DMGP2022 Day1 決勝Round 2:◆ドラ焼き vs. のすけ/浅果P
ライター:伊藤 敦(まつがん)
撮影者:瀬尾 亜沙子
1回戦開始時点で3657名いた参加者も、気づけば64名にまで絞られた。ということは、彼らはあとたったの3連勝するだけでトップ8にまで上り詰めることができるポジションについたということになる。
3連勝と聞くと、たとえば店舗大会と同じくらいの難易度と思われるかもしれない……だが決勝トーナメントを勝ち上がるということは、毎ラウンドの対戦相手もひたすら、同じく決勝トーナメントまで勝ち残り、さらに同じだけ勝ち上がった強者であり続けるということを意味する。ゆえに一戦一戦の労力と一勝の価値は、比較にならないくらい重い。
それを証するかのように、このトップ32進出をかけたラウンドにおいて、全国クラスのプレイヤー同士のビッグマッチが実現した。
DMPランキング上位枠で出場した全国大会2019で4位に入賞した実績を持つ、2019年度DMPランキング1位の「DMロボット」◆ドラ焼きが、同じくDMPランキング上位枠で出場した経験を持つのすけ/浅果Pと激突したのだ。

競技レベルの最高峰にいることは間違いないであろう、それぞれ関西と関東を代表すると言っても過言ではないほどの強豪同士の対決。勝ってトップ8進出に望みをつなぐのは、はたしてどちらか。
Game
先攻は予選順位の差でのすけ/浅果P。◆ドラ焼きの側が《滅亡の起源 零無》を設置していることで、手札6枚からスタートとなる。《切札勝太&カツキング ー熱血の物語ー》《流星のガイアッシュ・カイザー》とチャージしてターンを終えたのすけ/浅果Pに対し、初動で先んじたのは◆ドラ焼き。《龍月 ドラグ・スザーク / 龍・獄・殺》《知識の破壊者デストルツィオーネ》チャージからの《戦略のD・H アツト》で、《暗黒鎧 ザロスト》と《闇参謀グラン・ギニョール》を墓地に送り込んだのだ。


はたして後攻3ターン目が回ってきた◆ドラ焼きは、まずはターン開始時に《暗黒鎧 ザロスト》を蘇生して「復活の儀」を達成させると、さらにドロー後に《罪無 ターボ兆》チャージから《闇参謀グラン・ギニョール》を「ムゲンクライム2」して能力で墓地を肥やしながら《「大蛇」の鬼 ジャドク丸》を回収する。
そして◆ドラ焼きはそのカードを宣言する……そう。

《知識の破壊者デストルツィオーネ》が降臨し、のすけ/浅果Pの4枚の手札をすべて叩き落す。さらに「破壊の儀」の達成で唱えたばかりの《闇王ゼーロ》を回収しつつ、《罪無 ターボ兆》を「ムゲンクライム」で蘇生しターンエンドしてのすけ/浅果Pの手札がないことによる「手札の儀」の達成で《オーマ 丙-二式》をGR召喚する。
のすけ/浅果P「残ってるのが『墓地の儀』だけですよね?」
◆ドラ焼き「はい」
のすけ/浅果P「手札2枚?」
◆ドラ焼き「2枚です」
これにより◆ドラ焼きは事実上ほぼいつでも「零龍卍誕」できる権利を手に入れたことになる。手札も枯らされてしまったのすけ/浅果Pに、ここからの逆転は不可能に思われた。

のすけ/浅果P「1体出しとブーストで」
マナから出したのは《切札勝太&カツキング ー熱血の物語ー》。効果で見た5枚から《切札勝太&カツキング ー熱血の物語ー》を回収し、《知識の破壊者デストルツィオーネ》を手札に戻してあえて攻撃せずにターンエンド。
返す◆ドラ焼きはターン開始時に《暗黒鎧 ザロスト》2体の蘇生を考える。シールドを減らすことは直接的な負け筋につながりかねない……だがここは攻め時と判断したか、結局2体とも蘇生して残るシールドを2枚とすると、《新世界王の破壊》チャージから《闇参謀グラン・ギニョール》を墓地から「ムゲンクライム」する。
そして、ここで2枚削り効果で落ちて回収したのは《鬼ヶ邪王 ジャオウガ・ゼロ》!のすけ/浅果Pもこれにはキツそうに首を傾ける。
さらにもう1体の《闇参謀グラン・ギニョール》も「ムゲンクライム」し、2枚削りで《暗黒鎧 ザロスト》を回収しながら「墓地の儀」を達成させ、「零龍卍誕」!

