デュエル・マスターズ

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DMGP2024-1st Day2(オリジナル) 決勝戦C席:Rikky vs. えむつー

ライター:秋山 大空
撮影者:後長 京介、瀬尾 亜沙子

あーくん朝は太極拳、今日で解散な」

 一定の期間中、一番戦績が良かったメンバーがサーバー名を決めるというルールになっていた朝は太極拳チーム。

 今日の大会を以ってサーバー名の変更権が移るため、解散、もとい改名するとのことだ。

taki「これ戦績一緒じゃないの?」

あーくん「昨日俺ベスト32。お前5-3。こいつ(えむつー)0-2」

taki「え?合計なの?」

あーくん「うん」

 以前はあーくん命名のデュエ人(でゅえんちゅ)と言うサーバー名で調整をしていた3人。

 あーくんデュエ人(でゅえんちゅ)を取り戻すのか、果たして別の名前にするのか。今後に期待(?)したいところだ。

「改名後のサーバー名が不満なら、勝って改名権を得るしかない」

 この妙にシビアなルールがあるのは、ひときわ「勝ちたい」「全国大会へ出場したい」と言う思いが強いから、と言うのも多少あるかもしれない。

 ずば抜けた実力を持ちながらも、今まで全国大会への切符を手にすることが出来ていなかった北海道の強者、takiえむつー

えむつー「10年以上とかですかね。当時は北海道に殆どCSがなかったんで、名古屋のおやつCSに、同じ北海道プレイヤーのtakiZweiLanceと一緒に遠征に行ったりとかしました」

 準決勝進出が決まった後、えむつーは言った。

えむつー「バカみたいですよねー。同じカードゲームをずっとやって、ここまで来ちゃいました」

 DMGP1st以前のCS黎明期、今のように毎週どこかでCSがあるわけではなく、ひとつのCS優勝が大きな知名度に繋がっていた時代。

 その時代のプレイヤーは、引退やジャッジ活動等で一線を退いていき、プレイヤーとして本格的に競技に力を入れている者はずいぶんと減ってしまった。

 しかし「バカみたい」なんてことは絶対にない。

 当時のCSの優勝や、エリア予選からの全国大会出場を経験しなかったプレイヤーの少なからずが、夢を焚べたあとの燻り続ける火を抱えている。

 ジャッジやカバレージライターとして活動しプレイヤーとしての活動は控えめになっても、デュエル・マスターズに関わっている間その火は燻り続け、時効になることもなく昔の現実を突きつけて来る。

 だからこそ再び火を灯したり、火を燃やし続けて、夢に手を伸ばすプレイヤーが眩しく映るのだ。

 そして、火を燃やし続けるプレイヤーが他にも4人。

 DMPランキングの2023後期を全力で走り、全国大会に届かなかったあーくん

 同じく2023後期を走り届かなかった、チームみんなと戦えてよかった極限バンバン仙異👹紅蓮Rikkyの3人。

 そんな「全国大会に行きたい」と望み、求め続けていた6人の念願が今叶い、その上でこの大会の頂点を決める試合をする。

 多少緊張はすれど、楽しくないわけがない。

 感傷的な話はここまで。

 どちらが負けてもどちらも全国、憂いも不安もない真っ向勝負。

 更なる高みを賭けたラストバトル、DMGP2024-1st Day2決勝戦。

 行くぞ!デュエマ、スタート!

Game1

先攻:えむつー

 先に動いたのはRikky。2ターン目、《ドミー=ゾー / 「倒したいか?」》《とこしえの超人》がマナへ。

えむつー「相手とこしえ入ってるわ」

あーくん「ハイ!」

taki「ハイ!」

えむつーは即座にチームに共有しつつ、《天災 デドダム》からスタート。  《深淵の壊炉 マーダン=ロウ》《Disアイ・チョイス》を抜かれるものの、つつがなく《フェアリー・ミラクル》を唱える。

