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DMGP2024-2nd Day2(オリジナル) 準々決勝:えむつー vs. 落武者ドラゴン

ライター:高橋 穂(北白河)
撮影:後長 京介

 準々決勝までゲームが進み、広大な会場に残るプレイヤーは今やわずかに8人。

 うち2人がビデオマッチのフィーチャー卓にいることを考えると、通常の長テーブル卓に座っているのは6人のはずなのだが……なぜか、ここには5人しかいない。

 相手のいないテーブルに座ってじっと待つのは、落武者ドラゴン

 東京からの遠征でやってきてここまで多彩な相手に打ち勝ってきた彼だが、さすがに「対戦相手がいない」パターンは初めてだろう。

 しかし、じっと構える姿からは静かな気迫が伺える。大型イベントの最終盤らしい緊迫感が、テーブルを包み込んでいるのがわかる。

 待つこと数分。ついに対戦相手が現れた。……厳密に言えば、待たせるだけ待たせてトイレから帰ってきた

 えむつー。北海道の強豪であり、DMGP2024-1st Day2にて「朝は太極拳」の一員として準優勝を果たし全国大会の権利を持つプレイヤーであり……。

えむつー「前回はチーム戦だったので自分のカバレージがあんまり書かれなかったので楽しみ!前回の準々決勝はチーム戦かつマッチ戦なのを知らなくて、1戦終わった後にそれで終わりと思って5分くらい対戦相手と雑談してたんですよ!それでジャッジに指摘されて戦うときに「これマッチ時間伸びたりします?」って聞いたらダメって言われたので、即座にさらに上のジャッジに上告して……上告ってシステム知ってます?俺はこの時初めて知りました……(以降、割愛)」

 めちゃくちゃに。とにかく、めちゃくちゃに饒舌な男である。なお、このカバレージでは構成の都合上、えむつーの喋りの半分も記載していないことを先に記載しておく。



 ともあれ、ほかの卓から数分遅れてシャッフルに入る両者。

 デッキから目を反らさず気迫に満ちてファローシャッフルを進める落武者ドラゴンと、すでに大戦を始めている他の卓をきょろきょろと眺めながらディールシャッフルでデッキ枚数を確認するえむつー…と、ゲームが始まる前から対照的な雰囲気だ。


 しかし、そんな対照的な彼らが選んだのは【闇王ゼーロ】と【マーシャルループ】。奇しくも、《逆転の影ガレック》で強化された即死系コンボデッキ同士の対決となる。

 墓地へのガードが下がっており遂行力が高まっているのに加え、シールドを割らないことで【ファイアー・バード】と【COMPLEX】の相克を無視しながら勝てる……という環境的な間隙を突いてここまで勝ち抜いてきたあたり、その嗅覚は正しかったといえよう。


 どちらの選択が正しいのかを決める一戦が、幕を……

えむつー「お茶飲んでいいですか?」

 開けるまでの時間が、少し伸びた。

えむつー「緊張感ないですね、申し訳ありません」

 いや、自分でもわかってるんかい。

Game 1

先攻:落武者ドラゴン  初手を見て、じっと考え込む落武者ドラゴン。悩んだ末にマナゾーンに設置したのは、《Disジルコン》  それを受けてえむつーは。

えむつー「ジルコン…ジルコン?」「ゼーロ系、アナジャ(【水闇自然ジャオウガ】)、ラジオ系、ハザード退化…?」

 ひとしきり悩むところからスタートした。思いっきり思考が漏れている。その後もしばらく独りごちたのち、《影世界のシクミ》をチャージしてターンを返す。

 その後もえむつー《天災 デドダム》をチャージしてターンを返す落武者ドラゴンに「ニコイチだね(?)」などと声をかけつつ、身振り手振りも交えて動きをシミュレーションして悩み続けることになる。

 ゲーム最初のムーブは、先攻3ターン目の落武者ドラゴン《天災 デドダム》。墓地に《「大蛇」の鬼 ジャドク丸》、マナに《飛翔龍 5000VT》を埋めて手を進める。

 これに対して引き続き小さく独り言をつぶやくとともに悩み続けるえむつーだが、ついに意を決したように《キール・ロワイヤル》を召喚。自分のシールドをチェックしつつ、次のターンの《マーシャル・クイーン》へと王手をかける。

