ジュニアグランプリ2025 決勝戦:Ruka jr. vs. どらごん04
ライター:河野 真成(神結)
撮影:坂井 郁弥
その内訳は、以下の通りである。
2 火光自然ボルシャック
1 5cザーディクリカ
1 火闇自然レッドゾーン
1 光水闇ゼーロ
1 光水自然アルファディオス
1 水単サイバー
1 自然単キャベッジ
それぞれのデッキリストは、デッキリストのページや大会公式Xなどを追っていただけると幸いだ。
この大会は、全体的なデッキのレベルもプレイのレベルも高かったように思う。
《冥土人形ヴァミリア・バレル》+《修羅の死神フミシュナ / 「この先は修羅の道ぞ」》のクリーチャー側を使いこなすプレイヤーもいれば、複数のループパターンが絡むサイバーループを使うプレイヤーもいた。
個人的に衝撃だったのは《蝕王の晩餐》+≪サイバー・K・ウォズレック≫型のループをするゼーロを使うプレイヤーの存在であり、難解なデッキに対するチャレンジ精神やゲーム理解度、そしてアンテナの高さにただ驚くばかりであった。
そんな未来の……というよりも、今この時点で強豪と胸を張れるような、そんなプレイヤーたちが集まったこの大会だったが、それも遂に最後の試合を迎える。
そのカードはRuka jr. vs. どらごん04。
デッキは【光水自然アルファディオス】と【自然単キャベッジ】だ。
互いに、壮絶な準決勝を勝ち上がってきた。
Ruka jr.は《愛銀河マーキュリー・スターフォージ》2体の攻撃に対して《宇宙妖精エリンギ》から切り返し、見事な逆転勝利。
一方どらごん04も《轟く邪道 レッドゾーン》の波状攻撃を《超時空罠 デンジャデオン / 「トラップ?ちがうわ、お願いしてるだけ!」》の呪文側で耐え凌ぎ、《キャベッジ・セッションズ / ソイルピンプ・キャベッジ》のクリーチャー側からの逆襲で、こちらも逆転勝利を飾っていた。
さて、今年のジュニアグランプリは優勝者には新たな賞品が追加されている。
それは全国大会の出場権利だ。勝ったプレイヤーは、日本一への挑戦権を得られる。
だがその前に。
誰が同世代最強か、まずはそこから決めようじゃないか。
Game1
先攻:どらごん04じゃんけんで勝ったどらごん04が先攻。まずは《龍装者 ジスタジオ》のチャージからスタート。
対してRuka jr.は《理想と平和の決断》を埋めて、ターンを終える。
2ターン目、どらごん04は《ジャンボ・ラパダイス》からの発進。1枚だけ《ジャンボ・ラパダイス》が見えるものの、初動である《コレンココ・タンク / ボント・プラントボ》など、3枚の回収に成功した。
対してRuka jr.は《フェアリー・ライフ》で始動する。
3ターン目、どらごん04は先ほど手札に加えた≪ボント・プラントボ≫を唱える。しかし既に2枚見えていた筈の《ジャンボ・ラパダイス》がマナに落ちてしまい、1マナブーストに終わってしまう。
Ruka jr.は《理想と平和の決断》を唱えて、手札を増やしていく。大きな動きとしては、次のターンの《王導聖霊 アルファディオス》を見える展開。
だがどらごん04は冷静に、ここは《クイーン&かぼちゃうちゃう》を召喚してこれを咎めていく。
しかしこれはRuka jr.にとっても想定内だったが、《星光の精霊龍 ベルフォール》を召喚してこれに対抗する。
返しのどらごん04は、超魂レイドや《理想と平和の決断》を防ぐ≪Q.Q.G.QX.≫を召喚する。対してまだ《王導聖霊 アルファディオス》には届かないRuka jr.は、《宇宙妖精エリンギ》を召喚。マナを伸ばした上で、《Q.Q.G.QX. / 「この子はさわらせないわ!」》のクリーチャー側を回避できる進化元を用意した。
非常にジリジリとした展開となった1本目。
どらごん04のマナはチャージマナで7。1マナブーストとなってしまったのが響いている恰好だ。ここはノーチャージから、≪Q.Q.G.QX.≫の2枚目を置く。
一方、いよいよ準備の整ったRuka jr.は、5マナで《王導聖霊 アルファディオス》を《宇宙妖精エリンギ》の上にNEO進化で召喚する。そのままプレイヤーへと攻撃へ向かうと、効果で手札から《天革の騎令嬢 ミラクルステラ》を盤面に置きT・ブレイク。【自然単キャベッジ】の主要の受けとなる自然の呪文は、《王導聖霊 アルファディオス》が止めている。
これで、ターンを終了。
《星光の精霊龍 ベルフォール》に《天革の騎令嬢 ミラクルステラ》が睨みを利かす。
どらごん04は《地封龍 ギャイア》を召喚する。
さらに盤面が4体になってことで《うららかもも&ミノマル ー献身のヒロインー》を追加するが、ここは《天革の騎令嬢 ミラクルステラ》がRuka jr.とその盤面を守っている。ターンが返ってくれば、といった状況は作ったが……。
