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DMGP2024-2nd Day1(アドバンス)Round 5:りっき vs. しゅんまる

ライター:鈴木 響太(ボルスズ)
撮影:瀬尾 亜沙子

頂上の景色を見たことがある人間は、果たしてどれだけいるだろうか?

 多くの人間が一生を賭けても見られない険しき山にこそ、美しき頂点の景色はある。

 全国各地からデュエマを愛するプレイヤーが一堂に集うこのDMGP2024 2nd Day1もまた、高く険しい山にほかならない。そんな頂上の景色など、それこそ一握りの人間しか見ることのできないものなのだ。

 しかし、今ここに並び立つ両雄はそんな景色の美しさを知っている。

 強豪プレイヤーたちが集うデュエチューブリーグ。三つ巴の一角である魔王軍のメンバーを、デュエマ歴4年にして務めるりっきは、DMGP2024 1st チーム戦優勝経験者。歴史と栄誉のあるグランプリの中でも、ひときわ珍しい「チーム戦」の頂上という輝かしい景色を知る者の1人だ。環境理解に長け、時には自らデッキを組み上げることもできる柔軟な発想が彼の強みである。

 対するしゅんまるもまた、若くして頂上の景色を知る男である。未来ある強者が集うデュエル・マスターズ ジュニアグランプリ2023、その中でも最強の証であるD4の称号を持つ、たった8人のプレイヤーの一角が彼だ。
 最上川イッサブロックを制した彼は、その若さからは想像もつかないほど巧みなカード裁きを魅せる。


そんな二人だからこそ、この環境に対する回答は必然だったのかもしれない。


両者の選択したデッキは、奇しくも同じ【闇単XENARCH】。  強者ひしめくアドバンス環境の中で、ひときわ強大なパワーを持ち、環境上位デッキである【ヘブンズ・ゲート】や【ファイアー・バード】に対して強く出られるデッキだ。相応に乗りこなすには、デッキと環境に対する高い理解が求められることからも、彼ららしい選択と言えるだろう。

 その【闇単XENARCH】の大きな特徴でもある《零龍》を両者が卓上に並べ、決着が容易でないことをお互いに認識すると、対決は静かに幕を開けた。

先攻:しゅんまる  このミラーにおける最初のチェックポイントは、《DARK MATERIAL COMPLEX》の着地である。  1コストのクリーチャーが12枚以上採用されているという、足の速さもこのデッキの特徴なのだが、その中でも《死神覇王 ブラックXENARCH》の役割を半減させ、細かいテクニックも活用できるこのカードをいかに早期に着地させるのかは、ミラーにおいて最重要とも言えるだろう。

 そんなこのカードをしゅんまるはのっけから堂々召喚!あまりにも大きなこの一手は、解説の言葉を借りるならまさに「初手からオセロの角を1つ取っている」ような状態。あまりにも有利なスタートダッシュを決める。

 やや思考を回したのち、返すりっきの選択は《緊縛の影バインド・シャドウ》の召喚。これを受けてミラーの核心を得ると、しゅんまるの方針は固まった。

 続く先攻2ターン目に《堕魔 ザンバリー》《緊縛の影バインド・シャドウ》を立て続けに召喚。軽量クリーチャーをガンガン吐き出し、次なるチェックポイント、「手札の儀」の達成を目指しに行く形へ。
 4つある儀の中で、最も達成難度の高く、タイミングの自由も利きにくいものがこの「手札の儀」。ここを手早く達成できたものが、卍誕を自在に操ることができるといっても過言ではない。

 りっきもまた、《霊淵 アガルーム=プルーフ》+《堕魔 ザンバリー》の小型展開で追いかける。プレイではどうにもならない《DARK MATERIAL COMPLEX》の有無で引き離された以上、手札の早期消費と墓地を潤沢にして追いすがる方針だ。

 墓地の枚数と質もまた、重要なチェックポイントに他ならない。《零龍》の2つの儀へ影響があることはもちろん、このデッキの大きなリソース源であるため手数にも直接影響がある。それゆえ、《深淵の文暴具 ケシカス=カース》での奪い合いが重要になり、それを探すためにも両者は墓地を増やすことを狙っている。

しかし、しゅんまるは全く譲らない。

 続く3ターン目には《霊淵 アガルーム=プルーフ》の2体召喚+2体ハイパー化により、りっきを大きく上回る10枚の墓地肥やしが発動!さらに《深淵の文暴具 ケシカス=カース》こそ見えなかったものの、「手札の儀」からはダメ押しの《トムライ 丙-三式》まで駆けつけると、りっき起死回生の一手である《死神覇王 ブラックXENARCH》すらもボトムへと返し完全にテンポを奪う!  リソースを奪われた以上、りっきも動くしかない。
 《ベル=ゲルエール》を呼び出し、《死神覇王 ブラックXENARCH》が墓地へ送られたのを確認すると、展開のために《緊縛の影バインド・シャドウ》でプレイヤーを攻撃。

 しかし、それはしゅんまるに手札を与えることであり、同時に手札を1枚抱えた自身の「手札の儀」が未達になることを意味する。

 《零龍》《死神覇王 ブラックXENARCH》、両者を天秤にかけた上での苦しい苦しい攻撃を通し、予定通り《死神覇王 ブラックXENARCH》の着地から「復活の儀」、「破壊の儀」と少しでも《零龍》の卍誕へ歩みを進めていくりっき
バトルゾーンを整えていくも、《死神覇王 ブラックXENARCH》の除去能力は、《DARK MATERIAL COMPLEX》で受けるという常套手段でかわされてしまう。

 そして、りっきの「破壊の儀」の達成は、同時にしゅんまるの儀も進むということ。

 呼応するように「破壊の儀」を達成させたしゅんまるは、返すターンに《ベル=ゲルエール》のアビスラッシュで「復活の儀」も達成。

 全ての「儀」が捧げられ、《零龍》がフィールドに卍誕する!  しゅんまるの攻撃可能なクリーチャーは、とどめを刺す量から過剰に3体。しかも、除去を飛ばせば《DARK MATERIAL COMPLEX》が動き出す盤石の布陣である。

 誰よりも深く、このゲームの終わりを理解しているりっきは、ワールド・ブレイクを受けると自ら握手を求め、決着を受け入れた。

Winner:しゅんまる

 ジュニア級最強の証を持つもの、D4。彼らが無差別級を制する日、その足音が確かに聞こえた一戦となった。
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