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DMGP2023-1st Day1(アドバンス):テキストカバレージ総括記事

ライター:河野 真成(神結)
撮影者:瀬尾 亜沙子

 2023年3月4日、「最強位決定戦」は大盛況の中で終幕しました。◆ドラ焼き選手の優勝の瞬間をYoutubeで観戦していた人も多かったことでしょう。
 
 次は、自分もあの大舞台に立ってみたい。
 
 こういった想いに駆られたプレイヤーも少なくなかった筈です。

 そんな想いに応えるかのように開催されたのが、DMGP2023-1stになります。
 約半年ぶりの大型大会ということもあって、多くの人たちが待ち望んでいたものだったのではないでしょうか。
 
 というわけで改めまして、4/15・16に開催されましたDMGP2023-1stの振り返りをしていきましょう。
 
 まずはDay1、アドバンスからになります。

アドバンスの魅力

 2020年にオリジナル・アドバンスというフォーマット区分が出来て以降、アドバンスは「サブフォーマット」のような位置付けになっています。
 
 2019年度の全国大会においても、最強位決定戦においても、アドバンスは予選数試合のみで、決勝トーナメントのようなより重要度の高い試合は全てオリジナルで行われています。
 
 実際CSの開催数などを比較してもオリジナルとアドバンスには大きな差が生じているのが実情です。
 
 しかしその分と言っていいのかどうかはわかりませんが、アドバンスにはまだまだ未開拓の部分も多いです。そのため大会シーンに於いては思わず膝を打ちたくなるようなデッキ選択も見られます。
 
 例えば最強位決定戦ではこれまで見掛けることの少なかった【闇火侵略】というデッキが持ち込まれましたし、《“魔神轟怒”万軍投》を使ったデッキが《イデア・パラドックス》によって強化されていた、なんていうのもあの場で初めて知った方も多かったでしょう。

 その上でパラレル侵略などによって戦術の幅も広がっており、オリジナルをプレイしているだけでは気が付けないようなテクニックも飛び出したりします。加えてルールプラスカードである《13番目の計画》の登場によって、そもそも「デッキは40枚」という概念すら揺らぎつつあります。
 
 それはつまり、デッキに自分の個性を反映させやすくもあるわけです。
 
 デッキを作るのが好き、新しいデッキを見るのが好き、みんなと違うデッキ・カードを使うのが好き、相手をあっと言わせるのが好き……こうした望みをより実現させやすいのがアドバンスの魅力と言えるでしょう。

事前メタゲーム予想

 そんな自由度の高いアドバンスではありますが、当然ながらメタゲームは存在していました。特にGPが近付くにつれてアドバンスの大会も増えてきたことで、何が活躍しているのかも大分見えやすくなっていました。
 
 第一候補に挙がるのは、お馴染み《絶望神サガ》を主軸とした【水闇サガ】です。  高速ループの強力さはレギュレーションを選ばず、といったところでしょうか。
 加えてオリジナルに比べてアドバンスはメタカードの種類が限られており、《とこしえの超人》は健在ですが、GR召喚やドラグハートに対応できない《赤い稲妻 テスタ・ロッサ》などは、アドバンスではあまりに見掛けないカードになっています。
 
 しかしそんな【水闇サガ】ですが、アドバンスには明確に苦手とするデッキが存在しています。
 
 それが先にも少し触れた【闇火侵略】になります。  《影速 ザ・トリッパー》《U・S・A・BRELLA》といったカードで動きを止めながら、《覇帝なき侵略 レッドゾーンF》《禁断の轟速 ブラックゾーン》で走っていくというコンセプトなのですが、元々も「対サガ」を意識して構築された経緯もあって、サガにはかなり有利を取れるデッキでした。
 加えて所謂「バイク」は歴史の長いデッキということもあってファン人気も高いです。バイクが好きなので使う、というプレイヤーも多かったことでしょう。
 
 またコントロール寄りのデッキでは【光抜き4c“魔神轟怒”万軍投】も人気のデッキでした。  こちらは強力なGRクリーチャーを駆使してドローやマナ回収、そしてハンデスまで行うことができます。防御はやや手薄ですが、早めに《“魔神轟怒”万軍投》を撃てれば《全能ゼンノー》などでその部分を補うことも可能です。
 
 それ以外の候補となると、人気の高い【5cモルト】や【モルトNEXT】といったデッキは一定の成績を残していました。
 
 そしてGP当日も、これらのデッキを軸に展開されることが予想されていました。

大会結果

 4000人近い参加者が集まり、頂点を決める戦いが始まりました。
 
 アドバンスの魅力でも触れましたが、会場には個性的なデッキも多かったです。


 例えばせいな選手が持ち込んだのは《禁断 ~封印されしX~》入りの【マーシャルデリート】。1ターン先で何が起こるかわからないドキドキ感で、配信卓を大いに盛り上げてくれました。(生配信2:40:00頃~)
 
 そしてまた、上位に勝ち残ったデッキでひと際目を引く――登場時から長らくファンの多いデッキがありました。
 
 その名はモルトNEXT。いや、モルトSAGAと呼ぶべきでしょうか。  このデッキはサガへのメタカードを持たないため、この相性不利は免れないデッキでした。
 しかし《爆炎龍覇 モルトSAGA》が持つ豊富かつ強力なドラグハートによって大抵のデッキを粉砕することが可能で、上記した「自分の個性を反映させやすい」環境において、それらをまとめてなぎ倒すことが出来たのです。


 そして対サガについても、配信卓でるるる選手が披露したように《メンデルスゾーン》から早期に走ってしまえば勝つことは可能で、「絶対に無理」という相性ではなかったのです(生配信2:18:00頃~)。これがモルトSAGAの躍進……サガ vs. SAGAの構図の要因でしょう。


 ただその中で決勝に残ったのは、すずの音選手の【光水火ライオネル.Star】とTJM選手の【水闇サガ】でした。
 共にオリジナルで強力……特にライオネル.Starのデッキについては、メインとなるデッキ構成やギミックの多くがオリジナルで使えるもので、すずの音選手自身が「アドバンスは練習のために使って、本番はオリジナル」と言っていたくらいです。

 しかしメタゲームというのは面白いもので、《「正義星帝」 <鬼羅.Star>》等の展開を咎めてくるような《赤い稲妻 テスタ・ロッサ》はほぼ存在せず、逆に自身の《赤い稲妻 テスタ・ロッサ》はサガやバイク等に対してかなり有力なカードとなります。
 
 こうして結果として上手くメタゲームに適応したすずの音選手が、決勝でも見事にTJM選手のサガを打ち破り、優勝を手にしたのでした。
 
 
 今大会はゲスト解説に現最強位である◆ドラ焼きさんが参加しており、試合後のインタビューなどではかなりハイレベルなやり取りが行われていました。気になる方は、ぜひ生放送のアーカイブをご確認ください。
 
 また各試合のゲーム展開やメタゲームの話などは、他のカバレージにより詳細に記録されているため、そちらをご覧いただければと思います。
 

おわりに

 以上がDay1の振り返りとなります。
 
 オリジナルの振り返りも別途公開されていますので、そちらも併せて楽しんでいただけると幸いです。
 
 次回の大型大会は超CSとなります。ぜひ新潟、そして大阪で会いましょう。

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