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デュエル・マスターズ

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DMGP8th DAY2 3位決定戦:Becky vs. plus α


セキボンデデンネがこの日最後の栄光を賭けて、決勝戦の舞台に上がっていた丁度その頃。

ギャラリーや放送席が大きく湧く裏で、決勝ラウンドの対戦エリアにカードを広げる二人が居た。

Becky、そしてPlus a

シングルエリミネーションであるはずの決勝ラウンドで、TOP4に至った者にのみ訪れる唯一のエクストララウンド。

その勝者に与えられる「日本一決定戦」の参加権利を賭けて、この広いスペースの中央に座っているのだ。

準決勝から一貫して固い表情を貫くBecky。
緊張している様子は見せつつも和やかな表情を崩さないPlus a。

無論、この二人は一度負けた身だ。
同時に行われている決勝の舞台に立つ二人とはわけが違う。

華々しさは無いかもしれない。生放送も観客もない。


だが、“それがどうした”。


決勝戦に立つ「貰うものはすべて貰い、残るは形のない栄光のみ」を巡って戦う、内心ほっとしているであろう二人とは真逆の、泥臭い最後の戦い。

それもまた、「激しくアツかりしデュエマ」足りうるものだろう?

DMGP8th DAY2、3位決定戦。

次なる戦いへの切符を賭けた、最もアツい試合が始まる。



Game 1

先攻:Becky

1ターン目、2ターン目をマナチャージのみで終える先手のBeckyと、2ターン目《フェアリー・ライフ》で初動を決める後手のPlus a。

一見Beckyが遅れを取ったように見えたが、3ターン目に《霞み妖精ジャスミン》を召喚し取り戻す。

Plus aも《フェアリー・ライフ》を重ねるのみで、未だお互いのテンポに変わりはない。


4ターン目、Beckyは≪マッド・デーモン閣下≫を召喚。
「先に禁断の枚数を1ないし0にした方が勝ち」という『黒緑ドルマゲドン』ミラーのセオリー、禁断剥がしレースが始まった。

対するPlus aも≪マッド・デーモン閣下≫を召喚し、禁断を1枚剥がす。


お互い順調な出だしを決めるも、ここで次のコマンドが無いBecky。

だが、「ならば次のターンから2アクションづつ取って盤面を作ればいい」。

そう言うように、《フェアリー・ライフ》《霞み妖精ジャスミン》と立て続けにマナを伸ばし、《Dの牢閣 メメント守神宮》を張ってターンを返した。

それに対してPlus a は禁断剥がしレースを突き進む。


7マナ、《威牙の幻ハンゾウ》召喚でBeckyの≪マッド・デーモン閣下≫を破壊。
そして盤面が優位である内に自身の≪マッド・デーモン閣下≫でシールドブレイク。


着実に並ぶPlus aの盤面。残り2枚となった禁断。
そんな状況下でも、Beckyの顔に動揺は全く無かった。寧ろホッとしているようにさえ見える。

何故ならPlus aがプレイしたのは一番恐れていた「恒久的な後続」、即ち《凶鬼09号 ギャリベータ》ではなかったのだから。

それさえ無ければこのレース、いくら躓こうと追いつける。

ならばあとは、自らのデッキに身を委ねるのみ。6ターン目、Beckyのトップデックは《月の死神ベル・ヘル・デ・スカル》


これにより、《解体人形ジェニー》を禁断から落としたBeckyはマナではなく墓地からそれを回収。
そのまま召喚し、Plus aの手札から後続となる《悪魔龍 ダークマスターズ》を叩き落とす。

前のターンに狙った「マナを伸ばして追加でアクションを取れるようにする」プランで後れを取り戻してみせた。

そして逆に後続が無くなってプランが崩壊し、窮地に立たされるPlus a。
申し訳程度に《獣軍隊 ヤドック》を召喚し、≪マッド・デーモン閣下≫《威牙の幻ハンゾウ》でシールドを攻め立てる。

まだ終わってはいない。
ここでBeckyがコマンドを召喚しなければ、次のターン禁断を先んじて1枚に出来るのだ。


だがそんな希望は、自分のデッキを信じ、委ねるBeckyの前では無に等しかった。

続く7ターン目、Beckyのトップデックはまたも《月の死神ベル・ヘル・デ・スカル》!!


しかも禁断から落ちたのはあろうことか《威牙の幻ハンゾウ》、そしてついにBeckyの禁断は残り1枚となる。

そのまま回収し、更に《霞み妖精ジャスミン》を打点として召喚。

さあ、反撃の準備は整った。

満を持して《月の死神ベル・ヘル・デ・スカル》でシールドを1枚ブレイク。
トリガーが無いことを確認し、ターンを返す。

最早一刻の猶予も無いPlus a。
コマンドだ。コマンドさえあれば、まだ・・・!