 手札の呪文に干渉しづらいのが『闇自然アビス』の辛いところ。

 《謀遠 テレスコ=テレス》《ブレイン・スラッシュ》を抜き致命的な一手を防ぐRikky

 しかし崩れないえむつー《獅子王の遺跡》でマナを伸ばし、カメラにピース。現在配信されているのはtakiの試合。映像でお見せできないのが残念だ。

あーくん「ごめん負けた!」

 ここであーくんの0-1報告。

あーくん「4t目に《ファイナル・ストップ》《芸魔王将 カクメイジン》揃った」

えむつー「おーけー」

あーくんに応答しターンを終える。

 この時点で10マナを超え、『闇自然アビス』が対応出来る段階を過ぎてしまった。

 Rikkyは早急にシールドをブレイクしダイレクトアタックまで押し込まなければならない。

 そのために、ギリギリを攻める。

 ≪ドミー=ゾー≫を召喚、《深淵の壊炉 マーダン=ロウ》でシールドをブレイク…  …に、無情なるシールド・トリガー《S・S・S》

 《深淵の壊炉 マーダン=ロウ》《謀遠 テレスコ=テレス》が吹き飛び、盤石となったえむつーの6ターン目。

えむつーtakiー」

taki「はい」

えむつー「相談なんだけど、どうしよ」 takiとの相談でプランを決めたえむつー

 《蒼龍の大地》《砕慄接続 グレイトフル・ベン》

 効果でマナから《Disアイ・チョイス》《蒼龍の大地》《八頭竜 ACE-Yamata / 神秘の宝剣》と続き、《蒼龍の大地》効果でバトルに勝った≪八頭竜 ACE-Yamata≫から《終末の監視者 ジ・ウォッチ》登場。

