DMGP2023-1st Day1(アドバンス)デッキテク:こっちゃーのサイクルスコーラ―
ライター:小林 龍之介
撮影者:後長 京介
4回戦目、上位卓での会話が耳に入ってきた。
「いやー、《「伝説のサイバーパワー!」》とかマナに置いて《T・T・T》を撃たれたんで、天門デッキかと思って早めにブレイクしにいったんですけど予想外でした!」
ここまで3勝0敗と順調に勝ち進んでいるプレイヤー同士の対戦である。そこで相手に予想外と言わせしめるデッキとはなんなのか。
そこに座っていたのは天才ビルダーとして名高いこっちゃー選手だった。
今日使っているのはどんなデッキですか?
こっちゃー「サイクルスコーラーです」
こっちゃー DMGP2023-1st アドバンス構築 |
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①《奇石 トランキー / アイ・オブ・ザ・タイガー》の下面から《龍素記号wD サイクルペディア》を出す。
②《龍素記号wD サイクルペディア》の墓地から唱える効果で≪アイ・オブ・ザ・タイガー≫を唱えて《蒼狼の大王 イザナギテラス》を出す。
③《蒼狼の大王 イザナギテラス》で手札の《♪銀河の裁きに勝てるもの無し》を唱える。
④《♪銀河の裁きに勝てるもの無し》で何か呪文を唱える。
⑤《龍素記号wD サイクルペディア》の手札からの呪文をもう一度唱える効果で《♪銀河の裁きに勝てるもの無し》を唱える。
⑥呪文を5回唱えているので《》をG・ゼロで召喚して追加ターンを得る。
⑦《蒼狼の大王 イザナギテラス》から革命チェンジで《》を出し、呪文を止めながら大量に並んだ打点で殴りきる。
パズルを組み合わせるような美しい動きを実演するこっちゃー選手。
なるほど、これは確かに予想外のデッキだ。 こっちゃー「≪アイ・オブ・ザ・タイガー≫→《龍素記号wD サイクルペディア》→≪アイ・オブ・ザ・タイガー≫→《蒼狼の大王 イザナギテラス》の呪文コピー、で4回呪文撃てるから、あと1回で《》出るじゃん!から構築が始まったんだよね」
呪文カウントは《♪銀河の裁きに勝てるもの無し》のほか、《緊急再誕》《瞬閃と疾駆と双撃の決断》で呪文を撃てるクリーチャーを出したり、《シンクロ・スパイラル》をマナを払わずに唱えたりして稼ぐという。
こっちゃー「序盤は手札を増やして、《龍素記号wD サイクルペディア》を出せたらコンボ始動ってイメージかな。《T・T・T》で手札を整えやすい光水火をベースに闇をタッチしてるよ」
このデッキの強みはサガループ対策のメタカードが効きづらいことだ。
メインギミックが手札からの踏み倒しなので《とこしえの超人》が効かず、《闘争類拳嘩目 ステゴロ・カイザー / お清めシャラップ》のような墓地メタも関係ない。 《DG-パルテノン ~龍の創り出される地~》や《若き大長老 アプル》は2マナ《イデア・パラドックス》や《メッチャ映えタタキ》で除去して、余った3マナでコンボ始動する、といった感じで越えていくのだ。
こっちゃー「メタカードを使ったターンは相手も動きがにぶってるから、自分はドローを進めて準備に充てられるのがこのカラーリングの強みです。相手からするとドローしてるだけだから攻めてくるタイミングが読みづらいし」
ここまでの試合でも、
「相手がデッキを読み切れず《とこしえの超人》《星空に浮かぶニンギョ》を出してきたのを無視して展開して勝ち」
「ネバーループが《ファイナル・ストップ》で無限呪文ロックを仕掛けてきたところに《蒼狼の大王 イザナギテラス》から革命チェンジ≪音卿の精霊龍 ラフルル・ラブ≫で逆に呪文ロックを決めて勝ち」
など変幻自在に相手を翻弄している。 こっちゃー「このデッキ、《T・T・T》の軽減+スピードアタッカー付与効果をめちゃくちゃ上手く使えるんだよね。チェインの最後に《T・T・T》で軽減を選んで《》をG・ゼロすると、そのターンにアタックできたり見た目以上に打点が出る」
すごい。逆に苦手な相手はどういうデッキだろうか。
こっちゃー「苦手なのは高速でビートダウンしてくるデッキ。受けの少なさはネックだなー、今は速攻デッキが減ってるから助かってる。ガチャガチャできて楽しいからおすすめだよ」
もしかしてこのデッキ、オリジナルでも使えるのでは?
こっちゃー「最初はオリジナルで組んでたし、≪蒼き覚醒 ドギラゴンX≫で打点増強ができない分を《時の法皇 ミラダンテⅫ》を入れて補うと良さそう。あ、アドバンスはGRの《ジェイ-SHOCKER》で《終末の時計 ザ・クロック》を止めれるのがおしゃれだよ」
目をキラキラさせてデッキの魅力を伝えてくれたこっちゃー選手。
自分でデッキを作ることの楽しさがひしひしと伝わってきた。これがGPの醍醐味である。
次のGPで会場を沸かせるのはキミのデッキかもしれない。
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