デュエル・マスターズ

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全国大会2015 3位決定戦:コバ vs. miwa

昨年の10月から4カ月に渡って行われた「デュエルマ・スターカップ全国大会」もいよいよ終わりが見えてきた。惜しくも決勝戦には届かなかったコバとmiwaだが、その表情に曇りは一切ない。共に関東エリアを勝ち抜いてここまできた2人が、今この瞬間に全力を注ごうとしている。

「絶対に俺が勝つ」という意気込みはもちろん必要だが、それ以上に「最大限楽しくデュエマをプレイしよう」という部分に2人の焦点が合っている事が、筆者としてはこのうえなく嬉しいところだ。

デュエルマ・スターカップ日本一決定戦、決勝戦の裏でもうひとつの最終戦が幕を開ける。

■Game 1

スイス・ラウンドの順位に則って、先攻はコバ。何度も繰り返すが、このマッチアップの先攻の重要度は、非常に重い。
後攻から始まるmiwaは毎ラウンドおなじみになりつつある、

「ここで、こんな手札が来ちゃうかぁ~」

と、苦悩した素振りのリアクションをしている、これが本当なのかどうかは戦いを見るまで分からない。

コバは、当然といわんばかりに第2ターンに 《一撃奪取 トップギア》 と叩きつけるが、対するmiwaは 《勇愛の天秤》 でトップギアを真っ先に除去。ひとまず最速の動きを封じる。

コバはあらためて4マナのソニック・コマンドを出し、 《超音速 ターボ3》へと侵略する。miwaのシールドからトリガーが出る事はなく、コバの手札は一気に補充される。

手札の差を埋められてしまい、かつトリガーも応えてくれないとなると、miwaの逆転勝利は一気に遠のく。

2ターン後、ダメ押しと言わんばかりのコバの連続侵略によって 《禁断 ー封印されしXー》 の封印が全て外され、コバの「禁断」が勢いよく裏返される。

しかし、そこに輝くのは ≪伝説の禁断 ドキンダムX≫ ではなく、”デュエルマ・スターカップ全国大会”の文字が描かれた特製スリーブ。

日本一決定戦に参加している選手のデッキ、ビデオマッチや競技性の尊重も含め、全国大会仕様のプロテクトに入れ替えられていたのだった。そのため、禁断解放する際にはただ裏返すのではなく、プロテクトから出し入れする必要があるのだが、当日いきなりプロテクトを変えていれば、目の前の試合に集中している手前、体が付いてこないのも納得だ。

そんな状況に2人は軽く笑いながら、miwaは負けを認め、カードを片付ける。

まずは、コバが鮮やかに1本先取。

■Game 2

日本一決定戦の決勝戦、および3位決定戦は3本制2本先取である。これは筆者の知る限りでも、デュエマ史上初の試みである。

そのため、miwaにもまだまだチャンスがあるし、今度のゲームの先攻はmiwaとなる。

くわえて彼のデッキは『先攻を取れば(ゲームは)落とさない』と自負するほど、同系に強烈なアプローチを誇る【火闇禁断侵略】だ。

コバはこのゲームでも 《一撃奪取 トップギア》 の先出しに成功するが、miwaは 《停滞の影タイム・トリッパー》 を合わせ、コバの最速アクションを封じる。

miwaの第4ターン、 《轟速 ザ・ゼット》 の着地から攻撃と侵略が宣言され、重ねられるのは 《轟く侵略 レッドゾーン》《超音速 ターボ3》 。今度はmiwaが手札を補充し、一気に有利な盤面を作る。

コバも負けじと 《革命の鉄拳》 で、miwaのクリーチャーを撃墜する。

しかし、今度はmiwaが満を持しての禁断解放。先ほどのお返しにといわんばかりに、勢いよくカードを裏返す。

……しかし、現れたのは“デュエルマ・スターカップ全国大会”の特製プロテクト。

miwaが「これ本当にありますよねー」と明るく話しかけ、コバもそれに応えて共感を示しながら、笑う。これで1勝1敗の同点。決着は3本目にもつれる形となった。

最後のゲームの準備をする際も、2人の和やかなトークは続く。

コバ「先攻とられるとやっぱりきっついなぁ」

miwa「次のターンGT出てましたよね?このターンで勝ててよかった!それにしたって、毎回2ターン目にトップギアが出せるなんて、羨ましいですよ」

コバ「今日はさすがに運がいいかな。デュエル・マスターズって本当に面白い!」

miwa「最後の1戦も、楽しくやりたいですね!」

やがて3ゲーム目の準備を終えると、真っ先にコバは手を差し出した。

コバ「よろしくお願いします!」

もちろんmiwaもその握手に気持ち良く応える。

両者は本当にデュエル・マスターズが好きで、この瞬間を楽しんでいる事がひしひしと伝わってくる。勝敗以上に互いを尊重し合って、1戦1戦重ねていく、素晴らしいプレイヤー達だと感じた。

次が、いよいよ最後の1戦。勝った方は少なくとも”関東最強のプレイヤー”を名実ともに得られるはずである。

■Game 3

先攻はふたたびコバ。この手番は、そのまま勝敗を決するのだろうか……?

コバは 《終末の時計 ザ・クロック》 、miwaは 《凶殺皇 デス・ハンズ》 のマナチャージからスタート。

そしてコバの第2ターン。

……ここに来て、とうとう、コバはマナチャージのみでターンを返す。

そしてmiwaは 《一撃奪取 トップギア》 を召喚。表情は真剣そのもので、次のターンを静かに待つ。

第3ターン。コバは 《熱き侵略 レッドゾーンZ》 をマナに置きながら、 《終末の時計 ザ・クロック》 を召喚。避けようのない手札事故が起きてしまった事を盤面で示す。

――勝負は時として、非情な一面を見せる事もある。

miwaのターン、 《轟速 ザ・ゼット》 が召喚され、侵略によって重ねられる《轟く侵略 レッドゾーン》 。クロックが蹴散らされ、コバのシールドがブレイクされていく。その中に、逆転へとつながるトリガーは、ない。トップギアも攻撃に加わり、コバのシールドは残り1枚。

そっと返されたコバのターン。 《一撃奪取 トップギア》 を召喚すると、ターン終了を宣言。

miwaは 《轟速 ザ・レッド》 を攻め手に追加、 《熱き侵略 レッドゾーンZ》に侵略して最後のシールドを墓地に置くと、コバはぐっと手札を構え、「ありません」と一言。

最後の最後に引きに恵まれず、悔しい思いをしたコバだが、そんな状況下でも自身に勝利したmiwaを称えるべく、あるいは最高の舞台で行った試合に敬意を表するべく、真っ先に手を差しだして、一言こう言った。

コバ「対戦、ありがとうございました!」

どんな状況であっても、その瞬間を楽しむ事、相手にリスペクトの意を示すのが大事なのだと、筆者も勉強させられた貴重な一戦であった。この2人もまた、最高峰のプレイヤーなのであろう。

この場を借りてもう一度、日本一決定戦という舞台を楽しみきった2人に、敬意を表したい。

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