DMGP2023-1st:ジャッジインタビュー:山田 賢吾氏
ライター:金子 幹(鐘子)
撮影者:後長 京介
それが「第9回デュエル・マスターズ認定ジャッジ試験」。
デュエル・マスターズを愛する14歳以上の誰しもが受験資格を持つものの、試験に合格し実際にジャッジとなるには、しっかりとしたデュエル・マスターズの総合ルール・競技ルールに対する知識や、スタッフの一員として働くための心構えを両立していなければならない。
そして何を隠そう、この第9回試験に受かったジャッジの初の公式大型イベントが今回のDMGP2023-1stとなるのだ。
今回はその試験に合格し、晴れて第9期の認定ジャッジとして参加されたある1人のジャッジからインタビューをする時間をいただけた。
インタビュー:第9期認定ジャッジ 山田 賢吾氏(アドバンテージ)
--「はじめまして。この度はお忙しい中お時間いただきありがとうございます。」山田「よろしくお願いします。……と、もしよければでいいんですが、こちらのインタビューしてる風景って録画しても大丈夫ですか?後日『DMGPにジャッジとして参加してみた』といった趣旨の動画でこの風景を使いたいんですが…」
--「特に運営上問題ないものが写っていなければ大丈夫ですよ」
山田「ありがとうございます!それでは、何から話しましょう…?」
--「そうですね。まずは山田さんは第9回のジャッジ試験を合格して、9期認定ジャッジとなられたわけですが、実際どういった経緯で取ろうとされたんですか?」
山田「元々デュエル・マスターズの総合ルールには興味があって、ジャッジ試験を受けようとは昔から思っていたんですよ。ただ情勢もありましたしね……ここ数年は試験自体をやっていなかったもので、昨年度末にジャッジ試験の再開が発表されて『やっと受けれるんだ』って気持ちでした」
--「確かにGPと同じく約3年ほど認定ジャッジ試験はやっていませんでしたね」
山田「そうなんです。ただ、その間に公式チャンネルのデュエチューブに出演できる機会も頂いたので、ある意味ジャッジ資格を取ることでより多くの人に自分自身を知ってもらうことに繋がると思い、試験にチャレンジしました」
--「自分もよく拝見しています。動画内でも山田さんはそもそもデュエマの知識はかなりもの、とお見受けしますが、実際のところいつくらいから始められたのでしょうか」
山田「ありがとうございます。確か始めたのは…小学生くらいですね。もちろんずっとデュエマ一本でやってたってわけでもないんですが、初めてのデッキは確か絵違いの《幻想妖精カチュア》が入ったデッキ(※1)です」
(※1 2004年発売 DMC-15「幻想の無限龍デッキ」だと思われる)
--「懐かしい!そんなに前からデュエマに触れていたとは驚きです。それでは話を戻しまして、実際にこのグランプリといった場でジャッジとして稼働してみていかがでしたか?」
山田「自分自身、ご存知の通りカードショップアドバンテージの店舗スタッフとして大会の運営などもやってはいるんですが、フロアに立つジャッジとしての仕事の経験はほぼないんですよね。そういった意味でジャッジとして最初から最後まで業務することがそもそも初体験で新鮮でしたね」
--「それは意外です。緊張はされましたか?」
山田「うーん、そこまで緊張はしませんでしたね。事前に試験で総合ルールをみっちり勉強していたこともあり、ルール系の質問が来た時には『おっこの裁定は知ってるぞ』といった風に、初めて無茶苦茶強いデッキを使った時と同じ感覚……とでもいうのかな。とにかく自信を持って答えることができるケースが多かったのはよかったです。それにチームの安心感もあって」
--「確かに。グランプリのジャッジってチームで動く安心感がすごいですよね」
山田「本当にそうです。もし困ったらグループのリーダーや周囲の経験豊富なジャッジに頼ることができるので、皆さんベテランですからとても頼もしかったですね。店舗のCSだと少人数で回すところも、これだけ実力のあるジャッジが一同に会していれば休憩時間も十分にとれますし、お互い少しでも業務が楽になるように仲間に任せられる環境は本当に心強い」
--「そうですよね。自分もジャッジとして稼働する際はチームメンバーに頼る場面も多いので本当に助かっています。…さて、最初の話に戻りますが、初めてジャッジをしてよかったと思うことはありますか」
