドギラゴン剣》のような反撃しにくい動きがほぼないこと。シールド・トリガーをケアしづらく、トリガーが強いこと。だと思います。
またゲームスピードも比較的遅いので、プレイングで差がつきやすいですね。練習した分は上達するので、モチベーションが高いまま遊べます」

こっちゃー「2ブロック構築は、殿堂構築に比べてシールド・トリガーが強力です。ゲームスピードは遅くなっており、カードプールの縮小によって各デッキが注意すべきカードは減っています。全体的に、殿堂構築とは異なるプレイを要求されるゲームです。
特筆すべきは『ジョーカーズ』の相対的な弱体化。有効な除去トリガーが多い為、殿堂構築と比べると弱くなってしまっています」


◆中部
じゃきー「2ブロック構築はカードプールが比較的狭く、ミラーマッチが増えるので、プレイングの差が出やすいゲームです。プレイングの具体例としては、マナに置くカードの選択や、シールドをブレイクするタイミングですね。
また、2ブロック構築はメタが回りにくいゲームでもあります。新カードの追加タイミングでメタゲームが変わり、次の追加までは固定される印象を受けます」

パタ「2ブロック構築では、意識しなければいけないことが殿堂構築に比べて減っています。
わかりやすい例で言えば《天使と悪魔の墳墓》。殿堂構築では流行り廃りに関わらず、プレイに際して常に意識しなければいけないカードですが、2ブロック構築では不要です。
他にもこのような例はいくつかあり、それゆえに殿堂構築よりも思い切りのよいプレイをしやすいと感じます。
“もしあのデッキ、あのカードを使われたらどうしよう”という不安を、さほど持たなくてよいレギュレーションです」

ロマサイ「2ブロック構築にはシノビがいないので、マッハファイターなどの攻撃は成功するものとして計算できます。
また、除去しづらいメタカードである《異端流し オニカマス》を採用したデッキの使用者が少ないのも特徴です」


◆関西
dotto「2ブロックは殿堂と比べ、メタが回りにくいゲームです。強いデッキが固定されるため、1つのアーキタイプの研究に注いだ時間が無駄になりにくく、努力が報われやすいと言えます。
実際、2ブロックCSでの負けを思い返すと、必ず自分がミスをしたせいで負けています。プレイングで差がつくゲームです。
その結果として、新しいアーキタイプで勝てるのは、新弾発売後しばらくの環境初期だけですね。常に新たなアーキタイプが生まれる可能性のある殿堂構築とは違う点です」

ぎらさき「質問の意図からは少々逸れるかもしれませんが……自分は年度の移り変わりを楽しみにしています。
今までのデュエル・マスターズの限定構築は、レギュレーションとして有効なのは施行された年だけでした。来年度の4月に待っているカードセットの切り替えは“カードプールの一部だけが切り替わる”という、僕らプレイヤーにとって新しい体験です。
今から楽しみですね!」


GPのような大規模大会へ出場するにあたり、特に考慮していることはありますか?

◆東北
あー「CSに出ていない層も参加する大会、というのがポイントです。
例えばGP6th。『ジョーカーズ』の全盛期だったのに、コントロールデッキを使うチームが優勝しました。コントロール側が『ジョーカーズ』のミスを丁寧に拾って、勝ち続けたと推測しています。
そのことを考えると、プレイで差をつけられる相手のミスを拾えるデッキ。または自分の動きを押し付けられるパワーのあるデッキ。どちらかを使いたいですね。
自分は『デ・スザーク』か《“轟轟轟”ブランド》入りの『青赤緑チェンジザ覇道』で悩んでいたのですが、最終的に10/6(土)の第5回京都CSの結果を踏まえ、『青赤覇道』を選択しました」

ZweiLance「何に対しても一定の有利がつくデッキを選ぶことを心がけています。
自分は1度、『青黒ムカデループ』を調整していましたが、仮にそれをGPへ持ち込んだとしても勝ち上がれる保証はありませんでした。予選のどこかで『ジョーカーズ』に連続してマッチングしてしまい、連敗する可能性は十分ありますから。
ですので、そうした“尖った”デッキ選択ではなく、どのデッキが相手でも戦える“丸い”デッキ選択を心がけ、今回は『デ・スザーク』を選びました」


◆関東
リレイ「普段CSに出場されない方もいらっしゃるので、『赤単轟轟轟』のような使いやすいデッキの使用者が増える……など、GP特有のメタゲームが発生すると考えています。
調整でもその点を考慮し、『赤単轟轟轟』にまず勝てるよう練習しました」

こっちゃー「まずは、最後までプレイすることでしょうか。最後まで何が起こるか分かりませんからね、特にGPでは。
それから……情報統制も、GPのような大型大会特有の現象ですよね。
例えば関東では『青赤覇道』が秘匿されていましたし、四国では『ドンジャングルコントロール』のようなデッキがひっそりと調整されていたと聞いています」


◆中部
じゃきー「普段のCSであればメタゲームの予想もつきやすいですが、GPのような規模の大会ではそうはいきません。競技だから勝ちに行こう! という方もいれば、お祭りだから大好きなデッキを使おう! という方もいらっしゃいます。
その為、幅広く対応できるデッキを使うよう心がけています。特に自分は今回、byeをもらえる順位を取ることができませんでしたしね」