Ruka jr.は《地封龍 ギャイア》が効かない≪支配の精霊ペルフェクト≫を召喚すると、《王導聖霊 アルファディオス》でそのまま攻撃を宣言。クリーチャーは踏み倒さずに、そのまま残る2枚のシールドをブレイクしていく。
ここに反撃の手段はなく、決勝の1本目はまずRuka jr.が先行した。Ruka jr. 1-0 どらごん04
「ありがとうございました」
と互いにお辞儀をして、2本目の準備が始まる。
ジャッジにルールの確認をするどらごん04と、じっと次の試合を待つRuka jr.。
Ruka jr.は昨年の準優勝プレイヤーだ。使用していたのは、当時発売直後の【ファイアー・バード】。決勝では惜しくもmasaくんの【火光カウンター】に《頂上連結 ロッド・ゾージア5th》から制圧され、敗れてしまった。
実はRuka jr.の試合を本戦1回戦からちょくちょく見かけていたのだが、試合中は終始冷静であり、勝っても落ち着いているという印象だった。準決勝で逆転のトリガーを引いたときも、ゲームのルールの範囲でカードの使用を宣言するのみ……に、少なくとも筆者からは見えた。
昨年の決勝から1年間、厳しい修行を積んだ……何か修羅場を潜り抜けてきたような雰囲気も感じる。
やがてジャッジによるデッキカットも終わると、決勝2本目が開始される。
Game2
先攻:どらごん04どらごん04の初手は全体的にコストが重く、あまり嬉しくない。2ターン目、一旦引けた《クイーン&かぼちゃうちゃう》からスタートする。
対してRuka jr.は、先のゲームと同様に《フェアリー・ライフ》から発進していく。
3ターン目のどらごん04はチャージのみ。Ruka jr.はテンポよく《理想と平和の決断》を唱えると、これで回収と除去を選択して《クイーン&かぼちゃうちゃう》をシールドへと送る。ここでどらごん04のトップドローは《コレンココ・タンク / ボント・プラントボ》。1ターン遅れたが、ゲームへの参加券を得たどらごん04は、これをプレイすると、今度は2マナブーストに成功した。
だがゲームの主導権は、Ruka jr.が握っていた。4ターン目、マナにエンジェル・コマンドを揃えて《王導聖霊 アルファディオス》の召喚に成功すると、そのまま攻撃へと移行する。
そして《剛撃聖霊シェバ・エリクシア》を繰り出し、マナから《天革の騎令嬢 ミラクルステラ》を展開していく。反撃手段である≪ソイルピンプ・キャベッジ≫を使えないどらごん04は、《クイーン&かぼちゃうちゃう》を召喚するのみでターンを終了。
常に冷静に、そして丁寧にプレイしていたRuka jr.。思えば、第1ゲームも、妨害クリーチャーたちによる罠を見事に搔い潜っていた。
そしていよいよ、勝利の瞬間が近づいている。
まずは《理想と平和の決断》で《クイーン&かぼちゃうちゃう》を再びシールド送りにすると、《王導聖霊 アルファディオス》を起動。攻撃時に手札から登場したのは、《頂上連結 ロッド・ゾージア5th》。
Ruka jr.「今日のキーカードは……《頂上連結 ロッド・ゾージア5th》でした。ゼーロとかサイバーとかのループデッキが多くて、そこにループを止めながら打点を作れるのが強かったです」本人もそう語っていた、本日のMVP。
決して逆転を許さない1枚が、Ruka jr.に最後の勝利をもたらすべく盤面へと降り立つ。
そして奇しくもそれは、昨年の決勝で自分を打ち破ったmasaくんの切り札でもあった。
やがて《剛撃聖霊シェバ・エリクシア》で残るシールドを割ると、最後は《頂上連結 ロッド・ゾージア5th》が締めくくる。
ずっと抑えていた、勝利への喜び。
それは最後の最後に、渾身のガッツポーズとなって現れた。
Ruka jr. 2-0 どらごん04WINNER:Ruka jr.
1年前、Ruka jr.は決勝を戦った。結果は惜しくも優勝へと手は届かなかった。
あれから1年の時を経て、その栄冠を自らの力で引き寄せた。
会場内では終始落ち着いてプレイし、淡々と勝利を重ねて頂点へと辿り着いたかに見えた。
だが優勝の後、ようやく見せたガッツポーズとともに、観戦していた父がまず涙を流し、それにつられたのか、Ruka jr.も父へと抱きついて2人で……いや、電話先の母を含めて3人で喜びを分かち合っていた。
ふと、彼のデッキケースを見ると、そこには愛知で活躍するプレイヤーたちのサインが刻まれていた。それはきっと、自らの歩む先で戦うプレイヤーたちへのリスペクト。彼らと共に全国大会へ向かってデュエマをする日が、これから始まるのかもしれない。
だが何よりも、まず今日の最強を祝おうじゃないか。
おめでとう、Ruka jr.!
同世代たちの想いを背負い、全国へと羽ばたけ!
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