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DMGP8th DAY1 準々決勝:おんそく vs. クロロ(山形県)

 「松川組」を知っているか。

 ……いや、知らなくていい。知らない方がいいかもしれない。

 ご存知の人はいるだろうが、YouTubeチャンネル「フェアリープロジェクト」でも時折アップされている伝説の負け抜けトーナメントあの"松川CS"でお馴染み「松川組」である。

 一応補足しておくと、「松川組」とは宮城県を中心に集まったワイワイ集団である。彼らは一緒にデュエル・マスターズをしているが、調整チームというほど高い志を共有しているわけではない。とはいえ、デュエル・マスターズに真剣なのは確かである。車をかっ飛ばして東北内は勿論、時には関東まで足を伸ばしCSに参加し続けている。
 本日が誕生日というクロロ(山形県)は名前の通り山形県で活動するプレイヤーである。彼もまた、「松川組」のメンバーだ。
 「松川組」の組長ことカナタに、クロロという人物について尋ねてみたところ、

「ハ行とサ行が発音できず上司に怒られたことがある」

「そのため頑張って発声練習をしている」

 などというゲームには関連の無さそうな情報ばかり入手することが出来た。

 一方のおんそくについては、説明するまでもないだろう。一昨年・昨年と全国大会へと出場をしている、関西と関東の狭間を漂う強豪プレイヤーだ。

 さて、試合は間もなく始まる。フィーチャー卓の周りには「松川組」の面々が集まってきた。もちろんクロロ(山形県)の応援するためだ。先ほどまでニヤニヤしていた彼らの顔付きが、途端に真剣そのものになる。

 クロロ(山形県)が使うのは『赤白轟轟轟』だ。間違いなく強力なアーキタイプで、ここまで多数のプレイヤーがこのデッキを使い、多数のプレイヤーがこのデッキに撃破された。そしてこのデッキは、次なるターゲットを目の前に座るおんそくに定めた。

 だがおんそくの使うデッキは、クロロ(山形県)の想像以上に『赤白轟轟轟』を跳ね返す力が備わっており、高い壁となって立ちふさがった。


Game 1

先攻:おんそく

 先攻のおんそくは《革命類侵略目 パラスキング》を2枚チャージする立ち上がり。
 対するクロロ(山形県)は、2ターン目《ヘブンズ・フォース》から《音奏 プーンギ》≪奇石 ミクセル≫という強力なクリーチャー群をバトルゾーンに送り込む。
 3ターン目、やはりチャージのみとなったおんそくに対してクロロ(山形県)は《♪銀河の裁きに勝てるもの無し》から《ムガ 丙-三式》を送り出し、≪奇石 ミクセル≫で攻撃を宣言。
 しかしこの1点は、なんと《KAMASE-BURN!》をトリガーしてしまう。《純白の意志 ヴィンチ》が捲れたことにより、クロロ(山形県)の≪奇石 ミクセル≫は破壊されてしまった。《音奏 プーンギ》の効果で数こそ減らないものの、≪奇石 ミクセル≫を失ったことはあまりにも大きかった。

 何故なら次のおんそくの動きが、《“必駆”蛮触礼亞》からの《勝利龍装 クラッシュ“覇道”》、そして残る手札の1枚から《“轟轟轟”ブランド》が着地したからだ。

「手札が《“必駆”蛮触礼亞》《勝利龍装 クラッシュ“覇道”》《“轟轟轟”ブランド》≪ゴリガン砕車 ゴルドーザ≫とあったんで、《音奏 プーンギ》出されても4マナで《“必駆”蛮触礼亞》で勝てる手札でした。仮に≪奇石 ミクセル≫が出てきても≪ゴリガン砕車 ゴルドーザ≫で勝負出来ます。横に並ぶなら《“必駆”蛮触礼亞》からの≪ゴリガン砕車 ゴルドーザ≫で凡そ3面は処理出来ますからね」

 かくして、桁外れのパワーを持つクリーチャー群によってクロロ(山形県)の戦線は瞬く間に崩壊した。《勝利龍装 クラッシュ“覇道”》を防ぐトリガーは、このデッキには存在しない。

 初戦は、まずおんそくが制した。

おんそく 1-0 クロロ(山形県)



Game 2

先攻:クロロ(山形県)

 初戦を落としたクロロ(山形県)の先攻となった。

 最初の動きは2ターン目。《ナゾの光・リリアング》を召喚からの《♪銀河の裁きに勝てるもの無し》を宣言し、効果で《♪正義の意志にひれ伏せ》を連鎖させるという強力なもの。加えて、そこでGRデッキから《ドドド・ドーピードープ》というSSR級のクリーチャーを引き当てる。
 マナチャージのみで終えたおんそくに対し、続くターンでは《音奏 プーンギ》を召喚し、手札1枚から《“轟轟轟”ブランド》を着地させ、あっという間におんそくを打倒するだけの打点を形成した。

 『赤白轟轟轟』というデッキの魅力が、この動きに詰まっている。
 とはいえ、≪奇石 ミクセル≫がいない以上、のんびり待っていられる余裕はない。
 よってクロロ(山形県)は、攻撃を宣言する。まずは1点、そして《“轟轟轟”ブランド》が2点を刻む。

