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DMGP8th DAY1 Round 7:dotto(大阪) vs. ばんぱく(東京)

 その時、衝撃が走った。

 このGP8th開催二日前の4/11、デュエマに新たなプロプレイヤーが誕生する。

 カードラッシュにスポンサードされたその二人の名は、dottoばんぱく
 幾つもの栄光を積み上げた先に辿り着いたのは、デュエマプレイヤー達の先駆者たらんとする“プロ”という座だった。

 そして今日、GP8th。
 この場に集う3,000人の中に、彼等もいた。“先駆者”として新たな栄光を積み上げるために。

 途中お互い不運にも1敗してしまうものの、ひとつ、またひとつと勝利を重ねていく。

 このまま順調にいけばという状況だったが、この予選7回戦に映し出されたペアリングはまさに“衝撃が走った”という他なかったのだ。



dotto vs. ばんぱく




 まさかこのタイミングで志を同じくする者同士で当たるとは。

 だがそんな相手であっても、“先駆者”たらんとするならば踏み超えていかなくてはならない。

 “プロ”同士必ずものにしたいこの一勝、ものにするのは果たしてどちらか。


先攻:dotto
 1、2ターン目に《》、3ターン目に《堅珠ノ正裁Z》をマナチャージすることで使用デッキ『白単サッヴァーク』を露にする先手のdotto。

 そのゆっくりな立ち上がりに対し、『緑ジョーカーズ』を駆るばんぱくは2ターン目に《タイク・タイソンズ》を召喚し、3ターン目に《ポクチンちん》召喚、《メイプル超もみ人》にJチェンジしてマナを伸ばす。

 ロケットスタートを決められたdottoだが、その返しは4ターン目《超煌ノ裁キ ダイヤモン将》召喚という次点の動き。

 そしてばんぱくもそれに倣う。《ガヨウ神》を召喚して後続を確保。


 盤面を展開するチャンスだが、dottoはまだ動き出せない。5ターン目《集結ノ正裁Z》《憤怒スル破面ノ裁キ》で手札を増やすのみ。

 逆にチャンスが訪れたばんぱくは手札を置いて長考。
 いくばくかの後、《》を召喚し、《ジョット・ガン・ジョラゴン》をバトルゾーンに出した。

 慎重な手つきで《ジョット・ガン・ジョラゴン》をアタックに向かわせ、《》を捨てそこから一気に《ガヨウ神》→捨てられた≪キング・ザ・スロットン7≫→出てきた≪キング・ザ・スロットン7≫→出てきた《メイプル超もみ人》とバトルゾーンに出た時の能力が連鎖する。

 一気に膨れ上がったバトルゾーンと共に、《ジョット・ガン・ジョラゴン》が裁きの紋章のあるシールド2枚をブレイク。
 今度はdottoが考える番だ。加わる4枚のカードと手札を交互に見返した後、ゆっくりと3枚の裁きの紋章を墓地に送って《魂穿ツ煌世ノ正裁Z》2枚、《集結ノ正裁Z》を宣言、残りの2枚のシールドにそれらを散らす。

 これによりdottoの裁きの紋章が3枚になった上、次のターンの《アイアン・マンハッタン》の為にシールドも2枚にした。深追いの必要が無いばんぱくはターンエンド。


 長い1ターンが終わってdottoの6ターン目。

 《転生ノ正裁Z》で2枚の裁きの紋章と共にシールドを回収、そのうち2枚を墓地に送り《煌メク聖戦 絶十》《魂穿ツ煌世ノ正裁Z》を宣言。

 目下脅威の《ジョット・ガン・ジョラゴン》をシールドに送り、軽減効果により《煌世主 サッヴァーク†》を召喚。

 更に《堅珠ノ正裁Z》を唱えて再び軽減効果を生み、≪音奏 ハイオリーダ≫を召喚して効果でシールドを増やしつつ《防護の意志 ランジェス》をGR召喚。
 裁きの紋章3枚を満たしつつ、次のターンに殴りかかる準備を整えた。

 だが意に返さないばんぱくは前のターンに準備した攻めをそのまま遂行する。《ポクチンちん》で墓地のカードを山札に戻しつつ、手札から再び《ジョット・ガン・ジョラゴン》を召喚!
 即アタック、またもや《アイアン・マンハッタン》≪キング・ザ・スロットン7≫→出てきた《バイナラドア》と場に出た時の能力が連鎖する。

 《ジョット・ガン・ジョラゴン》がそのままWブレイクに向かうが、カウンターの“準備”を整えていたのはdottoも同じだ。すかさず手札から《煌世主 サッヴァーク†》が降臨する!

 ブロックにより討取られ、ばんぱくはそのままターンを返した。

 ここまで一進一退の攻防が続き、刻一刻と過ぎていく時間。

 そんな7ターン目、《アイアン・マンハッタン》の影響により戦線の強化が出来ないdottoは《剣参ノ裁キ》連打により表向きのシールドを再供給しつつ、回答を探しに行く。
 デッキの枚数を何度も確認しつつ、順番を何度も入れ替えプランを練るdotto、それを固唾を飲んで見守るばんぱく。

 そうして幾枚かの裁きの紋章がシールドに積みあがってきたところで、それは訪れた。

 「制限時間です。現在進行中のターン終了時に決着がつかなければ、両者敗北となります。」

 突如として設定された無常なタイムリミット。
 これにより、dottoはこのターン中での決着を余儀なくされてしまう。

 デッキを掘りつくし、最早決定的な回答は無いと悟るdotto。

 逡巡の後、意を決したように《煌世主 サッヴァーク†》でアタックする。

 だが、表向きで見えている《》を使うまでもなく、ばんぱくのシールドは《マン・オブ・すて~る》《行燈どろん》を撃ち出し殴り切るための打点を奪い去った。

 これで両者敗北は最早確定の状況だったが、まだ終わっていない。

 そうなっては困る者が居たのだ。

 このテーブルの向かいに座るばんぱくである。

 『負けた相手の勝率を反映する』オポーネントというこの大会のシステムは、無論ここにも適用される。

 つまりどうあっても自分の負けが変わらないのであれば、ここで両者敗北になってしまうよりも投了してdottoが勝利する方がばんぱくが予選をがる可能性も上がるのだ。

 勝ち上がるためには、負けなければならない。
 そんな普通なら葛藤するような状況だが、“先駆者”の一員たるばんぱくにそれへの躊躇はなかった。

 ほんの少しでも自分の望みを繋ぐために。

 dottoがターンエンドを宣言した瞬間、ばんぱくはその右手をdottoへ差し出すのだった。

Winner: dotto


 なんとも歯切れの悪い決着だったが、この投了は自分の為だけではない。

 同じ門を叩き、同じ瞬間にプロプレイヤーとなった者同士の「彼ならこの1勝、必ず先に繋げてくれる」という信頼があったからこそ、この勝利をdottoに預けることが出来たのだ。

 “先駆者”として、仲間として、俺を乗り越えていけというばんぱくの想い。

 背負うものを一つ増やし、dottoは更に先へ進む。

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