DMGP2025-2nd Day1(アドバンス)Round 3:アーチー vs. いがぐり王子
ライター:鈴木 響太(ボルスズ)
撮影:坂井 郁弥
デュエマの王道フォーマットたるアドバンス。外部ゾーンが使えるその自由さ、デッキ強度の高さから、3ターンや4ターンで勝負の決まる刹那の電撃戦としてのイメージが強いこのフォーマットも、時にはスローペースな試合を強いられる。
それが権威者同士の戦いであれば、なおさら起こり得るというものだ。
かたや若き重鎮、いがぐり王子。10周年を迎えたDMGPの始まりから共に歩んできた彼も、今や立派なプリンスに成長している。
自身の得意とする5色系デッキの中でも、今回は直近のデュエキングでドラグナー方面やフィニッシャー方面に強化が入った【5cモルト】を携えて、王への道を邁進する。
対するは、逆張りキングダム始皇帝、アーチー 。本日のテーマは「コスプレ」らしく、逆張り始皇帝の第一人者のスタイルで威風堂々の出立ちのまま卓に着く。
試合開始前。アドバンス特有の超次元公開が始まると、さも「ドラグナーを使用したデッキですよ。」と言いたげなアーチー。
しかし、超次元のラインナップの中に潜む《頂上の精霊 ミラクルスZ》の存在が、逆張りの気配を匂わせる。
早くも不穏な空気に包まれる中、会話も少なめに戦いの火蓋は切られた。
先攻:アーチー
澱みなく《ブレイン・スラッシュ》をチャージするアーチーを受け、いがぐり王子は《龍風混成 ザーディクリカ》をマナへとチャージ。ともすればミラー戦を感じさせる両者のマナ。長丁場を思わせるスタートに、続く2ターン目もやはり慎重だ。
3ターン目、ついに始皇帝の逆張りヴェールが剥がれ始めた。アーチーがマナに埋めたのは《ウェディング・ゲート》!
そう、彼のチョイスは逆張りも逆張り。【ジャスティスループ】に他ならない。現環境に求められる水準の防御手段を持ったアンフェアデッキとして、相手の意識外から攻め込む姿はまさに邪道。逆張りキングダム始皇帝の本懐といったところか。
ただならぬ気配を感じ取ったいがぐり王子も、ここで動き出す。
自然単色マナとして《双龍覇王 バーサス=ザ=デッドマン》を埋めると、《PP-「P」》を召喚。
普段は不確実性の高い初動としてのメタ(妨害)クリーチャーだが、除去カードのコストが重くなりがちなことに加えて、即時攻撃手段を持たないこの対面では、十分マナ加速が見込める。
目論見通り、マナチャージのみで返すアーチーを《PP-「P」》が襲う。この時点で《龍風混成 ザーディクリカ》を絡めたビッグアクションに王手をかけているいがぐり王子は、是非とも5コストの始動カードを拾いたい。……しかし、能力で公開されたのは《最終龍覇 グレンモルト》と《ドンドン火噴くナウ》。とはいえ、悪くない。3→5→7路線へと即座に切り替えて、《ドンドン火噴くナウ》を回収したいがぐり王子は、返すターンで発動へ向かう。
トップの3枚唯一の単色を手札に、これで準備は万端。こうなると苦しいのはアーチーの方だ。
まさかの4ターンパス。手札にも墓地にも、有効なフィニッシュルートへのカードは持ち合わせていない。少々苦い顔を浮かべる中、このターンの選択は《真気楼と誠偽感の決断》での手札交換とシールド化。必殺には至らない。
分水嶺の5ターン目。ビッグアクションを制したのは、やはりいがぐり王子だった。いがぐり王子 「ジョニーJoeをチャージ。」
アーチー 「ジョニーJoe!?」
まさかのフィニッシャーがマナに置かれ驚きを見せたのも束の間、プレイされたのは《ロスト・Re:ソウル》。コンボデッキには痛恨の全ハンデスがアーチーへと襲いかかる!!
しかし、始皇帝の目はまだ死んでいない。《真気楼と誠偽感の決断》さえ引き込めば、チェインが始まる可能性は十二分に残されているからだ。マナも揃い、相手のメタクリーチャーもすでに除去した。
少しでも切り返しのタイミングを逃さないために、トップから来た《♪立ち上がる 悪魔に天使 堕ちるかな》を発動する。宣言は4、相手の墓地に見える《♪立ち上がる 悪魔に天使 堕ちるかな》で自身の行動を制限させないための牽制に使った形だ。
だが、若き王子はさらにその上をゆく。
マナチャージなしでプレイされたのは《音卿の精霊龍 ラフルル・ラブ / 「未来から来る、だからミラクル」》!!
呪文の完全なる静止。それは、スペルチェインコンボデッキを駆使するアーチーがもう1ターン手足を封じられたということに他ならない。
もはや王子の選択に、慈悲はない
7マナを捻ると、今回2体目となる《龍風混成 ザーディクリカ》の召喚から、《ドンドン火噴くナウ》のプレイへ移ると、一気にアクセルを全開へ!
《音卿の精霊龍 ラフルル・ラブ / 「未来から来る、だからミラクル」》の攻撃時、宣言されたのは必殺の革命チェンジ!!
《時の法皇 ミラダンテⅫ》の超臨から、《ドラゴンズ・サイン》→戻ってきた《音卿の精霊龍 ラフルル・ラブ / 「未来から来る、だからミラクル」》を再びバトルゾーンへ送り込む「ダンテラフルル」が炸裂!!!今が好機と言わんばかりに、残りのアタッカーで総攻撃を仕掛け、アーチーのシールドはもはや0枚。大方のクリーチャーと全ての呪文の静止。この絶対的な支配を切り返せるとしたら、タマシードなどの非クリーチャーエレメントぐらいのものだ。
逆張りを超えた逆張り、逆ギ張りレベルのカードは……いくら始皇帝と言えども重用してはいなかった。Winner:いがぐり王子
逆張りも、また別の逆張りの前には輝きを発揮しきれない。あらゆる傑物が集うDMGPで逆張ることの難しさを感じさせた。
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アーチー/はっちCS DMGP2025-2nd アドバンス構築 |
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いがぐり王子 DMGP2025-2nd アドバンス構築 |
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