 対処を迫られる落武者ドラゴンだが、あくまでも冷静に手札を凝視。《闇王ゼーロ》をチャージし、マナから《Disジルコン》を召喚して手札を整える(捨てるのは2枚目の《Disジルコン》)。そして、残った2マナで……

えむつー《困惑の影トラブル・アルケミスト》ですか?」  えむつーの言葉とほぼ同じタイミングで(そして、言葉通りに)出てきたのは、《困惑の影トラブル・アルケミスト》!彼のマナ回収により、落武者ドラゴンには《闇王ゼーロ》を含む大量の手札と3体の闇のクリーチャーが揃い、直後にそれらを生贄にして《闇王ゼーロ》が放たれる!

 4枚の墓地肥やしののち、登場したのは《逆転の影ガレック》。すぐさま《天災 デドダム》3枚の蘇生を宣言し、瞬く間に各ゾーンにカードが満ちていく。  そして、単色のカードをマナに送って回復した3マナから飛び出すのは、5コスト軽減された《飛翔龍 5000VT》!ジャストダイバーで触れられないはずの《キール・ロワイヤル》をどかし、さらには次のターンに何をやっても《マーシャル・クイーン》を出されない状態に突入する!

 ターンが返ってくると、一気に苦しくなったのはえむつー。致命的なテンポロスを突き付けられ、できることは極端に減らされてしまった。

 墓地や手札といったあらゆるゾーンをチェックしてできることを確認したのち、《学校男 / ゾンビ・カーニバル》をクリーチャー面で召喚して落武者ドラゴンのバトルゾーンを少しでも減らして抵抗を図る(《逆転の影ガレック》が破壊された)。

 だが、えむつーにできたのはそれまでだった。

 ターンが返ってくるや否や、落武者ドラゴンは再び《闇王ゼーロ》を宣言、そして蘇生は《不死鳥縫合 ブラック・ビッグバン》  ここまでの動きで山札を極限まで削っていたこともあり、自身の出た時効果のドローの時点で山札は空っぽ。こうなれば、止まらない蘇生ラッシュの幕開けだ。

 《Disジルコン》のドローが蘇生に置換され《逆転の影ガレック》、さらにその蘇生効果でさらなる《Disジルコン》を呼び、またドローが蘇生に置換され……と、瞬く間にデッキ内のクリーチャーたち……その中でも、水文明を含むクリーチャーたちがバトルゾーンに並んでいく。


 そして、その締めにやってくるのは、《サイバー・J・イレブン》

えむつー「(《サイバー・J・イレブン》の)テキスト確認します!実はターン開始時とかだったりしないですか……」

 しない。《サイバー・J・イレブン》の特殊勝利効果は、常在型効果である。

えむつー「(テキストを読み終えた《サイバー・J・イレブン》のイラストを指さして)こいつはマジでかっこいいんだけどなあ……」  みんなと戦えてよかった。

えむつー 0-1 落武者ドラゴン

 マナ回収→《天災 デドダム》大量蘇生によるリソース回復からの《飛翔龍 5000VT》でもぎ取ったターンで、鮮やかにコンボを決めて見せた落武者ドラゴン。水闇自然型の【闇王ゼーロ】というデッキの柔軟性をこれでもかと見せつける形となった。

 のちに落武者ドラゴンは、「このデッキは長く使用し続けてきた【ゼーロベン】を現環境向けにチューニングしたものである」と語った。よく見る黒単型の【闇王ゼーロ】と一線を画す構築も、「1ターンしのげばちょうど山札を引き切れる」というプレイ時の感覚も、もともと【ゼーロベン】の使い手であったことがわかると頷ける。

えむつー「こうして、こう、こうで、こうなって……」「遠そうだなあ……」

 虚空を見つめながら何かをシミュレーションしつつ誰にともなくつぶやくえむつーと、静かにシャッフルを進める落武者ドラゴン

 先攻と後攻が入れ替わり、Game 2が始まる。

Game 2

先攻:えむつー  しばらく考えたのち首を傾げ、振り、頷いてから《マーシャル・プリンス》をチャージするえむつーと、1ゲーム目と同じく《Disジルコン》をチャージする落武者ドラゴンという立ち上がり。

