DMGP8th DAY1 Round 5:ウスラトンカチ vs. あー/中村
一昔前に見たヴィヴィッドな黄色一色、原一派パーカーを身にまとってフィーチャー席にやってきたあー/中村。
直近では《月下卍壊 ガ・リュミーズ 卍》を物理的に99マナ払って唱えた実績で有名だが、トーナメントシーンでの彼は東北きってのデッキビルダーとして有名。
2018年の全国大会で本戦進出を果たした《海底鬼面城》入り『赤青覇道』も彼の作品。
本人は「丸くしすぎた」と後悔していたが、前半戦を全勝で折り返す“中村スペシャル”を組み上げてきたようだ。
その対戦相手はウスラトンカチ。熊本の地で開催された超CSで3位の結果を残した男だ。
最近はCS運営に多く携わっていることもあり競技シーンに顔を出すことは少ないものの、関西ではdotto、ギラサキと肩を並べる実力者として知られる。
「周りに助けてもらった」と謙遜しつつ今回も4-0。
お互い名が知れた実力者、気さくな性格でも知られるため私も交えて和やかなムード。
その雰囲気は試合が始まっても崩れることはなかった。
……が、名手同士の対決は得てして名勝負を生みだす。
時折混じる冗談とともに繰り広げられたのは、非常に難しいコントロール同士のロングゲームだ。
先攻:あー/中村
あー/中村が先攻。その初手セットは……《》。
後続のマナセットからも、今回の“中村スペシャル”は『バラギアラ』で間違いなさそうだ。
対するウスラトンカチは『白単サバキZ』。《煌龍 サッヴァーク》を失ったものの《》を得たことで新たな展開力を手にしたアーキタイプだ。
ファーストアクションは後攻ウスラトンカチの《憤怒スル破面ノ裁キ》。幸先よくカードを重ねる展開にあー/中村も「強い~」と漏らす。
しかしファーストインパクトは“中村スペシャル”の3ターン目。その手からは予想だにしないカード。
それは……≪種族選別≫!!
ツインパクト界の《天雷の導士アヴァラルド公》といってもいい超強力ドローソースがデッキトップ3枚を捲り、
《マナの長老 ジョウモン爺/枯れ葉マナ隠し》
《》
《》を全て回収。
特に《マナの長老 ジョウモン爺/枯れ葉マナ隠し》という見慣れないカード、ウスラトンカチは念入りにテキスト確認を行う。
しかし、ドローソースという領分はウスラトンカチが操る『白単サバキZ』の十八番でもある。3ターン目も軽快に《剣参ノ裁キ》をプレイ。
これが《煌メク聖戦 絶十》を回収し同じシールドに紋章を重ねる。4ターン目のコンボに向けて着々と準備を進めていく。
あー/中村は先ほど回収した≪ツインパクト・マップ≫からついに≪魂フエミドロ≫に辿り着き、これをキャスト!
……するもデッキトップから捲れたのは《撃髄医 スパイナー》。お互い苦笑いののち、「もぉ~……」と悲痛な声があー/中村の喉から漏れ出る。
それを見逃すウスラトンカチではない。ここで一気に仕掛ける。
4ターン目《転生ノ正裁Z》で紋章が2枚重なったシールドを回収してサバキZ、《煌メク聖戦 絶十》と《魂穿ツ煌世ノ正裁Z》空撃ち。
それらの効果で3枚の表向きシールドが新たに作られ、合計で9軽減。降り立つのは……
≪偽りの王 ナンバーナイン≫!!