 だがおんそくもこの2点から《罠の超人》をトリガーさせた。《音奏 プーンギ》を退かせば次のターンに《“必駆”蛮触礼亞》《勝利龍装 クラッシュ“覇道”》が出来るが、このままでは《ドドド・ドーピードープ》《ナゾの光・リリアング》に殴り切られてしまう。悩んだ末におんそくは《ドドド・ドーピードープ》を指定し、盤面から退場させた。

 こうなるとこれ以上の攻撃は意味がないと、クロロ(山形県)はターンを返した。《音奏 プーンギ》下では、大きなアクションは取られない筈だからだ。

 ここでおんそくのデッキは、先のゲームとは違うギミックを見せつける。
 返しのターン、なんとパワー5000の《罠の超人》《“轟轟轟”ブランド》に攻撃を宣言。

 そう、"侵略宣言"を伴って。
 《罠の超人》《革命類侵略目 パラスキング》へと侵略し突如パワー14000へと変貌した。初戦でマナに置かれたこのカードが、その力の片鱗を見せつけた。当然、《“轟轟轟”ブランド》は討ち取られる。

 《ドドド・ドーピードープ》を失い、更には《“轟轟轟”ブランド》をも失ったクロロ(山形県)。
 だが、それでも盤面には3点ある。残るおんそくのシールドは2枚だ。

 やはりこれが、『赤白轟轟轟』の強さというべきか。

 覚悟を決めたクロロはやや声を上ずらせながら、攻撃を刻む。1点……。1点……っ!
 そこにトリガーは……無い!

 最後は《ナゾの光・リリアング》で攻撃を決め、クロロ(山形県)は第2ゲームを奪取した。


おんそく 1-1 クロロ(山形県)

 クロロ(山形県)がゲームを奪取した瞬間、よしっと一つ大きな歓声が挙がった。「松川組」組長こと、カナタのものだった。

 繰り返すが彼らはデュエル・マスターズには真剣そのものだが、決してチームではない。デッキを共有しているわけでもなく、今回も各々が好きなのを使ったそうである。
 メンバー内でもモチベーションや志に差異があり、良くも悪くも彼らが"調整チーム"として活動することは、今後お目に掛かれるかというとそれは疑問だ。
 では、彼らを繋ぐさせるものとは何か?
 それは、心持ちではないだろうか。絆、と言ってもいいかもしれない。
 とかく彼らは義理堅く情に厚い。普段好き勝手にワイワイしている彼らも、誰かが勝ち残っていれば当然のようにその周りに集まってくる。
「最後の最後を託すのがよりよってクロロ(山形県)かぁ~」
 カナタも試合前にはそんな風に笑っていたが、いざ始まると真剣な眼差しで試合を見つめ続けている。他の仲間も同様だ。
 クロロ(山形県)は今ここで、「松川組」を代表して「松川組」と共に戦っている。
 あとは最終ゲーム、ここを取るだけだ。



 だがおんそくは――チーム「2ブロックしたい会」の傑物こっちゃーが生み出したこのデッキは、相手がだれであろうとも一切容赦はしてくれなかった。


Game 3

先攻:おんそく
 先攻は、2ゲーム目を落としたおんそくへと変わる。

 動きがあったのは先攻2ターン目、おんそくは≪幻緑の双月≫をプレイし手札をマナへと変換した。クロロ(山形県)はこれに《音奏 プーンギ》で対抗する。
 おんそくにとって≪幻緑の双月≫は、立派で頼れる一番槍なだけでなく、勝利を呼び込む使者でもあった。

 何故なら続くターン、おんそくは≪ゴリガン砕車 ゴルドーザ≫を召喚したところで手札が残り1となり、そしてこのカードはもちろん《“轟轟轟”ブランド》だったからだ。
 こっちゃーが作ったデッキは、まず発想の時点で常人を凌駕している。そしてまた、発想をデッキとしてまとめ上げる力も尋常ではない。そして組み上げられたデッキの力を見事に発揮させたのが、おんそくだった。

「トリガーの枚数には自信があるし、一枚は踏ませる前提でプラン立ててますね」

 トリガーに自信を持っているのだから、『赤白轟轟轟』相手に先に突撃すれば、当然勝勢となる。

 ≪ゴリガン砕車 ゴルドーザ≫が、《“轟轟轟”ブランド》が、クロロ(山形県)を追い詰めた。
 シールドを全て割られると、クロロ(山形県)に逆転の芽はなかった。ただ、敗北を受け入れるよりなかった。

おんそく 2-1 クロロ(山形県)

Winner:おんそく

「お疲れ~」
「オラァ、飯行くぞ飯」

 試合後、観戦していた「松川組」の面々はクロロ(山形県)をやや手荒に出迎えた。
 その様子は、なんとも微笑ましいものであった。彼らには、この雰囲気や距離感がちょうどいいのだろう。
 義理堅く情に厚く、共に馬鹿騒ぎをし、謎の企画を立て、それを全力で楽しむ。
 それが「松川組」なのだ。

 きっとこの後、彼らは夕食を共にしながら、この試合を笑って語り合うのだろう。

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