デュエル・マスターズ

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DMGP2022 Day1 準々決勝:ゆうvs. DAIDORA

ライター:塚本 樹詩
撮影者:後長 京介

 6月に行われた2019年度全国大会 日本一決定戦ぶりとなったアドバンス環境。直前に新ブロックの1弾であるゴッド・オブ・アビス第1弾「伝説の邪神」も発売され、メタゲームは混戦を極めることとなった。TOP8の分布だけを見ても進出したアーキタイプは実に6種類と、このフォーマットがいかに多様性に富んでいるのがわかる結果となった。

 アーキタイプ同士の生き残りをかけた戦い。
 マスタークラスの至高のプレイング。

 この二つの要素が相乗効果となった試合の熱をお届けしよう。

Game1

先攻:DAIDORA
 DAIDORAは《滅亡の起源 零無》と4つの儀を初期配置しているので、ゆうが手札1枚多い状態となり、予選トーナメント順位によりDAIDORAが先攻でデュエマ・スタート。

 DAIDORAが《聖魔連結王 ドルファディロム》《天命龍装 ホーリーエンド / ナウ・オア・ネバー》とマナチャージしてみせると、後攻のゆうは《水上第九院 シャコガイル》《グレート・グラスパー》とマナチャージをしてから《地龍神の魔陣》を使う。

 上から3枚の内、マナに置かれたのは《エンペラー・キリコ》。ゆうは早くも2ターン目に自分のコンセプトを示す、濃厚な3枚をマナに置く。

 DAIDORAは《灰燼と天門の儀式》をチャージ、コンボデッキ相手となったが、このターンもタップインの処理に充てる。

 おそらく【グラスパーループ】デッキを使っているであろうゆうの準備が整うまでに、DAIDORAはどう対応するかといったゲーム展開が見えてくる中、ゆうは《魔王の傲慢》チャージから《天災 デドダム》召喚で更にコンボの準備を進める。

 上から3枚の内、マナゾーンに置かれたのは《グレート・グラスパー》。そして墓地には《天災 デドダム》。続けて更に《地龍神の魔陣》を使い、上から3枚の内《フェアリー・Re:ライフ》をマナに置き、一気にマナを増やす。ゆうのデッキはマナゾーンに特定のコンボパーツを埋めることがコンボ始動の条件となっているので、3ターン目までの展開としては申し分ないといった感じだろう。

 相手の動きがいいので、そろそろアクションを起こしたいDAIDORAだが、ここでも《悪魔龍 ダークマスターズ》のチャージのみでターンエンド。

 チャージ・ゴーを繰り返すDAIDORAを尻目にゆうは返しのターンになると《スクリプト》をチャージしてから《終末王秘伝オリジナルフィナーレ》を使って更にリソースを増やす。《魔王の傲慢》《フェアリー・Re:ライフ》とマナに置かれると、ゆうのマナはあっという間に9マナとなる。

 残った4マナで《バイケンの海幻》を設置し、エンド時の効果で1枚引き《絶望と反魂と滅殺の決断》を捨てると、もういよいよDAIDORA側に猶予がなさそうな雰囲気となってくる。

 《ヴィオラの黒像》をチャージしたDAIDORAはこの試合初めてのアクションをついに起こす。

 《》から《龍風混成 ザーディクリカ》を呼び出し、EXライフを犠牲にしてバトルゾーンに定着させると、EXライフとしてシールドから墓地に置かれのは《“魔神轟怒”万軍投》!アドバンス環境を象徴するGRゾーンを参照するカードの露呈により、DAIDORAのデッキの正体も浮き彫りになってきた。

 《龍風混成 ザーディクリカ》の効果で墓地から《》を使うと、手札から出てきた《悪魔龍 ダークマスターズ》がゆうの抱え込んでいた手札を全て捨てる!

