DMGP2025-2nd Day1(アドバンス)Round 1:すずの音 vs. ポテピ㌨!!
ライター:伊藤 敦(まつがん)
撮影:坂井 郁弥
3500人を超える参加者が、Aichi Sky Expoに集った。土曜はアドバンス・個人戦。日曜はオリジナル・チーム戦。デュエル・マスターズの頂点を決める大規模大会……それがグランプリだ。そして、グランプリにはYouTube生配信にも映るフィーチャーマッチという制度が設けられている。そこには、実績があったり注目を集めていたりするプレイヤーとその対戦者が呼ばれ、全国のプレイヤーがカメラ越しに見守る中対戦を行うことになるのだ。
そんなフィーチャーマッチに、まだYouTube配信も開始していない第1回戦から呼ばれることとなったのはすずの音。10月から2025年後期のデュエチューブリーグが開始したが、これまでの1年半は3チーム対抗で行っていたところ、新たに4チーム目として「シモカワ・ゴールデン・ラビッツ」が電撃参戦することとなった。そしてそこにシークレットメンバーとして名が伏せられており、先日発表された2人のうちの1人が、「響鐘のスターライト」すずの音。DMGP2023-1st DAY1(アドバンス)において、「サガループ」全盛の中で火光水《「正義星帝」 <ライオネル.Star>》で優勝した実績を持つ達人だ。
ゲーム開始準備を終えたすずの音は、アドバンス特有の仕草として対戦者とともに互いの超次元を確認する。≪勝利の頂上 ヴォルグ・イソレイト6th≫セット3枚《時空の禁断 レッドゾーンX》2枚≪蒼き覚醒 ドギラゴンX≫3枚でどんなデッキでもありうるすずの音に対し、対戦相手のポテピ㌨!!の超次元にはドラグハート・ウェポンが並ぶ。その中の1枚に、発売したばかりでまだ見慣れないカードがあった。
すずの音「テキスト読んでもいいですか」
ポテピ㌨!!「どうぞ」
《爆勇王剣 ラッシュ・ギガハート》。前週に発売した「王道vs邪道 デュエキングWDreaM 2025」で登場したばかりの新たなドラグハートを早速採用しているということは、アドバンスにしか存在しえないモルト系のデッキを強烈に想起させる。無論ブラフの可能性もあるが、封印を無料で剥がせる≪勝利の頂上 ヴォルグ・イソレイト6th≫セットの採用がないことも、モルト系であろうとのすずの音の推認を強化する材料になっているはずだ。だがアドバンスの大会に出場する以上、すずの音の仮想敵にもモルト系デッキは当然含まれていたはずである。上位デッキが拮抗し、難しいデッキ選択を迫られたであろう今回の環境で、はたしていかなるデッキを持ち込んだのか。
まだ着慣れていないはずの「シモカワ・ゴールデン・ラビッツ」のユニフォームに袖を通していてもさすがGP王者の貫禄を見せるすずの音と、それに相対するポテピ㌨!!。ここからまずは予選9回戦という長丁場が続くことになる一日の、その好不調を占う大事な初戦が、いよいよ始まった。Game
ジャンケンで先攻はポテピ㌨!!。マナチャージはやはり最新カード《双龍覇王 モルトVERSUS》で、ブラフなしの直球勝負の様子。そして対するすずの音が《ネ申・マニフェスト》をチャージしてターンを返したところで、返すポテピ㌨!!のマナチャージは《音卿の精霊龍 ラフルル・ラブ / 「未来から来る、だからミラクル」》。《メンデルスゾーン》スタートではなく、ひとまず一安心というすずの音は返しで《一音の妖精》チャージから《同期の妖精 / ド浮きの動悸》を送り出す立ち上がりとなる。だが先攻3ターン目、《地封龍 ギャイア》をマナチャージしたポテピ㌨!!がそのままターン終了を宣言する。まさかの初動欠損。この望外のチャンスにすずの音は《ジャスミンの地版》チャージから《ネ申・マニフェスト》を送り出す余裕すらある。それでも先攻4ターン目、ポテピ㌨!!は《光鎧龍ホーリーグレイス》チャージから《闘争類拳嘩目 ステゴロ・カイザー / お清めシャラップ》で、かろうじて最低限のマナ加速は達成する。
しかしすずの音は既に準備を終えている。《攻守の天秤》チャージから送り出したのは《俳句爵 Drache der’Bande》!《ネ申・マニフェスト》の上に「G-NEO進化」させると、「シンカパワー」で「選ばれず、ブロックされない」フィニッシャーが脇に《同期の妖精 / ド浮きの動悸》も添えた状態で早くも爆誕する。狙うはもちろんこのターン中の貫通。そのまま《俳句爵 Drache der’Bande》での攻撃時にマナゾーンから《攻守の天秤》を唱え、アンタップしながらW・ブレイクする。