パタ「GPのような大規模大会では、予選ラウンドと決勝トーナメントのメタが大きく異なることがあり得ます。一例を挙げると『轟轟轟』でしょうか。
『轟轟轟』はCSで良く入賞しているので、GPでの使用者もきっと多いでしょう。使用者が多ければ、誰かしらは予選を抜けられます。
でも『轟轟轟』の多い予選ラウンドは、『白零サッヴァーク』のようなデッキが勝ち上がりやすい環境ですよね。結果として、予選ラウンドと決勝ラウンドでは『轟轟轟』と『サッヴァーク』の使用者数が逆転。決勝トーナメントでは、『轟轟轟』を使う選手にとっては厳しいゲームばかりになってしまいます。
通常のCSであればラウンド数も参加者もGPより少ないですし、こうしたことはそう起こりませんが、GPでは考慮すべきだと思います」

ロマサイ「自分のオリジナルデッキで出場できるように努力しています。
デュエル・マスターズの楽しみ方は色々ありますが、僕は自分のデッキを考えている時が一番楽しいので。
もちろんオリジナルにこだわってまで弱いデッキを使おうとまでは思いませんが、どうせ出るなら楽しみたいので、努力するようにしています」


◆関西
dotto「いろんな選手が出場するイベントなので、何に当たるかわからないということを念頭において調整しています。
昨年からは、メタる側に回るのではなく、強いデッキを使ってメタられる側に回ることを意識しています。
今回の選択デッキは、全てのデッキに一定の有利がつく『青赤緑チェンジザ覇道』です」

ぎらさき「せっかく出るのだから楽しみたいですし、試合が早く終わってしまうようなデッキは使わないことにしています。
また大型大会なので、緊張ゆえのミスをしてしまう選手が出ると予想しています。自分は何度もCSに出て場数を踏んでいるので、そうしたミスは相手よりも少なくできると思っています。そうした理由から、プレイで差がつくように『白零サッヴァーク』を選択しました。
『白零サッヴァーク』は長いゲームに持ち込むことが出来ますし、相手が決断する機会を増やせばミスの誘発を期待できます」


GPに向けての調整方法を教えてください。

◆東北
あー:「今回は、脳内でリストを組み上げ、話し合ってプレイを検討し、対人戦は重視しないという手法で調整しました。
まだ理想的な手法には到達できていません。8月ぐらいから、調整時間の捻出をうまいことやろうと話していたのですが……。ランキングの切り替わり、来年の4月までに時間管理の良いやり方を確立できればと思っています」

ZweiLance「仕事もFairyProjectも忙しくて……今回はあまり時間が取れませんでした。
『デ・スザーク』を選択したのは、もともと使い込んでいてプレイングに自信があったことも理由です。忙しくても、CSには出るようにしていたことが生きました。
『デ・スザーク』は殿堂と2ブロックで構築は変わらないですから、得た全ての経験を有効に使えます」


◆関東
リレイ「調整に際しては、マッチアップごとに先攻と後攻を各5回ずつプレイしてデータを取っています。
1つずつデッキの性能を確認していく作業ですね」

こっちゃー「LINE内での話し合い、週1での調整会がメインです。
今回は週に1度、水曜日に思い思いのデッキを持ち寄って調整していました。フィードバックはLINEで行い、木金で再調整。
それを土日にCSへ持ち込み、またLINEで話し合います。そして月火でみんなの意見を反映させ、水曜に持ち込む……という流れですね。
水曜日にやることは、具体的にはプレイングのすり合わせと新デッキの発見です」


◆中部
じゃきー「土日のCSが終わった後にWINNERSへ集まって調整しています。
各自が好きなデッキを決め打ちして持ち込み、それに対して感想を言い合うことが多いです。
自分は今回、『青赤緑チェンジザ覇道』をずっと回していました」

ロマサイ「友人のじゃきー、S.S、パタさんたちと一緒に調整することが多いです。各自が好きにデッキを組んでWINNERSへ持ち込み、意見交換しています。
基本的に分業して調整しています。同じデッキを一緒に考えることはしません。たまたま持ち込んだデッキが一緒だった、ということはありますが。
それぞれが何かしらのデッキの専門家である、という感じです」


◆関西
dotto「GPに向けて、コロコロコミック10月号に付属していたミニサイズの新カードを使い、一足早くデッキを回していました。平日の仕事終わりの時間などを使って対人戦の時間を捻出し、練習するようにしています。
自分は、1人回しには限界があると思っています。例えば、相手ターンに何を考えるか……というような時間管理のスキルは、1人回しでは上達しません。練習としての対人戦は必須です」

ぎらさき「LINEで調整グループを作り、各自のCS戦績を細かく管理して情報共有を行なっています。どのデッキを使い、どのデッキに負けたか……という情報ですね。
自分はなかなか時間が取れないので、普段はLINEで連絡を取り合い、その成果をCSに持ち込むという形で調整しています。
使用デッキはある程度決め打ちしてしまい、同じデッキを使い込んでプレイの精度を上げるようにしました」


終わりに

有力選手たちの意見は、参考になっただろうか。全員の調整方法やメタゲームに対する見方は同一でなく、各々の個性が色濃く反映されていることが分かるだろう。

メタゲームに対するいわゆる“読み”の手法や、デッキの調整方法は、決して1つの正解があるものではない。
例えば“読み”にしても、微に入り細を穿つような検討をいつも行うのは非効率かもしれない。それをするだけの時間が、常に与えられているとは限らない。
その時々の自分に適した方法論を採用した方が勝率は上がるだろうし、何よりそうした方が、きっとゲームを楽しめるだろう。

今回、忙しい中に時間を割いてインタビューに応じてくれた彼らの言葉をヒントに、あなたにとってのベストな取り組み方を見つけていただければ幸いである。
PAGE TOP

TM and © 2024, Wizards of the Coast, Shogakukan, WHC, ShoPro, TV TOKYO © TOMY