DMGP8th DAY2 Round 5:じゃきー vs. 抹茶.
フィーチャーテーブルに現れたのは2015年度の全国覇者、「天門のカギを持つもの」じゃきー。
かつて《ヘブンズ・ゲート》で天下を取った男も《奇跡の精霊ミルザム》を奪われメタカードが強力になった現代で天門のカギを開くことはできず、本日の使用デッキは愛知県屈指のジョーカーズ調整集団「Yamada Pros」の『無色ジョーカーズ』。
様々な形が存在する『やまぷろジョーカーズ』、今回のテックカードは裁定変更により強化された《波乗りザブンプル》。自分に対するデメリットなしで《ジョット・ガン・ジョラゴン》を1ターン遅らせる、同型戦の肝となるカードだ。
対するは熊本からやってきた抹茶.。
彼の全勝もまぐれではなく、全国大会前後から一部界隈を騒がせる謎のビッグマナ、通称『3333cコン』(読み:みみみさんしーこん)を持ち込んできている。
その正体は同郷のみみみちゃんが作成した『多色武装5色コントロール』。《フェアリー・ミラクル》だけでなく《獅子王の遺跡》によるビッグブーストも軸に据え、《蒼龍の大地》から様々な強力カードを投げつける…柔軟性とパワーカードを絶妙なバランスで配合した、現代版5色コントロールだ。
注目の2人による5回戦。見逃せない戦いが幕を開ける………
のだが、これはただの予選5回戦ではない。
当記事はここで起きたある珍事……
いや、“悲劇”について書き記したものである。
先攻:抹茶.
“それ”は先攻の抹茶.が《怒流牙 サイゾウミスト》《ニコル・ボーラス》をチャージしターンを終え、じゃきーが2マナ目のチャージを考えている途中。
違和感に気付いた1人のジャッジが試合を止めたことから始まる。
「手札、1枚多くないですかね」
そう、先攻の抹茶.の手札はマナチャージ後で4枚が正しいはず。
しかしそのテーブルに置かれた手札は……寸分の狂いなく5枚に重ねられていた。
これは誰にでもありうる話。初手が重なっていたのか、勘違いして先攻でドローをしてしまったのか……2日間のグランプリの疲れから来たであろう、不注意から起こるミスである。これを責める権利は誰にもない。
ヘッドジャッジも交えてどのようなペナルティを与えるか相談。各地のCSで鍛え上げられた日本最高峰のジャッジ集団、彼らが下した裁定はこの場で最も信頼できるものだ。
その結果、ヘッドジャッジから過剰なドローの警告が下され、そしてゲームをできる限り正常な状態に戻すため抹茶.に、「相手に手札を1枚選ばせ、それを非公開領域に混ぜて無作為化させる」ペナルティが与えられた。
のちにヘッドジャッジと話す機会があったのだが、「あの場にいたジャッジ満場一致でこのペナルティで間違いなかった」という。
もちろん抹茶.も、このペナルティを受けることに何も文句はなかった。じゃきーによく見えるよう、その手札が露になる。
しかしその瞬間、彼の手札から叫び声が聞こえたような気がした。
「やめてくれ」「助けてくれ」「ここで3333cコンの未来を奪わないでくれ」と。
ペナルティに従い公開された抹茶.の手札は以下の通り。
《獅子王の遺跡》
《蒼龍の大地》
《支配のオラクルジュエル》
《ボーイズ・トゥ・メン》
《怒流牙 サイゾウミスト》
さて、簡単にわかるクイズをしよう。
この場面でじゃきーが容赦なく引き抜いたカードは何か。
そしてそれを抜かれた抹茶.はどうなるだろうか。
正解は、《獅子王の遺跡》。
そして《獅子王の遺跡》がなくなった抹茶.の初手は、プレイできない多色カードまみれ…
そう、紛れもない“事故ハンド”に変貌した。
これが、“悲劇”の全てである。
そこからはあっという間だった。
抹茶.は初動を引くことができず、一方じゃきーは《ヤッタレマン》《ポクチンちん》から4ターン《ジョット・ガン・ジョラゴン》。
そのまま《ガヨウ神》3枚を挟んだ末に《アイアン・マンハッタン》、≪キング・ザ・スロットン7≫で《ガヨウ神》を捲り、さらにそこから《燃えるデット・ソード》効果までも使用される。
抹茶.のシールドから出たのは最初の3枚からの《コクーン・シャナバガン》だけ、《怒流牙 サイゾウミスト》を回収するも非公開領域に混ぜられた《獅子王の遺跡》は盾からもやってこない。
マナが足りないままにダイレクトアタックを受け…気付けばゲームセット。
なんとも不思議な雰囲気だが勝ちは勝ち。
《解体人形ジェニー》ならぬ≪解体人形じゃきー≫、5回戦を全勝で折り返す。