そしてここでS・トリガーを踏まなかったのを見届けると、続けて再びの攻撃時に手札から《キユリのASMラジオ》。「ジャストダイバー」の《洗打の妖精》の上に2体目の《俳句爵 Drache der’Bande》を重ねつつ、攻撃中の《俳句爵 Drache der’Bande》の上に《轟く覚醒 レッドゾーン・バスター》を「P侵略」させる。不可避のT・ブレイク。まだ「ジャストダイバー」を引き継いだ「G-NEO」の《俳句爵 Drache der’Bande》に《同期の妖精 / ド浮きの動悸》が控えている。生半可なS・トリガーでは返らない……そう思われた。
だがポテピ㌨!!もさるもの、S・トリガー《光鎧龍ホーリーグレイス》+《炎龍覇 グレンアイラ / 「助けて!モルト!!」》!まずは《同期の妖精 / ド浮きの動悸》をバトルで排除すると、マナに見えていた《音卿の精霊龍 ラフルル・ラブ / 「未来から来る、だからミラクル」》を警戒したすずの音が「メガ・ラスト・バースト」で《光鎧龍ホーリーグレイス》をしっかりと手札に戻すものの、代わりにバトルに勝った《炎龍覇 グレンアイラ / 「助けて!モルト!!」》が《爆勇王剣 ラッシュ・ギガハート》で《夢双龍覇 モルトDREAM》を回収することを許すこととなる。さらに全タップですずの音の攻撃を押しとどめ、シールド0枚ながらも九死に一生を得た形。
とはいえこのエンド前に《流星のガイアッシュ・カイザー》の宣言はなく、そのままポテピ㌨!!の事実上のラストターンが始まる。ポテピ㌨!!「ちょっと考えます」
少考ののち、《地封龍 ギャイア》チャージして6マナとなったポテピ㌨!!だったが、ここで召喚したのは《切札勝太&カツキング ー熱血の物語ー》。《轟く覚醒 レッドゾーン・バスター》こそ「マッハファイター」からの≪蒼き覚醒 ドギラゴンX≫へと「P革命チェンジ」させて打ち取るのだが……「ジャストダイバー」「G-NEO進化」の《俳句爵 Drache der’Bande》が、どうやっても処理できない。
結局すずの音にターンが返ると、《PP-「P」》を出しつつ攻撃時の《キユリのASMラジオ》で《ネ申・マニフェスト》の上に「NEO進化」させた《一音の妖精》を添えた後に《俳句爵 Drache der’Bande》を《轟く覚醒 レッドゾーン・バスター》に「P侵略」までして万難を排したダイレクトアタックが、ポテピ㌨!!を介錯したのだった。
Winner: すずの音
すずの音「《炎龍覇 グレンアイラ / 「助けて!モルト!!」》なかったですね……」
ポテピ㌨!!「なかったのと、手札が事故って何も……」
悔しさを滲ませるポテピ㌨!!。最新ドリームレア《双龍覇王 モルトVERSUS》を活用した《夢双龍覇 モルトDREAM》デッキには、どのようにたどり着いたのか。
ポテピ㌨!!「最初はシータ(火水自然)型で調整してたんですけど、《ボルシャック・ドリーム・ドラゴン》のデッキに《双龍覇王 モルトVERSUS》を入れた形を見て、自分も光の強いドラゴンを使ってみようと思って。ただ、初手にギャイア3枚あって絶望しかなかったです……」
一方見事に初戦を勝利したすずの音。「4Cダーバンデ」という選択は、どのような意図によるものか。
すずの音「後期ランキングの一発目で4.8倍CSを3面優勝した知り合いのpuruliaからリストをもらいまして。《攻守の天秤》と《同期の妖精 / ド浮きの動悸》が入っているのが、ミラーに強く出れるんですよね。一般的な《煙幕の聖沌 k3mur1 / 聖沌忍法 メカくしの術》型だと《同期の妖精 / ド浮きの動悸》に吸われてしまうんですが、こっちは《攻守の天秤》なので相手の《同期の妖精 / ド浮きの動悸》が効かず、環境的にもダーバンデがトップと言われている中でミラーマッチも勝率が出せる構築というのが決め手になりました」
すずの音「本当はこのマッチでは《洗打の妖精》は《無敵剣 プロト・ギガハート》で返されちゃうんで、《PP-「P」》を添えながら殴らないといけないんですが、《キユリのASMラジオ》で見つからなくて、行くしかなかったです」
対戦中、《ネ申・マニフェスト》に《俳句爵 Drache der’Bande》を進化させるすずの音の姿が、2年半前に《エヴォ・ルピア》を《「正義星帝」 <ライオネル.Star>》に進化させていた姿と重なった。もしかすると今日このAichi Sky Expoの地で、二度目の響鐘が鳴り響くことになるかもしれない。
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すずの音 DMGP2025-2nd アドバンス構築 |
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ポテピ㌨!! DMGP2025-2nd アドバンス構築 |
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