ツインパクトを軸とする『バラギアラ』にとっては天敵となり得るカード。それを見て……「はぁ」と一声。
ただこの声は溜息ではなく、「なるほど」の意。そのドローを見て「ちょっと考えるわ」と断りを入れ、逆転の道を模索していく。
まずは≪音奏 ハイオリーダ≫を出しシールドを追加、その効果により《バツトラの父》がGR召喚される。
まずこの≪偽りの王 ナンバーナイン≫には《始虹帝 ミノガミ》があれば簡単に処理できるが、そのシールドに表向きは3枚。否が応でもチラつく《煌世主 サッヴァーク†》の影。
ウスラトンカチはノーセット《憤怒スル破面ノ裁キ》でドローし…
新生『白単サバキZ』の新たな切り札、3軽減で≪音奏 ハイオリーダ≫が降り立つ。
シールドが増え、《純白の意志 ヴィンチ》がGR召喚される。
あー/中村は≪レレディ・バ・グーバ≫を召喚。
そのパワーラインは9000。今まで手を焼いていたであろう≪偽りの王 ナンバーナイン≫に届くが……
ここは≪音奏 ハイオリーダ≫とのコンボで超展開も見込める《煌メク聖戦 絶十》を処理。
この時点であー/中村の頭が組み立てていたのは、≪偽りの王 ナンバーナイン≫を無視するゲームプラン。
《魂穿ツ煌世ノ正裁Z》空撃ちを絡めて、半ば無理やり≪偽りの王 ナンバーナイン≫を出したウスラトンカチの動きには大きな弱点がある…それは手札リソースの枯渇。
ここで≪偽りの王 ナンバーナイン≫にかまってしまうと《煌メク聖戦 絶十》≪音奏 ハイオリーダ≫のコンボにより大量打点で制圧されてしまうのは必至。
かつ、あー/中村の『バラギアラ』は≪偽りの王 ナンバーナイン≫をあまり苦にしないタイプである。
《マナの長老 ジョウモン爺/枯れ葉マナ隠し》や《》をクリーチャー面で使用して殴り手を確保し、呪文を使用せずとも大形クリーチャーで殴り切るプランもゲームプランに取り入れることができるのだ。
ウスラトンカチのリソース不足に付け込みトップデック勝負で強力なクリーチャーを叩きつけ続けることで逆転のチャンスを伺うプランを5ターン目から見こしていたのだ。
しかしウスラトンカチもこれに対応する手段を確保していた。それは《超煌ノ裁キ ダイヤモン将》。
そのリソース力、そしてブロッカーによりあー/中村の手札にある≪マナの長老 ジョウモン爺≫から≪音奏 ハイオリーダ≫を守る。
とはいえあー/中村はもうクリーチャーを迅速に並べて殴り合いに持ち込むしかない。≪ファビュラ・スネイル≫≪奇石 ミクセル≫ を盤面に並べてターンを渡す……が。
後に「あれがなければなぁ……」とあー/中村が述懐したそのカード。
それはウスラトンカチの手から放たれた2枚目の《転生ノ正裁Z》!!
一気にリソースを稼ぐこの一打から、サバキまずは《魂穿ツ煌世ノ正裁Z》で≪ファビュラ・スネイル≫を叩き、さらに《転生ノ正裁Z》《魂穿ツ煌世ノ正裁Z》であー/中村の≪音奏 ハイオリーダ≫を取り、《剣参ノ裁キ》…
この間に盤面を≪音奏 ハイオリーダ≫が引き連れたGRクリーチャーが埋め尽くす。
その中には……除去体制+高パワーラインのブロッカーとなった、《煌銀河 サヴァクティス》が2体!!
「《煌銀河 サヴァクティス》2枚はきついよ~」とぼやくが、あー/中村は呪文が撃てない以上やることは限られる。
≪マナの長老 ジョウモン爺≫のマッハファイター、これを《超煌ノ裁キ ダイヤモン将》でブロックし、これまた≪音奏 ハイオリーダ≫が誘発してGR召喚。
さらに《転生ノ正裁Z》《煌メク聖戦 絶十》《煌メク聖戦 絶十》でGR3回、GRゾーンのカードが出尽くし、さらに軽減を絡めて《煌世主 サッヴァーク†》も登場。
≪マナの長老 ジョウモン爺≫の攻撃制限能力にかからないクリーチャーも多く、ウスラトンカチの攻める準備は整った。
あー/中村は≪偽りの王 ナンバーナイン≫を出してこれ以上の展開を阻害するが時すでに遅し。
さらに≪音奏 ハイオリーダ≫《超煌ノ裁キ ダイヤモン将》を追加したウスラトンカチがついに全軍突撃。
まずは≪偽りの王 ナンバーナイン≫で2点……。
ここであー/中村のシールドから《撃髄医 スパイナー》!