山田「これは一概に良いことではないのかもしれませんが、ジャッジで対応した時に、『あっヤマダさんだ』といったように、自分の知名度によってプレイヤーの方も安心していただけた場面は何度かありました。もちろんジャッジとして公平な立場で裁定は出しますが、少しでも自分が対応したことで空気が和らいでいただけたなら、それに越したことはないので」 --「確かに。自分もプレイヤーの立場でジャッジコールをして山田さんが来たら、『あのヤマダさん!?』といった感じで安心できそうです。逆にジャッジをしてて辛かったことはありましたか?」
山田「これはやっぱり厳しい判断や裁定を下さないといけない時ですね……特に両者敗北の処理は非常に心苦しい」
--「それはわかります。実際ペナルティを出す場合、うっかりした違反や、お互いが勝負に熱中していて時間切れとなってしまったようなケースがほとんどですよね」
山田「本当にそうです」
--「なるほど。それでは今の話に繋がる部分もありますが、山田さんは自身のSNS上でもルールやマナーの啓蒙に努めてらっしゃるイメージがあります。これもジャッジ活動の一環だったりするのでしょうか」
山田「先ほども言ったようにそもそもルールに興味があったのもあるのですが、プレイヤーとして公式大会の参加時、試合中にトラブルが起きる原因のひとつに『知らないこと』があると思うんですよね」
--「『知らないこと』?」
山田「例えば今回のグランプリからはフロアルールで相互シャッフルが再開されましたよね。それに対して『なぜ相互シャッフルでなければいけないのか』という理屈や意味を知ってるのと知らないのとでは、プレイヤー目線からしてもルールに対する向き合い方や理解度っていうのは大幅に変わると思うんですよね」
--「なるほど。ルールが先立つのではなく、なぜそのルールがあることを考える必要がある、と」
山田「そうです。幸い自分には様々なご縁もあって多くのプレイヤーの方に知られている自覚はありますので、一般プレイヤーの人たちにルールの理念やといった側面を発信することが新人ジャッジである自分でもデュエル・マスターズの競技シーンに貢献できることなのかなと」
山田「ただもちろんデュエマの魅力は競技シーンだけじゃないですよ!最近はデュエパーティーにはかなり注目していて……デュエパーティー用の総合ルールが整備されたこともあって、いつかそちらのジャッジにも挑戦したいですね」
--「山田さんと言えばデュエパーティーのイメージがありますね!動画を見ていると山田さんはデッキからプレイングまで非常に造詣が深いことが伺えます。今後サイドイベントのジャッジに配属された際には実際に行う機会もありそうですね」
山田「動画を見られているのはちょっと恥ずかしいですが…ありがとうございます!」
--「それでは最後になりますが、今後ジャッジを目指す方にメッセージがあればどうぞ!」
山田「えーと。何を言おうかな……あ、持論にはなるんですがジャッジに向いてる人ってどんな人かって言ってもいいですか?」
--「それは気になりますね!」
山田「どんなゲームでもいいんですけど、友達と遊んでいる時に説明書とかルールを隈なく調べる奴っていたと思うんですよ。困ったらこいつに聞けばいい!って感じの。結構どんなコミュニティにもいて、自分自身もそうだったからなんですけど、ジャッジの素質がある人って多分そういう人なのかなと。後は、本当にそういった些細なきっかけ1つでジャッジは目指せると思います!実際にジャッジをしてみて、プレイヤーの時と同じくらいデュエマを楽しめましたし、また他のジャッジの人たちも業務を通してデュエマを楽しんでるのがわかります!ぜひ多くの人に目指してほしいですね…!!」
--「本日はありがとうございました!」
挨拶を終え、現場に戻る山田氏。
ジャッジとして稼働している氏の姿は、まるで新人ジャッジとは思えないほど手馴れた対応だ。
実際に彼だけでなく、共に自身と業務をした9期のジャッジの地力には驚かされるばかりだった。ひとえにデュエマへの熱意と彼らの知識量の賜物だと実感する。
山田氏をはじめとする新たなジャッジの今後の活躍を祈りつつ、この記事を締め括ろう。
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