Winner:じゃきー
かつて《ヘブンズ・ゲート》で天下を取った男も《奇跡の精霊ミルザム》を奪われメタカードが強力になった現代で天門のカギを開くことはできず、本日の使用デッキは愛知県屈指のジョーカーズ調整集団「Yamada Pros」の『無色ジョーカーズ』。
様々な形が存在する『やまぷろジョーカーズ』、今回のテックカードは裁定変更により強化された《波乗りザブンプル》。自分に対するデメリットなしで《ジョット・ガン・ジョラゴン》を1ターン遅らせる、同型戦の肝となるカードだ。
対するは熊本からやってきた抹茶.。
彼の全勝もまぐれではなく、全国大会前後から一部界隈を騒がせる謎のビッグマナ、通称『3333cコン』(読み:みみみさんしーこん)を持ち込んできている。
その正体は同郷のみみみちゃんが作成した『多色武装5色コントロール』。《フェアリー・ミラクル》だけでなく《獅子王の遺跡》によるビッグブーストも軸に据え、《蒼龍の大地》から様々な強力カードを投げつける…柔軟性とパワーカードを絶妙なバランスで配合した、現代版5色コントロールだ。
注目の2人による5回戦。見逃せない戦いが幕を開ける………
のだが、これはただの予選5回戦ではない。
当記事はここで起きたある珍事……
いや、“悲劇”について書き記したものである。
先攻:抹茶.
“それ”は先攻の抹茶.が《怒流牙 サイゾウミスト》《ニコル・ボーラス》をチャージしターンを終え、じゃきーが2マナ目のチャージを考えている途中。
違和感に気付いた1人のジャッジが試合を止めたことから始まる。
「手札、1枚多くないですかね」
そう、先攻の抹茶.の手札はマナチャージ後で4枚が正しいはず。
しかしそのテーブルに置かれた手札は……寸分の狂いなく5枚に重ねられていた。
これは誰にでもありうる話。初手が重なっていたのか、勘違いして先攻でドローをしてしまったのか……2日間のグランプリの疲れから来たであろう、不注意から起こるミスである。これを責める権利は誰にもない。
ヘッドジャッジも交えてどのようなペナルティを与えるか相談。各地のCSで鍛え上げられた日本最高峰のジャッジ集団、彼らが下した裁定はこの場で最も信頼できるものだ。
その結果、ヘッドジャッジから過剰なドローの警告が下され、そしてゲームをできる限り正常な状態に戻すため抹茶.に、「相手に手札を1枚選ばせ、それを非公開領域に混ぜて無作為化させる」ペナルティが与えられた。
のちにヘッドジャッジと話す機会があったのだが、「あの場にいたジャッジ満場一致でこのペナルティで間違いなかった」という。
もちろん抹茶.も、このペナルティを受けることに何も文句はなかった。じゃきーによく見えるよう、その手札が露になる。
しかしその瞬間、彼の手札から叫び声が聞こえたような気がした。
「やめてくれ」「助けてくれ」「ここで3333cコンの未来を奪わないでくれ」と。
ペナルティに従い公開された抹茶.の手札は以下の通り。
《獅子王の遺跡》
《蒼龍の大地》
《支配のオラクルジュエル》
《ボーイズ・トゥ・メン》
《怒流牙 サイゾウミスト》
さて、簡単にわかるクイズをしよう。
この場面でじゃきーが容赦なく引き抜いたカードは何か。
そしてそれを抜かれた抹茶.はどうなるだろうか。
正解は、《獅子王の遺跡》。
そして《獅子王の遺跡》がなくなった抹茶.の初手は、プレイできない多色カードまみれ…
そう、紛れもない“事故ハンド”に変貌した。
これが、“悲劇”の全てである。
そこからはあっという間だった。
抹茶.は初動を引くことができず、一方じゃきーは《ヤッタレマン》《ポクチンちん》から4ターン《ジョット・ガン・ジョラゴン》。
そのまま《ガヨウ神》3枚を挟んだ末に《アイアン・マンハッタン》、≪キング・ザ・スロットン7≫で《ガヨウ神》を捲り、さらにそこから《燃えるデット・ソード》効果までも使用される。
抹茶.のシールドから出たのは最初の3枚からの《コクーン・シャナバガン》だけ、《怒流牙 サイゾウミスト》を回収するも非公開領域に混ぜられた《獅子王の遺跡》は盾からもやってこない。
マナが足りないままにダイレクトアタックを受け…気付けばゲームセット。
なんとも不思議な雰囲気だが勝ちは勝ち。
《解体人形ジェニー》ならぬ≪解体人形じゃきー≫、5回戦を全勝で折り返す。
Winner:じゃきー
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