だが、引けない。
出来る事は、悔しげな表情でマナチャージするのみ。


残り2枚。
禁断剥がしレースで後れを取ったPlus aに、返しのBeckyの《月の死神ベル・ヘル・デ・スカル》《月の死神ベル・ヘル・デ・スカル》《解体人形ジェニー》《霞み妖精ジャスミン》≪終焉の禁断 ドルマゲドンX≫、召喚した《威牙の幻ハンゾウ》という大軍勢を止めることは出来なかった。


Becky 1-0 Plus a


傍から見れば、ただの環境デッキのミラーマッチに見えるこの試合だが、そこに至るまでの経緯はお互いに全く違っていた。

使うデッキを先に決め、ひたすらそれを研鑽しここまで来たBeckyと違い、Plus aは「≪終焉の禁断 ドルマゲドンX≫を使う」と定めた上で思考錯誤を重ねていたのだ。

様々な色の組み合わせ、様々なカードを検討した末にこのデッキに辿り着いた事と、その上で自身のオリジナリティに必要以上に拘らない柔軟な思考こそが、彼をこの場に座らせているとわかる。

Beckyのようにデッキに身を委ねる事が無くとも、≪終焉の禁断 ドルマゲドンX≫が強いと信じた自分自身に身を委ねれば、ここまで勝ち上がることも出来るだろうと。

だからこそ、始まる前「こんなとこまで来ると思わなかった」と笑顔で話し、緊張のあまりシャッフルをジャッジに任せていた筈の彼の表情には、1本目を落としても落胆する気配は微塵も無かった。



Game 2

先攻:Plus a

初戦の結果先手となるPlus aはマナチャージのみという動きで2ターンを終えるが、2ターン目に置いたのはなんと《霞み妖精ジャスミン》

普通なら引いたら必ず撃つであろうこのカードをマナチャージするという事は、考えられることはただ一つ。

事故っている。正確には、自然文明のカードを引いていない。

この0-1という崖っぷちで、まさかの事態。
早くも窮地に立たされてしまうPlus aだが、3ターン目もマナチャージしつつ逆転への活路を必死に探る。

だが、対するBeckyの動きは堅調そのものだ。
2ターン目《フェアリー・ライフ》、3ターン目《Dの牢閣 メメント守神宮》展開と、着々と殴り合いへの準備を整えていく。


4ターン目、少しでもBeckyの勢いを削ぐべくPlus aは《拷問ロスト・マインド》を発動。

Beckyの手札が公開されるが、落とされるのは3枚中《マッド・デーモン閣下/デーモン・ハンド》1枚のみ、
更にそこには《凶鬼09号 ギャリベータ》も握りこまれている。

それは、「毎ターン後続が尽きない、つまりほぼ必ず後手に回ったPlus aよりも先に禁断を1にできる」ことを示しているのだ。

当然ターンが帰り、それを召喚するBecky。


動き出す禁断爆発へのカウントダウン。

後れを取るわけにはいかない。
5ターン目、Plus aも負けじと《凶鬼09号 ギャリベータ》を盤面に送り出し、後続を確保する。
1本目のような負け方は、これで無くなった。

だが、Beckyからしたらそんな事は関係ない。
禁断の枚数で優位を取っているのだから、Plus aがどれだけ後続を抱えようが先に禁断爆発してしまえばいいのだ。

そう言うように、Beckyは2体目の《凶鬼09号 ギャリベータ》を召喚、そして元居た方でシールドをブレイク。


6ターン目、Plus aのターン開始時、Beckyの《Dの牢閣 メメント守神宮》がひっくり返される。

相手の禁断枚数が多いうちにシールドを割り切っておきたい。
そんなBeckyの狙いが垣間見えるこのDスイッチに、そうはいくまいとPlus aは≪デーモン・ハンド≫で応え、ターンを返す。

そしてBeckyにターンが渡り、墓地から《凶鬼09号 ギャリベータ》を再び召喚、またもや元居た方でアタック。

・・・・するだけではなかった。 手札から《S級不死 デッドゾーン》がその上に侵略する!

効果によりPlus aの《凶鬼09号 ギャリベータ》が破壊され、そのままシールドを一気に詰められる。

だが、タダではさせないとばかりに、Sトリガー《月の死神ベル・ヘル・デ・スカル》が召喚され、禁断のカウントを一つ進めてみせた。

もし前のターンにPlus aが悠長に禁断を剥がしていたら、本当にシールドは全て消え去っていただろう。
除去を優先させたその判断により、Plus aはシールドを1枚残すことに成功したのだ。

そしてターンが渡り、Plus aは7マナで《悪魔龍 ダークマスターズ》を召喚!