 《バイケンの海幻》《終末王秘伝オリジナルフィナーレ》《絶望と反魂と滅殺の決断》と一気に3枚のカードを奪い、手札を空にしたDAIDORAはターンエンドに《手札の儀》を使ってGR召喚。《続召の意志 マーチス》が2体出た後で《サザン・エー》が出たので、効果を使い破壊して2ドロー。一気にリソースの面で圧倒する。

 ビックアクションを喰らってしまったゆう。トップデッキは《連鎖類超連鎖目 チェインレックス》だったので、これをチャージした後で墓地に2枚ある内の1枚の《絶望と反魂と滅殺の決断》を使うと、手札破壊と復活のモードを宣言。DAIDORAが先ほど《》の効果で戻した《悪魔龍 ダークマスターズ》を捨てた後で墓地からは《天災 デドダム》が蘇る。

 上から3枚の内《地龍神の魔陣》をマナへ、《天災 デドダム》を墓地に置くと、続けざまに墓地から《絶望と反魂と滅殺の決断》を使う。今度は手札破壊のモードを2回宣言し《龍風混成 ザーディクリカ》《》のセットが捨てられDAIDORAも一気に1枚まで枯渇してしまう。

 《龍風混成 ザーディクリカ》をチャージすると、DAIDORAは速やかにターンエンドを宣言。再びゆうの行動にゲーム展開が委ねられる。

 ゆうは自分のターンになると前のターンに《天災 デドダム》で引き込んでいた《連鎖類超連鎖目 チェインレックス》を召喚。マナゾーンから《グレート・グラスパー》をNEO進化で《連鎖類超連鎖目 チェインレックス》の上に乗せると、DAIDORAの《龍風混成 ザーディクリカ》をマナゾーンに押しやりターンエンド。

 一進一退となったゲーム展開を象徴するかの如く、DAIDORAのトップデッキは《龍風混成 ザーディクリカ》!墓地から《“魔神轟怒”万軍投》を使うと3回のGR召喚で超GRから飛び出したのは《天啓 CX-20》と2体の《カット 丙-二式》だったので、一気に3枚ドローした後に2体の《カット 丙-二式》を破壊して、ゆうの最後の手札であった《終末王秘伝オリジナルフィナーレ》を捨てさせる。

 こうして2体の《カット 丙-二式》が破壊されたので《龍風混成 ザーディクリカ》はターン終了時の効果でゆうの《天災 デドダム》を破壊して1ドロー。《破壊の儀》も達成させると墓地の《悪魔龍 ダークマスターズ》を手札に戻し、またしてもリソースの面で圧倒する。

 シーソーゲームとなったゲーム展開の末に、ゆうのトップデッキは《終末王秘伝オリジナルフィナーレ》!すぐさまこれを使うと、山札の上から最後のピースとなる《蒼狼の王妃 イザナミテラス》を遂に引き当てる!

 《蒼狼の王妃 イザナミテラス》がマナゾーンから2体目の《グレート・グラスパー》を自身の上にNEO進化させると《グレート・グラスパー》の攻撃時効果が2回誘発する状態が作られる。

 こうしてマナゾーンから《水上第九院 シャコガイル》《スクリプト》が呼び出されると、《スクリプト》の効果により攻撃中の《グレート・グラスパー》が手札に戻り《蒼狼の王妃 イザナミテラス》が手札から出る。

 これにより《蒼狼の王妃 イザナミテラス》がマナ加速しながら《グレート・グラスパー》へとNEO進化できるようなるので、相手のシールドをブレイクすることなく、山札を好きな枚数マナへ送れる状態になったので、後は《水上第九院 シャコガイル》でEXウインするだけとなり、まずはゆうの勝利。

ゆう 1-0 DAIDORA

Game2

先攻:DAIDORA

 準々決勝からはBO3となるので、前のGameで負けたDAIDORAが再び先攻となる。

 《灰燼と天門の儀式》《禁断竜王 Vol-Val-8》とDAIDORAがチャージすると後攻のゆうは《水上第九院 シャコガイル》《グレート・グラスパー》から《地龍神の魔陣》を使い、3枚の内から1枚を手札に加える。