これまで彼を苦しめた≪偽りの王 ナンバーナイン≫をパワーマイナスで焼却。
少し話が変わってきた。
まず表向きのシールドに張り付けられた≪ゴルチョップ・トラップ≫をケアすることが最低でも必要。《煌銀河 サヴァクティス》や《煌世主 サッヴァーク†》を殴り手として確保しなければならない。
しかし≪音奏 ハイオリーダ≫で増え、残り4枚のシールドから≪ゴルチョップ・トラップ≫などが捲れると…見えている≪ゴルチョップ・トラップ≫のケアが不可能になり、あー/中村に逆転のチャンスを与えてしまう。
……そんなことを考えている余裕はなかった。
その理由はお互いにずっと意識していた制限時間。
あー/中村「お互い(制限時間終了後の)両者敗北は避けたいでしょ」
その要求にウスラトンカチはプレイで応える。
息つく間もなく《煌メク聖戦 絶十》1点、《煌世主 サッヴァーク†》3点を入れ、トリガーチェック……
ここでトリガーされたのはすでに表向きにされていた≪ゴルチョップ・トラップ≫……
……のみ!! パワーパンプされた《煌銀河 サヴァクティス》がかわし、そのままダイレクトアタック。
時間ギリギリの攻防を制したウスラトンカチが5-0を決めた。
Winner:ウスラトンカチ
直近では《月下卍壊 ガ・リュミーズ 卍》を物理的に99マナ払って唱えた実績で有名だが、トーナメントシーンでの彼は東北きってのデッキビルダーとして有名。
2018年の全国大会で本戦進出を果たした《海底鬼面城》入り『赤青覇道』も彼の作品。
本人は「丸くしすぎた」と後悔していたが、前半戦を全勝で折り返す“中村スペシャル”を組み上げてきたようだ。
その対戦相手はウスラトンカチ。熊本の地で開催された超CSで3位の結果を残した男だ。
最近はCS運営に多く携わっていることもあり競技シーンに顔を出すことは少ないものの、関西ではdotto、ギラサキと肩を並べる実力者として知られる。
「周りに助けてもらった」と謙遜しつつ今回も4-0。
お互い名が知れた実力者、気さくな性格でも知られるため私も交えて和やかなムード。
その雰囲気は試合が始まっても崩れることはなかった。
……が、名手同士の対決は得てして名勝負を生みだす。
時折混じる冗談とともに繰り広げられたのは、非常に難しいコントロール同士のロングゲームだ。
先攻:あー/中村
あー/中村が先攻。その初手セットは……《》。
後続のマナセットからも、今回の“中村スペシャル”は『バラギアラ』で間違いなさそうだ。
対するウスラトンカチは『白単サバキZ』。《煌龍 サッヴァーク》を失ったものの《》を得たことで新たな展開力を手にしたアーキタイプだ。
ファーストアクションは後攻ウスラトンカチの《憤怒スル破面ノ裁キ》。幸先よくカードを重ねる展開にあー/中村も「強い~」と漏らす。
しかしファーストインパクトは“中村スペシャル”の3ターン目。その手からは予想だにしないカード。
それは……≪種族選別≫!!
ツインパクト界の《天雷の導士アヴァラルド公》といってもいい超強力ドローソースがデッキトップ3枚を捲り、
《マナの長老 ジョウモン爺/枯れ葉マナ隠し》
《》
《》を全て回収。
特に《マナの長老 ジョウモン爺/枯れ葉マナ隠し》という見慣れないカード、ウスラトンカチは念入りにテキスト確認を行う。
しかし、ドローソースという領分はウスラトンカチが操る『白単サバキZ』の十八番でもある。3ターン目も軽快に《剣参ノ裁キ》をプレイ。
これが《煌メク聖戦 絶十》を回収し同じシールドに紋章を重ねる。4ターン目のコンボに向けて着々と準備を進めていく。
あー/中村は先ほど回収した≪ツインパクト・マップ≫からついに≪魂フエミドロ≫に辿り着き、これをキャスト!
……するもデッキトップから捲れたのは《撃髄医 スパイナー》。お互い苦笑いののち、「もぉ~……」と悲痛な声があー/中村の喉から漏れ出る。
それを見逃すウスラトンカチではない。ここで一気に仕掛ける。
4ターン目《転生ノ正裁Z》で紋章が2枚重なったシールドを回収してサバキZ、《煌メク聖戦 絶十》と《魂穿ツ煌世ノ正裁Z》空撃ち。
それらの効果で3枚の表向きシールドが新たに作られ、合計で9軽減。降り立つのは……
≪偽りの王 ナンバーナイン≫!!
