DMGP2022 Day2 決勝Round 4:天災 vs. サノル
ライター:河野 真成
撮影者:瀬尾 亜沙子
ここまで勝ち上ってきた両者は既に偉業を成していると言えるが、ここまで来たら何としてももう一つ勝ちたい理由はある。
GPベスト8に授与される栄誉は、それだけのものがある。GPプロモカード《SSS級天災 デッドダムド》に加えて、年度末の特別大会「下期チャンピオンカーニバル(仮)」への招待枠も用意されている。
栄誉を授かる一歩手前、そこにやってきたのは随分遠いところから来た二人のプレイヤーだった。
天災は山形、サノルは宮崎のプレイヤーである。
天災「お互い初動引きたいですね」
サノル「そうですね……」
互いに長い試合をしてきたということもあり互いにデッキはわかっている。サノルは【5cザーディクリカ】、そして天災は【巨大天門】という少し変わったデッキを使っていた。
その理由について、天災は次のように説明してくれた。
天災「殿堂もありましたけど、《巨大設計図》が凄いって話になって。《星門の精霊アケルナル / スターゲイズ・ゲート》+《闘門の精霊ウェルキウス》の押し付けも強いと思っています。今回二人で使ってもう一人は負けてしまいましたが、自分は勝っていますね」
《巨大設計図》によって手札を集めながら呪文を起点に展開していくというわけだ。ひとつ前の対戦では、《神聖龍 エモーショナル・ハードコア》を複数体並べて封殺している。
しかし、サノルのデッキにはその展開を阻止するカードが入っている。ご存じ、《ロスト・Re:ソウル》である。手札を溜めるデッキは、当然このカードに弱い。
互いにビッグアクションが出来るのは5マナ。いかに素早くここに辿り着くかが鍵だろう。
だからこそ、初動が大事という話になったというわけだ。
山形と宮崎の、両県を挟む距離は約1,345km。
それをいま、プレイマット越しまで縮めて勝負が始まった。
先攻:天災
先攻の天災は《砕慄接続 グレイトフル・ベン》をマナチャージして終了。対してサノルは《ドンドン火噴くナウ》をチャージする。
2ターン目、天災はトップを確認すると大きく息を吐いた。やがて《巨大設計図》を埋めてからの《巨大設計図》をプレイする。
しかし手札に入ったのは2枚と、やや期待よりは少ないものだった。
サノルは《覚醒連結 XXDDZ》をチャージして終了したが、
《巨大設計図》をチャージして《闘争類拳嘩目 ステゴロ・カイザー / お清めシャラップ》の呪文側を唱える。
こうなると5マナの≪スターゲイズ・ゲート≫からの展開をしたいという手札だろう。
《天災 デドダム》をプレイ。
天災は5マナから≪スターゲイズ・ゲート≫で《闘門の精霊ウェルキウス》をプレイし、そのまま《∞龍 ゲンムエンペラー》を繰り出す。 こうなると《ドラゴンズ・サイン》も《ドンドン火噴くナウ》も、《切札勝太&カツキング ー熱血の物語ー》も、《天災 デドダム》さえも機能しない。
ここは《龍風混成 ザーディクリカ》をチャージしてターンを終える。
天災は既に決めていたプランとばかりに、《∞龍 ゲンムエンペラー》をワールド・ブレイクに向かわせる。
ここで《ロスト・Re:ソウル》と《灰燼と天門の儀式》を見せると、効果で《切札勝太&カツキング ー熱血の物語ー》を蘇生。効果は消えているが、このターンを耐え凌いだ。
しかし《∞龍 ゲンムエンペラー》が場にいる以上、《ドラゴンズ・サイン》や《切札勝太&カツキング ー熱血の物語ー》といったカードは意味をなさない。《龍風混成 ザーディクリカ》も呪文を展開出来ない以上、依然としてサノルは厳しい状況のように思うが……。 しかしサノルはよしと声を挙げ、逆襲を開始する。
返しのターン、6マナでプレイしたのはなんと必殺の《大地門ライフ・ゲート》!
そう、《∞龍 ゲンムエンペラー》に掛からない貴重な除去呪文だ。
その効果で《龍風混成 ザーディクリカ》が呼び出され、そして効果で《ドラゴンズ・サイン》、《覚醒連結 XXDDZ》も連鎖すると、逆に今度はサノルが呪文を封じながら《時の法皇 ミラダンテⅫ》で攻撃を開始する。
主導権を奪ったときの5cは最強のデッキだ。
ターンは返ってきた天災だったが、これにはどうすることも出来ない。
サノルは再び《覚醒連結 XXDDZ》を出し、そして勝負は決したのだった。
WINNER:サノル
勝因となったのは、間違いなく《大地門ライフ・ゲート》だろう。
最近の5cでは採用されないケースが目立ったが、どういった理由で採用したのだろうか。
サノル「このリスト自体は友達からもらっているので自分が考えついたわけではないですけど、その友達曰くライフ・ゲートは『色々使えるから入れとけ』と」
その友人が果たしてゲンムを意識していたかというと、それはかなり怪しい話ではある。
だが一つ確かなのは、サノルはいい友人を持った、ということだろうか。
友人のデッキとともに、サノルは準々決勝へと進んでいく。
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