 前のGameでは序盤の動きが無かったDAIDORAだが、今回はきっちり3ターン目に《闘争類拳嘩目 ステゴロ・カイザー / お清めシャラップ》チャージから《フェアリー・ミラクル》《“魔神轟怒”万軍投》《SSS級天災 デッドダムド》と一気に2枚加速し、今回は順調な滑り出しを見せる。
 後攻3ターン目にゆうも《魔王の傲慢》チャージから《天災 デドダム》を召喚して《連鎖類超連鎖目 チェインレックス》をマナへ《バイケンの海幻》を置きターンエンド。

 こうしてターンが返ってくるとDAIDORAは《悪魔龍 ダークマスターズ》チャージからデッキのキーカードである《“魔神轟怒”万軍投》を使う。コスト軽減で《龍風混成 ザーディクリカ》を捨てた後で3回GR召喚。《続召の意志 マーチス》《サザン・エー》《カット 丙-二式》が超GRから飛び出す!まずは《続召の意志 マーチス》が後続の《続召の意志 マーチス》を呼び出すと、続いて《クリスマⅢ》が追加される。

 《サザン・エー》を効果で破壊して2ドローの後に《カット 丙-二式》も効果で破壊、ゆうが公開した手札は、

 《連鎖類超連鎖目 チェインレックス》
 《水上第九院 シャコガイル》
 《絶望と反魂と滅殺の決断》
 《絶望と反魂と滅殺の決断》
 《グレート・グラスパー》
 《フェアリー・Re:ライフ》

 となったので、その中から《フェアリー・Re:ライフ》を捨てさせた後で《クリスマⅢ》の効果を使う。《龍風混成 ザーディクリカ》が山札の上からマナに追加された後で、マナから回収するのは2枚目の《“魔神轟怒”万軍投》!コスト軽減用に《》を捨ててから再び3回のGR召喚を行う!

 今度は《カット 丙-二式》《回収 TE-10》《天啓 CX-20》の3体が出ると、まずは《天啓 CX-20》で3ドロー。《カット 丙-二式》は先ほどの手札から《水上第九院 シャコガイル》を選んで墓地へ。残った《回収 TE-10》《“魔神轟怒”万軍投》を墓地から回収すると《破壊の儀》を達成させターンエンド。一気にリソースを伸ばした形となる。

 ターンが返ってくるとゆうはトップデッキした《エンペラー・キリコ》をマナに埋めてから《絶望と反魂と滅殺の決断》を使い、手札破壊のモードを2回選択する。DAIDORAは《》《闘争類拳嘩目 ステゴロ・カイザー / お清めシャラップ》を捨てるが、先ほどのターンのビックアクションのおかげで手札はまだまだある状態だ。

 再び活発に動き出しそうなDAIDORA、まずは《界王類邪龍目 ザ=デッドブラッキオ》をチャージした後に、前のターンに回収した《“魔神轟怒”万軍投》を使う。《龍風混成 ザーディクリカ》を捨てて2マナ軽減してから3回のGR召喚で《天啓 CX-20》《回収 TE-10》《クリスマⅢ》が盤面に追加される。

 《天啓 CX-20》で3ドローの後に《クリスマⅢ》の効果を使い破壊すると、マナに《悪魔龍 ダークマスターズ》が追加され回収は無し。残った《回収 TE-10》《“魔神轟怒”万軍投》を墓地から回収しすぐさま使う。コスト軽減用に《界王類邪龍目 ザ=デッドブラッキオ》を捨ててから、またしても3回のGR召喚。

 ここまで《“魔神轟怒”万軍投》を連打していると、超GRの内容も一周をしているので後は《サザン・エー》《カット 丙-二式》《クリスマⅢ》を循環させるだけとなった状態で《サザン・エー》2体と《カット 丙-二式》1体が追加される。

 《カット 丙-二式》でゆうの手札から《連鎖類超連鎖目 チェインレックス》を墓地に落として《サザン・エー》2体で一気に4ドローすると、爆発的に増えた手札から再び《“魔神轟怒”万軍投》!!

