デュエル・マスターズ

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DMGP2024-1st Day1(アドバンス)Round 4:ノン@ゴジット vs. 那須

ライター:谷口 雄飛
撮影:瀬尾 亜沙子

 かつて、関東を中心に活躍したチームがあった。その名をチーム「Spirits」。新章DM編から双極編の時期から頭角を現し、公認CSやGPなどで活躍した。

 超CS金沢でベスト8に輝き、光自然メタリカの《ジャスト・ラビリンス》や水単ムートピアの《歩く賄賂 コバンザ》、水闇オカルトアンダケインの《フォール・クロウラー》などの発見、のちに水闇シヴァンリンネや水闇火テスタDOOMを世に送り出したむった。

 自然単チェイングラスパーを使い続け、全国大会出場権利を獲得したなお。

 ジョーカーズやクランヴィアデリートを研究し、それらのデッキの発展に寄与したリルク。
 他のメンバーとも切磋琢磨しながらも、チームとして彼らはデュエルマスターズを全力で楽しみ、時代を作った。
 そして今もなお、DMPランキングというデュエルマスターズの最前線を走り続ける人物がいる。それこそがDMGP3rd3位入賞という輝かしい経歴を持つチーム「Spirits」のリーダー、ノン@ゴジット。

DMGP5th 3位決定戦:ゴジット vs. ロマノフsign

 全国大会2023では惜しくも予選突破は叶わなかったが、今日は愛用の4cグレンモルトを相棒にここまで予選を駆け抜けてきた。

ノン@ゴジット「せっかくのアドバンスでのGPなので、勝ちたいですね。」

 日ごろからアドバンスのCSによく顔を出すほど、ドラグハートが好きなノン@ゴジット。場数を踏んできただけあってフィーチャー席も慣れている様子。

 対するは那須。本日の使用デッキはマーシャルループ。聞けば今日使うマーシャルループをひたすらに使い続けてきたという。

 だが、那須はノン@ゴジットとは対照的に、アドバンスのデュエルマスターズをする機会はあまりないと語る。

那須「アドバンスは普段あまりやってないですね。CSが開催されていたら出るくらいです。」

 経験値の話だけで言えば、ノン@ゴジットの方が有利なのかもしれないが、那須が今までひたすらに使い続けてきた《マーシャル・クイーン》も外部ゾーンを使用することができるアドバンスでこそ真価を発揮する。
 経歴やデッキ選択など、何もかも対照的な二人が織りなす勝負の行方はいかに。 先攻:ノン@ゴジット

 対戦が始まる前に、このマッチアップの勝負所について先に整理しておきたい。

 ノン@ゴジットが使う4cドラグナーは、序盤のマナ加速から《最終龍覇 グレンモルト》や各種革命チェンジ持ちのクリーチャーで戦うデッキ。ビッグアクションが起きるのはデッキの構造、4ターン目からだ。

 対する那須使うマーシャルループは、2コストのスプラッシュクイーンから《マーシャル・クイーン》へと進化する過程でSトリガーを駆使してループへと突入していくデッキ。ループに必要なパーツさえ揃えば最速3ターンでループに直行することができる。つまり、このマッチアップは居合切りのような刹那のスピード勝負といえるのだ。  先攻を取ったのはノン@ゴジット。《ボルシャック・栄光・ルピア》《最終龍覇 グレンモルト》と多色カードをマナに逃がす立ち上がり。

 対する那須は《コクーン・シャナバガン》《全員集合!アクア・三兄弟 / 超次元ジェイシーエイ・ホール》とチャージしてから2ターン目に《カシス・オレンジ / ♥応援してくれるみんなが元気をくれ~る》のクリーチャー面で召喚し、山札の上から2枚を確認したのちに2枚とも山札の下に送る。  上に置かないということは望むカードではなかったのだろうが、進化元を用意することができたので、次のターンから動き出すことができる。

 先手を取られる形となったノン@ゴジット。3ターン目《切札勝太&カツキング ー熱血の物語ー》をチャージしてからの《メンデルスゾーン》で2マナを増やす。

 この時のノン@ゴジットの手札には既に強力なドラグナーたちが揃っており、次のターンからは盤面を制圧することが可能な状態だった。

 やれる中で最善の手を打ち、あとは那須がループに突入しないことを祈ってターンを返す。「それはもう次のターンからは動くぞ。」という意思表示にすら見えた。  だが、迎えた3ターン目。那須はノン@ゴジットからのメッセージに対して《マーシャル・クイーン》の進化で答える。  登場時の効果で手札からを2枚をシールド化し、2枚シールドを手札に加える。那須は手札から埋めたカード1枚、ゲーム開始時から展開されていたシールドから1枚を選び、回収する。

