DMGP2023-1st Day1(アドバンス) 3位決定戦:フンババ♪ vs. シュガーフラワー
ライター:秋山 大空
撮影者:後長 京介
それは超次元ゾーンや超GRゾーン、ゲーム開始時に置くカード等の、デュエマの歴史の中で生まれたギミックのほぼ全てが解禁されるフォーマット。
40枚のデッキの外から飛んでくるカード達が様々なデッキの出力を引き上げるため、大会で見るデッキタイプの多さはオリジナルを凌ぐ勢いだ。
それでも依然として環境の中心は間違いなく『サガループ』だろう。しかし、対策さえしっかりと行えば、デッキ選択にある程度融通が利くのではないか?
全員が『サガループ』を使ってくれるならむしろ楽だろうが、そうはいかないのがカードゲームの常。
デッキ選択とは大会出場の一歩であり、その理由には各々が出した結論がある。
席に着いたフンババ♪とシュガーフラワーにデッキ選択の理由を聞いた時、二人は同じ答えを出した。
「好きなデッキを使いました」
今日一日、好きなデッキで戦い抜いたフンババ♪とシュガーフラワー。
3位決定戦と言う終点で、二人はどんな戦いを見せてくれるのだろうか。
Game 1
先攻:シュガーフラワー フンババ♪は《DG-パルテノン ~龍の創り出される地~》からのスタートし、3ターン目の《フォーチュン・ドンキッキー》が2ヒット。一方シュガーフラワーの初動は《天災 デドダム》。
続いて《ドラゴンズ・サイン》から《龍風混成 ザーディクリカ》。効果で《フェアリー・ミラクル》を唱え増えたマナで《とこしえの超人》を召喚。
フンババ♪も《サイバー・ブレイン》で更に手札を増やすが、すかさずシュガーフラワーの《ロスト・Re:ソウル》が炸裂する。
『光水』は豊富な手札による長期戦が本領である。当然《ロスト・Re:ソウル》で手札が0になってしまうと、立て直すのは難しい。
2ターン続けてドローのみでターンを終えるフンババ♪に対し、シュガーフラワーは着々と勝利への準備を進める。
《聖魔連結王 ドルファディロム》、ターンを跨ぎ《最終龍覇 グレンモルト》。打点は十分に揃っていると見たシュガーフラワーはここで仕掛ける。
《銀河大剣 ガイハート》を装備し、《最終龍覇 グレンモルト》でWブレイク。フンババ♪は少し考えるが、トリガーは無し。
続けて《聖魔連結王 ドルファディロム》でTブレイク。 …が、シールド・トリガー《スロットンの心絵》。
効果で《「正義星帝」 <ライオネル.Star>》、更に《「正義星帝」 <ライオネル.Star>》の効果で《ジョーカーズの心絵》をバトルゾーンへ。
シュガーフラワー「考えます」
フンババ♪「こちらもちょっと考えます」
シュガーフラワーが指定したのは《最終龍覇 グレンモルト》。フンババ♪が指定したのは《ジョーカーズの心絵》。
フンババ♪は自身の《「正義星帝」 <ライオネル.Star>》を山札に戻し、場にタマシードを確保しつつシールドを追加。
しかし、《聖魔連結王 ドルファディロム》と《龍風混成 ザーディクリカ》はEXライフを消費し生き残り、《銀河大剣 ガイハート》が龍解する。
更に《龍風混成 ザーディクリカ》の攻撃時に《轟く覚醒 レッドゾーン・バスター》がP侵略し、増えたシールドをブレイク。
最後のシールド《サイバー・ブレイン》も《聖魔連結王 ドルファディロム》で封じられ、≪熱血星龍 ガイギンガ≫がダイレクトアタックを決めた。
フンババ♪ 0-1 シュガーフラワー
試合後、フンババ♪は言った。
「5c相手は無理ですね。1割取れるかどうかくらいの意識です」