えむつー「そういう感じか……」

 どういう感じなのかはわからないが、えむつー《冥土人形ウォカンナ・ピエール》をチャージして《エメラルド・クーラー》を召喚して準備を整える。引き次第では、次のターンに《マーシャル・クイーン》によるコンボが決まりうる形だ。

 これに対して、《闇王ゼーロ》チャージからの《ハニー=マーガニー / 「こっちは甘いぞー」》の呪文面を唱え、次のターンの動きとなる《邪眼の始祖 ロマノフ・アルファ》を回収する落武者ドラゴン。対処ができないなら、《マーシャル・クイーン》を引かれていない前提で自分の動きを優先するという算段か。

 はたして返しのターンのえむつーの手札には《マーシャル・クイーン》はなかった模様。唸り声とも笑い声ともつかない声を上げつつ、首を90度ひねる。

えむつー「ちょっと時間もらいます。これで、こうなって、こうなるでしょ…?」

 やはりどうなるのかはわからないが、身振り手振りによるシミュレーションを交えた結果、ここは《絶対華麗!マーシャル歌劇団》をチャージするのみでターンを返す。

 この隙に手を進めたい落武者ドラゴンは、先ほど回収していた《邪眼の始祖 ロマノフ・アルファ》で墓地を肥やしにかかる。この時に《一なる部隊 イワシン》が落ちたこともあり、手札・墓地ともに一気に充実。この調子でいけば、次のターンには軽量クリーチャー2体展開からの《闇王ゼーロ》も近いだろう。

 このターンで動かないと敗北が見えているえむつーは、気合を入れてドロー!

えむつー「おー……なるほど?」

 その気合に応えて、逆転の一枚が……

えむつー「なるほどと言ったが……まあ……きついな……」

まだきついんかい。

 ともあれ、えむつーがとった行動は《学校男 / ゾンビ・カーニバル》をチャージしての《影世界のシクミ》!さらにこの墓地肥やしからは待望の《マーシャル・クイーン》がめくれ、そのまま《エメラルド・クーラー》の上に姿を現す! えむつー「一応不安要素があるなあ……あるか?」「こう……こうでしょ……」「やらなきゃ勝たん気もするけど、ちょっと怖いねぇ……」

 もはや恒例となったシミュレーションの末に《マーシャル・クイーン》が仕込んで暴発したのは、《邪魂転生》《月の死神ベル・ヘル・デ・スカル》、そして《逆転の影ガレック》

 まずは《邪魂転生》でクリーチャー3体を6ドローに変換し、《月の死神ベル・ヘル・デ・スカル》の効果で《冥土人形ウォカンナ・ピエール》をマナから回収。《逆転の影ガレック》の効果で3枚墓地肥やしと《キール・ロワイヤル》《マーシャル・クイーン》の蘇生を選択し、大量のリソースを稼ぎつつチェインコンボが繋がる!  次のムーブが重要になる場面だが……

えむつー「めっちゃトイレ行きたくなってきた……」

 さっき行っただろ。あとGame 1の前にお茶飲んだからだろ。


 関係ない話を挟みつつ、2回目の《マーシャル・クイーン》が暴発したのは《学校男 / ゾンビ・カーニバル》の呪文面・《深海の伝道師 アトランティス》《逆転の影ガレック》

 ≪ゾンビ・カーニバル≫で「ゴースト」を宣言し、《逆転の影ガレック》を回収するが……

えむつー「回収は《逆転の影ガレック》で……大丈夫……大丈夫じゃない!?」「やべえ、頭バグった……!完全に集中力切れてんじゃん!」

 こんなに早く「トイレ行きたくて集中が途切れた」という伏線が回収されるのか……とも思ったが、想定していたルートを外れてしまったらしい。一度行ってしまった宣言は覆せないため、ここからリカバリー策を考える必要がある。

 しばらく頭を抱えて考えたのちに、えむつーは未処理の《逆転の影ガレック》の効果を「墓地肥やし2回と蘇生1回」で宣言。《マーシャル・クイーン》の上に《マーシャル・クイーン》を重ねつつ、未処理の《深海の伝道師 アトランティス》《マーシャル・クイーン》以外をバウンス。

