ライター：塚本 樹詩
撮影：瀬尾 亜沙子

　フィーチャーに呼ばれ緊張している両者。それもその筈で、お互いに初フィーチャーということで、緊張をほぐすように準備中には和やかなトークが広げられていた。

　中でも、猫由に関しては、デッキを組んでから大会に出るはこれが初めてという、驚きの状況だった。

　そんな二人はジャッジのアナウンスをしっかり確認した後で、お互いの予選の順位も併せて確認し、ゴールディが先攻となる。

　ここで勝てば、ついにTOP8！緊張を時間は待ってくれない。

　ガッチリとしたジャッジのコールにより、試合が始まった。 　先攻となったゴールディは2ターン目から《同期の妖精 / ド浮きの動悸》《赤い稲妻 テスタ・ロッサ》と小型クリーチャーを展開していく、マナゾーンにチャージされている《“必駆”蛮触礼亞》を見ると【BAKUONSOOO】ということが伺えるが、コンボがまだ手札に揃っておらず、序盤は準備のターンに費やした。

　後攻の猫由は《Forbidden Sunrise ～禁断の夜明け～》設置からの《絶叫の悪魔龍 イーヴィル・ヒート》を召喚、先に《FORBIDDEN STAR ～世界最後の日～》からパワー1111以下のクリーチャーを1体破壊する面の封印を剥がした後に、自身の能力により、山札の1枚から墓地にカードを送る。

　封印から墓地に落ちた《Forbidden Sunrise ～禁断の夜明け～》に次いで《絶叫の悪魔龍 イーヴィル・ヒート》の能力で墓地に送られたのは《悪夢神バロム・ナイトメア》！！！

　先日のデュエチューブリーグでマイケルが使用したデッキを参考にしたということもあって、デッキはデーモン・コマンドに寄せた構成のようだ。

　山札のボトムが固定されない内にコンボを決めたいゴールディだったが、マナチャージのみでターンを終えてしまう。

　しかし、マナチャージの状況をみるに既に《“必駆”蛮触礼亞》はありそうなので、コンボがそろえばいつでもGRゾーンが火を吹く状態ではある。猫由側としても体制を整えておきたい所だ。
　そして、ここではおあつらえ向きともいえる《セルリアン・アックス・ドラゴン / ダブルアックス・チャージャー》の呪文面を使って、山札の下に悪夢の種を仕込みつつ、ドローを進める。

　そんな猫由に対して、ゴールディはまたしても、何も行動を起こさすターンエンド。

　動きの悪いゴールディとは正反対にマナも手札も充実している猫由は《D２V３ 終断のレッドトロン / フォビドゥン・ハンド》を召喚。《FORBIDDEN STAR ～世界最後の日～》から封印されていた《灰燼と天門の儀式》を剥がした後に《絶叫の悪魔龍 イーヴィル・ヒート》にパワーアタッカー＋2222を付与する。

　《D２V３ 終断のレッドトロン / フォビドゥン・ハンド》は《同期の妖精 / ド浮きの動悸》を選ぶことしかできないので、バトルを行った後にメガ・ラスト・バーストの呪文面が使われ《絶叫の悪魔龍 イーヴィル・ヒート》を手札に戻し1ドロー。 　猫由は戻された《絶叫の悪魔龍 イーヴィル・ヒート》を再び召喚、ここでは封印が剥がれないので自身の能力で山札から墓地に置かれた《悪魔龍 ダークマスターズ》を手札に戻す。

　これによりいよいよ猶予がなくなったゴールディだが、まずは《同期の妖精 / ド浮きの動悸》を召喚。そこから、先ほどの《同期の妖精 / ド浮きの動悸》でついに引き寄せた《頂上混成 BAKUONSOOO8th》を《“必駆”蛮触礼亞》経由でバトルゾーンに送り込む！B・A・D・S 2で使ったので《♪銀河の裁きに勝てるもの無し》を《“必駆”蛮触礼亞》のコストで捨てた後でEXライフを付けると、《絶叫の悪魔龍 イーヴィル・ヒート》とバトルしてそれを倒す。

　いよいよ準備が整うと、スピードアタッカーが付与された《同期の妖精 / ド浮きの動悸》がシールドをブレイク！

　と、ここで猫由のフェイバリット・カードである《最終龍覇 ボロフ》がトリガーから駆け付ける！《FORBIDDEN STAR ～世界最後の日～》から封印されていた《Forbidden Sunrise ～禁断の夜明け～》を剥がすと《最終龍覇 ボロフ》にスレイヤーを付与するが、まずはアクティブ・プレイヤーの能力のからの処理が先なので《頂上混成 BAKUONSOOO8th》の能力で超GRから飛び出したのは《ポクタマたま》！！

　猫由の墓地山札の下に追い返すと悪夢確定状態のボトムまでもリセットする最高のガチャ結果となる！！

　ゴールディ側の一連の処理が終えると、まずは《最終龍覇 ボロフ》が能力で山札の上から墓地に送った《悪魔龍 ダークマスターズ》を手札に加える。そしてスレイヤーが付与された《最終龍覇 ボロフ》は《将龍剣 ガイアール》装備で《同期の妖精 / ド浮きの動悸》を打ち取る。

　《同期の妖精 / ド浮きの動悸》がメガ・ラスト・バーストで《最終龍覇 ボロフ》を手札に戻した後で、まだまだ後続は残っているので次に《ポクタマたま》が攻撃！！ 　ここで満を持して猫由が《深淵の逆転撃》を放つ。

　《悪夢神バロム・ナイトメア》ではカバーできないEXライフに対して、猫由は構築の段階から備えていたのだ。

　EXライフもろとも《頂上混成 BAKUONSOOO8th》を吹き飛ばすと攻め手がなくなってしまったゴールディはターンを終える。

　リソースを使い切りコンボを決めたが不発に終わってしまったゴールディに対して猫由は《悪魔龍 ダークマスターズ》で前方確認をした後に《復活の祈祷師ザビ・ミラ》を召喚。
　≪勝利の頂上 ヴォルグ・イソレイト6th≫をGP覚醒リンクさせると《聖斬のコード アシッド》を無限に出し入れできる状態になり、シールドをブレイクすることなく、安全に勝利を決めたのだった。

WINNER:猫由

　初陣戦という状態でのベスト8への進出！！！

　しかし、デッキの構成やプレイの正確さを見るに、これはビギナーズラックなんかではないということがわかる一戦だった。

　去年、同じ場所で同じようなことが起きていた。

　筆者はおなかいたい選手のことを思い出していた。彼は去年、この地で行われたDMGP2023-2ndでCS初出場ながら準優勝まで駆け上がった。


　彼と並ぶか、はたまた追い越して優勝か？期待が膨らむ中で、猫由はインタビュー席で「ここまで来たら優勝します」と告げた。その言葉が本当に実現しそうなくらい、彼のプレイにはまばゆい輝きが放たれていたように見えた。

　そして、準々決勝戦、トーナメント表のブラケット内で猫由の隣に記された名前は「かい」

　最強を相手に猫由がどんな戦い繰り広げるのか、楽しみで仕方がない。