全て奪い去られるBeckyの手札。
更にここでスレイヤー付与の禁断を剥がしたことで、《月の死神ベル・ヘル・デ・スカル》とBeckyの《S級不死 デッドゾーン》を相打ちに取り、ターンエンド。


ここに来てついに禁断が追いついたPlus a。

だが、それだけではない。
実はこのゲーム、戦況はもっともっと複雑なものになっていたのだ。

この時点で、Plus aはシールド1枚、禁断1枚、7マナ、《悪魔龍 ダークマスターズ》

対してBeckyはシールド5枚、禁断1枚、7マナ、盤面は《凶鬼09号 ギャリベータ》、使用済みの《Dの牢閣 メメント守神宮》


傍目で見たら次のBeckyのターンで禁断爆発し、《S級不死 デッドゾーン》で攻撃すれば勝利するように見えるが、Plus aにはシールドを削られた分潤沢になった手札がある。

そしてマナは“7”。
否が応でも意識せざるを得ないだろう。そこに握りこまれているであろう必殺のカウンターカード、《威牙の幻ハンゾウ》を。

そしてそのカウンターを防ぐためには、こちらの禁断は残しておかなくてはならない。

つまりBeckyのゴールは、「《威牙の幻ハンゾウ》をハンデス出来るカードを引いた上での禁断爆発」。

これがもしPlus aのシールドがゼロであったならば、問答無用で禁断爆発で勝ちになっていた所だったのだ。
あの≪デーモン・ハンド≫がここで活きた。


そして、その手札にしっかり《威牙の幻ハンゾウ》を抱えるPlus aも、頭を抱えていた。

Beckyがまごついてる間に一斉攻撃出来る盤面を作りたい。だが、“残りの禁断は1枚”。

それはつまり、“打点としてコマンドを召喚出来ない”という事だ。

相手の目にチラつかせていた禁断爆発という刃は、自分にとっても枷として重くのしかかっていた。

故にPlus aのゴールは「ハンデスを引かれる前に、殴り切るための打点をコマンド以外で用意したうえでの禁断爆発」。


つまり、二人とも最初の禁断剥がしレースとは真逆の「必要条件を満たすまで禁断爆発を我慢する」別のゲームに変わっていたのだった。


戦況は振り出しに戻り、どちらが勝ってもおかしくない。


そんな状況下、Beckyはドローして一拍置いたのち、《凶鬼09号 ギャリベータ》《S級不死 デッドゾーン》に侵略させ、最後のシールドをブレイク。

ハンデスはまだ引けない。どちらが先に条件を満たすか。

大丈夫。これはまだ予定調和。まだ全然負けではない。


8ターン目、Plus aはマナチャージして《獣軍隊 ヤドック》を召喚し《Dの牢閣 メメント守神宮》を張り替え、ブロッカーを用意。

マズい。・・・早く《解体人形ジェニー》・・・《悪魔龍 ダークマスターズ》・・!

まだだ。まだ引いて来るな。 ここからが本当の勝負だ。


Beckyにターンが渡り、ドロー。
その手札をゆっくりと握り込んだまま、《S級不死 デッドゾーン》で再度アタックする。
無論《獣軍隊 ヤドック》でブロック。


まだ横には並んでない。チャンスはある!

《S級不死 デッドゾーン》が重い。≪デーモン・ハンド≫が欲しい・・・!


Plus aのターン。ドローして手札を見つめ、《霞み妖精ジャスミン》を召喚し、ターンエンド。


委ねろ、このドローに、デッキに・・・自分の全てを!!

引くな・・・・! まだ終わらせやしない・・・・!!


拮抗する二人。無限に続くように思われた応酬だったが、その終わりはほんの一瞬だ。

そしてその勝負を決めたのも、“自分のデッキを信じ委ねた者”だった。

返しのドロー。
Beckyはついに《悪魔龍 ダークマスターズ》に辿り着く!!

Plus aの手札から《威牙の幻ハンゾウ》を抜き去り、満を持しての禁断爆発。

封印されるブロッカー達。
もう行く手を遮るものは何もない。

そのまま《S級不死 デッドゾーン》による最後の一撃をもって、Beckyが日本一決定戦への切符を掴んでみせた。


Becky 2-0 Plus a


「これで辞めてもいいと思えるような試合をしたい」

筆者が日本一への意気込みを聞いたら、はっきりとそう返ってきた。

「日本一決定戦に出るのが夢です」と語っていた夢が現実になったのだ。悔いを残したくないと思うのは当然の事だろう。

それは、共に戦った仲間や、相対した者達に託された想いにきっちり応えて見せた彼ならばこそ、全国の舞台でも素晴らしい勝負を繰り広げてくれるだろうと思えるもので。

「頑張らない程度に頑張ります」

座右の銘で締めくくった彼の表情は、そこまでの固い表情から一変、今日一番の笑顔に変わっていた。
WINNER:Becky

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