 とりあえず再度《逆転の影ガレック》を手札に抱え込みつつ、《マーシャル・クイーン》の効果をスタンバイさせることに成功する。

えむつー「(落武者ドラゴンのデッキを)さっき見た感じ、大丈夫か…?」「でもさっき大丈夫って言ってダメだったしな……」

 と呟きながら、改めて暴発したのは《逆転の影ガレック》2枚と《深海の伝道師 アトランティス》《逆転の影ガレック》《キール・ロワイヤル》《マーシャル・クイーン》(すでにいる《マーシャル・クイーン》の上に進化)≪学校男≫と蘇生して、≪学校男≫と《マーシャル・クイーン》を破壊し、《深海の伝道師 アトランティス》《キール・ロワイヤル》以外をバウンスすると……

えむつー「ループ証明入ります!」

 回り道の末、本線に戻ってきた!先ほどの迷いが嘘のように、淀みのない動きと言葉でループを進めていく。  結論から言えば、すべてのトリガークリーチャーの出たとき効果が使い放題になるこのループ。回収していた《冥土人形ウォカンナ・ピエール》を示し、「山札回復効果持ちがいたりしますか?」と問うえむつー。これに対し、落武者ドラゴンが薄く苦笑しながら「ありません」と返したことで、長い(?)Game2は終わりを告げたのだった。

えむつー 1-1 落武者ドラゴン


 あわやループ失敗という危機を乗り越え戦況をイーブンに戻したえむつーだが、その表情は晴れない。

えむつー「もうやだ、長丁場でやるデッキじゃない……」「(ループを失敗しかけた自分は)一度ボコボコに叩かれるべき、この試合がカバレージに残っててよかった」

 なんだかダウナーに入っているが、勝ちは勝ち。むしろ、手札や墓地というリソースを一度伸ばせばあらゆる角度から繋がってしまう、最新型の【マーシャルループ】の強みを示した形となる。その動きからは、えむつー自身が「今週で一番強いデッキ」とのちに語るだけのことはあるパワフルさを感じられた。

えむつー「本戦に上がってから、エグいミスめっちゃしてる…。睡眠は大事。寝たけど」

 突然自己完結しだすえむつーの謎の行動(奇行?)に、これまでやや張りつめていた落武者ドラゴンの表情が緩んでいく。

 その結果、最終戦へ向けてのシャッフルを進める中、二人の間にはこれまでになかった雑談が生まれていた。

えむつー「(落武者ドラゴンのデッキを指して)《一なる部隊 イワシン》入ってるのかっけえなあ、デッキ39枚にしたいもんなあ」
落武者ドラゴン「ありがとうございます、(39枚に)したいですね」
えむつー「(殿堂で)4枚使えないの厳しいなあ。【墓地ソース】使いの友達も泣いてましたよ、《暗黒鎧 ザロスト》返してくれって」

 いやイワシンの話ちゃうんかい。あとどっちも強すぎてしばらく帰ってこないって。


 落武者ドラゴンだけでなく、周りのジャッジやカバレージライター(私のことだ)すら巻き込んだ笑いの雰囲気の中、シャッフルが完了して最後の戦いの幕が……

えむつー「お茶飲んでも大丈夫ですか」

 開けるまでの時間が、また少し伸びた。

Game 3

先攻:落武者ドラゴン  《ハニー=マーガニー / 「こっちは甘いぞー」》をチャージする落武者ドラゴンと、「ピエールマジでイラストかわいいんだよなあ」と言いながら《冥土人形ウォカンナ・ピエール》をチャージするえむつーという立ち上がり。

 ゲーム最初のムーブは後攻2ターン目の《エメラルド・クーラー》となるが、これには返しのターンに《「大蛇」の鬼 ジャドク丸》ですぐに除去される。

 ならばとえむつーが繰り出したのは、《キール・ロワイヤル》!ジャストダイバー持ち進化元を残し、シールドチェックとドローを行いつつ返しのターンの対処を強いていく。  だが、落武者ドラゴンもさるもの。《ハニー=マーガニー / 「こっちは甘いぞー」》のクリーチャー面、《困惑の影トラブル・アルケミスト》と繋いで《闇王ゼーロ》に強引にアクセスすると、えむつーも「うっそマジか!」と驚き顔。