 那須のこのプレイは、手札にある《サイバー・ブレイン》を使って手札を補充する意味合いでやっていたのだろう。だから恐らくはこのターンはリソースの獲得に使って次のターンに備えるプレイだった。決して相手を倒しに行くと思ってやったわけではないのだ。

 だが、今日の那須はツイていた。  シールドから現れたのは、野生の《海姫龍 ライベルモット・ビターズ》

 何気ない1枚のS・トリガーによって、運命は変わった。
 そして同時に使用される《サイバー・ブレイン》《時の秘術師 ミラクルスター》まで手札に駆け付ける。なんたる偶然だろうか。  ここからはもう、那須の得意とする間合いだ。

 那須はここから目的が異なる3つのループ方法を交えながら、最終的にノン@ゴジットの山札をなくすことを狙う。

■1 S・トリガーを持つカードを好きな回数使用するループ
■2 自分の山札の枚数、順番を好きな枚数に調整するループ
■3 相手の山札だけ1枚ずつ減らしていくループ

 まず手始めに那須は《海姫龍 ライベルモット・ビターズ》で攻撃すると、革命チェンジをして《海姫龍 ライベルモット・ビターズ》を手札に戻しつつ、《海姫龍 ライベルモット・ビターズ》の攻撃時効果で手札から2枚をシールド化し、それらをS・トリガーとして使用。宣言されるのは《転生スイッチ》《海姫龍 ライベルモット・ビターズ》

ここからは好きな枚数のS・トリガーを使うループが発生する。手順としては、

■1 Sトリガーを持つカードを好きな回数使用するループ

《海姫龍 ライベルモット・ビターズ》で攻撃。《時の秘術師 ミラクルスター》へ革命チェンジしながら《海姫龍 ライベルモット・ビターズ》の効果を使う。
《転生スイッチ》を使用し、《時の秘術師 ミラクルスター》を手札に戻しながら《カシス・オレンジ / ♥応援してくれるみんなが元気をくれ~る》をクリーチャーとして場に出す。
③ ≪カシス・オレンジ≫を進化元にして《海姫龍 ライベルモット・ビターズ》に進化する。
④ 最後に《時の秘術師 ミラクルスター》の効果で唱えた《転生スイッチ》を手札に戻す。

 この手順を行うことでアタックがキャンセルされつつ、《海姫龍 ライベルモット・ビターズ》の攻撃時の効果でシールドと手札を入れ替えながら、手札にある好きなS・トリガーを使うことができるのだ。

 そして今回は先ほど唱えた《サイバー・ブレイン》を好きな回数使い、山札の3枚のカード以外を全て手札に加えた。

 次に那須は山札のカードの順番を好きな順番に変えることを目的としたループを証明する。

■2 自分の山札の枚数、順番を好きな枚数に調整するループ

① 先ほどの好きな回数Sトリガーを使うことができるループの過程で山札の枚数が変動しないS・トリガーを任意の回数使って墓地に落とす。
《【今すぐ】うわっ…相手の攻撃止めすぎ…?【クリック】》を唱え、墓地のカードも含めて山札に戻す。
《転生スイッチ》から場に出た《カシス・オレンジ / ♥応援してくれるみんなが元気をくれ~る》の山札のカードを操作する効果を挟み、山札の上から2枚を調整することで山札を好きな枚数かつ好きな順番にする。

 これらの複数のループを証明し終わったあと、最後に那須はこのループの過程でとあるカードの使用を宣言する。それがGR召喚することのできる《超ブレイン a.k.a. 発電》
 そしてGRゾーンから現れる、ライブラリーアウトをもたらす《ツタンメカーネン》  《ツタンメカーネン》を何回も出すことができることが証明されたことで、ノン@ゴジットの山札は、ある意味でアドバンスらしい方法により消し飛ばされてしまった。
 
Winner:那須

 たった3ターン。この刹那の間に終わったゲーム展開であっても、試合が終わると二人は感想戦を挟みながらも次の試合へと向かっていく。目指すのはこの大会の頂上たる、キングのその先、NEXTへ。

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