 《超霊淵 ヤバーダン=ロウ》《終末の監視者 ジ・ウォッチ》を除去するが、えむつーの盤面は十分。

えむつーtaki
taki「はい」

えむつー「ヘッドでいいですか」

taki「いいんじゃない」

《勝利宣言 鬼丸「覇」》 えむつー「いっちゃうよ~ん」

 『闇自然アビス』のシールドはそこまで厚くはない。

 ガチンコ・ジャッジの勝敗など関係なく、打点が足りた。

Rikky 0-1 えむつー

えむつーあーくん一本取ったー」

あーくん「おーすげー」

えむつー「一言で済ませるのかよ」

 『5c蒼龍』は『闇自然アビス』に有利をとれる。

えむつーなら勝てると信頼しての塩対応と、それに対するツッコミ。

 知り合いが、対面ではなく隣に座っているからこそ生まれる、そのチーム独特の空気感。

 これこそがチーム戦。

Game2

先攻:Rikky  試合の準備をしている間にA卓の試合が終了し、手を動かしながらも両チームは報告の時間へ。

極限バンバン仙異👹Rikky0-1?」

Rikky「うん、ごめ~ん…」

えむつー「あーくん2回負けた?」

あーくん「うん、2回負けた」

えむつー「おーけー」  あーくんの敗北に動じることなく、えむつーは開始早々カメラ目線のファンサービス。残念ながら配信カメラはまだtakiの試合から動いていない。

 Rikkyは定番の2ターン目《フェアリー・Re:ライフ》から《フットレス=トレース / 「力が欲しいか?」》

 メクレイドで捲った3枚は《超霊淵 ヤバーダン=ロウ》2枚と《ドミー=ゾー / 「倒したいか?」》。少し考えた後、≪「倒したいか?」≫を唱えターン終了。

えむつー「相手、次が先4。これ出したいんだけどどう?デスロードの的になるかな?」

 《流星のガイアッシュ・カイザー》をチームメイトに見せ、相談に入る。

あーくん「≪ドミー=ゾー≫じゃなくてマナブーストってことはハンドキープしたいんでしょ?ジャガじゃない?」

 的確な読み、大正解。Rikkyの手札は《邪幽 ジャガイスト》《アビスベル=覇=ロード》だ。

 《流星のガイアッシュ・カイザー》召喚、自ターンに入り《天災 デドダム》でスタートを切る。

 ここでRikky、気合の《ア:エヌ:マクア》トップデック。

 革命チェンジで出た《アビスベル=覇=ロード》《流星のガイアッシュ・カイザー》を討ち取り、そのまま《邪幽 ジャガイスト》展開へ移行。

 途中で蘇生した《ア:エヌ:マクア》から《フットレス=トレース / 「力が欲しいか?」》を拾い次弾装填。Rikkyが試合のペースを握る。

 えむつーRikkyを追いかけ《獅子王の遺跡》をプレイ。《蒼龍の大地》トリガーから《聖魔連結王 ドルファディロム》で逆転圏内の8マナに到達。

えむつー「デドダム下当たりした方が良いかな?」

あーくん「ハンドは?」

えむつー「フットレス」

 相談の結果、《ブレイン・スラッシュ》トリガーのリターンを考慮し《天災 デドダム》を場に残すことに。

 Rikkyはプラン通り次弾≪「力が欲しいか?」≫発射。

 メクレイドで出た分を含めた《邪幽 ジャガイスト》3体分の蘇生でアビス達を並べ、蘇生した《深淵の壊炉 マーダン=ロウ》で手札を確認。

えむつー「俺(盾と)入れ替えたいけどね、この手札(笑)」

 手札は呪文のみ、トリガーだらけ。

 凄まじい展開の代償として山札が心許なく、手札も0。Rikkyはそろそろ攻撃に移らなければならない。

 手札にトリガーが多く見え《ブレイン・スラッシュ》の条件も満たしていない今、やる。やりきってみせる。

 《深淵の壊炉 マーダン=ロウ》でプレイヤーを攻撃。

えむつー「(墓地にある《流星のガイアッシュ・カイザー》《天災 デドダム》)効果強制です!」

Rikky「こっち(《深淵の壊炉 マーダン=ロウ》)任意です」

えむつー「『相手の墓地にあるカードを1枚選んでもよい。そのカードの、出た時にトリガーする能力を、自分が1つ使ってもよい』?よいよい書きすぎだろ…」  効果は使用せずシールドブレイク、トリガー無し。

 ≪ドミー=ゾー≫で攻撃。トリガー無し。  《ア:エヌ:マクア》で残りのシールドをブレイク。

Rikky「勝ちたい…」

えむつーがゆっくりとシールドをめくる。

Rikky勝ちたい…!!  シールド・トリガー《蒼龍の大地》《Disアイ・チョイス》を場へ。

えむつー《深淵の壊炉 マーダン=ロウ》とバトルで」

えむつー「あ!やっちゃった!」

 うっかり《Disアイ・チョイス》を相打ちに使ってしまい、《ブレイン・スラッシュ》の両モード発動が出来ない。

 仕方なく《S・S・S》を唱え、《アビスベル=覇=ロード》を手札に戻しながら攻撃を凌ぐ。

 その「仕方なく」でも、ここから『5c蒼龍』はなんでもできる。

えむつー「やるかこれ?やるか…」

えむつー「やるか…」

 《Disアイ・チョイス》を召喚し《ブレイン・スラッシュ》《砕慄接続 グレイトフル・ベン》蘇生を2セット。

 《Disアイ・チョイス》《ブレイン・スラッシュ》をもう一度行い、今度の蘇生は《聖魔連結王 ドルファディロム》だ。

 《アビスベル=覇=ロード》不在の中、全てのアビスが墓地へと還る。

 6ターン目、そのままターンを終えるRikky

 続くえむつーのトップデック。

えむつー「記念品じゃんこんなん…(笑)」

Rikky「ヘッド?」

えむつー「ご明察のとおりです」 ガチンコ・ジャッジ

えむつー「また3!?」

Rikky「7!」

 1戦目と同様に、EXターンを取らずとも、打点はとうに足りている。

Rikky 0-2 えむつー

Winner:えむつー

 色々なことがあった。

 紅蓮takiの会話。それに吹き出すえむつー。その会話に加わりノリにノる極限バンバン仙異👹あーくん

 本当に色々なことがあった。

 紅蓮takiの試合中に何が起きていたかは、決勝戦B卓のカバレージに託すことにしよう。

 紆余曲折あれど、これでチームは1-1。

えむつー「勝ちました」

紅蓮俺に任せろ!

 なぜえむつーへ向けて言ったのかは不明だが、ともあれ勝敗は両者のチームの柱である紅蓮takiの試合に託された。

えむつー「(紅蓮さん)応援してます!」

 え?そっち?

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