 墓地を肥やしつつ、蘇生するのは《逆転の影ガレック》《キール・ロワイヤル》にジャストダイバーがついていることをえむつーに確認する(なお、この後もえむつーはこのカードについて聞かれてもないのに長々と語っていたが割愛する)と、《天災 デドダム》2体と《Disジルコン》の蘇生を選択。

 単色カードをマナに送って早速2マナ復活させたうえで一気に山札を掘り進めるが……なんと、ここで《闇王ゼーロ》も山札をさらに掘れるカードも見つからないままチェインが止まってしまう!せめて


 痛恨のストップとなった落武者ドラゴンがそのままターンを返すと、ここからはえむつーの時間。早速《マーシャル・クイーン》へと進化すると、「まずは」といった感じで《邪魂転生》《カシス・オレンジ / ♥応援してくれるみんなが元気をくれ~る》の呪文面、そして《逆転の影ガレック》を暴発する。

えむつー「なるほど、そういう感じ?」

 どういう感じなのかはわからないが、呪文2枚による6枚のドローは好調だった模様。《逆転の影ガレック》は≪カシス・オレンジ≫《キール・ロワイヤル》《マーシャル・クイーン》の蘇生に充て、山札とシールドをチェックしながらさらなる暴発を目指す。

 例によって「これがこうで……この場合は……」とシミュレーションしたのち、≪♥応援してくれるみんなが元気をくれ~る≫《邪魂転生》《影世界のシクミ》と暴発。《マーシャル・クイーン》以外を破壊しつつまたもや都合6ドローを行ったうえで、墓地肥やしからさらなる《マーシャル・クイーン》を蘇生して暴発を継続する。ここまでカードを引き入れれば、チェイン自体はもはやほぼ止まらない!

 次の暴発は《月の死神ベル・ヘル・デ・スカル》《学校男 / ゾンビ・カーニバル》回収)《サイバー・I・チョイス》《邪魂転生》踏み倒し)《逆転の影ガレック》、そして《逆転の影ガレック》は≪カシス・オレンジ≫《キール・ロワイヤル》《マーシャル・クイーン》の蘇生……と繰り返していくたびに、一連のムーブは先ほどのループ手順へと近づいていく。そして。 えむつー「これを挟んでこうして、こうで……大丈夫か。大丈夫そう」

 今度の「大丈夫」には、不安はない。勝利まで、もうこれ以上の言葉もいらない。

 次の暴発は、《絶対華麗!マーシャル歌劇団》《邪魂転生》《深海の伝道師 アトランティス》。呪文でドローしつつ《マーシャル・クイーン》を踏み倒して次回の暴発をストックするとともに、一体の≪カシス・オレンジ≫を残していったんバトルゾーンをリセットする。

 そして(ループまでの)最後の暴発は、《月の死神ベル・ヘル・デ・スカル》《逆転の影ガレック》《深海の伝道師 アトランティス》《逆転の影ガレック》効果で≪学校男≫≪カシス・オレンジ≫《マーシャル・クイーン》を蘇生して≪学校男≫で《マーシャル・クイーン》と≪学校男≫自信を破壊すると、ついに完全なループの条件が整う!

 そして、先ほどの《月の死神ベル・ヘル・デ・スカル》効果で回収した《冥土人形ウォカンナ・ピエール》を示すと同時に落武者ドラゴンえむつーの勝利を認めた。

Winner:えむつー

 勝負が決した後も、その和やかな空気感の中で両プレイヤーはデッキの詳細やプレイングを語ってくれた(もちろん、えむつーの語る量のほうが多かったのは言うまでもないが)。

 そして準決勝卓へと向かう際、最後にえむつーはこう語った。

えむつー「……マジで(この試合の)カバレージ見たくねえ!」

 Game2にミスがあったからにせよ、喋りすぎたからにせよ。彼には、カバレージがこんなことになってしまった現実を受け止めてほしい。お前のせいだぞ。
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