 ここではコスト軽減用に《ドンドン火噴くナウ》を捨ててから2体の《クリスマⅢ》《カット 丙-二式》をGR召喚。まずは《カット 丙-二式》がゆうの《グレート・グラスパー》を捨てると沢山あったはずの手札は《絶望と反魂と滅殺の決断》1枚だけどなってしまう。

 残った2体の《クリスマⅢ》《闘争類拳嘩目 ステゴロ・カイザー / お清めシャラップ》《ドンドン火噴くナウ》と山札の上からマナへ置かれ、詰めにかかるべくDAIDORAはマナから《禁断竜王 Vol-Val-8》を回収してターンエンド!

 絶体絶命となったゆう、実質ラストターンとなってしまうのか?と山札の上のカードを見ると、底に眠っていたのは《バイケンの海幻》。劇的なトップデッキとならなかったので、いよいよDAIDORAがGameを終わらすべく動く。

 《ドンドン火噴くナウ》チャージ後に満を持して、フィニッシャーである《禁断竜王 Vol-Val-8》が登場。EXライフでシールドを追加してから攻撃すると、まずは攻撃時の能力で山札の上から5枚の内1枚を手札に加えてゆうの《天災 デドダム》と自軍のGRクリーチャーたちを全て破壊。

 ここでのT・ブレイクによってのトリガーは無くDAIDORAがEXターンを得る。そして、次のターンになると、勝負を決すべくDAIDORAが召喚したのは《聖魔連結王 ドルファディロム》!!

 EXライフが追加された後で《聖魔連結王 ドルファディロム》が攻撃し残った2枚のシールドをブレイクして《禁断竜王 Vol-Val-8》がダイレクト・アタック!

 ゆうは最後の抵抗に、なんとか《バイケンの海幻》の効果を使い手札から《天災 デドダム》を召喚し、これをキャッチ。

 こうして何とか命を繋いだゆうは、自分のターンに入るとまずは《地龍神の魔陣》でマナゾーンに《地龍神の魔陣》を追加した後に《蒼狼の王妃 イザナミテラス》を召喚!とはいえ、マナゾーンには《グレート・グラスパー》が1枚しかなくループコンボをするためにはまだまだパーツが足りない。

 しかし、こんな状況を一気に解決できる殿堂カードが《蒼狼の王妃 イザナミテラス》の上に進化した。  そう《エンペラー・キリコ》だ。

 一時代を築いた伝説のクリーチャーはバトルゾーンに《天災 デドダム》《蒼狼の王妃 イザナミテラス》と待望であった2体目の《グレート・グラスパー》を追加!

 更に《天災 デドダム》が効果によりマナゾーンに置いたのは《スクリプト》!!

 たった1プレイでゆうのバトルゾーンにはNEO進化した2体の《グレート・グラスパー》そしてマナゾーンには《水上第九院 シャコガイル》《スクリプト》が揃うと、もうこれはGame1の再現となり、ゆうはループを証明し《水上第九院 シャコガイル》で勝利をもぎ取った。


ゆう 2-0 DAIDORA

Winner:ゆう

 令和という時代に伝説の再現を見た。

 現代デュエマのカードパワーたちを従え、当時以上の強さを得た皇帝はアドバンス環境という高水準のデュエルマスターズをも圧倒し、ゆうに勝利を齎した。

 この試合だけを切り取って見れば、もちろんそんなヒロイックな演出が目立ってしまうが、ゆうはメタゲームを予想してこのデッキを選んだという。使い込んだアーキタイプというわけではない【グラスパーループ】をマスタークラスの練度で使いこなしたゆうの強さが伝説を伝説たるものとしたのだ。

 こうしてTOP4へと登りつめたゆう、優勝まで残り2勝。

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