ツインパクトを軸とする『バラギアラ』にとっては天敵となり得るカード。それを見て……「はぁ」と一声。
ただこの声は溜息ではなく、「なるほど」の意。そのドローを見て「ちょっと考えるわ」と断りを入れ、逆転の道を模索していく。
まずは≪音奏 ハイオリーダ≫を出しシールドを追加、その効果により《バツトラの父》がGR召喚される。
まずこの≪偽りの王 ナンバーナイン≫には《始虹帝 ミノガミ》があれば簡単に処理できるが、そのシールドに表向きは3枚。否が応でもチラつく《煌世主 サッヴァーク†》の影。
ウスラトンカチはノーセット《憤怒スル破面ノ裁キ》でドローし…
新生『白単サバキZ』の新たな切り札、3軽減で≪音奏 ハイオリーダ≫が降り立つ。
シールドが増え、《純白の意志 ヴィンチ》がGR召喚される。
あー/中村は≪レレディ・バ・グーバ≫を召喚。
そのパワーラインは9000。今まで手を焼いていたであろう≪偽りの王 ナンバーナイン≫に届くが……
ここは≪音奏 ハイオリーダ≫とのコンボで超展開も見込める《煌メク聖戦 絶十》を処理。
この時点であー/中村の頭が組み立てていたのは、≪偽りの王 ナンバーナイン≫を無視するゲームプラン。
《魂穿ツ煌世ノ正裁Z》空撃ちを絡めて、半ば無理やり≪偽りの王 ナンバーナイン≫を出したウスラトンカチの動きには大きな弱点がある…それは手札リソースの枯渇。
ここで≪偽りの王 ナンバーナイン≫にかまってしまうと《煌メク聖戦 絶十》≪音奏 ハイオリーダ≫のコンボにより大量打点で制圧されてしまうのは必至。
かつ、あー/中村の『バラギアラ』は≪偽りの王 ナンバーナイン≫をあまり苦にしないタイプである。
《マナの長老 ジョウモン爺/枯れ葉マナ隠し》や《》をクリーチャー面で使用して殴り手を確保し、呪文を使用せずとも大形クリーチャーで殴り切るプランもゲームプランに取り入れることができるのだ。
ウスラトンカチのリソース不足に付け込みトップデック勝負で強力なクリーチャーを叩きつけ続けることで逆転のチャンスを伺うプランを5ターン目から見こしていたのだ。
しかしウスラトンカチもこれに対応する手段を確保していた。それは《超煌ノ裁キ ダイヤモン将》。
そのリソース力、そしてブロッカーによりあー/中村の手札にある≪マナの長老 ジョウモン爺≫から≪音奏 ハイオリーダ≫を守る。
とはいえあー/中村はもうクリーチャーを迅速に並べて殴り合いに持ち込むしかない。≪ファビュラ・スネイル≫≪奇石 ミクセル≫ を盤面に並べてターンを渡す……が。
後に「あれがなければなぁ……」とあー/中村が述懐したそのカード。
それはウスラトンカチの手から放たれた2枚目の《転生ノ正裁Z》!!
一気にリソースを稼ぐこの一打から、サバキまずは《魂穿ツ煌世ノ正裁Z》で≪ファビュラ・スネイル≫を叩き、さらに《転生ノ正裁Z》《魂穿ツ煌世ノ正裁Z》であー/中村の≪音奏 ハイオリーダ≫を取り、《剣参ノ裁キ》…
この間に盤面を≪音奏 ハイオリーダ≫が引き連れたGRクリーチャーが埋め尽くす。
その中には……除去体制+高パワーラインのブロッカーとなった、《煌銀河 サヴァクティス》が2体!!
「《煌銀河 サヴァクティス》2枚はきついよ~」とぼやくが、あー/中村は呪文が撃てない以上やることは限られる。
≪マナの長老 ジョウモン爺≫のマッハファイター、これを《超煌ノ裁キ ダイヤモン将》でブロックし、これまた≪音奏 ハイオリーダ≫が誘発してGR召喚。
さらに《転生ノ正裁Z》《煌メク聖戦 絶十》《煌メク聖戦 絶十》でGR3回、GRゾーンのカードが出尽くし、さらに軽減を絡めて《煌世主 サッヴァーク†》も登場。
≪マナの長老 ジョウモン爺≫の攻撃制限能力にかからないクリーチャーも多く、ウスラトンカチの攻める準備は整った。
あー/中村は≪偽りの王 ナンバーナイン≫を出してこれ以上の展開を阻害するが時すでに遅し。
さらに≪音奏 ハイオリーダ≫《超煌ノ裁キ ダイヤモン将》を追加したウスラトンカチがついに全軍突撃。
まずは≪偽りの王 ナンバーナイン≫で2点……。
ここであー/中村のシールドから《撃髄医 スパイナー》!
これまで彼を苦しめた≪偽りの王 ナンバーナイン≫をパワーマイナスで焼却。
少し話が変わってきた。
まず表向きのシールドに張り付けられた≪ゴルチョップ・トラップ≫をケアすることが最低でも必要。《煌銀河 サヴァクティス》や《煌世主 サッヴァーク†》を殴り手として確保しなければならない。
しかし≪音奏 ハイオリーダ≫で増え、残り4枚のシールドから≪ゴルチョップ・トラップ≫などが捲れると…見えている≪ゴルチョップ・トラップ≫のケアが不可能になり、あー/中村に逆転のチャンスを与えてしまう。
……そんなことを考えている余裕はなかった。
その理由はお互いにずっと意識していた制限時間。
あー/中村「お互い(制限時間終了後の)両者敗北は避けたいでしょ」
その要求にウスラトンカチはプレイで応える。
息つく間もなく《煌メク聖戦 絶十》1点、《煌世主 サッヴァーク†》3点を入れ、トリガーチェック……
ここでトリガーされたのはすでに表向きにされていた≪ゴルチョップ・トラップ≫……
……のみ!! パワーパンプされた《煌銀河 サヴァクティス》がかわし、そのままダイレクトアタック。
時間ギリギリの攻防を制したウスラトンカチが5-0を決めた。
Winner:ウスラトンカチ
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