しかし、これは全国への切符を賭けた対戦。1割しか取れないとわかっていても、やらねばならない時がある。
Game 2
先攻:フンババ♪ フンババ♪は《DG-パルテノン ~龍の創り出される地~》、シュガーフラワーは《天災 デドダム》での3ターンスタート。更に4ターン目に《サイバー・ブレイン》。シュガーフラワーも《ドラゴンズ・サイン》から《龍風混成 ザーディクリカ》。
ゲーム展開は1戦目と同じ。大きく違うのは、効果で唱えた呪文。
唱えた《ドラゴンズ・サイン》から、《始まりの龍装具 ビギニング・スタート》を装備しつつ《最終龍覇 グレンモルト》が着地する。
フンババ♪も《スロットンの心絵》で《「正義星帝」 <ライオネル.Star>》を着地させるが、シュガーフラワーのターン開始時に装備させた《覇闘将龍剣 ガイオウバーン》で破壊された。
続けて《天災 デドダム》によってフルパワーになった《ブレイン・スラッシュ》で、手札から《龍風混成 ザーディクリカ》を捨て蘇生。
更に《ブレイン・スラッシュ》を唱え墓地から2体目の《最終龍覇 グレンモルト》を追加。
《邪帝斧 ボアロアックス》を装備し、≪邪帝遺跡 ボアロパゴス≫に龍解。続いて《始まりの龍装具 ビギニング・スタート》も龍解。
再び召喚された《「正義星帝」 <ライオネル.Star>》から出た《ジョーカーズの心絵》も、シュガーフラワーが築いた盤面には効果が薄い。
《最終龍覇 グレンモルト》2体は《覇闘将龍剣 ガイオウバーン》と《始まりの龍装具 ビギニング・スタート》を、《龍風混成 ザーディクリカ》2体はEXライフを身代わりに生き残る。
ここまで来たら、あとは《最終龍覇 グレンモルト》の独壇場。
《DG-パルテノン ~龍の創り出される地~》がある以上1ターンでの大量展開は出来ないが、構うことはない。フンババ♪の攻撃を捌き、《ロスト・Re:ソウル》で手札を削り、クリーチャーを並べる。
そうしていれば、《最終龍覇 グレンモルト》がドラグハートをバトルゾーンに供給し続ける。 数ターンが経過し、シュガーフラワーのバトルゾーンには《最終龍覇 グレンモルト》と《龍風混成 ザーディクリカ》が2体ずつと、≪我臥牙 ヴェロキボアロス≫、≪古代王 ザウルピオ≫、≪破滅の悪魔龍 ディアジゴク≫、≪終わりの天魔龍 ファイナル・ジ・エンド≫、《聖魔連結王 ドルファディロム》、《天災 デドダム》、《とこしえの超人》。
除去耐性持ちクリーチャーを交えた圧倒的物量を前に、フンババ♪の5枚と言うシールド枚数はあまりにも心許なかった。
フンババ♪ 0-2 シュガーフラワー
Winner:シュガーフラワー
「《灰燼と天門の儀式》が採用されていたりしますが、その枠にリソース勝負に強い《ブレイン・スラッシュ》を入れたり、好きなデッキを更に好みにチューニングして、ここまで来られたのは誇りです」
と、シュガーフラワー。
「これ、0か100かのデッキです。5cみたいなデッキには1割くらいしか取れない代わりに、殴って来るデッキは全部受けてやろうと思ってました」
と、フンババ♪
好きなデッキを選択する。それは決して楽な道ではない。
勝つ喜びもあれば、割り切らなければならないデッキと当たったり、割り切れない負け方をすることもある。
それでも、人は時に環境トップのデッキではなく、好きなデッキを使う。
心の向くままにデッキを選んだときにしか見られない景色を目指して。
TM and © 2024, Wizards of the Coast, Shogakukan, WHC, ShoPro, TV TOKYO © TOMY