そして、ここまでやっておきながら《鬼ヶ邪王 ジャオウガ・ゼロ》を抱えたままターンエンド。迂闊に攻めないことはもちろん、《鬼ヶ邪王 ジャオウガ・ゼロ》を除去されただけで敗着になりうる盤面も作らない。

それでも、返すのすけ/浅果Pも《メンデルスゾーン》チャージから《切札勝太&カツキング ー熱血の物語ー》を召喚、《蒼き団長 ドギラゴン剣》を回収して食い下がる。ブロッカーが多すぎてダイレクトアタックまではとても届きそうにないが、それでも手札に戻す効果で《ヘルエグリゴリ-零式》を除去しつつ、《闇参謀グラン・ギニョール》へのマッハファイター攻撃時に「革命チェンジ」しつつ、「ファイナル革命」で《切札勝太&カツキング ー熱血の物語ー》を出し直す。
そして、ここで5枚の中から回収したのが殿堂カード、《光牙忍ハヤブサマル》!

そしてこれ以上ターンを回すのは危険と判断した◆ドラ焼きは、意を決して《鬼ヶ邪王 ジャオウガ・ゼロ》をG・ゼロで召喚し、最後の攻勢に打って出る。
《零龍》のワールドブレイクは《光牙忍ハヤブサマル》でキャッチされるが、続けて《鬼ヶ邪王 ジャオウガ・ゼロ》で攻撃。公開領域と山札の枚数的に採用されているとしたなら攻撃時能力で50%以上くらいではめくれそうだった《鬼ヶ邪王 ジャオウガ・ゼロ》の2枚目もめくれず(実際には2枚目が入っていないだけなのだが)、のすけ/浅果Pの表情がにわかに活気づくが、それでもなお十分すぎるほどの打点が◆ドラ焼きのバトルゾーンには揃っている。

《切札勝太&カツキング ー熱血の物語ー》がトリガーし、《凶鬼000号 ゼロヴォイド》は退場するも、なおも残る《トムライ 丙-三式》が最後のシールドをブレイクすると、《闇参謀グラン・ギニョール》がダイレクトアタックを決めたのだった。
Winner: ◆ドラ焼き
のすけ/浅果P「3ターン目《闇王ゼーロ》はさすがに強いね。悔しい……《光牙忍ハヤブサマル》回収したとき、あるあるある!と思ったのに」
最高峰の戦いでは、どれだけ洗練されたデッキでも、どれだけ完璧にプレイしても、お互いが1%以下の微差をしっかりと拾い合う以上、最後は勝敗を運の領域に委ねざるをえない。のすけ/浅果Pが3ターン目に《》を引けていたなら、あるいは結果は違っていたかもしれない……が、それでも、今回上回ったのは◆ドラ焼きだった。それが事実であり、それだけが結果だ。
のすけ/浅果P「頑張って」
◆ドラ焼き「頑張ります」
だが、自分がここまでだというのなら、せめて自分を破った好敵手に思いを託す……のすけ/浅果Pはどこまでも、敗者として立派だった。それだけは、最後に記しておきたい。
(ちなみにこれは完全なる余談なのだが、聞くところによるとクイックインタビューで◆ドラ焼きは「まつがんさんにカバレージを書かれると負ける」と答えていたらしいのだが、確かに超CSⅡと全国大会2019の過去2回ではそうだったけれども、そのジンクスも今回しっかりと打ち破られ、いずれにせよ◆ドラ焼きの勝敗に私の存在の有無が当然ながら1ミリたりとも関わっていないこともついでに記しておきたい)
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